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第1章 死神への道
16話-認めてもらおう
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壁に飲み込まれ、連れてこられたそこは開けた薄暗い路地裏だった。どこからかすきま風が吹き、不気味さをより引き立てている。
冷たいコンクリートの壁。もたれているのは金髪の少年。
乱暴に置かれたドラム缶。片足を上げて座っているのは黒髪ハーフアップの少年とその横に先程の痣の青年。
錆びた室外機。前に立つのは純白の少女。
立て掛けある何かの資材であろう木の板。腕組をしてこちらを伺う着物のようなものを纏う女性。
蔦風の正面の壁に扉があり、そこに続く小さな階段の脇に二人。首から瓢箪を下げ、独特な髪色の隈の目の青年とおじさんに爪を押し当てていた青年。
そして階段の一番上に座っているフードを被ったひと。
「このひと達が・・・・・・臣・・・・・・」
死神のトップが集う場は異様な空気だ。皆が蔦風を探るように、なめ回すように見る。
エイクが蔦風の腕を離し、八人の方へ歩く。・・・・・・あれ?
「九人・・・・・・」
おじさん曰く、『臣』は八人だったはずだ。エイクもこの場にいるということは臣のはず。
「あー俺ね、臣じゃないのよ?」
そこで声をあげたのは痣の青年。
「俺は美都鵯家の人間。このひとの眷属だからここにいるの」
目配せしたのはドラム缶に座っているハーフアップの少年。
「なにぶん、戦闘力皆無なもんでな。人間サマに頼ってんだ」
ハーフアップの少年はニヤリと笑って話す。階段の一番上に座っているひとを見ながら立ち上がり、続けた。
「ハッ!おい、海!俺はコイツの組織介入に賛成するぜ?元人間の死神なんざオモシレー観察できそうだ。」
ハーフアップの少年はそう言いながら蔦風の方へ歩みより、他の臣たちを見た。
「えー?僕も一応元人間なんだけどー」
エイクが言う。
「オメェを元人間にカウントしてねえよ」
ハーフアップの少年が言う。
「うちの人がこう言ってるから、勿論俺もこの子に賛成。」
痣の青年もこちらへ来た。そこでエイクがハッとする。
「あー!僕はもうすでに蔦風好きだから賛成さ!弟弟子ができて嬉しいのさ!」
エイクもニコニコしながトテテとこちらへ。
「あ、ありがとうございます・・・・・・」
臣二人に認めてもらえたようだ。順調な気がする。怖いくらいに。
「俺は認めねえ」
爪の青年が声をあげた。
「コイツは駄目だ。さっきもエイクにすぐ押し倒されてたぜ?こんな奴天使に串刺しにされるのがオチだ。弱すぎる。それに、元人間なんて組織の士気が下がりかねねぇよ」
・・・・・・ごもっともだ。
あやかしにとって元人間っていうだけで信用できないだろう。
「俺は海に任せますよ。どっちでも良いです。邪魔しないなら勝手にさせればいいとは思いますけど」
中立の宣言をしたのは独特な髪色の男。
「つたかぜ・・・・・・だめ・・・・・・歌、歌えなそう」
純白の少女、やんわり突き飛ばすタイプ。
「歌ってそれ君だけじゃん!」
エイクが少女に反抗する。
「歌えないやつ・・・・・・いらない」
歌?うた・・・・・・なんて何年も歌っていない。なるほど歌唱力が必要なのか。帰って練習だな。
「俺もやめといた方が良いと思う。こんなあやかしの世界で耐えられるとは思えない」
壁にもたれている金髪の少年もこちらを一瞥して反対の意を示す。なぜかヘッドフォンをしている。
反対派が多い気がする。別に悲しくないけれど、組織に入って感情を取り戻さないといけない。認めてもらわないと困る。どうしようか。
「まんじゅう、いる?」
蔦風は首に掛けているペンダントにこっそり潜んでいる式神を呼んだ。
「ンダヨ。俺は眠インだヨ」
とか言いつつも出てきてくれるのがまんじゅうだ。
「どうしよう。このままじゃ組織に入れない」
冷たいコンクリートの壁。もたれているのは金髪の少年。
乱暴に置かれたドラム缶。片足を上げて座っているのは黒髪ハーフアップの少年とその横に先程の痣の青年。
錆びた室外機。前に立つのは純白の少女。
立て掛けある何かの資材であろう木の板。腕組をしてこちらを伺う着物のようなものを纏う女性。
蔦風の正面の壁に扉があり、そこに続く小さな階段の脇に二人。首から瓢箪を下げ、独特な髪色の隈の目の青年とおじさんに爪を押し当てていた青年。
そして階段の一番上に座っているフードを被ったひと。
「このひと達が・・・・・・臣・・・・・・」
死神のトップが集う場は異様な空気だ。皆が蔦風を探るように、なめ回すように見る。
エイクが蔦風の腕を離し、八人の方へ歩く。・・・・・・あれ?
「九人・・・・・・」
おじさん曰く、『臣』は八人だったはずだ。エイクもこの場にいるということは臣のはず。
「あー俺ね、臣じゃないのよ?」
そこで声をあげたのは痣の青年。
「俺は美都鵯家の人間。このひとの眷属だからここにいるの」
目配せしたのはドラム缶に座っているハーフアップの少年。
「なにぶん、戦闘力皆無なもんでな。人間サマに頼ってんだ」
ハーフアップの少年はニヤリと笑って話す。階段の一番上に座っているひとを見ながら立ち上がり、続けた。
「ハッ!おい、海!俺はコイツの組織介入に賛成するぜ?元人間の死神なんざオモシレー観察できそうだ。」
ハーフアップの少年はそう言いながら蔦風の方へ歩みより、他の臣たちを見た。
「えー?僕も一応元人間なんだけどー」
エイクが言う。
「オメェを元人間にカウントしてねえよ」
ハーフアップの少年が言う。
「うちの人がこう言ってるから、勿論俺もこの子に賛成。」
痣の青年もこちらへ来た。そこでエイクがハッとする。
「あー!僕はもうすでに蔦風好きだから賛成さ!弟弟子ができて嬉しいのさ!」
エイクもニコニコしながトテテとこちらへ。
「あ、ありがとうございます・・・・・・」
臣二人に認めてもらえたようだ。順調な気がする。怖いくらいに。
「俺は認めねえ」
爪の青年が声をあげた。
「コイツは駄目だ。さっきもエイクにすぐ押し倒されてたぜ?こんな奴天使に串刺しにされるのがオチだ。弱すぎる。それに、元人間なんて組織の士気が下がりかねねぇよ」
・・・・・・ごもっともだ。
あやかしにとって元人間っていうだけで信用できないだろう。
「俺は海に任せますよ。どっちでも良いです。邪魔しないなら勝手にさせればいいとは思いますけど」
中立の宣言をしたのは独特な髪色の男。
「つたかぜ・・・・・・だめ・・・・・・歌、歌えなそう」
純白の少女、やんわり突き飛ばすタイプ。
「歌ってそれ君だけじゃん!」
エイクが少女に反抗する。
「歌えないやつ・・・・・・いらない」
歌?うた・・・・・・なんて何年も歌っていない。なるほど歌唱力が必要なのか。帰って練習だな。
「俺もやめといた方が良いと思う。こんなあやかしの世界で耐えられるとは思えない」
壁にもたれている金髪の少年もこちらを一瞥して反対の意を示す。なぜかヘッドフォンをしている。
反対派が多い気がする。別に悲しくないけれど、組織に入って感情を取り戻さないといけない。認めてもらわないと困る。どうしようか。
「まんじゅう、いる?」
蔦風は首に掛けているペンダントにこっそり潜んでいる式神を呼んだ。
「ンダヨ。俺は眠インだヨ」
とか言いつつも出てきてくれるのがまんじゅうだ。
「どうしよう。このままじゃ組織に入れない」
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