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どたばた大騒動?
212.プレゼントだよー
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モンちゃん・リカちゃんと別れた後は、農地に行って早速黄金林檎の苗を植えてみた。しっかり育つんだぞー。
そして、忘れる前にルトに連絡しておく。もちろんストーリーミッションについて教えたんだけど、内容がとっても薄い。だって、ミッションの説明が『???』ばっかりで謎に満ちてるんだもん。
ルトからは「もっと詳しい情報はないのか?」と返事が来たけど、「まだわからなーい」と答えるしかなかった。
それに対して「俺の方でも調べてみる」って返ってきたから、ルトもたまには頼りになるよねー。
「たまにはってなんだよっ」というツッコミが聞こえた気がするのは錯覚です。たぶん、きっと。
「よーし、それじゃあ、スラリンたちの育成がんばるぞー」
当面のタスクを片付けて、改めて気合いを入れる。
向かうのは第三の街だ。狂化モンスターについてのストーリーミッションが始まったことだし、スラリンたちを成長させるついでに、討伐依頼もこなしていきたい。
そのために必要なアイテムを、まずは屋敷の工房で作成することにした。バトルを有利に運ぶためには、装備を使って能力をかさ増しするのが鉄則だし。
「スラリンはやっぱり王冠かな~」
ハロウィンパーティーでスラリンがしていた仮装を思い出して、錬金術レシピを検索してみる。
テイムモンスターはアクセサリーを一つ装備できる。見た目を着飾るだけならいくらでも付けられるんだけど、効果を発現できるっていう意味では一個しかダメなんだ。
だから、見た目だけじゃなくて効果もしっかり吟味して、プレゼントするアクセサリーのレシピを探した。
「きゅぃ(王冠~。僕、キングじゃなくても、プリンスにはなれるかな?)」
「え、スライムにはそんな種族があるの?」
「きゅーぃ(え、知らないよ)」
なんでやねん。
きょとんとしてるスラリンを見て、なぜか関西弁のツッコミが頭に浮かんだ。
スライムキングがいるなら、スライム王国のクイーンとかプリンスがいてもおかしくないよね、って一瞬思っちゃった。でも、そもそもスライム王国なんて聞いたことないや。
スライムいっぱいの地下国家とかあったら、ロマンを感じるけどねー。
スライムプリンスって、字面だけ見るとゼリーかプリンの形態をした生き物っぽいと思うのは僕だけかな。美味しそう。食べないけど。
なんてよそ事を考えながら、いくつかの錬金術レシピから一つのアクセサリーを選び出す。
「ねー、これどう?」
スラリンに示して見せたのは、無魔石を使ったアクセサリーだ。名前は【無冠の王冠】となっていて、正直ネーミングセンスないなぁって感じ。冠があるんだかないんだか、どっちなの? って聞きたくなるよね。
でも、効果は結構いいんだ。『物理攻撃力+10、防御力+10、無属性攻撃の効果上昇』で、スラリンにピッタリだと思う。
スライムのステータスはあまり高くないから、せめて戦闘ですぐ離脱することがないよう、防御力を底上げしておきたい。
「きゅっ(カッコいい!)」
スラリンが体を揺らす。テンションが上がってるみたい。
無冠の王冠はガラスで作られてるみたいに透明でキラキラしてる。きっとスラリンに似合うだろうな。
使う素材は【無魔石】三つだけなので、早速作成する。
ピカッと光った後に錬金布に現れた無冠の王冠は、繊細な作りでやっぱり綺麗だった。
ワクワクとした眼差しで見つめてくるスラリンの頭に載せてみる。
〈スラリンに【無冠の王冠】を装備させました〉
アナウンスを聞き流しながら、スラリンに「どう? 邪魔にならなそう?」と尋ねた。
すぐさま「きゅぃ(すごくフィットしてるよ! さすがモモ!)」と答えが返ってきて、ニマニマしちゃう。
褒められるのはいつだって嬉しいよ。すごいのは、錬金術システムを開発した人だけどね!
「気に入ってくれたなら良かったー。次はユキマルのアクセサリーを探すね」
「ぴぅ(どんなのを作ってくれるの?)」
スラリンの横で待っていたユキマルが、期待を抑えきれない様子で体を揺らす。
どんなのにしようかなー。スラリンとお揃いでもいいんだけど、せっかく光属性のモンスターなんだから、特別なものがいいよね。
「光属性に効果があるアクセサリーは……【光のクロス帽】かなぁ」
見つけたレシピは十字架の柄がある白いベレー帽だった。これもアクセサリーに分類されるんだね?
