7 / 41
皇女シャーロット編
兄
しおりを挟む
目が覚めたらすでに朝だった。
私は昨日の出来事を思い出す。
キャサリンとプリシラの誘いを断って、侍女に罵倒され、お父様にグラスを投げつけられた。
いつまでこの地獄が続くのだろう。
こんなのがこの先何十年も続くのであればもう死にたい。
何度も考えていたことだ。
だけど私が死んだら誰がお母様の仇を討つのか。
誰がキャサリンたちを地獄に堕とすのか。
それにお母様も私が若くして死ぬなんて望んでいないだろう。
そんな風に心が折れそうな時はお母様を思い出して何とか耐えた。
今日は久しぶりにのんびりと過ごしたい・・・。
そう思って私は自室にこもった。
どうせ書庫へは入れてもらえないし、部屋を出ても罵倒され、蔑まれるだけだ。
それからの数時間、私は自室でのんびりしていた。
お茶が飲みたいわ・・・。
侍女に言っても持ってきてはくれないだろう。
自分で行くしかない。
私はそっと自室を出る。
すると早速侍女軍団に出くわした。
最悪だ・・・。
しかも今日は侍女たちの目が鋭い。
中央には昨日罵倒してきた侍女がいた。
侍女たちは私を見るないなや口々に言った。
「キャサリン様とプリシラ様の誘いを断るなんて人としてありえないわ!」
「母親と同じで性悪なのね!」
「あんなのが皇族だなんて!」
わざと私に聞こえるように言ってくる。
なるほど。
昨日のことがすでに広まっているのね。
妙に納得した。
だから今日はみんなの目が鋭いのか。
侍女たちだけではなく、衛兵や文官たちにまで噂は広まっているようだ。
「あんなにも美しいキャサリン様とプリシラ様を傷つけたらしいぞ!」
「なんて悪女だ!!!」
「地獄に落ちろ!!!」
はぁ、この人達もあの二人を崇拝してるのね・・・。
キャサリンは皇宮の使用人を自身を崇拝している者で固めている。
だから私はこんなに虐げられるわけだ。
そんな使用人たちの陰口を無視しながら、私は厨房へと向かう。
そんな時、ある人物に出くわした。
・・・!
「・・・アルフレッドお兄様。」
まさかこんな時にお兄様と出くわすなんて・・・。
はぁ・・・。
私が呟いた言葉にお兄様は何も反応しない。
ただただ私をじっと見つめている。
本当はすぐに通り過ぎたいところだが相手は皇太子。
キャサリンやプリシラとは訳が違う。
私はお兄様に対してお辞儀をした。
「お久しぶりです、皇太子殿下。」
お兄様は私に兄なんて呼ばれたくないだろうから皇太子殿下と呼ぶ。
すると興味の無さそうな声で返事が返ってくる。
「あぁ。」
そう、お兄様は私を嫌っているというよりかは興味が無いのだ。
お兄様にとっての妹はプリシラただ一人。
いつからだろうか。お兄様がこんな風になったのは。
そう考えながらも私は顔を上げた。
一刻も早くここを去りたかった。
「それでは失礼します。」
そう言うとお兄様は何か言いたそうに口を開きかけるがその前に私はさっさと立ち去った。
私は昨日の出来事を思い出す。
キャサリンとプリシラの誘いを断って、侍女に罵倒され、お父様にグラスを投げつけられた。
いつまでこの地獄が続くのだろう。
こんなのがこの先何十年も続くのであればもう死にたい。
何度も考えていたことだ。
だけど私が死んだら誰がお母様の仇を討つのか。
誰がキャサリンたちを地獄に堕とすのか。
それにお母様も私が若くして死ぬなんて望んでいないだろう。
そんな風に心が折れそうな時はお母様を思い出して何とか耐えた。
今日は久しぶりにのんびりと過ごしたい・・・。
そう思って私は自室にこもった。
どうせ書庫へは入れてもらえないし、部屋を出ても罵倒され、蔑まれるだけだ。
それからの数時間、私は自室でのんびりしていた。
お茶が飲みたいわ・・・。
侍女に言っても持ってきてはくれないだろう。
自分で行くしかない。
私はそっと自室を出る。
すると早速侍女軍団に出くわした。
最悪だ・・・。
しかも今日は侍女たちの目が鋭い。
中央には昨日罵倒してきた侍女がいた。
侍女たちは私を見るないなや口々に言った。
「キャサリン様とプリシラ様の誘いを断るなんて人としてありえないわ!」
「母親と同じで性悪なのね!」
「あんなのが皇族だなんて!」
わざと私に聞こえるように言ってくる。
なるほど。
昨日のことがすでに広まっているのね。
妙に納得した。
だから今日はみんなの目が鋭いのか。
侍女たちだけではなく、衛兵や文官たちにまで噂は広まっているようだ。
「あんなにも美しいキャサリン様とプリシラ様を傷つけたらしいぞ!」
「なんて悪女だ!!!」
「地獄に落ちろ!!!」
はぁ、この人達もあの二人を崇拝してるのね・・・。
キャサリンは皇宮の使用人を自身を崇拝している者で固めている。
だから私はこんなに虐げられるわけだ。
そんな使用人たちの陰口を無視しながら、私は厨房へと向かう。
そんな時、ある人物に出くわした。
・・・!
「・・・アルフレッドお兄様。」
まさかこんな時にお兄様と出くわすなんて・・・。
はぁ・・・。
私が呟いた言葉にお兄様は何も反応しない。
ただただ私をじっと見つめている。
本当はすぐに通り過ぎたいところだが相手は皇太子。
キャサリンやプリシラとは訳が違う。
私はお兄様に対してお辞儀をした。
「お久しぶりです、皇太子殿下。」
お兄様は私に兄なんて呼ばれたくないだろうから皇太子殿下と呼ぶ。
すると興味の無さそうな声で返事が返ってくる。
「あぁ。」
そう、お兄様は私を嫌っているというよりかは興味が無いのだ。
お兄様にとっての妹はプリシラただ一人。
いつからだろうか。お兄様がこんな風になったのは。
そう考えながらも私は顔を上げた。
一刻も早くここを去りたかった。
「それでは失礼します。」
そう言うとお兄様は何か言いたそうに口を開きかけるがその前に私はさっさと立ち去った。
100
お気に入りに追加
3,454
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】初恋の人も婚約者も妹に奪われました
紫崎 藍華
恋愛
ジュリアナは婚約者のマーキースから妹のマリアンことが好きだと打ち明けられた。
幼い頃、初恋の相手を妹に奪われ、そして今、婚約者まで奪われたのだ。
ジュリアナはマーキースからの婚約破棄を受け入れた。
奪うほうも奪われるほうも幸せになれるはずがないと考えれば未練なんてあるはずもなかった。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
愛を知らないアレと呼ばれる私ですが……
ミィタソ
恋愛
伯爵家の次女——エミリア・ミーティアは、優秀な姉のマリーザと比較され、アレと呼ばれて馬鹿にされていた。
ある日のパーティで、両親に連れられて行った先で出会ったのは、アグナバル侯爵家の一人息子レオン。
そこで両親に告げられたのは、婚約という衝撃の二文字だった。
【完結】返してください
仲 奈華 (nakanaka)
恋愛
ずっと我慢をしてきた。
私が愛されていない事は感じていた。
だけど、信じたくなかった。
いつかは私を見てくれると思っていた。
妹は私から全てを奪って行った。
なにもかも、、、、信じていたあの人まで、、、
母から信じられない事実を告げられ、遂に私は家から追い出された。
もういい。
もう諦めた。
貴方達は私の家族じゃない。
私が相応しくないとしても、大事な物を取り返したい。
だから、、、、
私に全てを、、、
返してください。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
王太子様には優秀な妹の方がお似合いですから、いつまでも私にこだわる必要なんてありませんよ?
木山楽斗
恋愛
公爵令嬢であるラルリアは、優秀な妹に比べて平凡な人間であった。
これといって秀でた点がない彼女は、いつも妹と比較されて、時には罵倒されていたのである。
しかしそんなラルリアはある時、王太子の婚約者に選ばれた。
それに誰よりも驚いたのは、彼女自身である。仮に公爵家と王家の婚約がなされるとしても、その対象となるのは妹だと思っていたからだ。
事実として、社交界ではその婚約は非難されていた。
妹の方を王家に嫁がせる方が有益であると、有力者達は考えていたのだ。
故にラルリアも、婚約者である王太子アドルヴに婚約を変更するように進言した。しかし彼は、頑なにラルリアとの婚約を望んでいた。どうやらこの婚約自体、彼が提案したものであるようなのだ。
覚悟は良いですか、お父様? ―虐げられた娘はお家乗っ取りを企んだ婿の父とその愛人の娘である異母妹をまとめて追い出す―
Erin
恋愛
【完結済・全3話】伯爵令嬢のカメリアは母が死んだ直後に、父が屋敷に連れ込んだ愛人とその子に虐げられていた。その挙句、カメリアが十六歳の成人後に継ぐ予定の伯爵家から追い出し、伯爵家の血を一滴も引かない異母妹に継がせると言い出す。後を継がないカメリアには嗜虐趣味のある男に嫁がられることになった。絶対に父たちの言いなりになりたくないカメリアは家を出て復讐することにした。7/6に最終話投稿予定。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】裏切ったあなたを許さない
紫崎 藍華
恋愛
ジョナスはスザンナの婚約者だ。
そのジョナスがスザンナの妹のセレナとの婚約を望んでいると親から告げられた。
それは決定事項であるため婚約は解消され、それだけなく二人の邪魔になるからと領地から追放すると告げられた。
そこにセレナの意向が働いていることは間違いなく、スザンナはセレナに人生を翻弄されるのだった。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
貴族の爵位って面倒ね。
しゃーりん
恋愛
ホリーは公爵令嬢だった母と男爵令息だった父との間に生まれた男爵令嬢。
両親はとても仲が良くて弟も可愛くて、とても幸せだった。
だけど、母の運命を変えた学園に入学する歳になって……
覚悟してたけど、男爵令嬢って私だけじゃないのにどうして?
理不尽な嫌がらせに助けてくれる人もいないの?
ホリーが嫌がらせされる原因は母の元婚約者の息子の指示で…
嫌がらせがきっかけで自国の貴族との縁が難しくなったホリーが隣国の貴族と幸せになるお話です。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
婚約者から妾になれと言われた私は、婚約を破棄することにしました
天宮有
恋愛
公爵令嬢の私エミリーは、婚約者のアシェル王子に「妾になれ」と言われてしまう。
アシェルは子爵令嬢のキアラを好きになったようで、妾になる原因を私のせいにしたいようだ。
もうアシェルと関わりたくない私は、妾にならず婚約破棄しようと決意していた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる