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皇女シャーロット編
緊急事態
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「お母様~っ!」
あれ?いつもより目線が低い。
それに、目の前にいるこの人はお母様?
後ろを見るとアルフレッドお兄様もいる。
お母様は私とお兄様を見ると優しく微笑んだ。
「あら、アルフレッドにシャーロット。」
お母様は私を抱き上げた後、お兄様の頭を撫でる。
「母上、私はもう子供ではありません。」
お兄様が恥ずかしそうに言った。
「あら、そうかしら?私からしたら可愛い子供たちなのよ。」
懐かしい。
これは私がまだ小さい頃の記憶だ。
お母様はいつも優しかった。
お父様が愛妾と遊んでいると分かっていても笑顔を絶やさなかった。
そう思っていると突然場面が切り替わる。
「シャーロット、お誕生日おめでとう。」
これは、私の誕生日の・・・。
私の部屋にお母様とお兄様がいる。
「これは誕生日プレゼントよ。私とアルフレッドが選んだの。」
そう言ってお母様は綺麗にラッピングされた箱を取り出す。
「わぁ~!お母様、お兄様ありがと~~~!」
箱を開けると、綺麗な髪飾りが入っていた。
あぁ、そういえばこの髪飾りお母様とお兄様からだったっけ。
また場面が切り替わる。
「ううっ・・・お母様・・・!うぅ・・・・」
これは・・・お母様の葬式の時だ。
棺の前で私は大泣きしたんだっけ。
その後ろには先ほどよりも成長した姿のお兄様が立っている。
「シャーロット。」
お兄様は私を心配そうに見つめた後、優しく抱きしめた。
「大丈夫だ。これからは私がシャーロットを守るから。」
こんなことあったな。
今のお兄様からは想像もつかないことだ。
お兄様は、昔は優しかったのよね・・・。
そこで目が覚めた。
どうやら昨日泣き疲れてそのまま眠ってしまったようだ。
懐かしい夢だった。
お父様はいつもいなかったけれど、幸せな家族だった。
だけど今は・・・?
お母様が亡くなって、お兄様も今はキャサリン側にいる。
覚めないでほしいくらい、幸せな夢だった。
あの頃に戻りたい。
お母様・・・。
どうして私を置いて逝ってしまったの・・・!
そこまで考えてハッとなった。
駄目よ、私ったら何を考えているの・・・!
お母様の仇を討つまでは死ねないわ。
自分を奮い立たせ、途中かけだった部屋の片づけを再開する。
ふぅ・・・こんなものでいいか・・・。
そう思い、私は着替えを始める。
今日は朝食が部屋に置かれていなかった。
プリシラがそう指示したか、使用人達が私をさらに敵視して置かなくなったか・・・。
まぁどっちでもいいか。
無いなら自分で持ってくるしかない。
着替え終わった私は部屋を出た。
あれ?何だか様子が変よ・・・。
使用人達がやたらとバタバタしている。
いつもは私の陰口を叩いているのにも関わらず今日は完全無視だ。
何かあったのかしら・・・?
私は隠れて侍女たちの会話を盗み聞く。
「ねぇ、それ本当なの?」
「えぇ、どうやらそうらしいわ!!!」
「うそ・・・!」
「皇帝陛下が、毒で倒れられたって・・・!」
・・・・・・なんですって?
あれ?いつもより目線が低い。
それに、目の前にいるこの人はお母様?
後ろを見るとアルフレッドお兄様もいる。
お母様は私とお兄様を見ると優しく微笑んだ。
「あら、アルフレッドにシャーロット。」
お母様は私を抱き上げた後、お兄様の頭を撫でる。
「母上、私はもう子供ではありません。」
お兄様が恥ずかしそうに言った。
「あら、そうかしら?私からしたら可愛い子供たちなのよ。」
懐かしい。
これは私がまだ小さい頃の記憶だ。
お母様はいつも優しかった。
お父様が愛妾と遊んでいると分かっていても笑顔を絶やさなかった。
そう思っていると突然場面が切り替わる。
「シャーロット、お誕生日おめでとう。」
これは、私の誕生日の・・・。
私の部屋にお母様とお兄様がいる。
「これは誕生日プレゼントよ。私とアルフレッドが選んだの。」
そう言ってお母様は綺麗にラッピングされた箱を取り出す。
「わぁ~!お母様、お兄様ありがと~~~!」
箱を開けると、綺麗な髪飾りが入っていた。
あぁ、そういえばこの髪飾りお母様とお兄様からだったっけ。
また場面が切り替わる。
「ううっ・・・お母様・・・!うぅ・・・・」
これは・・・お母様の葬式の時だ。
棺の前で私は大泣きしたんだっけ。
その後ろには先ほどよりも成長した姿のお兄様が立っている。
「シャーロット。」
お兄様は私を心配そうに見つめた後、優しく抱きしめた。
「大丈夫だ。これからは私がシャーロットを守るから。」
こんなことあったな。
今のお兄様からは想像もつかないことだ。
お兄様は、昔は優しかったのよね・・・。
そこで目が覚めた。
どうやら昨日泣き疲れてそのまま眠ってしまったようだ。
懐かしい夢だった。
お父様はいつもいなかったけれど、幸せな家族だった。
だけど今は・・・?
お母様が亡くなって、お兄様も今はキャサリン側にいる。
覚めないでほしいくらい、幸せな夢だった。
あの頃に戻りたい。
お母様・・・。
どうして私を置いて逝ってしまったの・・・!
そこまで考えてハッとなった。
駄目よ、私ったら何を考えているの・・・!
お母様の仇を討つまでは死ねないわ。
自分を奮い立たせ、途中かけだった部屋の片づけを再開する。
ふぅ・・・こんなものでいいか・・・。
そう思い、私は着替えを始める。
今日は朝食が部屋に置かれていなかった。
プリシラがそう指示したか、使用人達が私をさらに敵視して置かなくなったか・・・。
まぁどっちでもいいか。
無いなら自分で持ってくるしかない。
着替え終わった私は部屋を出た。
あれ?何だか様子が変よ・・・。
使用人達がやたらとバタバタしている。
いつもは私の陰口を叩いているのにも関わらず今日は完全無視だ。
何かあったのかしら・・・?
私は隠れて侍女たちの会話を盗み聞く。
「ねぇ、それ本当なの?」
「えぇ、どうやらそうらしいわ!!!」
「うそ・・・!」
「皇帝陛下が、毒で倒れられたって・・・!」
・・・・・・なんですって?
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