ちょっとだけ特殊な素材を使うみたいだけど、ストレージの中に在庫があったはず。
すぐさまストレージに向かって、素材を回収した。必要なのは【光の雫】【白絹】【金糸】だ。どれもいつの間にか買い取りに出されていたもの。どんなモンスターからドロップするのか気になる。時間ができたら調べてみよう。
「【錬金スタート】!」
再び錬金術を使って作成した。
出来上がった帽子をユキマルに被せてみる。
「おー、おしゃれな感じだよ」
「ぴぅ(そう? 嬉しいな)」
「ちなみに効果は『物理攻撃力+10、魔力攻撃力+10、光属性攻撃の効果上昇』らしいよ」
「ぴーぅ(これでもっとモモの役に立てそう!)」
目を上に向けてなんとか帽子を見ようとしてる姿が可愛い。
にこにこと微笑みながら「頼りにしてるよー」と答えておいた。ユキマルには貴重な回復役として活躍してもらえそうだな。
「きゅぃ(ペタたちには、なにを作るの?)」
満足感で頷いていると、スラリンがツンツンとつついてきた。
スラリンの傍で、ペタたちが期待の滲んだ目を向けてくる。
「今から探すよ! とびっきり良いものにするから、安心してね」
さぁて、どんなのにしようかなー。
そして、忘れる前にルトに連絡しておく。もちろんストーリーミッションについて教えたんだけど、内容がとっても薄い。だって、ミッションの説明が『???』ばっかりで謎に満ちてるんだもん。
ルトからは「もっと詳しい情報はないのか?」と返事が来たけど、「まだわからなーい」と答えるしかなかった。
それに対して「俺の方でも調べてみる」って返ってきたから、ルトもたまには頼りになるよねー。
「たまにはってなんだよっ」というツッコミが聞こえた気がするのは錯覚です。たぶん、きっと。
「よーし、それじゃあ、スラリンたちの育成がんばるぞー」
当面のタスクを片付けて、改めて気合いを入れる。
向かうのは第三の街だ。狂化モンスターについてのストーリーミッションが始まったことだし、スラリンたちを成長させるついでに、討伐依頼もこなしていきたい。
そのために必要なアイテムを、まずは屋敷の工房で作成することにした。バトルを有利に運ぶためには、装備を使って能力をかさ増しするのが鉄則だし。
「スラリンはやっぱり王冠かな~」
ハロウィンパーティーでスラリンがしていた仮装を思い出して、錬金術レシピを検索してみる。
テイムモンスターはアクセサリーを一つ装備できる。見た目を着飾るだけならいくらでも付けられるんだけど、効果を発現できるっていう意味では一個しかダメなんだ。
だから、見た目だけじゃなくて効果もしっかり吟味して、プレゼントするアクセサリーのレシピを探した。
「きゅぃ(王冠~。僕、キングじゃなくても、プリンスにはなれるかな?)」
「え、スライムにはそんな種族があるの?」
「きゅーぃ(え、知らないよ)」
なんでやねん。
きょとんとしてるスラリンを見て、なぜか関西弁のツッコミが頭に浮かんだ。
スライムキングがいるなら、スライム王国のクイーンとかプリンスがいてもおかしくないよね、って一瞬思っちゃった。でも、そもそもスライム王国なんて聞いたことないや。
スライムいっぱいの地下国家とかあったら、ロマンを感じるけどねー。
スライムプリンスって、字面だけ見るとゼリーかプリンの形態をした生き物っぽいと思うのは僕だけかな。美味しそう。食べないけど。
なんてよそ事を考えながら、いくつかの錬金術レシピから一つのアクセサリーを選び出す。
「ねー、これどう?」
スラリンに示して見せたのは、無魔石を使ったアクセサリーだ。名前は【無冠の王冠】となっていて、正直ネーミングセンスないなぁって感じ。冠があるんだかないんだか、どっちなの? って聞きたくなるよね。
でも、効果は結構いいんだ。『物理攻撃力+10、防御力+10、無属性攻撃の効果上昇』で、スラリンにピッタリだと思う。
スライムのステータスはあまり高くないから、せめて戦闘ですぐ離脱することがないよう、防御力を底上げしておきたい。
「きゅっ(カッコいい!)」
スラリンが体を揺らす。テンションが上がってるみたい。
無冠の王冠はガラスで作られてるみたいに透明でキラキラしてる。きっとスラリンに似合うだろうな。
使う素材は【無魔石】三つだけなので、早速作成する。
ピカッと光った後に錬金布に現れた無冠の王冠は、繊細な作りでやっぱり綺麗だった。
ワクワクとした眼差しで見つめてくるスラリンの頭に載せてみる。
〈スラリンに【無冠の王冠】を装備させました〉
アナウンスを聞き流しながら、スラリンに「どう? 邪魔にならなそう?」と尋ねた。
すぐさま「きゅぃ(すごくフィットしてるよ! さすがモモ!)」と答えが返ってきて、ニマニマしちゃう。
褒められるのはいつだって嬉しいよ。すごいのは、錬金術システムを開発した人だけどね!
「気に入ってくれたなら良かったー。次はユキマルのアクセサリーを探すね」
「ぴぅ(どんなのを作ってくれるの?)」
スラリンの横で待っていたユキマルが、期待を抑えきれない様子で体を揺らす。
どんなのにしようかなー。スラリンとお揃いでもいいんだけど、せっかく光属性のモンスターなんだから、特別なものがいいよね。
「光属性に効果があるアクセサリーは……【光のクロス帽】かなぁ」
見つけたレシピは十字架の柄がある白いベレー帽だった。これもアクセサリーに分類されるんだね?
ちょっとだけ特殊な素材を使うみたいだけど、ストレージの中に在庫があったはず。
すぐさまストレージに向かって、素材を回収した。必要なのは【光の雫】【白絹】【金糸】だ。どれもいつの間にか買い取りに出されていたもの。どんなモンスターからドロップするのか気になる。時間ができたら調べてみよう。
「【錬金スタート】!」
再び錬金術を使って作成した。
出来上がった帽子をユキマルに被せてみる。
「おー、おしゃれな感じだよ」
「ぴぅ(そう? 嬉しいな)」
「ちなみに効果は『物理攻撃力+10、魔力攻撃力+10、光属性攻撃の効果上昇』らしいよ」
「ぴーぅ(これでもっとモモの役に立てそう!)」
目を上に向けてなんとか帽子を見ようとしてる姿が可愛い。
にこにこと微笑みながら「頼りにしてるよー」と答えておいた。ユキマルには貴重な回復役として活躍してもらえそうだな。
「きゅぃ(ペタたちには、なにを作るの?)」
満足感で頷いていると、スラリンがツンツンとつついてきた。
スラリンの傍で、ペタたちが期待の滲んだ目を向けてくる。
「今から探すよ! とびっきり良いものにするから、安心してね」
さぁて、どんなのにしようかなー。
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