16 / 268
はじまりの街
16.大人な雰囲気に憧れます
しおりを挟む
リリとルトと別れて、宿のところまで帰ってきました。
「えっと、隣の酒場……」
宿の前を通り過ぎて発見。居酒屋とバーを混ぜた感じのお店。
扉には準備中って書かれてた。今は夕方頃だし、開店までまだ時間があるのかな。今日分のお肉が必要なんだったら、いいタイミング?
「こんにちはー」
カラン、と鳴る扉を押し開ける。鍵がかかってなくて良かった。
「うん? ……ああ、もしかして君は、ジルが肉の納品を頼んだっていう冒険者かい?」
「そうです。モモっていいます」
ちょっと丁寧に話しちゃうのは、酒場の店主であるジルパパが予想より上品な感じだったから。
グラスを拭きながら静かに笑う感じ、大人の男って印象があって憧れる。……でも、僕が思い描いてた酒場のイメージとは全然違った。お洒落なバーとかイタリアンレストランで働いてる人っぽい。
「そんなに硬くならないでいいよ。僕はレスト。ここの店主さ。お肉の納品をしてもらえるのは、本当にありがたいんだよ」
ジルパパ改め、レストさんが作業をやめて微笑む。なんか色気のある人だなぁ。
気後れしながら近づいたら、調理スペースに招かれた。ここに肉を出してほしいんだって。調理スペースには料理人らしき人もいた。
「お、肉の到着か?」
「僕を食べるみたいに言わないでー」
ムッとしながら言い返す。ガハハッと豪快に笑われた。……これくらい粗雑な方が、ちょっと気楽だね。
「良い肉付きだと思ってな。わりぃ」
「本気で肉として観察されてた、だと……!?」
衝撃を受けてたら、さらに笑われた。レストさんが「失礼な物言いはおやめなさい」と言いながら、勢いよく頭をひっぱたいてる。……見かけによらず、バイオレンスですね?
「これは、この店のシェフなんだ。ガットという名だけど、覚える必要はないよ」
「は、はい……」
レストさんとガットさんのこの感じ、仲が良いからだよね?
さっきのリリとルトとは全然違ったタイプのコンビだなー。ちょっとびっくりしちゃう。
とりあえず、お肉出しておきますね。お金ちょうだい。
「……随分とたくさんあるなー」
「ありがたいね」
取り出した肉の山に、ガットさんとレストさんが驚いてる。
跳兎の肉が大量にあるからしかたないね。僕も、取り出しながら『こんなに倒したっけ?』ってちょっと引いたから。
スライムが次々におかわりを持ってきてくれるから、たくさんとれたんだよ。あれはバトルじゃなくて、もはや狩りって言うのが正しい気がする。
「全部買い取りしてくれるの? 色つけてくれるって聞いたんだけど」
「うん。今日はこの街に旅人がたくさん来ただろう? みんなが買い食いをするものだから、肉不足が深刻でね。明日以降は、彼らが狩ったお肉が街に出回ると思うんだけど」
なるほど、今回の依頼は単発ってことね。少し残念。ランドさんみたいに継続納品依頼は望めないか。
でも、色つけてくれるのは事実みたいだし、それには感謝しよう。
「そっか。全部買ってくれるならありがたいよ。今後は冒険者ギルドに買い取りに出せばいいし」
「いや、持ち込んでくれるならいくらかは買い取るよ? 冒険者ギルドに手数料をとられない分、高くしてあげられるし」
レストさんとみつめあう。
冒険者ギルドに素材を買い取りしてもらうのは、メニューからできるから楽なんだ。レストさんには今日みたいに持ち込まないといけない。
でも、その手間分買い取り額が増えるなら、所持金がカツカツなときはありがたいかも。
「……わかった! 時間がある時は持ってくるね」
「今日みたいに準備中でも、営業中でも、いつでもいいよ」
契約成立の証に握手。
僕の手を軽く握った途端、レストさんが「ふわふわ……」と呟いて口元を緩ませてた。
もしや親子揃ってモフラーですか? 抱きつくのはノーセンキューね。あれは女の子限定です! ジルの場合は不意打ちだったけど。
「草原狼の肉もあるじゃねーか。これ、酒のつまみにいいんだよな。バトル初心者っていうか、小さいなりのくせに、強いんだな」
ガットさんが感心した感じで言う。もっと褒めてくれてもいいんだよ? ほぼ、カミラの功績なんだけどね。
「しばらく草原狼のお肉の納品は無理だと思うよ。期待しないでね」
「そりゃ残念だ。だが、こんだけ跳兎の肉をくれるのもありがたいぞ」
肩をすくめた後、ガットさんが肉を数え始める。
「——跳兎のもも肉が三十七個。草原狼の肉が八個だな。きりよく、跳兎は一つ百リョウ、草原狼が二百リョウってことでどうだ?」
お、結構高値かも。僕、ちゃんと事前にギルドでの買い取り額調べてきたんだ。一割くらい高く買い取ってくれるみたい。
「いいよ! 全部でいくらになる?」
「五千三百リョウだな」
ガットの言葉の後、レストさんがすぐにお金を用意してくれた。
所持金五千九百リョウになりました! またお金持ちだぞー。装備買ったらすぐ消えちゃう額だけど。
〈シークレットミッション『酔いどれ酒場の危機を救え』をクリアしました。酒場から依頼が出されるようになります〉
「確かに受け取りましたー。あ、そうだ。今夜はここのご飯食べられる?」
「いいぞ。すぐ食うなら、肉を焼くくらいしかできねぇが」
レストさんも頷いてくれた。わくわく。りんご以外で初めてのご飯だよ。
「お酒は飲んでもいいの?」
「そりゃー……」
「ダメだろうね。モモは年齢確認をしてないだろう?」
頷きそうだったガットさんの言葉を遮って、レストさんが言う。
年齢確認ってなんだっけ……? あ、そういえば、ゲームの設定にあったような。初期設定は未成年ってことになってるのか。……僕、まだ変更不可だ。
お酒、飲んでみたかったなぁ。
「ノンアルコールのカクテルを作ってあげようか?」
「え、いいの?!」
酒場の雰囲気を楽しみたい。というわけでノンアルコールカクテルをオーダーしました。どんなのかな? レストさんが僕をイメージして作ってくれるんだって。
酒場の店内に戻って、カウンターに座る。もう開店時間になってたんだ。お客さんも来たみたい。
次第にざわめきが満ちる店内の雰囲気に、ついご機嫌に体が揺れちゃう。こういうところで食事をするのは初めてだ。冒険者ギルド周辺のうるささとは違って居心地がいいなぁ。
「——おまたせ。桃のシロップを使ったノンアルコールカクテルだよ。炭酸も使ってるけど大丈夫?」
「うん、美味しそう!」
大好物の桃だー。細いグラスの中には淡いピンク色のドリンク。もしかして桃の果肉も入ってる? 炭酸と一緒に桃の香りが弾けて、いいにおい!
一口飲んでみたら、甘いだけじゃなくてちょっぴり苦味もある。これ、グレープフルーツかな? 甘酸っぱい感じはラズベリーとか?
厳密に言ったらジュースみたいなものなんだろうけど、大人な雰囲気があってさらに美味しく感じる。
「うまうま……」
「喜んでもらえて良かったよ」
ちょっとずつ堪能する僕を眺めて、レストさんが微笑んでる。その背後からガットさんが出てきて、「ほらよ」ってご飯を出してくれた。
しっかり焼かれた跳兎のもも肉が、見るからにぷりっぷり。トマトソースがかけられてて、食欲をそそる。
……ノンアルコールカクテルには合わない気がするけど、まぁいっか。
飲み物と一緒に出してもらったナッツを食べてから、お肉に取り掛かります。
「……うまっ!」
語彙力なくてごめんね? でも、噛んだ瞬間に肉汁が溢れてきて、それがちょっと酸味のあるソースとあいまって、本当に美味しいんだよ。付け合わせの野菜まで美味しい。肉汁の旨味が染みてるんだもん。
え、ゲームの中で食べるものってこんなに美味しいんだ?
「——食道楽に走っちゃいそう」
「ふふ、それも楽しそうだね」
レストさんが笑ってる。本気にしてないな? 僕、本当にそうしちゃいそうなくらい衝撃を受けてるのに。
「料理人になるにはスキルが必要だぞ。俺が弟子にとってやってもいいが」
「え、本当に? でも、生産職に料理人ってないはずだけど」
どういうことだろう?
僕が首を傾げたら、レストさんとガットさんが視線を交わして肩をすくめた。
「確か、旅人がなれる職業は限定させたんだったかな?」
「職人の保護とか聞いたな。だが、後々は制限が解除される予定なんじゃなかったか?」
「そうだね。それに、専門の職業にならなくてもスキルは入手できると思ってたけど」
「それで間違いないはずだぜ」
すごく重要な会話を聞いてる気がする。
後々、プレイヤーが転職できる生産職が増えるって考えていいんだよね? 戦闘職のテイマーと同じパターンか。
スキルは今のままでも覚えられるみたいだし、ガットさんに弟子入りするのもいいかもなぁ。自分で美味しいご飯作れたら楽しいし、商売もできるかも?
でも、まずは錬金術士に弟子入りからしないと、さすがにね。
「じゃあ、時間できたら、弟子入りしてもいい? 今はちょっと忙しいんだよね」
「もちろんいいぞ。好きな時に声をかけろよ」
気のいい笑みを浮かべて、ガットさんが調理場に戻っていく。
美味しいお酒(ノンアルだけど)とご飯を食べれて、料理スキルを入手する方法までみつけられたなんて、すごいラッキーだったな!
******
◯NEW異世界の住人
・レスト
酔いどれ酒場の店主。隣にある宿の女将の夫で、ジルの父。上品なバーテンダーのような雰囲気だけど、時にバイオレンス……?
・ガット
酔いどれ酒場の料理人。肉料理が得意。豪快な性格。弟子入り歓迎!
******
「えっと、隣の酒場……」
宿の前を通り過ぎて発見。居酒屋とバーを混ぜた感じのお店。
扉には準備中って書かれてた。今は夕方頃だし、開店までまだ時間があるのかな。今日分のお肉が必要なんだったら、いいタイミング?
「こんにちはー」
カラン、と鳴る扉を押し開ける。鍵がかかってなくて良かった。
「うん? ……ああ、もしかして君は、ジルが肉の納品を頼んだっていう冒険者かい?」
「そうです。モモっていいます」
ちょっと丁寧に話しちゃうのは、酒場の店主であるジルパパが予想より上品な感じだったから。
グラスを拭きながら静かに笑う感じ、大人の男って印象があって憧れる。……でも、僕が思い描いてた酒場のイメージとは全然違った。お洒落なバーとかイタリアンレストランで働いてる人っぽい。
「そんなに硬くならないでいいよ。僕はレスト。ここの店主さ。お肉の納品をしてもらえるのは、本当にありがたいんだよ」
ジルパパ改め、レストさんが作業をやめて微笑む。なんか色気のある人だなぁ。
気後れしながら近づいたら、調理スペースに招かれた。ここに肉を出してほしいんだって。調理スペースには料理人らしき人もいた。
「お、肉の到着か?」
「僕を食べるみたいに言わないでー」
ムッとしながら言い返す。ガハハッと豪快に笑われた。……これくらい粗雑な方が、ちょっと気楽だね。
「良い肉付きだと思ってな。わりぃ」
「本気で肉として観察されてた、だと……!?」
衝撃を受けてたら、さらに笑われた。レストさんが「失礼な物言いはおやめなさい」と言いながら、勢いよく頭をひっぱたいてる。……見かけによらず、バイオレンスですね?
「これは、この店のシェフなんだ。ガットという名だけど、覚える必要はないよ」
「は、はい……」
レストさんとガットさんのこの感じ、仲が良いからだよね?
さっきのリリとルトとは全然違ったタイプのコンビだなー。ちょっとびっくりしちゃう。
とりあえず、お肉出しておきますね。お金ちょうだい。
「……随分とたくさんあるなー」
「ありがたいね」
取り出した肉の山に、ガットさんとレストさんが驚いてる。
跳兎の肉が大量にあるからしかたないね。僕も、取り出しながら『こんなに倒したっけ?』ってちょっと引いたから。
スライムが次々におかわりを持ってきてくれるから、たくさんとれたんだよ。あれはバトルじゃなくて、もはや狩りって言うのが正しい気がする。
「全部買い取りしてくれるの? 色つけてくれるって聞いたんだけど」
「うん。今日はこの街に旅人がたくさん来ただろう? みんなが買い食いをするものだから、肉不足が深刻でね。明日以降は、彼らが狩ったお肉が街に出回ると思うんだけど」
なるほど、今回の依頼は単発ってことね。少し残念。ランドさんみたいに継続納品依頼は望めないか。
でも、色つけてくれるのは事実みたいだし、それには感謝しよう。
「そっか。全部買ってくれるならありがたいよ。今後は冒険者ギルドに買い取りに出せばいいし」
「いや、持ち込んでくれるならいくらかは買い取るよ? 冒険者ギルドに手数料をとられない分、高くしてあげられるし」
レストさんとみつめあう。
冒険者ギルドに素材を買い取りしてもらうのは、メニューからできるから楽なんだ。レストさんには今日みたいに持ち込まないといけない。
でも、その手間分買い取り額が増えるなら、所持金がカツカツなときはありがたいかも。
「……わかった! 時間がある時は持ってくるね」
「今日みたいに準備中でも、営業中でも、いつでもいいよ」
契約成立の証に握手。
僕の手を軽く握った途端、レストさんが「ふわふわ……」と呟いて口元を緩ませてた。
もしや親子揃ってモフラーですか? 抱きつくのはノーセンキューね。あれは女の子限定です! ジルの場合は不意打ちだったけど。
「草原狼の肉もあるじゃねーか。これ、酒のつまみにいいんだよな。バトル初心者っていうか、小さいなりのくせに、強いんだな」
ガットさんが感心した感じで言う。もっと褒めてくれてもいいんだよ? ほぼ、カミラの功績なんだけどね。
「しばらく草原狼のお肉の納品は無理だと思うよ。期待しないでね」
「そりゃ残念だ。だが、こんだけ跳兎の肉をくれるのもありがたいぞ」
肩をすくめた後、ガットさんが肉を数え始める。
「——跳兎のもも肉が三十七個。草原狼の肉が八個だな。きりよく、跳兎は一つ百リョウ、草原狼が二百リョウってことでどうだ?」
お、結構高値かも。僕、ちゃんと事前にギルドでの買い取り額調べてきたんだ。一割くらい高く買い取ってくれるみたい。
「いいよ! 全部でいくらになる?」
「五千三百リョウだな」
ガットの言葉の後、レストさんがすぐにお金を用意してくれた。
所持金五千九百リョウになりました! またお金持ちだぞー。装備買ったらすぐ消えちゃう額だけど。
〈シークレットミッション『酔いどれ酒場の危機を救え』をクリアしました。酒場から依頼が出されるようになります〉
「確かに受け取りましたー。あ、そうだ。今夜はここのご飯食べられる?」
「いいぞ。すぐ食うなら、肉を焼くくらいしかできねぇが」
レストさんも頷いてくれた。わくわく。りんご以外で初めてのご飯だよ。
「お酒は飲んでもいいの?」
「そりゃー……」
「ダメだろうね。モモは年齢確認をしてないだろう?」
頷きそうだったガットさんの言葉を遮って、レストさんが言う。
年齢確認ってなんだっけ……? あ、そういえば、ゲームの設定にあったような。初期設定は未成年ってことになってるのか。……僕、まだ変更不可だ。
お酒、飲んでみたかったなぁ。
「ノンアルコールのカクテルを作ってあげようか?」
「え、いいの?!」
酒場の雰囲気を楽しみたい。というわけでノンアルコールカクテルをオーダーしました。どんなのかな? レストさんが僕をイメージして作ってくれるんだって。
酒場の店内に戻って、カウンターに座る。もう開店時間になってたんだ。お客さんも来たみたい。
次第にざわめきが満ちる店内の雰囲気に、ついご機嫌に体が揺れちゃう。こういうところで食事をするのは初めてだ。冒険者ギルド周辺のうるささとは違って居心地がいいなぁ。
「——おまたせ。桃のシロップを使ったノンアルコールカクテルだよ。炭酸も使ってるけど大丈夫?」
「うん、美味しそう!」
大好物の桃だー。細いグラスの中には淡いピンク色のドリンク。もしかして桃の果肉も入ってる? 炭酸と一緒に桃の香りが弾けて、いいにおい!
一口飲んでみたら、甘いだけじゃなくてちょっぴり苦味もある。これ、グレープフルーツかな? 甘酸っぱい感じはラズベリーとか?
厳密に言ったらジュースみたいなものなんだろうけど、大人な雰囲気があってさらに美味しく感じる。
「うまうま……」
「喜んでもらえて良かったよ」
ちょっとずつ堪能する僕を眺めて、レストさんが微笑んでる。その背後からガットさんが出てきて、「ほらよ」ってご飯を出してくれた。
しっかり焼かれた跳兎のもも肉が、見るからにぷりっぷり。トマトソースがかけられてて、食欲をそそる。
……ノンアルコールカクテルには合わない気がするけど、まぁいっか。
飲み物と一緒に出してもらったナッツを食べてから、お肉に取り掛かります。
「……うまっ!」
語彙力なくてごめんね? でも、噛んだ瞬間に肉汁が溢れてきて、それがちょっと酸味のあるソースとあいまって、本当に美味しいんだよ。付け合わせの野菜まで美味しい。肉汁の旨味が染みてるんだもん。
え、ゲームの中で食べるものってこんなに美味しいんだ?
「——食道楽に走っちゃいそう」
「ふふ、それも楽しそうだね」
レストさんが笑ってる。本気にしてないな? 僕、本当にそうしちゃいそうなくらい衝撃を受けてるのに。
「料理人になるにはスキルが必要だぞ。俺が弟子にとってやってもいいが」
「え、本当に? でも、生産職に料理人ってないはずだけど」
どういうことだろう?
僕が首を傾げたら、レストさんとガットさんが視線を交わして肩をすくめた。
「確か、旅人がなれる職業は限定させたんだったかな?」
「職人の保護とか聞いたな。だが、後々は制限が解除される予定なんじゃなかったか?」
「そうだね。それに、専門の職業にならなくてもスキルは入手できると思ってたけど」
「それで間違いないはずだぜ」
すごく重要な会話を聞いてる気がする。
後々、プレイヤーが転職できる生産職が増えるって考えていいんだよね? 戦闘職のテイマーと同じパターンか。
スキルは今のままでも覚えられるみたいだし、ガットさんに弟子入りするのもいいかもなぁ。自分で美味しいご飯作れたら楽しいし、商売もできるかも?
でも、まずは錬金術士に弟子入りからしないと、さすがにね。
「じゃあ、時間できたら、弟子入りしてもいい? 今はちょっと忙しいんだよね」
「もちろんいいぞ。好きな時に声をかけろよ」
気のいい笑みを浮かべて、ガットさんが調理場に戻っていく。
美味しいお酒(ノンアルだけど)とご飯を食べれて、料理スキルを入手する方法までみつけられたなんて、すごいラッキーだったな!
******
◯NEW異世界の住人
・レスト
酔いどれ酒場の店主。隣にある宿の女将の夫で、ジルの父。上品なバーテンダーのような雰囲気だけど、時にバイオレンス……?
・ガット
酔いどれ酒場の料理人。肉料理が得意。豪快な性格。弟子入り歓迎!
******
1,755
お気に入りに追加
3,076
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます
綾月百花
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。
え?わたくしは通りすがりの元病弱令嬢ですので修羅場に巻き込まないでくたさい。
ネコフク
恋愛
わたくしリィナ=ユグノアは小さな頃から病弱でしたが今は健康になり学園に通えるほどになりました。しかし殆ど屋敷で過ごしていたわたくしには学園は迷路のような場所。入学して半年、未だに迷子になってしまいます。今日も侍従のハルにニヤニヤされながら遠回り(迷子)して出た場所では何やら不穏な集団が・・・
強制的に修羅場に巻き込まれたリィナがちょっとだけざまぁするお話です。そして修羅場とは関係ないトコで婚約者に溺愛されています。
何でも奪っていく妹が森まで押しかけてきた ~今更私の言ったことを理解しても、もう遅い~
秋鷺 照
ファンタジー
「お姉さま、それちょうだい!」
妹のアリアにそう言われ奪われ続け、果ては婚約者まで奪われたロメリアは、首でも吊ろうかと思いながら森の奥深くへ歩いて行く。そうしてたどり着いてしまった森の深層には屋敷があった。
ロメリアは屋敷の主に見初められ、捕らえられてしまう。
どうやって逃げ出そう……悩んでいるところに、妹が押しかけてきた。
今度生まれ変わることがあれば・・・全て忘れて幸せになりたい。・・・なんて思うか!!
れもんぴーる
ファンタジー
冤罪をかけられ、家族にも婚約者にも裏切られたリュカ。
父に送り込まれた刺客に殺されてしまうが、なんと自分を陥れた兄と裏切った婚約者の一人息子として生まれ変わってしまう。5歳になり、前世の記憶を取り戻し自暴自棄になるノエルだったが、一人一人に復讐していくことを決めた。
メイドしてはまだまだなメイドちゃんがそんな悲しみを背負ったノエルの心を支えてくれます。
復讐物を書きたかったのですが、生ぬるかったかもしれません。色々突っ込みどころはありますが、おおらかな気持ちで読んでくださると嬉しいです(*´▽`*)
*なろうにも投稿しています
リストラされた聖女 ~婚約破棄されたので結界維持を解除します
青の雀
恋愛
キャロラインは、王宮でのパーティで婚約者のジークフリク王太子殿下から婚約破棄されてしまい、王宮から追放されてしまう。
キャロラインは、国境を1歩でも出れば、自身が張っていた結界が消えてしまうのだ。
結界が消えた王国はいかに?
女子力の高い僕は異世界でお菓子屋さんになりました
初昔 茶ノ介
ファンタジー
昔から低身長、童顔、お料理上手、家がお菓子屋さん、etc.と女子力満載の高校2年の冬樹 幸(ふゆき ゆき)は男子なのに周りからのヒロインのような扱いに日々悩んでいた。
ある日、学校の帰りに道に悩んでいるおばあさんを助けると、そのおばあさんはただのおばあさんではなく女神様だった。
冗談半分で言ったことを叶えると言い出し、目が覚めた先は見覚えのない森の中で…。
のんびり書いていきたいと思います。
よければ感想等お願いします。
【完】あの、……どなたでしょうか?
桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー
爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」
見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は………
「あの、……どなたのことでしょうか?」
まさかの意味不明発言!!
今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!!
結末やいかに!!
*******************
執筆終了済みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる