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もふもふいっぱい?
184.楽しいアイディア
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今日も元気にログインです!
イベントの交換用ドロップアイテムを集めたり、錬金術で商品作成したりといろんなことをして遊んだ後、農地に来たところでタマモから連絡があった。
前置きで『前回お会いした時に、もふもふのあまりの尊さに正気を失い、尋ね忘れていましたが』と書いてあったのをスルーして、その先を読む。
「ファン集会詳細についてかー」
そろそろ内容を考えましたか、という質問に「うーん」と悩んだ。
いろいろ考えてはいるんだけど、なかなか『これだ!』という案が出てこないんだよなぁ。前回と同じ感じだと、ちょっとつまらない気がするし。
「あ、おばけの実、いっぱい採れた」
考えながら農地で作業してたら、いつの間にかたくさんのおばけの実も採集できてた。特殊採集スキルばんざーい!
「むふふ、あと二十個!」
サブリングと交換可能になるのはもうすぐだ。というか、今日の農地での作業で達成できるのでは?
イベントモンスターを倒すんじゃなくて、収獲作業中に目標達成するなんて、結構僕らしいんじゃないかな。
ルトには半眼で「……なんだそれ。そんなんでいいのか」って言われそうだけど。
「るるるーん♪」
鼻歌を歌いながら作業を続けていると、農地の端でオレンジ色のものがぼわわっと大きくなったのが見えた。
「あそこに植えてたのって、なんだったっけ……?」
首を傾げながら近づく。農地が広すぎるし、同時進行でいろんなものを育ててるから、つい忘れちゃうんだよねー。
オレンジ色のものは、見上げるほど大きかった。ショコラより大きいような?
「見た目はカボチャだ。でも、こんなに大きくなる品種を植えた記憶はないよ……?」
野菜の類は、基本的に農業ギルドで種を買っている。カボチャもその一つ。
ギルド長の説明では、こんなに大きなカボチャができるなんて話はなかったはずなんだけどなぁ。
とりあえず鑑定しよう。
――――――
【おばけカボチャ】レア度☆☆☆
橙カボチャの変異種。しっとりとした甘みが強い果肉が特徴。外皮は非常に硬い。空腹度回復アイテムの他、さまざまなアイテムを作成する際の素材になる。
ハロウィンイベント期間中のみ、農地で採れる。
――――――
変異種なのか! しかも、イベント限定の!
「なるほどねー。……うん?」
巨大なカボチャはハロウィンらしいな、と考えながら眺めてたら、ふと『これ、カボチャの馬車を作れそうだな?』と思った。
小さい僕だけじゃなく、頑張ればルトやリリくらいの大きさでも乗れる感じで作れそう。
「え、作りたい!」
絶対現実じゃ作れないのを、ここでなら作れるって、すっごくロマンあるよね?
とりあえず、完熟したカボチャを収獲する。特殊採集スキルを使えば、おばけの実も採れるから効率いい。
錬金布におばけカボチャを載せようとしたら、ミニチュアサイズに変わった。大きなアイテムを使う度に毎回こうなるけど、ちょっとびっくりしちゃう。
そんなことを考えながら、錬金玉でレシピを検索。
「――ほうほう。いろんな使い道があるんだなー」
多いのは空腹度回復用のレシピ。カボチャの煮物とか、カボチャプリンとか、美味しそうなものがずらっと並んでる。
どうやら、おばけカボチャ一個で、大量の空腹度回復アイテムを作れるみたいだ。これだけ巨大なカボチャなんだから、それも当然だよね。
「あ! 【おばけカボチャの馬車】発見!」
レシピを流し見ていった先に、求めていたレシピがあった。イメージイラストは、僕が想像していたカボチャの馬車そのもの。
御者席に【おばけのマスコット】をセットして、【馬車道】を作ったら、本当に動く馬車になるらしい。動くと言っても、農地くらいの広さをぐるっと回る程度らしいけど。
「遊具みたいで楽しそうだね?」
さらにワクワクしてきたぞ。
レシピをさらに検索したら、他にも遊具っぽいものが見つかった。
「【おばけカボチャの観覧車】【おばけカボチャのコーヒーカップ】【おばけカボチャのブランコ】――どれもいいね! もしかして、他の素材でも遊具っぽいもの作れる?」
ふと気づいて、『遊具』で改めて検索してみる。
すると、次々にアイテムのレシピが出てきた。おばけカボチャ以外でも、作れる遊具がたくさんあるみたい。どれも楽しそう!
「遊具を設置するには、規定の広さの私有地が必要なのかぁ……」
アイテムの詳細を眺めてたら、注意事項に気づいた。
農地を見渡して「うーん?」と唸る。
「ここでも広さは足りるだろうけど、その場合、植えてるものを全部取り除かないといけないよなぁ。それはちょっとヤダ……」
せっかくがんばって育ててるんだし。
そう思いながら視線を動かしたら、倉庫の傍にある二本の木を思い出した。その木の間は異空間(森)に通じてる。
「――異空間(森)にも、遊具を設置できたりする?」
気になる。もしそれができるなら、異空間(森)全体をハロウィン遊園地っぽく改装できるかもしれない。
森の中にある遊園地、絶対楽しいでしょ。
期待でウズウズする心に逆らわず、とりあえず一つだけ遊具を作成してみることにした。
最初はやっぱり、きっかけになった【おばけカボチャの馬車】にしよう。
「素材は【おばけカボチャ】と【木の枝】と【ゴム製品】かー」
どれもアイテムボックスに入ってるから、すぐ作れる。
というわけで、早速、素材を錬金布に並べて「【錬金スタート】!」と唱えた。
「――おお! 馬車だ!」
錬金術の演出の後に、錬金布の上にカボチャの馬車のミニチュアサイズが現れた。可愛いなぁ。
その横に、瓶詰めされたオレンジ色のペーストのようなものがあるのはなんでだろう?
「……くり抜いた果肉を別アイテムでもらえるって、すごく親切仕様だね?」
鑑定してみたら、【おばけカボチャのペースト】と出てきた。空腹度回復アイテムを作る際に使えるんだって。
これでたくさんカボチャ料理を作れるなー、と思いながら、二つのアイテムを収納する。
「異空間にしゅっぱーつ!」
るんるんとしながら異空間に入って、森の中を観察する。
木がたくさんあるけど、どこに設置できるかな。
とりあえず、おばけの馬車をアイテムボックスから取り出してみたら、目の前の空間に四角い枠みたいなものが現れた。
〈木と採集ポイントを取り除き、アイテムを設置しますか? 取り除かれたものは、アイテムの設置を解除すると、二十四時間後に復活します〉
アナウンスのおかげで、なんとなく理解ができた。
つまり、木とかがたくさんあっても、一時的にそれを取り除いてアイテムを設置できるってことだ。
「……森の開拓! 超便利!」
僕に都合良すぎるー、と嬉しくなりながら、近くにおばけカボチャの馬車を置いてみた。
「おお! 馬車だ! メルヘン~」
御者がいないカボチャの馬車が、ドンと現れる。
窓から中を覗くと、オレンジ色の長椅子があった。シンプルな内装だけど、アイテムを足して装飾できる楽しみがあるね。
馬車の側面にある扉を開くと、ちゃんと中に入れた。そこはかとなく甘い匂いがするのは仕方ないかな? これはこれで面白いし。
「動いたらもっと楽しそう」
馬車の椅子から窓を覗き、森を眺める。ここから見る景色も装飾したら綺麗だろうな。
御者と馬車道を作って、他の遊具や森の装飾アイテムも用意しよう。どんなデザインにするかなぁ。
「――やっぱり、ハロウィンらしくしたいな」
なんとなく頭の中でイメージできたぞ。
完成したら、たくさんの人に見てもらいたい――んん?
ふとアイディアが浮かんだ。すっごく楽しくて、ワクワクする感じの。
「そうだ! ファンのみんなと、ここでハロウィンパーティーをしよう!」
参加者は仮装必須にして、ハロウィンっぽい食べ物を購入できる屋台を設置する。もちろん舞台を作って、ダンスとか歌とかを披露したい。
テイムしたモンスターたちにも手伝ってもらいたいな。
イメージはハロウィンな文化祭?
みんなで踊ったら楽しそうだなぁ。振り付けは真似しやすそうなものを考えよう。
「そうとなったら、タマモに報告だー」
前にペンライトを用意してくれたし、森をライトアップするアイテムを作れないか相談しよう。
なんだかすっごく楽しみになってきたね!
イベントの交換用ドロップアイテムを集めたり、錬金術で商品作成したりといろんなことをして遊んだ後、農地に来たところでタマモから連絡があった。
前置きで『前回お会いした時に、もふもふのあまりの尊さに正気を失い、尋ね忘れていましたが』と書いてあったのをスルーして、その先を読む。
「ファン集会詳細についてかー」
そろそろ内容を考えましたか、という質問に「うーん」と悩んだ。
いろいろ考えてはいるんだけど、なかなか『これだ!』という案が出てこないんだよなぁ。前回と同じ感じだと、ちょっとつまらない気がするし。
「あ、おばけの実、いっぱい採れた」
考えながら農地で作業してたら、いつの間にかたくさんのおばけの実も採集できてた。特殊採集スキルばんざーい!
「むふふ、あと二十個!」
サブリングと交換可能になるのはもうすぐだ。というか、今日の農地での作業で達成できるのでは?
イベントモンスターを倒すんじゃなくて、収獲作業中に目標達成するなんて、結構僕らしいんじゃないかな。
ルトには半眼で「……なんだそれ。そんなんでいいのか」って言われそうだけど。
「るるるーん♪」
鼻歌を歌いながら作業を続けていると、農地の端でオレンジ色のものがぼわわっと大きくなったのが見えた。
「あそこに植えてたのって、なんだったっけ……?」
首を傾げながら近づく。農地が広すぎるし、同時進行でいろんなものを育ててるから、つい忘れちゃうんだよねー。
オレンジ色のものは、見上げるほど大きかった。ショコラより大きいような?
「見た目はカボチャだ。でも、こんなに大きくなる品種を植えた記憶はないよ……?」
野菜の類は、基本的に農業ギルドで種を買っている。カボチャもその一つ。
ギルド長の説明では、こんなに大きなカボチャができるなんて話はなかったはずなんだけどなぁ。
とりあえず鑑定しよう。
――――――
【おばけカボチャ】レア度☆☆☆
橙カボチャの変異種。しっとりとした甘みが強い果肉が特徴。外皮は非常に硬い。空腹度回復アイテムの他、さまざまなアイテムを作成する際の素材になる。
ハロウィンイベント期間中のみ、農地で採れる。
――――――
変異種なのか! しかも、イベント限定の!
「なるほどねー。……うん?」
巨大なカボチャはハロウィンらしいな、と考えながら眺めてたら、ふと『これ、カボチャの馬車を作れそうだな?』と思った。
小さい僕だけじゃなく、頑張ればルトやリリくらいの大きさでも乗れる感じで作れそう。
「え、作りたい!」
絶対現実じゃ作れないのを、ここでなら作れるって、すっごくロマンあるよね?
とりあえず、完熟したカボチャを収獲する。特殊採集スキルを使えば、おばけの実も採れるから効率いい。
錬金布におばけカボチャを載せようとしたら、ミニチュアサイズに変わった。大きなアイテムを使う度に毎回こうなるけど、ちょっとびっくりしちゃう。
そんなことを考えながら、錬金玉でレシピを検索。
「――ほうほう。いろんな使い道があるんだなー」
多いのは空腹度回復用のレシピ。カボチャの煮物とか、カボチャプリンとか、美味しそうなものがずらっと並んでる。
どうやら、おばけカボチャ一個で、大量の空腹度回復アイテムを作れるみたいだ。これだけ巨大なカボチャなんだから、それも当然だよね。
「あ! 【おばけカボチャの馬車】発見!」
レシピを流し見ていった先に、求めていたレシピがあった。イメージイラストは、僕が想像していたカボチャの馬車そのもの。
御者席に【おばけのマスコット】をセットして、【馬車道】を作ったら、本当に動く馬車になるらしい。動くと言っても、農地くらいの広さをぐるっと回る程度らしいけど。
「遊具みたいで楽しそうだね?」
さらにワクワクしてきたぞ。
レシピをさらに検索したら、他にも遊具っぽいものが見つかった。
「【おばけカボチャの観覧車】【おばけカボチャのコーヒーカップ】【おばけカボチャのブランコ】――どれもいいね! もしかして、他の素材でも遊具っぽいもの作れる?」
ふと気づいて、『遊具』で改めて検索してみる。
すると、次々にアイテムのレシピが出てきた。おばけカボチャ以外でも、作れる遊具がたくさんあるみたい。どれも楽しそう!
「遊具を設置するには、規定の広さの私有地が必要なのかぁ……」
アイテムの詳細を眺めてたら、注意事項に気づいた。
農地を見渡して「うーん?」と唸る。
「ここでも広さは足りるだろうけど、その場合、植えてるものを全部取り除かないといけないよなぁ。それはちょっとヤダ……」
せっかくがんばって育ててるんだし。
そう思いながら視線を動かしたら、倉庫の傍にある二本の木を思い出した。その木の間は異空間(森)に通じてる。
「――異空間(森)にも、遊具を設置できたりする?」
気になる。もしそれができるなら、異空間(森)全体をハロウィン遊園地っぽく改装できるかもしれない。
森の中にある遊園地、絶対楽しいでしょ。
期待でウズウズする心に逆らわず、とりあえず一つだけ遊具を作成してみることにした。
最初はやっぱり、きっかけになった【おばけカボチャの馬車】にしよう。
「素材は【おばけカボチャ】と【木の枝】と【ゴム製品】かー」
どれもアイテムボックスに入ってるから、すぐ作れる。
というわけで、早速、素材を錬金布に並べて「【錬金スタート】!」と唱えた。
「――おお! 馬車だ!」
錬金術の演出の後に、錬金布の上にカボチャの馬車のミニチュアサイズが現れた。可愛いなぁ。
その横に、瓶詰めされたオレンジ色のペーストのようなものがあるのはなんでだろう?
「……くり抜いた果肉を別アイテムでもらえるって、すごく親切仕様だね?」
鑑定してみたら、【おばけカボチャのペースト】と出てきた。空腹度回復アイテムを作る際に使えるんだって。
これでたくさんカボチャ料理を作れるなー、と思いながら、二つのアイテムを収納する。
「異空間にしゅっぱーつ!」
るんるんとしながら異空間に入って、森の中を観察する。
木がたくさんあるけど、どこに設置できるかな。
とりあえず、おばけの馬車をアイテムボックスから取り出してみたら、目の前の空間に四角い枠みたいなものが現れた。
〈木と採集ポイントを取り除き、アイテムを設置しますか? 取り除かれたものは、アイテムの設置を解除すると、二十四時間後に復活します〉
アナウンスのおかげで、なんとなく理解ができた。
つまり、木とかがたくさんあっても、一時的にそれを取り除いてアイテムを設置できるってことだ。
「……森の開拓! 超便利!」
僕に都合良すぎるー、と嬉しくなりながら、近くにおばけカボチャの馬車を置いてみた。
「おお! 馬車だ! メルヘン~」
御者がいないカボチャの馬車が、ドンと現れる。
窓から中を覗くと、オレンジ色の長椅子があった。シンプルな内装だけど、アイテムを足して装飾できる楽しみがあるね。
馬車の側面にある扉を開くと、ちゃんと中に入れた。そこはかとなく甘い匂いがするのは仕方ないかな? これはこれで面白いし。
「動いたらもっと楽しそう」
馬車の椅子から窓を覗き、森を眺める。ここから見る景色も装飾したら綺麗だろうな。
御者と馬車道を作って、他の遊具や森の装飾アイテムも用意しよう。どんなデザインにするかなぁ。
「――やっぱり、ハロウィンらしくしたいな」
なんとなく頭の中でイメージできたぞ。
完成したら、たくさんの人に見てもらいたい――んん?
ふとアイディアが浮かんだ。すっごく楽しくて、ワクワクする感じの。
「そうだ! ファンのみんなと、ここでハロウィンパーティーをしよう!」
参加者は仮装必須にして、ハロウィンっぽい食べ物を購入できる屋台を設置する。もちろん舞台を作って、ダンスとか歌とかを披露したい。
テイムしたモンスターたちにも手伝ってもらいたいな。
イメージはハロウィンな文化祭?
みんなで踊ったら楽しそうだなぁ。振り付けは真似しやすそうなものを考えよう。
「そうとなったら、タマモに報告だー」
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