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皇女シャーロット編
断罪④
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「・・・」
キャサリンは黙ったままだった。
貴族たちはザワザワしている。
「プリシラ殿下は前皇帝陛下の御子ではなかったのか。これは由々しき事態だぞ!」
「あの様子だとプリシラ殿下自身もかなり散財してそうだしな・・・。」
相変わらずキャサリンは俯いている。
そんなキャサリンを見て一人の貴族が言った。
「もしかして、前皇帝陛下を毒殺したのもキャサリン様ではないか?」
その言葉にキャサリンは顔を上げた。
「ま、待ってよ・・・。そんな・・・!言いがかりよ・・・!」
キャサリンの目からは涙が溢れていた。
だが同情する人間は誰もいない。
「皇后陛下を毒殺した女だからな。十分ありえるぞ。」
キャサリンが慌てて反論する。
「私はウィルを毒殺してないわ!大体動機は何なのよ!」
「陛下、発言してもよろしいでしょうか。」
突然そう言ったのは一人の令嬢だった。
たしか、侯爵家の令嬢だったかしら・・・。
「許可する。」
お兄様の許可をもらった令嬢は声を張り上げて言った。
「私、前皇帝陛下がお倒れになられる数日前にキャサリン様と前皇帝陛下が言い争っているところを目撃しましたわ。」
令嬢のその言葉に周りはさらにざわつく。
「言い争っていたとは・・・詳しく説明できるか?」
「はい。前皇帝陛下がキャサリン様を問い詰めておられました。「浮気していたのか」と。それに対しキャサリン様はヒステリックを起こしておりました。」
まさかそんなことがあったなんて・・・。
「過去の浮気がバレそうになって毒殺したのか!」
「あの女ならやりかねないな。」
周りの貴族たちは皆キャサリンを汚い物を見るかの様な目で見ている。
「違う!!!私はウィルを毒殺してないわ!言い争ったのは事実よ・・・。でもそれに関してはもう解決したの・・・。」
キャサリンは弱々しい声で言った。
その時だった―
「皇帝陛下!!!」
一人の騎士が会場に入ってきた。
彼は第一騎士団の人間だ。
「キャサリン様の部屋から毒の瓶が見つかりました!!!」
「!?」
キャサリンは目を見開いて「そんな・・・」とつぶやいた。
「アル!!!騙されないで!!!私は本当に毒殺なんてしていないの!!!」
そう言いながらアルフレッドお兄様に縋りついた。
だがお兄様はそんな彼女を冷たい目で見つめていた。
「・・・これで確定だな。」
静かにそう呟くと、近衛兵がキャサリンを捕縛した。
「イヤーッ!!!」
キャサリンは大暴れするが、鍛え上げられた近衛兵にはかなわない。
「連れていけ。」
お兄様の一言で近衛兵がキャサリンを連れて会場から出て行く。
「私じゃない!!!私じゃないわ!!!」
キャサリンは最後までそう言いながら近衛に連れていかれた。
キャサリンは黙ったままだった。
貴族たちはザワザワしている。
「プリシラ殿下は前皇帝陛下の御子ではなかったのか。これは由々しき事態だぞ!」
「あの様子だとプリシラ殿下自身もかなり散財してそうだしな・・・。」
相変わらずキャサリンは俯いている。
そんなキャサリンを見て一人の貴族が言った。
「もしかして、前皇帝陛下を毒殺したのもキャサリン様ではないか?」
その言葉にキャサリンは顔を上げた。
「ま、待ってよ・・・。そんな・・・!言いがかりよ・・・!」
キャサリンの目からは涙が溢れていた。
だが同情する人間は誰もいない。
「皇后陛下を毒殺した女だからな。十分ありえるぞ。」
キャサリンが慌てて反論する。
「私はウィルを毒殺してないわ!大体動機は何なのよ!」
「陛下、発言してもよろしいでしょうか。」
突然そう言ったのは一人の令嬢だった。
たしか、侯爵家の令嬢だったかしら・・・。
「許可する。」
お兄様の許可をもらった令嬢は声を張り上げて言った。
「私、前皇帝陛下がお倒れになられる数日前にキャサリン様と前皇帝陛下が言い争っているところを目撃しましたわ。」
令嬢のその言葉に周りはさらにざわつく。
「言い争っていたとは・・・詳しく説明できるか?」
「はい。前皇帝陛下がキャサリン様を問い詰めておられました。「浮気していたのか」と。それに対しキャサリン様はヒステリックを起こしておりました。」
まさかそんなことがあったなんて・・・。
「過去の浮気がバレそうになって毒殺したのか!」
「あの女ならやりかねないな。」
周りの貴族たちは皆キャサリンを汚い物を見るかの様な目で見ている。
「違う!!!私はウィルを毒殺してないわ!言い争ったのは事実よ・・・。でもそれに関してはもう解決したの・・・。」
キャサリンは弱々しい声で言った。
その時だった―
「皇帝陛下!!!」
一人の騎士が会場に入ってきた。
彼は第一騎士団の人間だ。
「キャサリン様の部屋から毒の瓶が見つかりました!!!」
「!?」
キャサリンは目を見開いて「そんな・・・」とつぶやいた。
「アル!!!騙されないで!!!私は本当に毒殺なんてしていないの!!!」
そう言いながらアルフレッドお兄様に縋りついた。
だがお兄様はそんな彼女を冷たい目で見つめていた。
「・・・これで確定だな。」
静かにそう呟くと、近衛兵がキャサリンを捕縛した。
「イヤーッ!!!」
キャサリンは大暴れするが、鍛え上げられた近衛兵にはかなわない。
「連れていけ。」
お兄様の一言で近衛兵がキャサリンを連れて会場から出て行く。
「私じゃない!!!私じゃないわ!!!」
キャサリンは最後までそう言いながら近衛に連れていかれた。
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