247 / 340
どたばた大騒動?
219.一緒に行こう
しおりを挟む
モンちゃんとお別れした後は、スラリンとオギンを帰還させて、アリスちゃんたちのお迎えに出発です。
まずははじまりの街へ転移。
ランドさんの薬屋の裏口に着いたから、そのままノックした。
「こーんにーちはー。ランドさんいるー?」
「――おう。久しぶりだな、モモ」
ランドさんが扉を開けてくれた。
アリスちゃんはまだ準備中らしいので、中で待たせてもらう。
「薬草と魔力草、納品するね」
「助かる。モモの農地で採れたのは、品質がいいからな~」
嬉しそうなランドさんに、たくさん納品した。お金をたくさんゲットです。まぁ、お店の利益の方がすごく大きいんだけど、こういう関係性を保つのも大切だよね。
「他に納品依頼はない?」
「そうだな……滋養草を育てられるなら、頼みたい」
「なに、それ?」
初めて聞いたアイテム名だ。
僕がぽかんとしてたら、ランドさんが「持続回復薬を作成する際に使う素材だ」と説明してくれた。
持続回復薬とは、使用すると一時間体力あるいは魔力を持続的に回復できる薬らしい。僕が持ってる自動回復スキルに似てるかも。
「滋養草の種をやるから、育ててくれないか?」
「いいよー。収穫できるまで、待っててね!」
種までプレゼントしてくれるって優しいなぁ、と思ったら、すぐにアナウンスが聞こえてきた。
〈ミッション『滋養草の栽培・納品』が開始しました。達成報酬は【持続回復薬のレシピ】です〉
レシピ、だと!?
このアイテム作って、お店で売りたい! ミッション達成できるようがんばらなきゃ。
るんるんとしながら気合いを入れてたら、二階からアリスちゃんが下りてきた。今日も可愛い! 淡いピンクのエプロンドレスがよく似合ってる。僕の色に合わせてくれたのかな?
「モモ、待たせてごめんねー」
「ううん、全然待ってないよ。アリスちゃん、可愛いね」
「モモもいつも通りかわいいよ」
アリスちゃんの笑顔に癒やされる~。
「ありがと。この後、イザベラちゃんと一緒に、僕の屋敷でお茶会にするからね」
今日のお茶会のために、屋敷の二階を綺麗に飾ってきたんだ。準備万端だよ。
「たのしみ! はやく行こう!」
「うん! ランドさん、ちょっとアリスちゃんをお預かりするねー」
「おう。モモと一緒なら、不安はないぞ。アリス、楽しんでこい」
「パパ、いってきます!」
ランドさんと別れて、次に向かうのは第二の街。
イザベラちゃんが待ってくれてるはず。
というわけで、アリスちゃんを僕の転移スキルに便乗させて、出発です。
着いたのは僕のお店の前。ここで待ち合わせしてるんだ。
「――わあ、このまち、久しぶり」
「グルメ大会以来?」
「うん。これがモモのお店? うさぎちゃん、かわいいね!」
うさ耳がついたお店はすごく目立つ。アリスちゃんが褒めてくれて僕も嬉しい。
二号店がオープンした影響で、今日はお客さんが詰めかけてないみたい。騒がしいことにならなくて済んで良かった。
「ありがとー。イザベラちゃんはそろそろ来るはずなんだけど――あっ」
「モモ! 待たせてしまったかしら」
ちょうどいいタイミングで、イザベラちゃんが馬車に乗ってやって来た。シシリーと護衛も一緒だ。
今日はラベンダー色のワンピースを着て、ふんわりしたシニヨンヘアが可愛らしい。アリスちゃんと比べてみると、イザベラちゃんの方がお姉さんな感じだね。
「全然待ってないよー。会えて嬉しい!」
「わたくしもよ。そちらがアリス様かしら?」
「あ、わたし、平民だから……」
「それなら、アリスちゃんと呼ぶわね。わたくしのことはベラと呼んで。もちろん、モモもそう呼んでくれたら嬉しいわ」
再会して早々にあだ名呼び許可をもらっちゃった。
「ベラちゃんって呼ぶね!」
「わたしはベラ様って呼んでもいいですか?」
「ええ。敬語もいらないわよ。わたくしとお友だちになってほしいわ」
にっこりと笑ったベラちゃんは、前より大人になった雰囲気だ。呪いの影響がなくなって、周囲の人と上手くコミュニケーションできるようになったからかな。
アリスちゃんと仲良くなれそうで、僕も嬉しい。
「シシリーも久しぶり~」
「お久しぶりです、モモさん」
微笑みながら見守ってたシシリーとも挨拶を交わし、みんなで第三の街に移動です。
移動には空間転移ドロップ(キーリ)を使うよ。みんなにプレゼント。
第三の街の結界の影響を受けないようにするブレスレットも配った。
「準備はオッケー? それでは、キーリまでレッツゴー!」
みんなで一斉に空間転移ドロップを食べる。
一瞬後には、目の前に大きな噴水が見えた。第三の街の転移ポイントは、街中央区にある『大噴水』だったらしい。ここからなら、どの区画にも行きやすくていいね。
「まあ! 噂では聞いていたけれど、モモが作ったアイテムはすごいのね。一瞬で着いたわ」
「すごーい! このまち、ふしぎな雰囲気だね!」
きゃあきゃあ、とはしゃいでるベラちゃんとアリスちゃんに、僕も「だよねー」と一緒に盛り上がる。
シシリーたちはアイテムボックスに収納していた馬車を即座に取り出し、出発の準備を整えていた。
「モモさんのお屋敷は東区でしたよね?」
「うん。みんなで馬車に乗って観光しながら行こうね」
「ええ、楽しみだわ」
「観光案内してね!」
ベラちゃんたちに期待の目を向けられたんだけど、僕が案内できるとこって、美味しいグルメを売ってるところくらいだよ? それでいいのかな?
まずははじまりの街へ転移。
ランドさんの薬屋の裏口に着いたから、そのままノックした。
「こーんにーちはー。ランドさんいるー?」
「――おう。久しぶりだな、モモ」
ランドさんが扉を開けてくれた。
アリスちゃんはまだ準備中らしいので、中で待たせてもらう。
「薬草と魔力草、納品するね」
「助かる。モモの農地で採れたのは、品質がいいからな~」
嬉しそうなランドさんに、たくさん納品した。お金をたくさんゲットです。まぁ、お店の利益の方がすごく大きいんだけど、こういう関係性を保つのも大切だよね。
「他に納品依頼はない?」
「そうだな……滋養草を育てられるなら、頼みたい」
「なに、それ?」
初めて聞いたアイテム名だ。
僕がぽかんとしてたら、ランドさんが「持続回復薬を作成する際に使う素材だ」と説明してくれた。
持続回復薬とは、使用すると一時間体力あるいは魔力を持続的に回復できる薬らしい。僕が持ってる自動回復スキルに似てるかも。
「滋養草の種をやるから、育ててくれないか?」
「いいよー。収穫できるまで、待っててね!」
種までプレゼントしてくれるって優しいなぁ、と思ったら、すぐにアナウンスが聞こえてきた。
〈ミッション『滋養草の栽培・納品』が開始しました。達成報酬は【持続回復薬のレシピ】です〉
レシピ、だと!?
このアイテム作って、お店で売りたい! ミッション達成できるようがんばらなきゃ。
るんるんとしながら気合いを入れてたら、二階からアリスちゃんが下りてきた。今日も可愛い! 淡いピンクのエプロンドレスがよく似合ってる。僕の色に合わせてくれたのかな?
「モモ、待たせてごめんねー」
「ううん、全然待ってないよ。アリスちゃん、可愛いね」
「モモもいつも通りかわいいよ」
アリスちゃんの笑顔に癒やされる~。
「ありがと。この後、イザベラちゃんと一緒に、僕の屋敷でお茶会にするからね」
今日のお茶会のために、屋敷の二階を綺麗に飾ってきたんだ。準備万端だよ。
「たのしみ! はやく行こう!」
「うん! ランドさん、ちょっとアリスちゃんをお預かりするねー」
「おう。モモと一緒なら、不安はないぞ。アリス、楽しんでこい」
「パパ、いってきます!」
ランドさんと別れて、次に向かうのは第二の街。
イザベラちゃんが待ってくれてるはず。
というわけで、アリスちゃんを僕の転移スキルに便乗させて、出発です。
着いたのは僕のお店の前。ここで待ち合わせしてるんだ。
「――わあ、このまち、久しぶり」
「グルメ大会以来?」
「うん。これがモモのお店? うさぎちゃん、かわいいね!」
うさ耳がついたお店はすごく目立つ。アリスちゃんが褒めてくれて僕も嬉しい。
二号店がオープンした影響で、今日はお客さんが詰めかけてないみたい。騒がしいことにならなくて済んで良かった。
「ありがとー。イザベラちゃんはそろそろ来るはずなんだけど――あっ」
「モモ! 待たせてしまったかしら」
ちょうどいいタイミングで、イザベラちゃんが馬車に乗ってやって来た。シシリーと護衛も一緒だ。
今日はラベンダー色のワンピースを着て、ふんわりしたシニヨンヘアが可愛らしい。アリスちゃんと比べてみると、イザベラちゃんの方がお姉さんな感じだね。
「全然待ってないよー。会えて嬉しい!」
「わたくしもよ。そちらがアリス様かしら?」
「あ、わたし、平民だから……」
「それなら、アリスちゃんと呼ぶわね。わたくしのことはベラと呼んで。もちろん、モモもそう呼んでくれたら嬉しいわ」
再会して早々にあだ名呼び許可をもらっちゃった。
「ベラちゃんって呼ぶね!」
「わたしはベラ様って呼んでもいいですか?」
「ええ。敬語もいらないわよ。わたくしとお友だちになってほしいわ」
にっこりと笑ったベラちゃんは、前より大人になった雰囲気だ。呪いの影響がなくなって、周囲の人と上手くコミュニケーションできるようになったからかな。
アリスちゃんと仲良くなれそうで、僕も嬉しい。
「シシリーも久しぶり~」
「お久しぶりです、モモさん」
微笑みながら見守ってたシシリーとも挨拶を交わし、みんなで第三の街に移動です。
移動には空間転移ドロップ(キーリ)を使うよ。みんなにプレゼント。
第三の街の結界の影響を受けないようにするブレスレットも配った。
「準備はオッケー? それでは、キーリまでレッツゴー!」
みんなで一斉に空間転移ドロップを食べる。
一瞬後には、目の前に大きな噴水が見えた。第三の街の転移ポイントは、街中央区にある『大噴水』だったらしい。ここからなら、どの区画にも行きやすくていいね。
「まあ! 噂では聞いていたけれど、モモが作ったアイテムはすごいのね。一瞬で着いたわ」
「すごーい! このまち、ふしぎな雰囲気だね!」
きゃあきゃあ、とはしゃいでるベラちゃんとアリスちゃんに、僕も「だよねー」と一緒に盛り上がる。
シシリーたちはアイテムボックスに収納していた馬車を即座に取り出し、出発の準備を整えていた。
「モモさんのお屋敷は東区でしたよね?」
「うん。みんなで馬車に乗って観光しながら行こうね」
「ええ、楽しみだわ」
「観光案内してね!」
ベラちゃんたちに期待の目を向けられたんだけど、僕が案内できるとこって、美味しいグルメを売ってるところくらいだよ? それでいいのかな?
1,168
お気に入りに追加
3,731
あなたにおすすめの小説

