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第三章 インゼル共和国編
おまけ4 エルシニアの思い
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エルシニアは青の将軍との打ち合わせに赴いた後、ボハイラでの後処理を始める。
本来の目的である闇石の納品とちょっとした贈り物となるご奉仕の陣解除。
かなり上手く運んでいると思われる。
ここで依頼された業務は終了であり、後はお客様から見合う報酬を頂ければ完璧である。後は援助を受ける者が成功を得て大成してくれれば万々歳である。
『この件が片付いたら、自分への最大のご褒美を受取にエリミアに行かなければ…あぁ、楽しみです。ヴェステの隠者様とエリミアの御方様にも色々ご尽力頂いてますので何かお土産を用意しないと…』
気分的には相当浮かれていた。
自身が手に入れた者と、それで手に入るであろう甘美な夢に…。
エルシニアは内包者ではあるがエリミア国内にいる王族としてはかなり劣る方であった。生家は大賢者様を生み出した五都エクシーの末端王族である。
五都であり傍系王族が主流となる地であったが、現大賢者が輩出されてから上位王族との婚姻等が進み、あっという間に金品流れる豊かな地となった。
したがって継承権無き王族の宝庫となり、エルシニアもその一員に含まれた。
エルシニアの風貌はこの家系の顔の雰囲気を色濃く受け継いでいた。
麗美な目元と長いまつげ、すっきりした輪郭と通る鼻筋。
眉目秀麗とは正しくこういった顔立ちだろうと言う大賢者様の顔立ちを、色形の多少の違いはあれど引き継いでいた。
そのため石樹の儀までは "大賢者の血統継ぐ者" として親類縁者そろって下にも置かぬ対応であった。
しかし儀式で内包したのが魔力弱き孔雀魔石で有るのが知れると、手のひら返したように人が立ち去る。見た目が酷似してた故に期待の大きさとの落差激しく、能力の差を知り皆の落胆甚だしかったようだ。
「これであの能力さえあれば…」とか「見た目だけは…」とか、声掛けは能力を伴わなかった事を嘆くものばかりだった。
親さえも同じだった。
顔を見る度、ため息をつき目を逸らす。
叔母が憐れに思い声をかけてくれなければ、7才にして心無くした人形になっていたかもしれない。
叔母の家は元々はアハトにあったが、先代が粛清を受けた際にエクシーへ移り住むことになったそうだ。
そしてエリミアの皆同じでないと許されない雰囲気に苦しめられる。
家同士で懇意にしていた叔父と結婚するが、他国と取引をする商人と繋がる叔父が叔母のことを慮って早々に海外へ拠点を移し、今はリャーフに在住する。
「エルシニア!! 貴方も私達といらっしゃい! こんな狭い世界にいたら息が詰まって死んでしまうわ!」
そう言って手を取ってくれた。
そして叔母は言う。
「賢者の塔など無ければ、こんな思いはしなくて済んだのよ…由緒ある家格に傷をつけられ、家を失うと言う屈辱を味わうこともなかったわ」
言っても仕方の無い過ぎた事への怨み言。
だが、エルシニアにとっては過ぎ去った過去ではなく現在のことであった。
叔父の紹介でリャーフの商会長に弟子入りした後も、あの麗しの大賢者様の影は追いかけてくる。各国の王家や代表との取り次ぎなどを受け持てるようになってから特に、立場ある方々が人の顔を見る度に述べる。
「大賢者様の姿絵の面差しと大変良く似ておられますなぁ。いやぁ、まるで直接お会いできた様で僥倖であります」
似ている事で後ろに見える影ばかり気にされる…とぼやけば、それを利用し有効に商売に生かせば良いと言う言葉を聞きあきるほど色々な方々から頂くことになる。
『…そう言うことでは無いのだ!』
助言を下さる人々にまで敵対心を抱いてしまう。
この見た目を大賢者と繋げて語られる度にエルシニアは思う。
『これは私だ! 私自身を見ろ』
このままでは折角あの忌まわしき地を離れても、変わらず背後に見える影のように付きまとう存在に邪魔され続ける。
『ならば、私が私であるために奴の場所を奪えば良い…』
仄暗い、小さな怨嗟持つ目標が出来あがる…大賢者を貶め排除する甘美な夢。
『賢者の塔を忌む者…大賢者を憎む者は以外と多い。皆様に協力して頂きましょうか…』
新たに出来た目標の為ならば帰りたくもないエリミアに赴くことさえも苦にならない。そして計画に同意する叔母からの紹介で予想外の大物に会うことになる。
「…に、拝謁賜り僥倖であります」
恭しく挨拶するエルシニア。
「堅苦しい無駄な挨拶は好みません」
その返事は簡潔で実務的。この国の半分以上の政を此の御方が動かしている…と言う噂は本当かもしれないとエルシニアは納得する。
「御意に」
簡潔に同意する。
「今回面白い計画を立てていると…」
目を細め見定めるようにその御方はエルシニアに顔を向ける。
「まだ目標を掲げたばかりでありますが、御賛同いただきありがとうございます」
「目標だけでも十分です。私はアレの存在を容認できないのです…なので軌を一にする者には惜しみ無き援助を与えましょう」
「恐悦至極にございます」
エルシニアの返事など気にせず、その御方は輝かしき緑にエリミアの灰色入る瞳を鋭く光らせ助言を下さる。
「アレの気に入りなどを利用するのが良い。さすれば新たな道が開かれるかもしれません…」
ごく短時間の謁見ではあったが方向性が定まる有益なものだった。
そろそろ執務室での作業を終えようかと思う頃、連絡が入る。
陣の部屋に置いていた人質も、青の将軍に預けていた人質も逃げられていると…闇石を使った後に強力な魔力の来襲があったと…更に、その時塔へ向かっていた青の将軍が…倒れたと…。
畳み掛けるように不測の事態がやってくる。
楽しい気分がぐしゃりと踏み潰され、泡と消えた愉悦の代わりに憤りが訪れる。
逃れた者達へ邪気こもる遺恨の思いが極まり突き進む。
『いいでしょう…もっと手合わせを望むというなら、更に本気を出して手に入れて見せましょう』
その険しい表情に、再度捕らえた後の扱いを思い描き酷悪で猟奇的な笑みが浮かんでくる。
「そこまで私から逃げる貴女自身にも、身をもって後悔してもらいましょう…そして今度は消えぬ克明な印を身体に施してあげましょう」
根深い怨念籠る瞳で先を見つめ策謀を巡らし、楽しむ程に陰惨な思い募らせるエルシニアであった。
本来の目的である闇石の納品とちょっとした贈り物となるご奉仕の陣解除。
かなり上手く運んでいると思われる。
ここで依頼された業務は終了であり、後はお客様から見合う報酬を頂ければ完璧である。後は援助を受ける者が成功を得て大成してくれれば万々歳である。
『この件が片付いたら、自分への最大のご褒美を受取にエリミアに行かなければ…あぁ、楽しみです。ヴェステの隠者様とエリミアの御方様にも色々ご尽力頂いてますので何かお土産を用意しないと…』
気分的には相当浮かれていた。
自身が手に入れた者と、それで手に入るであろう甘美な夢に…。
エルシニアは内包者ではあるがエリミア国内にいる王族としてはかなり劣る方であった。生家は大賢者様を生み出した五都エクシーの末端王族である。
五都であり傍系王族が主流となる地であったが、現大賢者が輩出されてから上位王族との婚姻等が進み、あっという間に金品流れる豊かな地となった。
したがって継承権無き王族の宝庫となり、エルシニアもその一員に含まれた。
エルシニアの風貌はこの家系の顔の雰囲気を色濃く受け継いでいた。
麗美な目元と長いまつげ、すっきりした輪郭と通る鼻筋。
眉目秀麗とは正しくこういった顔立ちだろうと言う大賢者様の顔立ちを、色形の多少の違いはあれど引き継いでいた。
そのため石樹の儀までは "大賢者の血統継ぐ者" として親類縁者そろって下にも置かぬ対応であった。
しかし儀式で内包したのが魔力弱き孔雀魔石で有るのが知れると、手のひら返したように人が立ち去る。見た目が酷似してた故に期待の大きさとの落差激しく、能力の差を知り皆の落胆甚だしかったようだ。
「これであの能力さえあれば…」とか「見た目だけは…」とか、声掛けは能力を伴わなかった事を嘆くものばかりだった。
親さえも同じだった。
顔を見る度、ため息をつき目を逸らす。
叔母が憐れに思い声をかけてくれなければ、7才にして心無くした人形になっていたかもしれない。
叔母の家は元々はアハトにあったが、先代が粛清を受けた際にエクシーへ移り住むことになったそうだ。
そしてエリミアの皆同じでないと許されない雰囲気に苦しめられる。
家同士で懇意にしていた叔父と結婚するが、他国と取引をする商人と繋がる叔父が叔母のことを慮って早々に海外へ拠点を移し、今はリャーフに在住する。
「エルシニア!! 貴方も私達といらっしゃい! こんな狭い世界にいたら息が詰まって死んでしまうわ!」
そう言って手を取ってくれた。
そして叔母は言う。
「賢者の塔など無ければ、こんな思いはしなくて済んだのよ…由緒ある家格に傷をつけられ、家を失うと言う屈辱を味わうこともなかったわ」
言っても仕方の無い過ぎた事への怨み言。
だが、エルシニアにとっては過ぎ去った過去ではなく現在のことであった。
叔父の紹介でリャーフの商会長に弟子入りした後も、あの麗しの大賢者様の影は追いかけてくる。各国の王家や代表との取り次ぎなどを受け持てるようになってから特に、立場ある方々が人の顔を見る度に述べる。
「大賢者様の姿絵の面差しと大変良く似ておられますなぁ。いやぁ、まるで直接お会いできた様で僥倖であります」
似ている事で後ろに見える影ばかり気にされる…とぼやけば、それを利用し有効に商売に生かせば良いと言う言葉を聞きあきるほど色々な方々から頂くことになる。
『…そう言うことでは無いのだ!』
助言を下さる人々にまで敵対心を抱いてしまう。
この見た目を大賢者と繋げて語られる度にエルシニアは思う。
『これは私だ! 私自身を見ろ』
このままでは折角あの忌まわしき地を離れても、変わらず背後に見える影のように付きまとう存在に邪魔され続ける。
『ならば、私が私であるために奴の場所を奪えば良い…』
仄暗い、小さな怨嗟持つ目標が出来あがる…大賢者を貶め排除する甘美な夢。
『賢者の塔を忌む者…大賢者を憎む者は以外と多い。皆様に協力して頂きましょうか…』
新たに出来た目標の為ならば帰りたくもないエリミアに赴くことさえも苦にならない。そして計画に同意する叔母からの紹介で予想外の大物に会うことになる。
「…に、拝謁賜り僥倖であります」
恭しく挨拶するエルシニア。
「堅苦しい無駄な挨拶は好みません」
その返事は簡潔で実務的。この国の半分以上の政を此の御方が動かしている…と言う噂は本当かもしれないとエルシニアは納得する。
「御意に」
簡潔に同意する。
「今回面白い計画を立てていると…」
目を細め見定めるようにその御方はエルシニアに顔を向ける。
「まだ目標を掲げたばかりでありますが、御賛同いただきありがとうございます」
「目標だけでも十分です。私はアレの存在を容認できないのです…なので軌を一にする者には惜しみ無き援助を与えましょう」
「恐悦至極にございます」
エルシニアの返事など気にせず、その御方は輝かしき緑にエリミアの灰色入る瞳を鋭く光らせ助言を下さる。
「アレの気に入りなどを利用するのが良い。さすれば新たな道が開かれるかもしれません…」
ごく短時間の謁見ではあったが方向性が定まる有益なものだった。
そろそろ執務室での作業を終えようかと思う頃、連絡が入る。
陣の部屋に置いていた人質も、青の将軍に預けていた人質も逃げられていると…闇石を使った後に強力な魔力の来襲があったと…更に、その時塔へ向かっていた青の将軍が…倒れたと…。
畳み掛けるように不測の事態がやってくる。
楽しい気分がぐしゃりと踏み潰され、泡と消えた愉悦の代わりに憤りが訪れる。
逃れた者達へ邪気こもる遺恨の思いが極まり突き進む。
『いいでしょう…もっと手合わせを望むというなら、更に本気を出して手に入れて見せましょう』
その険しい表情に、再度捕らえた後の扱いを思い描き酷悪で猟奇的な笑みが浮かんでくる。
「そこまで私から逃げる貴女自身にも、身をもって後悔してもらいましょう…そして今度は消えぬ克明な印を身体に施してあげましょう」
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