もふもふで始めるのんびり寄り道生活 ~便利なチートフル活用でVRMMOの世界を冒険します!

ゆるり

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どたばた大騒動?

198.特別なお仕事

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 イグニスさんのことを説明したら、モンちゃんは『頭痛が痛い』みたいな顔をしてた。レアナさんは「あらまぁ」と微笑んでる。少し口元が引き攣っているように見えなくもないけど。

「……そうか。それなら、お前に様子見を頼んだほうがいいのか?」
「どういうこと?」
「俺は国王陛下から、定期的に古竜エンシェントドラゴンの様子を確認するよう頼まれてるんだ。本来まだ報告を上げる時期じゃないんだが、目立った動きがあったからには、一応確認する必要がある」

 さすが国一番のテイマーだ。国王から頼み事をされるなんて。

「第二の街の門衛さんには、イグニスさんの話をしたよ?」
「冒険者一人、しかも異世界からの旅人の報告じゃ、信憑性が薄いし、上には届いてないだろうな」

 なんと。せっかくがんばってお話したのにぃ。
 しょんぼりと肩を落としていたら、慰めるように頭をポンポンと撫でられた。

「……僕が改めて様子を見に行ったところで、信憑性がないなら、意味ないってことになるんじゃない?」
「俺がモモから聞いたことを報告として上げれば問題ない。モモの情報が正しいと、俺が保証することになるからな」

 当たり前のようにさらっと言ったけど、それって、モンちゃんが僕のことすごく信頼してるってことだよね。なんか嬉しいかも。

 上目遣いで窺ったら、モンちゃんは「うん?」と不思議そうに首を傾げた。レアナさんが微笑ましそうに見守ってる。

「様子見ってなにするの?」
古竜エンシェントドラゴンが暴れる様子がないか、困ったことはないか――とにかく古竜エンシェントドラゴンの周りで異常がないかを確認するんだ。万が一、人に対して悪感情が芽生えていたら、それを解消するよう努めなけりゃならねぇからな」
「へぇ、よくわかんないけど、おしゃべりして『困ったことありませんかー』って聞けばいいんだね?」

 僕が頷きながら言ったら、モンちゃんはなんとも言えない表情で「簡単なことみたいに言いやがる」と呟いた。
 どういう意味だろう?

「……モモが、それをできるって言うんなら、そうしてくれるのが一番良いな。くれぐれも不興を買わねぇようにするんだぞ」
「うん、たぶん大丈夫」

 イグニスさんのことをよく知ってると断言はできないから、曖昧にしか答えられない。

「モモなら、やらかすことはあっても、たいていのことは大丈夫にしてくれる気がする」
「それは褒められてるのかな?」
「好きなように受け取れ」
「そっか。じゃあ、ありがとー」
「自己肯定感が高いのは良いことだ」

 僕の長所です。
 ふんす、と胸を張ったところで、モンちゃんから紙を渡された。『依頼書』と書かれてる。

〈テイマー・モンハから上級特別任務『古竜エンシェントドラゴンの観察』を依頼されました。はじまりの街・ノース街道サクノ山で古竜エンシェントドラゴンを観察し、その様子をモンハに報告しましょう〉

 アナウンスの後、改めて依頼書を確認する。達成報酬は『???』となってた。なにをもらえるんだろう?

 というか上級特別任務って初めて聞いた。
 ヘルプによると、異世界の住人NPCの中でも、王や領主から任された依頼のことを特別任務と呼ぶらしく、特級・上級・中級・下級で分かれてるらしい。

 いきなり上級かー。よくわかんないけど、すごそう。

「受けてくれるよな?」
「うん、任せてー」

 イグニスさん、怒らせたら怖いだろうけど、普通に話すだけなら問題ないはず。

 僕が請け負ったら、モンちゃんは「第三の街が心配だ」と言って、レアナさんを連れてそそくさと帰っちゃった。
 あの街、そんなにヤバい状態なのかな? そんな感じには思えないんだけどなぁ。

 不思議に思いながらも、とりあえず受けた任務をがんばろうと、ノース街道に向かうことにした。


◇◆◇ 


 イグニスさんがいるところまでは、長い洞窟を通らなきゃいけない。
 良い機会だからテイムしたモンスターたちとの連携を高めようと思って、召喚してみた。

「【召喚】スラリン、ユキマル」

 突進土竜ラッシュモールが掘った穴を通るので、体が大きなショコラたちは喚べない。ということで、今回はスライム二体と一緒に進むよ。

「きゅい!」
「ぴぅ!」

 やる気十分なスラリンの横で、ユキマルが周囲を見渡した途端、ピカッと白く光った。泡光ソフライトスキルで周囲を照らしてくれてるんだ。便利!

「敵が近づいてきたら、警戒色お願いねー。スラリンは攻撃だよ」

 指示を出すと、二体ともぽよんと跳んで『まかせてー』と答えてくれた。ほんと頼りになる仲間だよ。

 僕は補助スキルを使っておこうかな。
 天からの祝福アンジュブレス天の祈りアンジュプレ、あとは歌唱スキルの意気高揚と回復効果アップ。これくらいでオッケー?

 二体を先頭にして、突進土竜ラッシュモールが掘った穴をてくてくと進む。

「ぴぅ」
「きゅーい!」

 ユキマルが赤く光ったかと思うと、少し後に現れた突進土竜ラッシュモールにスラリンが体当たりをした。
 怯ませたところで、突進土竜ラッシュモールを包み込むようにして溶解・吸収し始める。ユキマルは応援するように体を揺らしていた。

「このへんのモンスターは、もうスラリンたちの敵にならないねー」

 適正レベルを考えると、スラリンがちょうどいいくらい? 多少ダメージを受けても、僕の回復スキルでなんとかなってるし、問題なさそう。

 この調子でサクサク進んじゃおー!

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