【完結】私の見る目がない?えーっと…神眼持ってるんですけど、彼の良さがわからないんですか?じゃあ、家を出ていきます。
西東友一
ファンタジー
えっ、彼との結婚がダメ?
なぜです、お父様?
彼はイケメンで、知性があって、性格もいい?のに。
「じゃあ、家を出ていきます」

女子力の高い僕は異世界でお菓子屋さんになりました
初昔 茶ノ介
ファンタジー
昔から低身長、童顔、お料理上手、家がお菓子屋さん、etc.と女子力満載の高校2年の冬樹 幸(ふゆき ゆき)は男子なのに周りからのヒロインのような扱いに日々悩んでいた。
ある日、学校の帰りに道に悩んでいるおばあさんを助けると、そのおばあさんはただのおばあさんではなく女神様だった。
冗談半分で言ったことを叶えると言い出し、目が覚めた先は見覚えのない森の中で…。
のんびり書いていきたいと思います。
よければ感想等お願いします。

最悪のゴミスキルと断言されたジョブとスキルばかり山盛りから始めるVRMMO
無謀突撃娘
ファンタジー
始めまして、僕は西園寺薫。
名前は凄く女の子なんだけど男です。とある私立の学校に通っています。容姿や行動がすごく女の子でよく間違えられるんだけどさほど気にしてないかな。
小説を読むことと手芸が得意です。あとは料理を少々出来るぐらい。
特徴?う~ん、生まれた日にちがものすごい運気の良い星ってぐらいかな。
姉二人が最新のVRMMOとか言うのを話題に出してきたんだ。
ゲームなんてしたこともなく説明書もチンプンカンプンで何も分からなかったけど「何でも出来る、何でもなれる」という宣伝文句とゲーム実況を見て始めることにしたんだ。
スキルなどはβ版の時に最悪スキルゴミスキルと認知されているスキルばかりです、今のゲームでは普通ぐらいの認知はされていると思いますがこの小説の中ではゴミにしかならない無用スキルとして認知されいます。
そのあたりのことを理解して読んでいただけると幸いです。
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)

【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。
鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。
鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。
まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。

こちらの異世界で頑張ります
kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で
魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。
様々の事が起こり解決していく

私はいけにえ
七辻ゆゆ
ファンタジー
「ねえ姉さん、どうせ生贄になって死ぬのに、どうしてご飯なんて食べるの? そんな良いものを食べたってどうせ無駄じゃない。ねえ、どうして食べてるの?」
ねっとりと息苦しくなるような声で妹が言う。
私はそうして、一緒に泣いてくれた妹がもう存在しないことを知ったのだ。
****リハビリに書いたのですがダークすぎる感じになってしまって、暗いのが好きな方いらっしゃったらどうぞ。

辺境地で冷笑され蔑まれ続けた少女は、実は土地の守護者たる聖女でした。~彼女に冷遇を向けた街人たちは、彼女が追放された後破滅を辿る~
銀灰
ファンタジー
陸の孤島、辺境の地にて、人々から魔女と噂される、薄汚れた少女があった。
少女レイラに対する冷遇の様は酷く、街中などを歩けば陰口ばかりではなく、石を投げられることさえあった。理由無き冷遇である。
ボロ小屋に住み、いつも変らぬ質素な生活を営み続けるレイラだったが、ある日彼女は、住処であるそのボロ小屋までも、開発という名目の理不尽で奪われることになる。
陸の孤島――レイラがどこにも行けぬことを知っていた街人たちは彼女にただ冷笑を向けたが、レイラはその後、誰にも知られずその地を去ることになる。
その結果――?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる