1 / 4
1話
しおりを挟む
土曜日の朝8時。
普段ならお昼近くまで寝ているけれど、今日は親友の玲奈の家に遊びに行く約束をしていたから早く起きた。
「おはようー」
「おはよう。朝ごはんは机の上に置いてあるから食べていいよ」
「うん、ありがとう」
リビングに行くと、お母さんはソファーに座ってテレビをみていた。
私は、お母さんのみているテレビを一緒にみながら、朝ごはんの置いてある机に座る。
「いただきます」
私が朝ごはんのトーストを食べようとすると、急に家の電話がなり出した。
「お母さん、電話なってるよー」
お母さんは電話に気づくと、ソファーから立ち上がって電話に出る。
電話に出ると、お母さんの表情がいつもと比べて暗くなった。
私はそんなお母さんを見て、電話の内容が気になりつつも、トーストを一口食べる。
電話が終わるとお母さんは、再びソファーに戻って大きくため息をついていた。
「どうしたの?」
「えっと、驚かないで聞いてほしいんだけどね、、、、、」
そう言うと、お母さんは少しのあいだ黙りこんだ。
「どうしたの?そんなに話せないようなことなら、別に話さなくてもいいよ」
「いや、彩衣には話さなきゃいけないことだから、、、、」
お母さんは、また少し黙りこんでから話し始めた。
「あのね、よく家に遊びに来てくれる、玲奈ちゃんっているでしょ?、、、、、」
「玲奈がどうしたの?」
「玲奈ちゃん、今朝ね死んじゃったみたいなの。自殺だって、、、、、」
「・・・・・・・・嘘でしょ・・・・」
玲奈が死んだ。
私はその言葉だけで、心に大きな穴が空いたように感じた。
玲奈が死んだ理由はなんとなくわかる。
きっとクラスでいじめられていたからだ。
それでも玲奈はいつも、『私は大丈夫だよ』、『私には彩衣がいるから大丈夫』って笑っていた。
私は玲奈のそんな言葉を聞いて、大人になっても玲奈と仲良く過ごせるんだと思っていた。
甘えていた。
玲奈の強さと優しさに、私は甘えていたんだ。
私は間違えた。馬鹿だった。
もっと早く玲奈が苦しんでいることに気づいていれば。
あの時、もっと玲奈と向き合って話していれば。
もう手遅れだってことはわかっている。
でも、どうしても後悔と、玲奈の笑った顔が脳裏によぎって涙が止まらなかった。
それから私は、自室にこもってしばらくの間泣き続けた。
家族が玲奈の家に挨拶に行く時も、私は自室から出ることはなかった。
結局、私が玲奈の家に行く勇気がつくまで1週間程かかった。
普段ならお昼近くまで寝ているけれど、今日は親友の玲奈の家に遊びに行く約束をしていたから早く起きた。
「おはようー」
「おはよう。朝ごはんは机の上に置いてあるから食べていいよ」
「うん、ありがとう」
リビングに行くと、お母さんはソファーに座ってテレビをみていた。
私は、お母さんのみているテレビを一緒にみながら、朝ごはんの置いてある机に座る。
「いただきます」
私が朝ごはんのトーストを食べようとすると、急に家の電話がなり出した。
「お母さん、電話なってるよー」
お母さんは電話に気づくと、ソファーから立ち上がって電話に出る。
電話に出ると、お母さんの表情がいつもと比べて暗くなった。
私はそんなお母さんを見て、電話の内容が気になりつつも、トーストを一口食べる。
電話が終わるとお母さんは、再びソファーに戻って大きくため息をついていた。
「どうしたの?」
「えっと、驚かないで聞いてほしいんだけどね、、、、、」
そう言うと、お母さんは少しのあいだ黙りこんだ。
「どうしたの?そんなに話せないようなことなら、別に話さなくてもいいよ」
「いや、彩衣には話さなきゃいけないことだから、、、、」
お母さんは、また少し黙りこんでから話し始めた。
「あのね、よく家に遊びに来てくれる、玲奈ちゃんっているでしょ?、、、、、」
「玲奈がどうしたの?」
「玲奈ちゃん、今朝ね死んじゃったみたいなの。自殺だって、、、、、」
「・・・・・・・・嘘でしょ・・・・」
玲奈が死んだ。
私はその言葉だけで、心に大きな穴が空いたように感じた。
玲奈が死んだ理由はなんとなくわかる。
きっとクラスでいじめられていたからだ。
それでも玲奈はいつも、『私は大丈夫だよ』、『私には彩衣がいるから大丈夫』って笑っていた。
私は玲奈のそんな言葉を聞いて、大人になっても玲奈と仲良く過ごせるんだと思っていた。
甘えていた。
玲奈の強さと優しさに、私は甘えていたんだ。
私は間違えた。馬鹿だった。
もっと早く玲奈が苦しんでいることに気づいていれば。
あの時、もっと玲奈と向き合って話していれば。
もう手遅れだってことはわかっている。
でも、どうしても後悔と、玲奈の笑った顔が脳裏によぎって涙が止まらなかった。
それから私は、自室にこもってしばらくの間泣き続けた。
家族が玲奈の家に挨拶に行く時も、私は自室から出ることはなかった。
結局、私が玲奈の家に行く勇気がつくまで1週間程かかった。
30
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
あの日、さようならと言って微笑んだ彼女を僕は一生忘れることはないだろう
まるまる⭐️
恋愛
僕に向かって微笑みながら「さようなら」と告げた彼女は、そのままゆっくりと自身の体重を後ろへと移動し、バルコニーから落ちていった‥
*****
僕と彼女は幼い頃からの婚約者だった。
僕は彼女がずっと、僕を支えるために努力してくれていたのを知っていたのに‥
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
悪役令嬢と言われ冤罪で追放されたけど、実力でざまぁしてしまった。
三谷朱花
恋愛
レナ・フルサールは元公爵令嬢。何もしていないはずなのに、気が付けば悪役令嬢と呼ばれ、公爵家を追放されるはめに。それまで高スペックと魔力の強さから王太子妃として望まれたはずなのに、スペックも低い魔力もほとんどないマリアンヌ・ゴッセ男爵令嬢が、王太子妃になることに。
何度も断罪を回避しようとしたのに!
では、こんな国など出ていきます!
妻のち愛人。
ひろか
恋愛
五つ下のエンリは、幼馴染から夫になった。
「ねーねー、ロナぁー」
甘えん坊なエンリは子供の頃から私の後をついてまわり、結婚してからも後をついてまわり、無いはずの尻尾をブンブン振るワンコのような夫。
そんな結婚生活が四ヶ月たった私の誕生日、目の前に突きつけられたのは離縁書だった。
ある夫婦の愛と、憎しみと
ちくわぶ(まるどらむぎ)
恋愛
大恋愛の末、結ばれたある夫婦。
二年前に夫が浮気したが、妻は許しやり直すことにした。
その後のお話。
投稿してすぐですがタイトル変更しました(楽曲タイトル抵触疑惑のため)
申し訳ありません。
※別タイトルで小説家になろうさんでも公開しています。
貧乏男爵家の末っ子が眠り姫になるまでとその後
空月
恋愛
貧乏男爵家の末っ子・アルティアの婚約者は、何故か公爵家嫡男で非の打ち所のない男・キースである。
魔術学院の二年生に進学して少し経った頃、「君と俺とでは釣り合わないと思わないか」と言われる。
そのときは曖昧な笑みで流したアルティアだったが、その数日後、倒れて眠ったままの状態になってしまう。
すると、キースの態度が豹変して……?
寵愛のいる旦那様との結婚生活が終わる。もし、次があるのなら緩やかに、優しい人と恋がしたい。
にのまえ
恋愛
リルガルド国。公爵令嬢リイーヤ・ロイアルは令嬢ながら、剣に明け暮れていた。
父に頼まれて参加をした王女のデビュタントの舞踏会で、伯爵家コール・デトロイトと知り合い恋に落ちる。
恋に浮かれて、剣を捨た。
コールと結婚をして初夜を迎えた。
リイーヤはナイトドレスを身に付け、鼓動を高鳴らせて旦那様を待っていた。しかし寝室に訪れた旦那から出た言葉は「私は君を抱くことはない」「私には心から愛する人がいる」だった。
ショックを受けて、旦那には愛してもられないと知る。しかし離縁したくてもリルガルド国では離縁は許されない。しかしリイーヤは二年待ち子供がいなければ離縁できると知る。
結婚二周年の食事の席で、旦那は義理両親にリイーヤに子供ができたと言い出した。それに反論して自分は生娘だと医師の診断書を見せる。
混乱した食堂を後にして、リイーヤは馬に乗り伯爵家から出て行き国境を越え違う国へと向かう。
もし、次があるのなら優しい人と恋がしたいと……
お読みいただき、ありがとうございます。
エブリスタで四月に『完結』した話に差し替えいたいと思っております。内容はさほど、変わっておりません。
それにあたり、栞を挟んでいただいている方、すみません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる