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皇女シャーロット編

愛妾の嫌がらせ

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キャサリンとプリシラと別れた私が向かうのは書庫だ。


この書庫は古びていて誰も使っていない。


王宮の目立たないところにあるため存在すら知らない者も多い。


私は皇宮に居場所がなくてよくここで過ごしていた。


だからここにいると落ち着く。


それは大きくなった今でも変わらない。


古びた書庫の扉を開ける。


私の小さい頃から本を読むことで暇をつぶしていた。


プリシラのように家族の時間は一切ないし皇宮から出ることも許されなかったから。


私の好きなジャンルはファンタジー小説だ。


私の知らない世界が書かれていて、おもしろいからだ。


いつか皇宮の外へ出てみたいな、とも思う。


何年先になるか分からないけど。


そんなことを考えながら私は書庫にあった数冊の本を取り、書庫を出た。





キャサリンが陰からその様子を見ていたことにも気づかずに―





自室へ戻った私はすぐに本を読み始める。


私は本を読むのが速い方ですぐに読み終わってしまう。


数日後には本を返しに書庫へ行く。


そしてまた新しい本を持ってくるのだ。


それが私のルーティーンとなっていた。





そして数日後私は本を返すためにいつものように書庫へと向かっていた。


そんな私に予期せぬ事態が起こった。


何かしら、あれ・・・?


書庫の扉の前に衛兵が立っていたのだ。


私は気にせずに入ろうとした。


すると


「ここを通すわけにはいきません。お帰りください。」


「えっ・・・何故・・・。」


まさか―


しまった!やられた!


きっとキャサリンの仕業だ。


キャサリンは昔から私に嫌がらせをしてきた。


今度は私から楽しみを奪うつもりなのか!


「どいてください、私はここに用があるんです。」


「通すわけにはいきません。」


「それは誰の命令なの!?」


無理矢理にでも衛兵を振り切ろうとする。


「っ、ああもうしつけーなっ!」


衛兵が私の体をドンッと思い切り押したのだ。


「キャッ!!!」


私の体は後ろに倒れ持っていた本が床に落ちた。


「痛っ・・・。」


「通れないと言ったら通れないんだよ!さっさと消えろ!」


皇族になんという口のきき方をしているのか。


この衛兵、きっと平民ね。


「あなた貴族ではないでしょう?皇族にそんな態度をとっていいと思ってるの?」


私がそう言うと衛兵は私の言葉を鼻で笑う。


「ハッ。あんたは名ばかりの皇女なんだろ?皇帝にも嫌われてるって。何したって罪に問われないって聞いたぜ。」


やっぱり、キャサリンの手の者ね。


事実ではあるが失礼が過ぎる。


私は衛兵の無礼にうんざりしながらも立ち上がり、書庫の前から去った。


キャサリン・・・。


本当に陰湿な女・・・!


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