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22.温もり感じる
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ミーティとモーイは2人ともズラリと横並ぶ寝台ある場所で、静かに寝かされていた。既に浄化の間から治療施すために、アクテの館近くにある魔力活性集約点に移動されたのだ。
無理を押して回復する可能性持つ此の場所まで運ばれる。
意識下の魔力回路から及んだ痛手は、外傷の様に目に見える治療は行えない。
体の内部から魔力による身体的損傷を受けていると思われるミーティの状態は特に早めの治療が望ましい状態だったのだ。
内なる領域を戦いの場としたことで引き起こされた事態。
自身の内で魔力攻撃行うなどの非常識な行動は、しっかりと本人へと跳ね返っていた。
魔力活性集約点での滞在は、治療になる場合とならない場合が顕著に分かれる。
願い叶う場合は劇的に状態改善する場合もあるし、逆に希望打ち砕かれ命縮める場合もある。
ただし、大事変後はそう言った奇跡的な出来事が起こることはなくなり、魔力循環を補助される事による緩やかな症状改善や組織の修復しか起こらなくなっていた。
殆どの者は原因を知らぬし、予想もできぬであろう。
大事変後、大賢者達と無限意識下集合記録が持つ意思との間で交わされた盟約。
それが履行されている結果、起きている状況。
この状況を理解できるのは、選ぶための領域に至ったモノたちだけであった。
大賢者が願う必然的循環からの解放と、巫女が望んだ高位の存在からの恣意的干渉の拒否。
彼方からの歪んだ力による関わりを避け…在るがままに…自然の成り行きで流れていく世界を望んだのだ。
魔力活性集約点に作られた治療院のような施設。
2人が寝かされている寝台の狭間に置いてある椅子の上、昼の暖かな陽光に照らされ…長閑に過ごす男が座っていた。
「ニュー…ル?」
寝台と寝台の間で緩やかに過ごす男を見て、目を見開き…苦し気に…切れ切れに問うミーティ。呟いた其の声に反応し、心配そうにニュールが声を掛ける。
「…目は覚めたか? 気分はどうだ? 大丈夫か?」
ミーティはニュールの姿を認め…驚きの表情表した後…満面の笑みを浮かべる。
意識下で意識失い…目覚めて目にしたモノ…。
その心強いモノの顔をみつけ、ミーティは安堵と安らぎを得る。
ニュールが魔物の心と完全に融合してからはあまり見られなかった、気遣う言葉と柔らかな表情…とても心に響く。
「良く頑張ったな」
その慰めとも賞賛とも付かない言葉を耳にし、何故か涙がにじむミーティ。
しかも、如何にも "この餓鬼んちょが…" と言う感じの言葉が手前についてそうな…気安い…距離感の近い…愛情溢れる言い方である上に、目が覚めたミーティの頭にポスリとニュールの手が乗せられた。
全くの子供扱いに頬を膨らませたい気分になる。
だが、悔しい思い湧き上がるのに…ミーティはとても嬉しくて…安堵して、今まで心の奥に溜まっていたモノが溢れ出し…幾筋もの涙が頬を伝う。
その時に意識取り戻したモーイが、同じように声をかけられ…ポスリと頭に手を置かれ…子ども扱いをされたことに憤慨している表情になっているのが目に入った。
同じように膨れっ面に涙が光っている。
2人とも意識を取り戻したお互いを見て、双方共に少しくすぐったいような気分の中…幸せを感じている表情であるのが明らかに見て取れた。
ミーティは涙流したのを拭き取りたいが、腕を持ち上げられないぐらい体が言うことを聞かない…と言うことに今気付く。
だけど流してしまった涙を、ぬぐいたいのにぬぐえず…上掛けを被って隠れたいのに隠れられない。何となく気恥ずかしく感じて…ごまかしたい気分になったミーティは、言葉で紛らわす。
「ニュールどうやって来たんだ?」
状況改善できず動揺している割に、ごまかすのに丁度良い…話が続くような質問だった。
「今ここに居るのは、お前が持ってる転移陣魔石からだ。全て処理した後に実態として直接コッチに辿り着いた」
柔らかい表情で、とりあえず今の状況をニュールは説明してくれた。
「最初は先にコッチに転移してから内部処理しようと思ってたが、間に合いそうもないぐらい逼迫した状況だったから…内から繋がった」
「内から?」
「あぁ、大賢者は自身の意識下に情報礎石と扉…の様なモノを持ってるから、潜れば繋がる。双方が扉に気付かなければ繋がらないが、お前なら内の繋がりに気付くと思ったんだ…」
「オレ大賢者じゃあ無いぞ…それに、特に気付かなかったけど、扉なんか有ったっけ?」
ミーティが訝しげに述べる。
「…繋がったから間に合ったんだ。それに、お前は大賢者…では無いが、人の領域で深く潜れる者だ。意識の深層を探るには意識や記憶の繋がりが必要…要件を満たせば可能なんだ」
疑問は浮かぶが、質問にできる程までに理解が及ばぬ内容…ミーティは戸惑う。
「賢者の石は色々…全ての存在を超えて共有する情報礎石を持つのだが、語り部達は…繋がり語り継ぐ者達だけで共有する情報礎石を持つ…って言う感じかな。だから繋がるんだ」
ミーティには…、いやっ隣で聞いてきたモーイにもさっぱり理解出来なかった。
「…思いを繋げて遠くまで意思飛ばせる…って事で理解しとけば良いんじゃないか」
結局、究極に端折った形の説明に至る。
ミーティやモーイにとって疑問符しか浮かばない内容だ。ただ1つ確かなのは…全て諦めそうになった状況で…内なる空間で繋がり…助けに来てくれたという事実だけだった。
「「ありがとう…ニュール…」」
2人がそれぞれ囁くように…だが思いを込めて感謝の言葉を伝えるのだった。
ニュールから粗方の説明を受け、結局最後の美味しい所を持っていかれ…場を収められてしまった…と言うことが判明した。
だがミーティとモーイに不服なく…むしろニュールに労われ…嬉しくなっていた。
姉弟そろって父親に褒められた…そんな気分かもしれない。
「やっぱり、ニュールって父さんみたいだな!」
呑気に気楽に思ったままを呟くミーティ。
だけど珍しくニュールが楽しそうに反論する。
「いや、こんな面倒臭くてデカイ餓鬼持った覚えはないし、オレはまだ嫁さえもらってないんだぞ。見た目年齢以上の苦労は背負いこんだかもしれんが、せめて母親役迎えてからにしてくれよな」
その余裕ある温かみ持つ微笑みが、2人の背筋をぞわりと痺れさせる。
居住まい正したくなるような、もたれ掛かりたくなるような…抱きつきたくなるような…一生付いて行かせてくださいと申し出たくなる気分。
「やっぱニュールって…何かずりぃーオッサンだよな」
「ホントだ…美味しいトコもってっちゃうしカッコつけだし…心さらってくし…」
ジンっとした気分をごまかすために、2人して少しニュールにブーたれてしまう。
だがそんな弱気な甘えた気持ちを、ニュールは軽く受け止めつつ流してくれる。
「あぁ、悪かったな…まだまだ駆けつけちまうような甘いオッサンなんだ…だから、あんまり心配させるな」
その優しく労わるような甘い微笑みに…何だか大切にされてる感を存分に受け取ってしまった2人。自身の状態忘れ去り、今までに以上に嬉しくなり…浮かれてしまう。
ニュールとの御対面を…そんな感じで数日ぶりに済ませた後、意識戻った後の2人の状態確認をニュールが行う。
大賢者の目による的確な診断力持ち、魔物の力で身体そのものが回復薬のようなニュール。
薬師による診断や魔力活性集約点での治療以上に効果的なのは、過去に照明されている。
まずモーイの顔を覗き込み…額に手を当て、様子を確認した。
「モーイは体力さえ回復すれば問題ないな。…魔力回路の状態も、十分に動き巡っているようだ。これで、やっと完全回復だな…来た甲斐はあったじゃないか」
ニュールは其の状態に満足し、微笑みながらモーイの額から手を外す。
次にミーティの状態を確認し始める。
「…魔力で内臓を損傷していて、相当血を失っている状態だ。分かってなさそうだが…今の状態で痛みが無いのは、薬を与えられてるからだって事を忘れるな」
病人である事は考慮されず、立て続けに厳しいい言葉贈られる。
「…お前が思っている以上に重傷だぞ。もう少し…魔力扱うことで何が起こるのか、事前に勉強しておくべきだ。実技だけじゃなく知識…も重要だぞ、自身の深層から情報得る方法を体得しても良いがな…」
ミーティの上役としてのお叱り…と言うか、保護者の叱責…と言う感じだった。
お小言が山ほど入る…。
「えぇー、オレ頑張ったのに勉強しろって怒られるの?」
明るく受け答えするので元気良さそうに見えるが、腕は上がらないし…少し続けて話していただけで息が上がっているのがバレバレだ。
「今度は心配掛けないように頑張れ。動けるぐらいになるためには…もう少し治療が…必要だな」
そして、いつもの光景が再現される。
訓練や戦闘で傷つき瀕死の状態で倒れた時に行う、最も効果的な方法が取られた。
無理を押して回復する可能性持つ此の場所まで運ばれる。
意識下の魔力回路から及んだ痛手は、外傷の様に目に見える治療は行えない。
体の内部から魔力による身体的損傷を受けていると思われるミーティの状態は特に早めの治療が望ましい状態だったのだ。
内なる領域を戦いの場としたことで引き起こされた事態。
自身の内で魔力攻撃行うなどの非常識な行動は、しっかりと本人へと跳ね返っていた。
魔力活性集約点での滞在は、治療になる場合とならない場合が顕著に分かれる。
願い叶う場合は劇的に状態改善する場合もあるし、逆に希望打ち砕かれ命縮める場合もある。
ただし、大事変後はそう言った奇跡的な出来事が起こることはなくなり、魔力循環を補助される事による緩やかな症状改善や組織の修復しか起こらなくなっていた。
殆どの者は原因を知らぬし、予想もできぬであろう。
大事変後、大賢者達と無限意識下集合記録が持つ意思との間で交わされた盟約。
それが履行されている結果、起きている状況。
この状況を理解できるのは、選ぶための領域に至ったモノたちだけであった。
大賢者が願う必然的循環からの解放と、巫女が望んだ高位の存在からの恣意的干渉の拒否。
彼方からの歪んだ力による関わりを避け…在るがままに…自然の成り行きで流れていく世界を望んだのだ。
魔力活性集約点に作られた治療院のような施設。
2人が寝かされている寝台の狭間に置いてある椅子の上、昼の暖かな陽光に照らされ…長閑に過ごす男が座っていた。
「ニュー…ル?」
寝台と寝台の間で緩やかに過ごす男を見て、目を見開き…苦し気に…切れ切れに問うミーティ。呟いた其の声に反応し、心配そうにニュールが声を掛ける。
「…目は覚めたか? 気分はどうだ? 大丈夫か?」
ミーティはニュールの姿を認め…驚きの表情表した後…満面の笑みを浮かべる。
意識下で意識失い…目覚めて目にしたモノ…。
その心強いモノの顔をみつけ、ミーティは安堵と安らぎを得る。
ニュールが魔物の心と完全に融合してからはあまり見られなかった、気遣う言葉と柔らかな表情…とても心に響く。
「良く頑張ったな」
その慰めとも賞賛とも付かない言葉を耳にし、何故か涙がにじむミーティ。
しかも、如何にも "この餓鬼んちょが…" と言う感じの言葉が手前についてそうな…気安い…距離感の近い…愛情溢れる言い方である上に、目が覚めたミーティの頭にポスリとニュールの手が乗せられた。
全くの子供扱いに頬を膨らませたい気分になる。
だが、悔しい思い湧き上がるのに…ミーティはとても嬉しくて…安堵して、今まで心の奥に溜まっていたモノが溢れ出し…幾筋もの涙が頬を伝う。
その時に意識取り戻したモーイが、同じように声をかけられ…ポスリと頭に手を置かれ…子ども扱いをされたことに憤慨している表情になっているのが目に入った。
同じように膨れっ面に涙が光っている。
2人とも意識を取り戻したお互いを見て、双方共に少しくすぐったいような気分の中…幸せを感じている表情であるのが明らかに見て取れた。
ミーティは涙流したのを拭き取りたいが、腕を持ち上げられないぐらい体が言うことを聞かない…と言うことに今気付く。
だけど流してしまった涙を、ぬぐいたいのにぬぐえず…上掛けを被って隠れたいのに隠れられない。何となく気恥ずかしく感じて…ごまかしたい気分になったミーティは、言葉で紛らわす。
「ニュールどうやって来たんだ?」
状況改善できず動揺している割に、ごまかすのに丁度良い…話が続くような質問だった。
「今ここに居るのは、お前が持ってる転移陣魔石からだ。全て処理した後に実態として直接コッチに辿り着いた」
柔らかい表情で、とりあえず今の状況をニュールは説明してくれた。
「最初は先にコッチに転移してから内部処理しようと思ってたが、間に合いそうもないぐらい逼迫した状況だったから…内から繋がった」
「内から?」
「あぁ、大賢者は自身の意識下に情報礎石と扉…の様なモノを持ってるから、潜れば繋がる。双方が扉に気付かなければ繋がらないが、お前なら内の繋がりに気付くと思ったんだ…」
「オレ大賢者じゃあ無いぞ…それに、特に気付かなかったけど、扉なんか有ったっけ?」
ミーティが訝しげに述べる。
「…繋がったから間に合ったんだ。それに、お前は大賢者…では無いが、人の領域で深く潜れる者だ。意識の深層を探るには意識や記憶の繋がりが必要…要件を満たせば可能なんだ」
疑問は浮かぶが、質問にできる程までに理解が及ばぬ内容…ミーティは戸惑う。
「賢者の石は色々…全ての存在を超えて共有する情報礎石を持つのだが、語り部達は…繋がり語り継ぐ者達だけで共有する情報礎石を持つ…って言う感じかな。だから繋がるんだ」
ミーティには…、いやっ隣で聞いてきたモーイにもさっぱり理解出来なかった。
「…思いを繋げて遠くまで意思飛ばせる…って事で理解しとけば良いんじゃないか」
結局、究極に端折った形の説明に至る。
ミーティやモーイにとって疑問符しか浮かばない内容だ。ただ1つ確かなのは…全て諦めそうになった状況で…内なる空間で繋がり…助けに来てくれたという事実だけだった。
「「ありがとう…ニュール…」」
2人がそれぞれ囁くように…だが思いを込めて感謝の言葉を伝えるのだった。
ニュールから粗方の説明を受け、結局最後の美味しい所を持っていかれ…場を収められてしまった…と言うことが判明した。
だがミーティとモーイに不服なく…むしろニュールに労われ…嬉しくなっていた。
姉弟そろって父親に褒められた…そんな気分かもしれない。
「やっぱり、ニュールって父さんみたいだな!」
呑気に気楽に思ったままを呟くミーティ。
だけど珍しくニュールが楽しそうに反論する。
「いや、こんな面倒臭くてデカイ餓鬼持った覚えはないし、オレはまだ嫁さえもらってないんだぞ。見た目年齢以上の苦労は背負いこんだかもしれんが、せめて母親役迎えてからにしてくれよな」
その余裕ある温かみ持つ微笑みが、2人の背筋をぞわりと痺れさせる。
居住まい正したくなるような、もたれ掛かりたくなるような…抱きつきたくなるような…一生付いて行かせてくださいと申し出たくなる気分。
「やっぱニュールって…何かずりぃーオッサンだよな」
「ホントだ…美味しいトコもってっちゃうしカッコつけだし…心さらってくし…」
ジンっとした気分をごまかすために、2人して少しニュールにブーたれてしまう。
だがそんな弱気な甘えた気持ちを、ニュールは軽く受け止めつつ流してくれる。
「あぁ、悪かったな…まだまだ駆けつけちまうような甘いオッサンなんだ…だから、あんまり心配させるな」
その優しく労わるような甘い微笑みに…何だか大切にされてる感を存分に受け取ってしまった2人。自身の状態忘れ去り、今までに以上に嬉しくなり…浮かれてしまう。
ニュールとの御対面を…そんな感じで数日ぶりに済ませた後、意識戻った後の2人の状態確認をニュールが行う。
大賢者の目による的確な診断力持ち、魔物の力で身体そのものが回復薬のようなニュール。
薬師による診断や魔力活性集約点での治療以上に効果的なのは、過去に照明されている。
まずモーイの顔を覗き込み…額に手を当て、様子を確認した。
「モーイは体力さえ回復すれば問題ないな。…魔力回路の状態も、十分に動き巡っているようだ。これで、やっと完全回復だな…来た甲斐はあったじゃないか」
ニュールは其の状態に満足し、微笑みながらモーイの額から手を外す。
次にミーティの状態を確認し始める。
「…魔力で内臓を損傷していて、相当血を失っている状態だ。分かってなさそうだが…今の状態で痛みが無いのは、薬を与えられてるからだって事を忘れるな」
病人である事は考慮されず、立て続けに厳しいい言葉贈られる。
「…お前が思っている以上に重傷だぞ。もう少し…魔力扱うことで何が起こるのか、事前に勉強しておくべきだ。実技だけじゃなく知識…も重要だぞ、自身の深層から情報得る方法を体得しても良いがな…」
ミーティの上役としてのお叱り…と言うか、保護者の叱責…と言う感じだった。
お小言が山ほど入る…。
「えぇー、オレ頑張ったのに勉強しろって怒られるの?」
明るく受け答えするので元気良さそうに見えるが、腕は上がらないし…少し続けて話していただけで息が上がっているのがバレバレだ。
「今度は心配掛けないように頑張れ。動けるぐらいになるためには…もう少し治療が…必要だな」
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