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美味を求めて
73.イベント終幕です
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おすすめグルメを持ち寄ってくれたみんなに、なんかお礼できないかなって思って、芸を披露してみた。
リリがピエロ衣装作ってくれてたし、初お披露目だよ。
スキル屋さんがいないから、BGMはなかったけど、みんな手拍子をして盛り上げてくれた。
アリスちゃんも「すごーい! モモ、かっこいい!」って褒めてくれたから、芸事スキルをもうちょっと極めてみようかな!
……タマモが全財産をチップとして投げようとして、みんなに止められてたのは見なかったことにする。貢ぎ癖はほどほどにね?
そんな感じで遊んだ後は、ついにグルメ大会の山場。
第二の街で一番大きな広場にできたイベント特設ステージの周囲に、たくさんの人が集まってる。
「レディース、アンド、ジェントルマン!」
司会役の呼びかけとともに始まったのは、グルメ大会の順位発表・表彰式だ。
「どこがゆうしょうするかな~?」
「どこだろうねぇ。スイーツ部門は桃カフェで決まりだけど!」
拳を握って宣言したら、アリスちゃんがりんご飴を食べながら笑った。
「モモがおうえんしてるんだもん。きっといちばんだね」
「とーぜんです! 優勝したら、僕もたくさんご褒美もらえるんだよ~」
「じゃあわたしも、ゆうしょうをおいのりしとく!」
アリスちゃんが手を合わせてる。でも、持ってるりんご飴に前髪がついちゃいそうだよ? ベタベタになっちゃう!
「今回はたくさんのお店に参加していただき大盛りあがり。異世界からの旅人さんたちも、多くの票を投じていただきありがとうございます!」
わー、と応える歓声。
「では、早速食事部門の順位を発表いたします!」
そうして始まった発表では、僕たちも試食したローストポーク丼を出すお店が優勝した。美味しかったもんね。僕も票を入れたよ。
応援ミッションは一個も達成してないから、報酬はないけど。
「よっしゃー! これで、スキルリストゲットだ!」
観衆から喜びの声が聞こえる。推してるお店が優勝して報酬をもらえたら嬉しいよねぇ。
ここまではほのぼのと眺めてたんだけど、ついにスイーツ部門の発表が始まって、すごく緊張してきた。
「第三位は――ナンバーワン・スイーツフルのイチゴデラックスパフェ!」
「うっそだろ……」
発表に落胆してるのは、店主さんかな。その横の男の人は見覚えがある。僕にお店を教えてくれた人だ。……桃カフェの悪い評判を流してる人でもあるんだけど。やっぱりお店の関係者だったんだろうなぁ。苦い表情してる。
「第二位は――和み茶屋のぜんざい&抹茶セット!」
すっごく気になるメニュー名だ。和菓子屋さんもあるんだー。僕、和菓子も好きだから、今度探して行ってみよう。
「モモ、ドキドキするね……」
「ほんと、心臓が飛び出しそうだよ……」
思考を逸らしてるのも限界で、アリスちゃんと手を握り合って、固唾をのむ。
第一位の発表が楽しみだけど、怖くもある。どうか、桃カフェが優勝しますように……。
ふと、視界にパティエンヌちゃんの姿が入り込んだ。
凛とした表情でステージをじっと見上げてる。自信とかじゃなくて、『自分がやるべきことはやりきった』っていう感じの表情。カッコいいなぁ。
「では、栄えある優勝は――」
華やかな効果音。期待と緊張を引き伸ばすような間だ。
きっと大丈夫。僕たちたくさん応援したもん。それに、パティエンヌちゃんが作ったピーチメルバは、本当に美味しいから。
わかっていても、鼓動の音が聞こえるくらい緊張してる。
司会がニヤリと笑い、口を開く姿を凝視した。
「――……桃カフェ・ピーチーズの幻桃を使ったピーチメルバ!」
わぁ! と歓声が聞こえた。僕も思わず両手を上げて快哉を叫んじゃう。
すぐさま視線を向けた先で、パティエンヌちゃんの目から涙が溢れ、こぼれ落ちていくのが見えた。
……良かったね。これでお客さんいっぱい来るよ。たくさんの人に、これからも美味しいスイーツを食べてもらえるはず。
心の中でそう語りかけてたら、パティエンヌちゃんが僕の方を振り向いた。そして、輝くような笑みを浮かべる。口が大きく動いた。
「『ありがとうございます』……かな。優勝できたのは、パティエンヌちゃんのスイーツが美味しかったからだろうけどね」
喜ばれると嬉しい。応援をがんばった甲斐があったよ。
「――パティエンヌちゃん、おめでとう!」
大きな声で叫ぶ。
僕の声に続くように、祝福の声が溢れた。
「よかったね、モモ」
「うん……よかった……」
目が熱くて、視界がぼやける。なんでだろう。
「だれかのしあわせで泣けるモモは、やさしいね」
「そんなんじゃないよ……。泣いてないもん」
アリスちゃんが頭を撫でてくれた。
グルメ大会イベント、楽しかったなぁ。応援のためのミッションをクリアするのもやりがいあったもん。でも、これで終わりかぁ……。
「今後もこの街のグルメ大会は開催される予定です! 次回はぜひ異世界の旅人さんも料理人としてご参加くださいね! 第二の街を美味で溢れる街にしましょう!」
司会の締めの言葉に、「おー!」と歓声が上がる。
プレイヤーも店側として参加できるようになるんだ? それも楽しそうだね。
◇◆◇
るんるんるん、と大通りを歩く。
イベントが終わった街は、なんだか少し物寂しい気がした。でも、僕は元気いっぱい。応援してた桃カフェが優勝したし、おかげで報酬をいっぱいもらえたからね!
「報酬、すげぇ量だったんだろ?」
隣を歩くルトに、「うん!」と頷く。
イベント報酬はスキルリストをはじめ、生産用の素材とか食材とか、とにかくたくさんあった。ミッション全クリしたからね。
スキルリストはなんと二つもらえて、僕は念願の【詠唱破棄】を取得したよ。あと一個はなにを入手しようか考え中。
テイマー系のスキルが良さそうかなーって思ってるんだけど。他にも欲しいものいっぱいなんだよねぇ。
「アイテムも豪華だったけど、ホームと農地を自分のものにできたのが嬉しかったなー」
優勝店の応援者で、ミッションを全クリした人の中から一名にだけ、ホームと農地がプレゼントされたんだ。
僕それに当たったんだよね~。……あんまり、全クリした人がいなかったのかもしれないけど。幻桃納品のミッションは難しすぎるもん。他のルートも難しいミッションがあったんだろうなー。
母数が少なかったかもしれないとはいえ、たった一人の当選者になれたのは「幸運値の勝利!」ってガッツポーズしちゃってもいいよね?
幸運値を上げてくれてるピアにお礼言わないと。
「ラッキーだったね。でも、本当に私たちが一部屋使っちゃっていいの?」
「うん、余ってるから。あんまり利便性はよくない場所だけど」
ホームと農地はこれまで通りの場所を選択した。慣れた場所がいいからね。
そして、余ってる一部屋をリリとルトに提供することにしたんだ。ログアウトに使うだけなら、二人で一部屋でも十分でしょ。
「転移スキル入手したからなんも問題ねぇよ。モモ、ありがとな」
「気にしないでー。僕も友だちと過ごすの楽しみだから。たまには一緒にフィールド行こうね!」
「お前がその気あるならな」
僕は普段、バトルより街で過ごすの優先だもんね。だからたまにでいいんだよ。
「……あ、あれ、美味しそう! あっちのも!」
リリとルトのホームインテリア探しの付き合いで来たはずなのに、市場の屋台に釣られちゃった。
グルメ大会後から、今まで以上に美味しそうなものが増えた気がする。う~、食べたいよぉ。空腹度は全然減ってないんだけど。
「お前、どんだけ食い物好きなんだよ……」
「全部美味しいせいだね! すっごく食いしん坊になった気がする」
「この街は美味の街って評判になるのを目指してるらしいし、ここにいる限り、ずっと食ってばっかになるんじゃね?」
「否定できない……」
市場に来る度になにかしら食べてるもん。
買ったばかりのコロッケをみつめて、う~んと呻く。食べるのを我慢するのは無理かな~?
はぐっと頬張る。サクサクの衣とほくほくじゃがいもが最高。ソースなくても美味しいよ。食べ歩きって楽しい~。
「自分でも作るのに、お店のものも好きなんだねぇ」
「味付けは店特有のものがあるからね」
家庭の味、店の味、どちらも甲乙つけがたい美味しさです。
重々しく頷いて言ったら、ルトに「評論家か」と呆れられた。いつか第二の街グルメ研究家を名乗れるかな?
「モモ、お店開いてもいいんじゃない? 次のグルメ大会はプレイヤーからも参加者募るって言ってたし」
「そうだね~……」
リリに言われて考える。それも楽しいかもしれないなぁ。ホームの一階は工房になってるし、ちょっと改装してお店屋さんしてみようかな。料理と錬金術で作ったアイテムを売るところ。
「――ま、のんびり考えてみるよ」
これからもマイペースに楽しんでいきたいな!
******
◯NEWスキル
【詠唱破棄】
魔術を使う際に詠唱が省略される。
******
◯現時点でのステータス
モモ
種族:天兎(17)
職業:魔術師(8)、錬金術士(2)
称号:【あなたと仲良し】【採集ダイスキ】【スライムキングを尻に敷く】【愛し愛される者】【初物好き】【芸の道を行く者】
◻能力値〈〉内は装備・テイムモンスによる変化値。
体力:81
魔力:95
物理攻撃力:15
魔力攻撃力:33〈+35〉
防御力:37〈+15〉
器用さ:18
精神力:16〈+12〉
素早さ:26〈+13〉
幸運値:17〈+10〉
◻スキル()内はレベル
[パッシブ]
魔力攻撃力強化、魔術詠唱速度向上、魔力自動回復、体力自動回復、決死の覚悟、自由曲芸、神級栽培、詠唱破棄
[戦闘系]
火魔術(2)
火の玉、火の矢
水魔術(2)
水の玉、水の槍
風魔術(1)
風の玉
木魔術(3)
木の玉、木の罠、木の鞭
土魔術(2)
土の玉、土の槍
歌唱(1)——意気高揚
飛翔(3)、聴覚鋭敏、テイム(1)、召喚(3)、気配察知(4)、見切り、回避(1)、花舞、泥遊び(1)
[耐性系]
麻痺耐性(1)、笑撃耐性(1)
[回復系]
天からの祝福(1)
天の祈り(1)
[収集系]
採集(2)、採掘(1)、釣り(3)、全鑑定(2)
[生産系]
錬金術初級
料理(3)
1.焼く、煮る、揚げる
2.混ぜる、オーブン焼き、燻製
3.炊く、冷やす、成形
調薬
[お遊び]
跳び芸、玉乗り、毛繕い
******
スキル記載漏れあったら申し訳ありません。
次話、運営回でこの章は終わりです!
リリがピエロ衣装作ってくれてたし、初お披露目だよ。
スキル屋さんがいないから、BGMはなかったけど、みんな手拍子をして盛り上げてくれた。
アリスちゃんも「すごーい! モモ、かっこいい!」って褒めてくれたから、芸事スキルをもうちょっと極めてみようかな!
……タマモが全財産をチップとして投げようとして、みんなに止められてたのは見なかったことにする。貢ぎ癖はほどほどにね?
そんな感じで遊んだ後は、ついにグルメ大会の山場。
第二の街で一番大きな広場にできたイベント特設ステージの周囲に、たくさんの人が集まってる。
「レディース、アンド、ジェントルマン!」
司会役の呼びかけとともに始まったのは、グルメ大会の順位発表・表彰式だ。
「どこがゆうしょうするかな~?」
「どこだろうねぇ。スイーツ部門は桃カフェで決まりだけど!」
拳を握って宣言したら、アリスちゃんがりんご飴を食べながら笑った。
「モモがおうえんしてるんだもん。きっといちばんだね」
「とーぜんです! 優勝したら、僕もたくさんご褒美もらえるんだよ~」
「じゃあわたしも、ゆうしょうをおいのりしとく!」
アリスちゃんが手を合わせてる。でも、持ってるりんご飴に前髪がついちゃいそうだよ? ベタベタになっちゃう!
