上 下
25 / 41
皇女シャーロット編

結婚式

しおりを挟む
あの後、キャサリンとプリシラの刑が確定した。


キャサリンは国庫に手をつけていたこと、皇女を虐げていたこと、皇帝陛下と皇后陛下を毒殺したこと、王家を謀ったこと、諸々の罪で火炙りでの処刑となった。


一部からはそれすらも生温いという声も上がっているほどだ。


一方でプリシラは皇女の身分を偽ったことに関しては本当に知らなかったため不問となったが、本物の皇女である私を虐げた罪に問われ、修道院送りとなった。


プリシラにとってはある意味処刑よりもきついかもしれない。


私を虐げた使用人たちは皆使用人という職をクビになり、国外追放となった。


噂によるとその後野盗に襲われて一人残らず亡くなったらしい。


この一件は帝国中に公表され、私の予想通り大混乱を招いた。


お母様の名誉も回復し、今ではお母様や私を悪く言う者は一人もいない。







そして私はというと・・・


今日がフレデリック様との結婚式だ。


真っ白なウエディングドレスに身を包んでいる。


プリシラは地下牢の中でずっと大人しくしていたが私とフレデリック様の結婚を聞くと大暴れして癇癪を起こしたという。


プリシラはフレデリック様に執着していたから当然だろう。


結婚式には皇帝陛下であるお兄様もいらしている。


舞踏会の後、お兄様は私とフレデリック様の結婚にかなり渋ったが最終的には認めてくれた。


私はハッキリ言ってお兄様のこともあまり好きになれない。


お母様を虐げたお父様やキャサリンと親しくし、プリシラを可愛がっていたのだから。


私をじっと見つめるお兄様から目を逸らし、バージンロードを歩く。


その先には正装をしたフレデリック様が立っている。


そして私はフレデリック様の横に並んだ。


「シャーロット。とても綺麗です。」


「ありがとうございます。フレデリック様・・・。」


優しい顔でそう言われて顔が赤くなる。


そして私とフレデリック様は大勢の招待客の前で誓いのキスをした。


「おめでとうございます。皇女殿下。アーク公子。」


その日、私は大勢の人に祝福されてフレデリック様の妃となった。


こんなにも幸せになれるだなんて、未だに信じられない。


お母様は、天国で見てくれているだろうか。


お母様、私は今とっても幸せです。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

[完結]いらない子と思われていた令嬢は・・・・・・

青空一夏
恋愛
私は両親の目には映らない。それは妹が生まれてから、ずっとだ。弟が生まれてからは、もう私は存在しない。 婚約者は妹を選び、両親は当然のようにそれを喜ぶ。 「取られる方が悪いんじゃないの? 魅力がないほうが負け」 妹の言葉を肯定する家族達。 そうですか・・・・・・私は邪魔者ですよね、だから私はいなくなります。 ※以前投稿していたものを引き下げ、大幅に改稿したものになります。

王太子様には優秀な妹の方がお似合いですから、いつまでも私にこだわる必要なんてありませんよ?

木山楽斗
恋愛
公爵令嬢であるラルリアは、優秀な妹に比べて平凡な人間であった。 これといって秀でた点がない彼女は、いつも妹と比較されて、時には罵倒されていたのである。 しかしそんなラルリアはある時、王太子の婚約者に選ばれた。 それに誰よりも驚いたのは、彼女自身である。仮に公爵家と王家の婚約がなされるとしても、その対象となるのは妹だと思っていたからだ。 事実として、社交界ではその婚約は非難されていた。 妹の方を王家に嫁がせる方が有益であると、有力者達は考えていたのだ。 故にラルリアも、婚約者である王太子アドルヴに婚約を変更するように進言した。しかし彼は、頑なにラルリアとの婚約を望んでいた。どうやらこの婚約自体、彼が提案したものであるようなのだ。

父の大事な家族は、再婚相手と異母妹のみで、私は元より家族ではなかったようです

珠宮さくら
恋愛
フィロマという国で、母の病を治そうとした1人の少女がいた。母のみならず、その病に苦しむ者は、年々増えていたが、治せる薬はなく、進行を遅らせる薬しかなかった。 その病を色んな本を読んで調べあげた彼女の名前は、ヴァリャ・チャンダ。だが、それで病に効く特効薬が出来上がることになったが、母を救うことは叶わなかった。 そんな彼女が、楽しみにしていたのは隣国のラジェスへの留学だったのだが、そのために必死に貯めていた資金も父に取り上げられ、義母と異母妹の散財のために金を稼げとまで言われてしまう。 そこにヴァリャにとって救世主のように現れた令嬢がいたことで、彼女の人生は一変していくのだが、彼女らしさが消えることはなかった。

もうすぐ婚約破棄を宣告できるようになるから、あと少しだけ辛抱しておくれ。そう書かれた手紙が、婚約者から届きました

柚木ゆず
恋愛
《もうすぐアンナに婚約の破棄を宣告できるようになる。そうしたらいつでも会えるようになるから、あと少しだけ辛抱しておくれ》  最近お忙しく、めっきり会えなくなってしまった婚約者のロマニ様。そんなロマニ様から届いた私アンナへのお手紙には、そういった内容が記されていました。  そのため、詳しいお話を伺うべくレルザー侯爵邸に――ロマニ様のもとへ向かおうとしていた、そんな時でした。ロマニ様の双子の弟であるダヴィッド様が突然ご来訪され、予想だにしなかったことを仰られ始めたのでした。

跡継ぎが産めなければ私は用なし!? でしたらあなたの前から消えて差し上げます。どうぞ愛妾とお幸せに。

Kouei
恋愛
私リサーリア・ウォルトマンは、父の命令でグリフォンド伯爵令息であるモートンの妻になった。 政略結婚だったけれど、お互いに思い合い、幸せに暮らしていた。 しかし結婚して1年経っても子宝に恵まれなかった事で、義父母に愛妾を薦められた夫。 「承知致しました」 夫は二つ返事で承諾した。 私を裏切らないと言ったのに、こんな簡単に受け入れるなんて…! 貴方がそのつもりなら、私は喜んで消えて差し上げますわ。 私は切岸に立って、夕日を見ながら夫に別れを告げた―――… ※この作品は、他サイトにも投稿しています。

【完結】妹が欲しがるならなんでもあげて令嬢生活を満喫します。それが婚約者の王子でもいいですよ。だって…

西東友一
恋愛
私の妹は昔から私の物をなんでも欲しがった。 最初は私もムカつきました。 でも、この頃私は、なんでもあげるんです。 だって・・・ね

必要ないと言われたので、元の日常に戻ります

黒木 楓
恋愛
 私エレナは、3年間城で新たな聖女として暮らすも、突如「聖女は必要ない」と言われてしまう。  前の聖女の人は必死にルドロス国に加護を与えていたようで、私は魔力があるから問題なく加護を与えていた。  その違いから、「もう加護がなくても大丈夫だ」と思われたようで、私を追い出したいらしい。  森の中にある家で暮らしていた私は元の日常に戻り、国の異変を確認しながら過ごすことにする。  数日後――私の忠告通り、加護を失ったルドロス国は凶暴なモンスターによる被害を受け始める。  そして「助けてくれ」と城に居た人が何度も頼みに来るけど、私は動く気がなかった。

無価値な私はいらないでしょう?

火野村志紀
恋愛
いっそのこと、手放してくださった方が楽でした。 だから、私から離れようと思うのです。

処理中です...