もふもふで始めるのんびり寄り道生活 便利なチートフル活用でVRMMOの世界を冒険します!

ゆるり

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5章 もふもふいっぱい?

178.鉱山前で出会ったよ

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 まずは狂岩獣マッディロークに会いに行こう。狂雪獣マッディネージュに会うのは、防寒対策を用意してからだね。

「るんるんるーん」

 特別な依頼が出てるだけあって、東の鉱山エリアは異世界の住人NPCの冒険者が多かった。プレイヤーも少し増え始めたかなー。

 狂化と浄化のことがバレて目立つのは嫌だから、人が少なそうなところまで飛んじゃおう。
 モンスターを倒しておばけのコアなどのドロップアイテムを集めつつ、バトルフィールドをどんどん進む。

 西のキーリ湖より推奨レベルが高いだけあって、モンスターを倒すのに結構時間がかかるなぁ。

 近くに冒険者の姿が見えなくなったところで、そろそろ休憩しようかと考えてたら、鉱山にあった洞穴からモンスターが出てくるのを目撃しちゃった。

「あれはもしかして――やっぱり【狂岩獣マッディローク】だ!」

 岩陰に隠れて、全鑑定スキルを使って確かめた。
 狂岩獣マッディロークは見た目が熊みたいな感じだった。本物の熊より、テディベアに近いかも。暗褐色の体毛でちょっと目つきが怖い。全身に鎧のような岩を纏ってるのもいかつい感じ。
 ……やっぱりテイムするのやめようかな?

「とりあえず浄化してみればいいんだよね。それなら……【召喚】ユキマル!」
「ぴぅ!」

 現れたユキマルが狂岩獣マッディロークを見て『あ、また?』と体を傾けた。

「また、なんだよー。浄化お願いできる?」
「ぴぅ」

 ユキマルは頷くように体を揺らしたけど、全然狂岩獣マッディロークに向かっていかない。ちょっと震えてる気がする。

「もしかして怖い? ペタの時は……あ、そうか。魅了状態にした方が安全だね」
「ぴぅ……ぴっ!」

 ユキマルが『おねがいー』と頭を下げる仕草をした後に、驚いた様子で跳ねた。なにを見てるの? ――って、狂岩獣マッディロークがすごい勢いで近づいてきてる!

「やばばっ……水の槍ウォーターランス!」

 咄嗟に水魔術を放つ。それを食らった狂岩獣マッディロークが「グママーッ!?」と唸ってる間に、縮まっていた距離を離すように、ユキマルを抱っこして飛んだ。

「ユキマル、ちょっと、重いっ」
「ぴぅ……」

 ごめん、と申し訳なさそうにしてる。どうしようもないことに文句言っちゃって、僕の方こそごめんねー。

 近くの岩場に下りて、すぐさま狂岩獣マッディローク異花コトハナ香水を投げた。

「おっと!?」
「ぴっ!?」

 いきなり地面から生えた岩の槍をなんとか躱す。ユキマルもちょっとダメージ食らっちゃったみたいだけど、まだ大丈夫そう。

 追撃を警戒して狂岩獣マッディロークを観察する。でも、異花コトハナ香水は見事にヒットしていたらしい。狂岩獣マッディロークは首を傾げつつ、攻撃しかけてやめるというペタの時と同じ動きをしてる。

「鑑定しても、ちゃんと魅了状態って表示されてる。というわけで、ユキマル行ってきてー」
「ぴ、ぴぅ」

 ユキマルに見つめられた。これは『一緒に来て?』とねだられてるな。万が一攻撃された場合にユキマルを守るためにも、一緒に行こっか!

「では、一緒に前進! ヤー!」

 またユキマルを抱っこして飛ぶ。これが一番早い移動方法だし。
 それから、光り始めたユキマルを狂岩獣マッディロークの頭の上に落とした。

「ぴーぅ!」
「グママッ――……くまま?」

 バタバタとユキマルを振り落とそうとしてた狂岩獣マッディロークが、ピタリと動きを止める。そして、首を傾げた。
 もう大丈夫そう? 全鑑定スキルいってみよーう。

「おっ、【岩砕熊ロクラッシュベア】かー」

 名前が変わってた! やっぱり浄化スキルが効果的なんだねぇ。
 岩砕熊ロクラッシュベアの体毛が暗褐色から薄茶色に変わってる。目が垂れ目っぽくなってて、怖い感じがなくなったよ! すごく可愛いテディベアだ! サイズは成人男性より大きいけど。

「くまま」

 身に纏っていた岩の鎧が消える。それはどうやらスキルの一部だったみたいで、戦闘状態を解除したんだと思う。

「はじめましてー、気分はどう?」

 ユキマルを回収するついでに、岩砕熊ロクラッシュベア傍の地面におりた。すると岩砕熊ロクラッシュベアがわざわざ座り込んで、できる限り目を合わせやすくしてくれる。

 魅了効果のおかげなのかもしれないけど、優しい! やっぱりテイムしたい!

「くまま」

 言ってることは伝わってこないけど、仲良くなれてる気がするし、やっちゃおう。
 というわけで――。

「僕とお友だちになってくれる? 【テイム】!」

 岩砕熊ロクラッシュベアが光り始める。でも、それはすぐに消えてしまった。

「――あれ?」
「ぴぅ?」
「くまま」

 見つめ合う。テイムされてくれないの悲しぃ。
 でも、多分友好度が足りなかったせいだと思うから、ここは食べ物で釣るしかない。

岩砕熊ロクラッシュベアってなにが好きなんだろう?」

 湖狸レイカスターと同じく、岩砕熊ロクラッシュベアは本来第三の街近くに生息してないので、僕が調べた資料に詳細が載ってなかった。だから、好物もわからない。

「よし。手当たり次第にいってみよう」

 アイテムボックスから次々に食べ物を取り出す。
 果物各種、生肉、生魚、野菜、肉料理、魚料理、パン、焼き菓子、ケーキ、アイス――改めて思ったけど、僕って食べ物持ち運びすぎじゃない?

 市場を通る度に買い食いしちゃうから、なかなか自分で作った料理が減らないんだよねー。

 なんて思いつつ、岩砕熊ロクラッシュベアの様子を窺う。
 岩砕熊ロクラッシュベアは次々に出てくる料理に驚いてたけど、不意に手を伸ばした。取ったのは【うさぎ印のブラウニー】だ。

「それ、第三の街の名産になってるチョコレートとナッツをたっぷり使ったやつだよ。見た目はゴロッとしてるけど、美味しいのは間違いないからね!」

 もしかして岩っぽい見た目に惹かれたのかな? と思いながらオススメしてみる。

「……くままっ!」
「美味しい? うまうま?」

 テンションが上がってるっぽい。喜んでもらえて嬉しいよー。
 他にもチョコレートを使ったお菓子を出してみたら、チョコクッキーを食べ始めた。生チョコはあんまり興味なさそう。焼き菓子が好きなのかな。

「そろそろテイムできる? 試してみるよ?」

 魅了状態が解けちゃいそうだし、その前にもう一度テイムを試してみよう。

「――【テイム】!」

 岩砕熊ロクラッシュベアが光り始める。そして……。

〈野生の岩砕熊ロクラッシュベアをテイムしました〉

 テイム成功! やったぁ!
 食べ物の力はスゴいんだねぇ。というか、モンスターがチョロい? 僕だって、美味しいご飯につられちゃうもんなぁ。モンスターたちの気持ち、よくわかるよ!

 お友だち増えたし、みんなでご飯食べたいなぁ。
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