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第1章 死神への道
2話-魂の選別
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一直線の道を進む。真っ暗で何も見えないが、ここに道があることはなぜだか分かる。
しばらく歩くと置くから黄色い火の玉がフヨフヨやって来た。
「オマエ、光ダナ?」
火の玉から声が・・・・・・
小動物の声を人間が真似をすればこんな声になりそう。
「・・・・・・?はい。光です。え、わっっ!」
その時、黄色い火の玉がボウッと勢いよく燃えながら大きくなり、光を飲み込んだ。
熱くも痛くもない。
ふと目を開ける。
そこはまさに絵に描いたような地獄だった。
大部屋のようになっている。旅館の宴会場を大きくした感じだ。だが明らかに違う。
畳ではなく時折火を吹くひび割れた石の地面。天井はなく、あるのは真っ赤な空。
奥には御簾があり、そこには大きな人影が一つ。閻魔大王が鎮座しているのだろう。
そして少年の目の前には一歩の御簾へ続く道があった。その両側には黒子姿のひとが大鎌を持ってズラリと並んでいる。門番と少し違うのが、目元も全て隠れてしまっていることだ。
少年は恐る恐る道を進む。裸足であるから火を吹く地面はとても熱いがお構い無し。もう死んでいるのだから。
御簾の直前で止まる。
すると、大きな人影がヌッと動く。肘でもついたのだろうか。
「汝、自らの命を軽んじ、その身自ら果てさせた・・・・・・」
地を這うようなどす黒い声が響く。
選別だ。天国か地獄か。はたまた・・・・・・
「その浅はか極まりない行動、悔いる場を設けてやろう」
悔いる・・・・・・なぜ悔いるのだ。まあ、いいさ。何を言われようとも従おう。
「・・・・・・次の選別に向かえ」
次?え?次の選別?とは・・・・・・
「こ、ここが選別会場ではないのですか?」
御簾の奥には閻魔大王が鎮座し、天国か地獄かの選別をここでするのではなかったのか?
「たわけ。我は不動明王であるぞ。閻魔などではない。選別はもっと先だ。」
二次面接、三次面接あるということか・・・・・・面倒だな。
閻魔大王ではない。ならばそもそも不動明王とはなんだ?
「ちょいと失礼っ!」
突然、軽やかな弾んだおじさんの声がした。
少年の目の前に大きな背中があった。どこからわいてきたんだ?
「不動明王サン、コイツゥもらって良いですかい?いやー危なく次の選別会場に行ってしまうとこだったぜー・・・・・・よ!えーと、光?」
おじさんが振りかえる。
「あ、はい。光です。」
「おーそうかそうか。よろしくな光!」
「えっ?はい、よろしくお願いします。」
右手を出してきたので握手をする。不思議なおじさんだな。
そんなおじさんを見上げる。サングラスを左手で持ち上げ、ギリギリ両目が見えた。たれ目ふと眉でボサボサの短髪赤茶毛。フード付きのコートを羽織り、ニッカポッカに足袋ときた。
「んお?どした?」
「いえ、面白い格好だなと」
「ハハハッこれが動きやすいんだよ。それにフードは俺達の正装だ」
ニカッと得意気に笑う。
「また来よったな犬。まあよい、連れていけ連れていけ。閻魔の仕事が減って喜ぶだろう」
不動明王が口を開く。適当すぎないか?そんな感じで良いのか?犬って、おじさんのことか?
「へーへーそうさせて貰いますぜ?行くぞ、少年」
「えっ?え・・・・・・わかり、ました」
なにこの展開。
しばらく歩くと置くから黄色い火の玉がフヨフヨやって来た。
「オマエ、光ダナ?」
火の玉から声が・・・・・・
小動物の声を人間が真似をすればこんな声になりそう。
「・・・・・・?はい。光です。え、わっっ!」
その時、黄色い火の玉がボウッと勢いよく燃えながら大きくなり、光を飲み込んだ。
熱くも痛くもない。
ふと目を開ける。
そこはまさに絵に描いたような地獄だった。
大部屋のようになっている。旅館の宴会場を大きくした感じだ。だが明らかに違う。
畳ではなく時折火を吹くひび割れた石の地面。天井はなく、あるのは真っ赤な空。
奥には御簾があり、そこには大きな人影が一つ。閻魔大王が鎮座しているのだろう。
そして少年の目の前には一歩の御簾へ続く道があった。その両側には黒子姿のひとが大鎌を持ってズラリと並んでいる。門番と少し違うのが、目元も全て隠れてしまっていることだ。
少年は恐る恐る道を進む。裸足であるから火を吹く地面はとても熱いがお構い無し。もう死んでいるのだから。
御簾の直前で止まる。
すると、大きな人影がヌッと動く。肘でもついたのだろうか。
「汝、自らの命を軽んじ、その身自ら果てさせた・・・・・・」
地を這うようなどす黒い声が響く。
選別だ。天国か地獄か。はたまた・・・・・・
「その浅はか極まりない行動、悔いる場を設けてやろう」
悔いる・・・・・・なぜ悔いるのだ。まあ、いいさ。何を言われようとも従おう。
「・・・・・・次の選別に向かえ」
次?え?次の選別?とは・・・・・・
「こ、ここが選別会場ではないのですか?」
御簾の奥には閻魔大王が鎮座し、天国か地獄かの選別をここでするのではなかったのか?
「たわけ。我は不動明王であるぞ。閻魔などではない。選別はもっと先だ。」
二次面接、三次面接あるということか・・・・・・面倒だな。
閻魔大王ではない。ならばそもそも不動明王とはなんだ?
「ちょいと失礼っ!」
突然、軽やかな弾んだおじさんの声がした。
少年の目の前に大きな背中があった。どこからわいてきたんだ?
「不動明王サン、コイツゥもらって良いですかい?いやー危なく次の選別会場に行ってしまうとこだったぜー・・・・・・よ!えーと、光?」
おじさんが振りかえる。
「あ、はい。光です。」
「おーそうかそうか。よろしくな光!」
「えっ?はい、よろしくお願いします。」
右手を出してきたので握手をする。不思議なおじさんだな。
そんなおじさんを見上げる。サングラスを左手で持ち上げ、ギリギリ両目が見えた。たれ目ふと眉でボサボサの短髪赤茶毛。フード付きのコートを羽織り、ニッカポッカに足袋ときた。
「んお?どした?」
「いえ、面白い格好だなと」
「ハハハッこれが動きやすいんだよ。それにフードは俺達の正装だ」
ニカッと得意気に笑う。
「また来よったな犬。まあよい、連れていけ連れていけ。閻魔の仕事が減って喜ぶだろう」
不動明王が口を開く。適当すぎないか?そんな感じで良いのか?犬って、おじさんのことか?
「へーへーそうさせて貰いますぜ?行くぞ、少年」
「えっ?え・・・・・・わかり、ました」
なにこの展開。
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