「今回はたくさんのお店に参加していただき大盛りあがり。異世界からの旅人さんたちも、多くの票を投じていただきありがとうございます!」
わー、と応える歓声。
「では、早速食事部門の順位を発表いたします!」
そうして始まった発表では、僕たちも試食したローストポーク丼を出すお店が優勝した。美味しかったもんね。僕も票を入れたよ。
応援ミッションは一個も達成してないから、報酬はないけど。
「よっしゃー! これで、スキルリストゲットだ!」
観衆から喜びの声が聞こえる。推してるお店が優勝して報酬をもらえたら嬉しいよねぇ。
ここまではほのぼのと眺めてたんだけど、ついにスイーツ部門の発表が始まって、すごく緊張してきた。
「第三位は――ナンバーワン・スイーツフルのイチゴデラックスパフェ!」
「うっそだろ……」
発表に落胆してるのは、店主さんかな。その横の男の人は見覚えがある。僕にお店を教えてくれた人だ。……桃カフェの悪い評判を流してる人でもあるんだけど。やっぱりお店の関係者だったんだろうなぁ。苦い表情してる。
「第二位は――和み茶屋のぜんざい&抹茶セット!」
すっごく気になるメニュー名だ。和菓子屋さんもあるんだー。僕、和菓子も好きだから、今度探して行ってみよう。
「モモ、ドキドキするね……」
「ほんと、心臓が飛び出しそうだよ……」
思考を逸らしてるのも限界で、アリスちゃんと手を握り合って、固唾をのむ。
第一位の発表が楽しみだけど、怖くもある。どうか、桃カフェが優勝しますように……。
ふと、視界にパティエンヌちゃんの姿が入り込んだ。
凛とした表情でステージをじっと見上げてる。自信とかじゃなくて、『自分がやるべきことはやりきった』っていう感じの表情。カッコいいなぁ。
「では、栄えある優勝は――」
華やかな効果音。期待と緊張を引き伸ばすような間だ。
きっと大丈夫。僕たちたくさん応援したもん。それに、パティエンヌちゃんが作ったピーチメルバは、本当に美味しいから。
わかっていても、鼓動の音が聞こえるくらい緊張してる。
司会がニヤリと笑い、口を開く姿を凝視した。
「――……桃カフェ・ピーチーズの幻桃を使ったピーチメルバ!」
わぁ! と歓声が聞こえた。僕も思わず両手を上げて快哉を叫んじゃう。
すぐさま視線を向けた先で、パティエンヌちゃんの目から涙が溢れ、こぼれ落ちていくのが見えた。
……良かったね。これでお客さんいっぱい来るよ。たくさんの人に、これからも美味しいスイーツを食べてもらえるはず。
心の中でそう語りかけてたら、パティエンヌちゃんが僕の方を振り向いた。そして、輝くような笑みを浮かべる。口が大きく動いた。
「『ありがとうございます』……かな。優勝できたのは、パティエンヌちゃんのスイーツが美味しかったからだろうけどね」
喜ばれると嬉しい。応援をがんばった甲斐があったよ。
「――パティエンヌちゃん、おめでとう!」
大きな声で叫ぶ。
僕の声に続くように、祝福の声が溢れた。
「よかったね、モモ」
「うん……よかった……」
目が熱くて、視界がぼやける。なんでだろう。
「だれかのしあわせで泣けるモモは、やさしいね」
「そんなんじゃないよ……。泣いてないもん」
アリスちゃんが頭を撫でてくれた。
グルメ大会イベント、楽しかったなぁ。応援のためのミッションをクリアするのもやりがいあったもん。でも、これで終わりかぁ……。
「今後もこの街のグルメ大会は開催される予定です! 次回はぜひ異世界の旅人さんも料理人としてご参加くださいね! 第二の街を美味で溢れる街にしましょう!」
司会の締めの言葉に、「おー!」と歓声が上がる。
プレイヤーも店側として参加できるようになるんだ? それも楽しそうだね。
◇◆◇
るんるんるん、と大通りを歩く。
イベントが終わった街は、なんだか少し物寂しい気がした。でも、僕は元気いっぱい。応援してた桃カフェが優勝したし、おかげで報酬をいっぱいもらえたからね!
「報酬、すげぇ量だったんだろ?」
隣を歩くルトに、「うん!」と頷く。
イベント報酬はスキルリストをはじめ、生産用の素材とか食材とか、とにかくたくさんあった。ミッション全クリしたからね。
スキルリストはなんと二つもらえて、僕は念願の【詠唱破棄】を取得したよ。あと一個はなにを入手しようか考え中。
テイマー系のスキルが良さそうかなーって思ってるんだけど。他にも欲しいものいっぱいなんだよねぇ。
「アイテムも豪華だったけど、ホームと農地を自分のものにできたのが嬉しかったなー」
優勝店の応援者で、ミッションを全クリした人の中から一名にだけ、ホームと農地がプレゼントされたんだ。
僕それに当たったんだよね~。……あんまり、全クリした人がいなかったのかもしれないけど。幻桃納品のミッションは難しすぎるもん。他のルートも難しいミッションがあったんだろうなー。
母数が少なかったかもしれないとはいえ、たった一人の当選者になれたのは「幸運値の勝利!」ってガッツポーズしちゃってもいいよね?
