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皇女シャーロット編
父
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私が18歳になっても愛妾からの嫌がらせが無くなることはなかった。
プリシラも更に我儘で傲慢になった。
そんな二人に辟易していたある日、侍女から告げられた言葉に私は目を瞠った。
「今、なんて・・・?」
「ですから、キャサリン様とプリシラ様が殿下をお茶会に招待しているのです。」
侍女が不機嫌そうに言った。
何故・・・?
何故なの・・・・?
あの二人は私に何をする気なの・・・?
私は警戒心を強めた。
何か特別な理由があるわけではないが私はこのお茶会に行くのは危険だと思った。
あの二人は何をするか分からない。
ここは断ろう。
「断っておいてちょうだい。」
「なっ!?」
侍女が驚いた顔をした後怒りをあらわにした。
「キャサリン様とプリシラ様が誘っていらっしゃるんですよ!?それを断るというのですか!?」
「ええ、そうよ。」
侍女は二の句が継げないと言った様子だった。
部屋から出る侍女が私に対して声を荒げた。
「キャサリン様とプリシラ様の誘いを断るなんてありえない!この性悪女!力のない皇女のくせにっ!」
あの侍女はどうやらキャサリンたちをかなり崇拝しているようだ。
キャサリンとプリシラのお茶会の誘いを断ったその夜、私はお父様に呼び出された。
お父様の執務室に入るととんでもない冷気を放つお父様がいた。
「お前、今日キャサリンとプリシラの誘いを断ったそうだな?」
あぁ、キャサリンたちが告げ口したのね。
予想していたことではあったが。
「はい、断りました。」
私がすぐに認めるとお父様が憤怒の表情になり声を荒げる。
「お前のような者がっ!!!キャサリンたちの誘いを断るなどっ!!!本当に冷たい女だなっ!!!お前の母親にそっくりだっ!!!」
またお母様の話か。
お父様に怒鳴りつけられるのはよくあることなのであまり気にしないが、お母様のことを悪く言われるのは許せなかった。
お母様が、あなたに何をしたというの?
お母様はいつもお父様を献身的に支えていた。
そんなお母様を蔑ろにして平民の女に現を抜かすなんて・・・
「何とか言ったらどうなんだ!?」
「―っ!?」
考え事をしていた私は飛んでくるグラスを避けることができなかった。
ガシャンッ!
グラスは私の額に当たって割れた。
額から血が流れる。
「っ・・・。」
「動じないところもあの忌々しい女にそっくりだな。もうお前の顔は見たくない。今すぐに出ていけ。二度と私の前に姿を現すな。」
「・・・はい。失礼いたしました。」
額から出る血を抑えながら私は自室へと戻る。
手をあげられることは前にもあったがグラスを投げつけられたのは初めてだ。
怪我の手当をした後私は自室のベッドに突っ伏す。
早くこんな辛い日々が終わってほしい。
そう、願いながら―
プリシラも更に我儘で傲慢になった。
そんな二人に辟易していたある日、侍女から告げられた言葉に私は目を瞠った。
「今、なんて・・・?」
「ですから、キャサリン様とプリシラ様が殿下をお茶会に招待しているのです。」
侍女が不機嫌そうに言った。
何故・・・?
何故なの・・・・?
あの二人は私に何をする気なの・・・?
私は警戒心を強めた。
何か特別な理由があるわけではないが私はこのお茶会に行くのは危険だと思った。
あの二人は何をするか分からない。
ここは断ろう。
「断っておいてちょうだい。」
「なっ!?」
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「キャサリン様とプリシラ様が誘っていらっしゃるんですよ!?それを断るというのですか!?」
「ええ、そうよ。」
侍女は二の句が継げないと言った様子だった。
部屋から出る侍女が私に対して声を荒げた。
「キャサリン様とプリシラ様の誘いを断るなんてありえない!この性悪女!力のない皇女のくせにっ!」
あの侍女はどうやらキャサリンたちをかなり崇拝しているようだ。
キャサリンとプリシラのお茶会の誘いを断ったその夜、私はお父様に呼び出された。
お父様の執務室に入るととんでもない冷気を放つお父様がいた。
「お前、今日キャサリンとプリシラの誘いを断ったそうだな?」
あぁ、キャサリンたちが告げ口したのね。
予想していたことではあったが。
「はい、断りました。」
私がすぐに認めるとお父様が憤怒の表情になり声を荒げる。
「お前のような者がっ!!!キャサリンたちの誘いを断るなどっ!!!本当に冷たい女だなっ!!!お前の母親にそっくりだっ!!!」
またお母様の話か。
お父様に怒鳴りつけられるのはよくあることなのであまり気にしないが、お母様のことを悪く言われるのは許せなかった。
お母様が、あなたに何をしたというの?
お母様はいつもお父様を献身的に支えていた。
そんなお母様を蔑ろにして平民の女に現を抜かすなんて・・・
「何とか言ったらどうなんだ!?」
「―っ!?」
考え事をしていた私は飛んでくるグラスを避けることができなかった。
ガシャンッ!
グラスは私の額に当たって割れた。
額から血が流れる。
「っ・・・。」
「動じないところもあの忌々しい女にそっくりだな。もうお前の顔は見たくない。今すぐに出ていけ。二度と私の前に姿を現すな。」
「・・・はい。失礼いたしました。」
額から出る血を抑えながら私は自室へと戻る。
手をあげられることは前にもあったがグラスを投げつけられたのは初めてだ。
怪我の手当をした後私は自室のベッドに突っ伏す。
早くこんな辛い日々が終わってほしい。
そう、願いながら―
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