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皇女シャーロット編
断罪⑤
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残されたプリシラの顔は真っ青だ。
もちろんキャサリンだけではなく、プリシラもしっかりと地獄に堕とすつもりだ。
「・・・私はお父様の子供じゃなかった・・・。」
プリシラにとってはキャサリンが連れて行かれたことよりそっちのほうがショックだったようだ。
「残るはプリシラ。あなたの処罰だけれど」
私の声にプリシラはハッとなった。
「お、お姉様!待ってよ!私は皆をだましてたつもりはないの!ただお母様にあなたのお父様は皇帝陛下だと言われ続けてきたから・・・」
プリシラは必死で自分を擁護した。
「・・・そう。知らなかったのね。」
「そうなの!知らなかったのよ!」
プリシラはホッとした様子を見せた。
「・・・私はそんなことを問い詰めているんじゃないわ。」
「え!?」
「あなたは前皇帝陛下の子供ではなかった。つまり、平民なのよ。平民が「皇女」を虐げたの。それがどれだけ重罪か分からないほどあなたは馬鹿ではないわよね?」
それを聞いたプリシラは顔面蒼白になった。
「ご、ごめんなさいお姉様!謝るから許して!」
この期に及んで謝罪か。
遅すぎるのよ、何もかも。
「・・・お兄様!お兄様からも何か言ってよ!」
プリシラがお兄様の方を向いて助けを求める。
だがお兄様の表情はずっと変わらないままだ。
「・・・残念だよ、プリシラ。私は君を実の妹のように可愛がっていたというのに・・・。まさか君がそんなことをしていたなんて・・・。」
「っ!?」
お兄様はプリシラを悲し気な表情で見つめた。
お兄様はきっと本当にプリシラを可愛がっていたのだろう。
「お兄様・・・そんな・・・!」
プリシラはお兄様が絶対に自分の味方をしてくれると思っていたのか、信じられないという顔でお兄様を見つめている。
「近衛兵。」
その瞬間、近衛がプリシラを捕縛する。
キャサリンと違ってプリシラは暴れるでもなくただ涙をはらはらと流していた。
終わったんだ・・・。
ようやく、長い私の復讐劇が終わりを迎えた・・・。
お兄様は私を一瞥すると、貴族たちに告げた。
「皆の者、騒ぎを起こしてすまなかった。それでは舞踏会を再開しよう。」
お兄様の一声で中断されていた舞踏会が再開された。
「シャーロット皇女殿下。」
話しかけてきたのはアーク公爵令息だ。
「・・・アーク公爵令息様。」
アーク公爵令息は私を見てニッコリと微笑んだ。
「アーク公爵令息様、助けてくださってありがとうございました。」
アーク公爵令息には助けられた。
「プリシラ皇女殿下にも言いましたが、私は事実を述べたまでです。困っている女性を放っておくことなんてできませんから。」
彼は本当に優しい人だ。
彼の言葉に私は胸が温かくなった。
終わったよ、お母様。
私は心の中で天国にいるであろうお母様に告げた。
もちろんキャサリンだけではなく、プリシラもしっかりと地獄に堕とすつもりだ。
「・・・私はお父様の子供じゃなかった・・・。」
プリシラにとってはキャサリンが連れて行かれたことよりそっちのほうがショックだったようだ。
「残るはプリシラ。あなたの処罰だけれど」
私の声にプリシラはハッとなった。
「お、お姉様!待ってよ!私は皆をだましてたつもりはないの!ただお母様にあなたのお父様は皇帝陛下だと言われ続けてきたから・・・」
プリシラは必死で自分を擁護した。
「・・・そう。知らなかったのね。」
「そうなの!知らなかったのよ!」
プリシラはホッとした様子を見せた。
「・・・私はそんなことを問い詰めているんじゃないわ。」
「え!?」
「あなたは前皇帝陛下の子供ではなかった。つまり、平民なのよ。平民が「皇女」を虐げたの。それがどれだけ重罪か分からないほどあなたは馬鹿ではないわよね?」
それを聞いたプリシラは顔面蒼白になった。
「ご、ごめんなさいお姉様!謝るから許して!」
この期に及んで謝罪か。
遅すぎるのよ、何もかも。
「・・・お兄様!お兄様からも何か言ってよ!」
プリシラがお兄様の方を向いて助けを求める。
だがお兄様の表情はずっと変わらないままだ。
「・・・残念だよ、プリシラ。私は君を実の妹のように可愛がっていたというのに・・・。まさか君がそんなことをしていたなんて・・・。」
「っ!?」
お兄様はプリシラを悲し気な表情で見つめた。
お兄様はきっと本当にプリシラを可愛がっていたのだろう。
「お兄様・・・そんな・・・!」
プリシラはお兄様が絶対に自分の味方をしてくれると思っていたのか、信じられないという顔でお兄様を見つめている。
「近衛兵。」
その瞬間、近衛がプリシラを捕縛する。
キャサリンと違ってプリシラは暴れるでもなくただ涙をはらはらと流していた。
終わったんだ・・・。
ようやく、長い私の復讐劇が終わりを迎えた・・・。
お兄様は私を一瞥すると、貴族たちに告げた。
「皆の者、騒ぎを起こしてすまなかった。それでは舞踏会を再開しよう。」
お兄様の一声で中断されていた舞踏会が再開された。
「シャーロット皇女殿下。」
話しかけてきたのはアーク公爵令息だ。
「・・・アーク公爵令息様。」
アーク公爵令息は私を見てニッコリと微笑んだ。
「アーク公爵令息様、助けてくださってありがとうございました。」
アーク公爵令息には助けられた。
「プリシラ皇女殿下にも言いましたが、私は事実を述べたまでです。困っている女性を放っておくことなんてできませんから。」
彼は本当に優しい人だ。
彼の言葉に私は胸が温かくなった。
終わったよ、お母様。
私は心の中で天国にいるであろうお母様に告げた。
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