幸運値を上げてくれてるピアにお礼言わないと。
「ラッキーだったね。でも、本当に私たちが一部屋使っちゃっていいの?」
「うん、余ってるから。あんまり利便性はよくない場所だけど」
ホームと農地はこれまで通りの場所を選択した。慣れた場所がいいからね。
そして、余ってる一部屋をリリとルトに提供することにしたんだ。ログアウトに使うだけなら、二人で一部屋でも十分でしょ。
「転移スキル入手したからなんも問題ねぇよ。モモ、ありがとな」
「気にしないでー。僕も友だちと過ごすの楽しみだから。たまには一緒にフィールド行こうね!」
「お前がその気あるならな」
僕は普段、バトルより街で過ごすの優先だもんね。だからたまにでいいんだよ。
「……あ、あれ、美味しそう! あっちのも!」
リリとルトのホームインテリア探しの付き合いで来たはずなのに、市場の屋台に釣られちゃった。
グルメ大会後から、今まで以上に美味しそうなものが増えた気がする。う~、食べたいよぉ。空腹度は全然減ってないんだけど。
「お前、どんだけ食い物好きなんだよ……」
「全部美味しいせいだね! すっごく食いしん坊になった気がする」
「この街は美味の街って評判になるのを目指してるらしいし、ここにいる限り、ずっと食ってばっかになるんじゃね?」
「否定できない……」
市場に来る度になにかしら食べてるもん。
買ったばかりのコロッケをみつめて、う~んと呻く。食べるのを我慢するのは無理かな~?
はぐっと頬張る。サクサクの衣とほくほくじゃがいもが最高。ソースなくても美味しいよ。食べ歩きって楽しい~。
「自分でも作るのに、お店のものも好きなんだねぇ」
「味付けは店特有のものがあるからね」
家庭の味、店の味、どちらも甲乙つけがたい美味しさです。
重々しく頷いて言ったら、ルトに「評論家か」と呆れられた。いつか第二の街グルメ研究家を名乗れるかな?
「モモ、お店開いてもいいんじゃない? 次のグルメ大会はプレイヤーからも参加者募るって言ってたし」
「そうだね~……」
リリに言われて考える。それも楽しいかもしれないなぁ。ホームの一階は工房になってるし、ちょっと改装してお店屋さんしてみようかな。料理と錬金術で作ったアイテムを売るところ。
「――ま、のんびり考えてみるよ」
これからもマイペースに楽しんでいきたいな!
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◯NEWスキル
【詠唱破棄】
魔術を使う際に詠唱が省略される。
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◯現時点でのステータス
モモ
種族:天兎(17)
職業:魔術師(8)、錬金術士(2)
称号:【あなたと仲良し】【採集ダイスキ】【スライムキングを尻に敷く】【愛し愛される者】【初物好き】【芸の道を行く者】
◻能力値〈〉内は装備・テイムモンスによる変化値。
体力:81
魔力:95
物理攻撃力:15
魔力攻撃力:33〈+35〉
防御力:37〈+15〉
器用さ:18
精神力:16〈+12〉
素早さ:26〈+13〉
幸運値:17〈+10〉
◻スキル()内はレベル
[パッシブ]
魔力攻撃力強化、魔術詠唱速度向上、魔力自動回復、体力自動回復、決死の覚悟、自由曲芸、神級栽培、詠唱破棄
[戦闘系]
火魔術(2)
火の玉、火の矢
水魔術(2)
水の玉、水の槍
風魔術(1)
風の玉
木魔術(3)
木の玉、木の罠、木の鞭
土魔術(2)
土の玉、土の槍
歌唱(1)——意気高揚
飛翔(3)、聴覚鋭敏、テイム(1)、召喚(3)、気配察知(4)、見切り、回避(1)、花舞、泥遊び(1)
[耐性系]
麻痺耐性(1)、笑撃耐性(1)
[回復系]
天からの祝福(1)
天の祈り(1)
[収集系]
採集(2)、採掘(1)、釣り(3)、全鑑定(2)
[生産系]
錬金術初級
料理(3)
1.焼く、煮る、揚げる
2.混ぜる、オーブン焼き、燻製
3.炊く、冷やす、成形
調薬
[お遊び]
跳び芸、玉乗り、毛繕い
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次話、運営回でこの章は終わりです!
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