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皇女シャーロット編
断罪②
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もうこの時点で貴族たちのキャサリンに対する印象は最悪だ。
高位貴族は先ほどからずっとキャサリンを罵倒している。
下位貴族も動揺しているようだ。
だけどまだまだキャサリンの罪はある。
「そして、もう一つ明らかにしたいことがございます。」
私は声を張り上げた。
貴族たちがもう一度私に注目する。
アルフレッドお兄様もようやく書類から顔を上げこちらを見た。
「キャサリンが前皇帝陛下の愛妾として王宮に上がる前の男性関係についてです。」
周りがザワザワとした。
そう、キャサリンは娼婦のような女だった。
前皇帝陛下の恋人でありながら他の男性とも寝ていたのだ。
キャサリンは贅沢好きで見目が良く、お金を持ってさえいれば誰とだって寝るのだ。
前皇帝陛下は知らないだろうが、キャサリンはそういう女だった。
まさかこれを言及されるとは思わなかったのだろう。
キャサリンの顔は真っ青になっている。
「陛下。これがキャサリンの過去の男性遍歴ですわ。」
私が一枚の書類をアルフレッドお兄様に手渡した。
書類に目を通したお兄様は眉をひそめた。
「帝国の富豪たちと随分寝ているな・・・。」
キャサリンが狙った男たちはどれも富豪で有名な男だった。
お金さえ持っていれば身分は問わなかった。
まぁ、そんな彼らはキャサリンが誰とでも寝ることを知っていたから本気だった人は一人もいなかったけれど。
本気だったのは何も知らない前皇帝陛下だけだった。
皇帝ともあろう人がそんなハニートラップに引っ掛かるなんて愚かでしかないけれどね。
アルフレッドお兄様の言葉を聞いた周りの貴族たちはキャサリンを口々に非難する。
「皇族の恋人でありながら他の男と寝るだなんて信じられない!」
「ただの娼婦ではないか!」
「いや、娼婦のほうがまだましだろう。」
これにはさすがに低位貴族もキャサリンを蔑むような目を向けた。
キャサリンは過去の男性遍歴が明らかになり恥ずかしいようで床に座り込んだ。
そして顔を上げ、必死で訴えた。
「待ってよ!たしかにそれについては事実だけれど!それは私がウィルの愛妾として王宮に上がる前の話よ!これを不貞だというの!?」
キャサリンの言うことを正しかった。
あの時点ではまだキャサリンと前皇帝陛下はただの恋人だった。
婚約しているのならば話は別だがしていないので不貞にはあたらない。
「ええ、確かにこれは不貞にはあたりませんわね。」
私がにっこり笑ってそういうとキャサリンは安心したような顔をした。
「よかった・・・。」
「ですが、私が言いたいのはそんなことではありませんの。」
「!?」
その言葉にキャサリンはまた顔を青白くした。
私が何を言うのかが怖いようだ。
「キャサリン様。プリシラは、本当に前皇帝陛下の御子でしょうか?」
高位貴族は先ほどからずっとキャサリンを罵倒している。
下位貴族も動揺しているようだ。
だけどまだまだキャサリンの罪はある。
「そして、もう一つ明らかにしたいことがございます。」
私は声を張り上げた。
貴族たちがもう一度私に注目する。
アルフレッドお兄様もようやく書類から顔を上げこちらを見た。
「キャサリンが前皇帝陛下の愛妾として王宮に上がる前の男性関係についてです。」
周りがザワザワとした。
そう、キャサリンは娼婦のような女だった。
前皇帝陛下の恋人でありながら他の男性とも寝ていたのだ。
キャサリンは贅沢好きで見目が良く、お金を持ってさえいれば誰とだって寝るのだ。
前皇帝陛下は知らないだろうが、キャサリンはそういう女だった。
まさかこれを言及されるとは思わなかったのだろう。
キャサリンの顔は真っ青になっている。
「陛下。これがキャサリンの過去の男性遍歴ですわ。」
私が一枚の書類をアルフレッドお兄様に手渡した。
書類に目を通したお兄様は眉をひそめた。
「帝国の富豪たちと随分寝ているな・・・。」
キャサリンが狙った男たちはどれも富豪で有名な男だった。
お金さえ持っていれば身分は問わなかった。
まぁ、そんな彼らはキャサリンが誰とでも寝ることを知っていたから本気だった人は一人もいなかったけれど。
本気だったのは何も知らない前皇帝陛下だけだった。
皇帝ともあろう人がそんなハニートラップに引っ掛かるなんて愚かでしかないけれどね。
アルフレッドお兄様の言葉を聞いた周りの貴族たちはキャサリンを口々に非難する。
「皇族の恋人でありながら他の男と寝るだなんて信じられない!」
「ただの娼婦ではないか!」
「いや、娼婦のほうがまだましだろう。」
これにはさすがに低位貴族もキャサリンを蔑むような目を向けた。
キャサリンは過去の男性遍歴が明らかになり恥ずかしいようで床に座り込んだ。
そして顔を上げ、必死で訴えた。
「待ってよ!たしかにそれについては事実だけれど!それは私がウィルの愛妾として王宮に上がる前の話よ!これを不貞だというの!?」
キャサリンの言うことを正しかった。
あの時点ではまだキャサリンと前皇帝陛下はただの恋人だった。
婚約しているのならば話は別だがしていないので不貞にはあたらない。
「ええ、確かにこれは不貞にはあたりませんわね。」
私がにっこり笑ってそういうとキャサリンは安心したような顔をした。
「よかった・・・。」
「ですが、私が言いたいのはそんなことではありませんの。」
「!?」
その言葉にキャサリンはまた顔を青白くした。
私が何を言うのかが怖いようだ。
「キャサリン様。プリシラは、本当に前皇帝陛下の御子でしょうか?」
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