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断罪③
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「側妃様、アズリール侯爵は認めていますが?」
「・・・」
マリアベルはしばらくの間黙り込んでいた。
「・・・ふふっ・・・ふふふっ・・・ふふふふっ・・・。」
そして気がふれたのが笑い始めた。
「ええ、そうよ!!!私は何度もあの卑しい女の息子を殺そうとしたわ!!!だけどそれの何が悪いの!?エイドリアンは王家の汚点よっ!!!平民から生まれた息子なの!!!私はただ、王家の汚点を排除しようとしただけなのよ!!!」
(聞くに堪えない・・・。)
ローラン公爵はマリアベルの言葉に不快感を覚えた。
「・・・マリアベル。」
アズリール侯爵は悲し気な瞳でマリアベルを見つめていた。
「・・・いつからそんな風になってしまったんだ?昔の君はそうではなかった。」
アズリール侯爵の言葉にローラン公爵は自身がまだ公爵令息だった時のことを思い出していた。
マリアベル・アズリール侯爵令嬢。
名門侯爵家の出身で、王子の婚約者であり、美しい容姿と高い教養を持ち、誰にでも分け隔てなく接する完璧な淑女。
それがマリアベルだった。
マリアベルはよく領地で領民に炊き出しを行ったりしていた。
平民だからと言って差別したりするような人ではなかった。
(・・・そうだ。マリアベル・アズリール侯爵令嬢は確かにそんな人だった。)
目の前にいる人物とはかなり違う。
マリアベルをこんな風にしたのは間違いなく国王陛下だ。
アズリール侯爵は不正を行っていたがそれは私利私欲のためではなくマリアベルのためだった。
「・・・側妃様、その考えは間違っています。あなたは知っているはずです。あの親子に罪はありません。」
ローラン公爵は淡々と側妃に告げる。
するとマリアベルは落ち着きを取り戻して泣き始めた。
「・・・・分かってるわよ・・・そんなの・・・だけどッ・・・あの女のせいにでもしなきゃ・・・・この王宮で平静を保てなかったッ・・・・」
ローラン公爵とアズリール侯爵はそんなマリアベルの姿に息を呑んだ。
(ずっと葛藤していたんだろうな・・・。)
ローラン公爵はそんなマリアベルの姿を見てそう思った。
「マリアベル側妃。あなたを第一王子殿下殺害未遂で、連行します。」
ローラン公爵はそう言い放ち、騎士たちがマリアベルの腕を掴んで無理矢理立たせる。
マリアベルは暴れることもなく、大人しく連行されていった。
その姿をじっと眺めていたアズリール侯爵にローラン公爵が尋ねた。
「良いのか?大事な妹だっただろうに。」
ローラン公爵の問いにアズリール侯爵は目を伏せた。
「・・・はい。昔の誰にでも優しかった妹はもうどこにもいません。だけど最後の最後にマリアベルが昔の優しい心を少しだけ取り戻したような気がして嬉しかった。ありがとうございます。ローラン公爵閣下。」
アズリール侯爵は軽く微笑んでそう言った後、マリアベルと同じように騎士に連行されていった。
一部始終を見ていた騎士がローラン公爵に話しかけた。
「側妃様はなんだか少しだけ可哀そうでしたね。」
「あれは王族を殺そうとした大罪人だ。同情するな。」
ローラン公爵は騎士を叱責した。
「す、すみませんっ!」
とはいえ、公爵本人も側妃には思うところがあったのは事実だ。
(・・・エレンとクリスは大丈夫だろうか。)
「・・・」
マリアベルはしばらくの間黙り込んでいた。
「・・・ふふっ・・・ふふふっ・・・ふふふふっ・・・。」
そして気がふれたのが笑い始めた。
「ええ、そうよ!!!私は何度もあの卑しい女の息子を殺そうとしたわ!!!だけどそれの何が悪いの!?エイドリアンは王家の汚点よっ!!!平民から生まれた息子なの!!!私はただ、王家の汚点を排除しようとしただけなのよ!!!」
(聞くに堪えない・・・。)
ローラン公爵はマリアベルの言葉に不快感を覚えた。
「・・・マリアベル。」
アズリール侯爵は悲し気な瞳でマリアベルを見つめていた。
「・・・いつからそんな風になってしまったんだ?昔の君はそうではなかった。」
アズリール侯爵の言葉にローラン公爵は自身がまだ公爵令息だった時のことを思い出していた。
マリアベル・アズリール侯爵令嬢。
名門侯爵家の出身で、王子の婚約者であり、美しい容姿と高い教養を持ち、誰にでも分け隔てなく接する完璧な淑女。
それがマリアベルだった。
マリアベルはよく領地で領民に炊き出しを行ったりしていた。
平民だからと言って差別したりするような人ではなかった。
(・・・そうだ。マリアベル・アズリール侯爵令嬢は確かにそんな人だった。)
目の前にいる人物とはかなり違う。
マリアベルをこんな風にしたのは間違いなく国王陛下だ。
アズリール侯爵は不正を行っていたがそれは私利私欲のためではなくマリアベルのためだった。
「・・・側妃様、その考えは間違っています。あなたは知っているはずです。あの親子に罪はありません。」
ローラン公爵は淡々と側妃に告げる。
するとマリアベルは落ち着きを取り戻して泣き始めた。
「・・・・分かってるわよ・・・そんなの・・・だけどッ・・・あの女のせいにでもしなきゃ・・・・この王宮で平静を保てなかったッ・・・・」
ローラン公爵とアズリール侯爵はそんなマリアベルの姿に息を呑んだ。
(ずっと葛藤していたんだろうな・・・。)
ローラン公爵はそんなマリアベルの姿を見てそう思った。
「マリアベル側妃。あなたを第一王子殿下殺害未遂で、連行します。」
ローラン公爵はそう言い放ち、騎士たちがマリアベルの腕を掴んで無理矢理立たせる。
マリアベルは暴れることもなく、大人しく連行されていった。
その姿をじっと眺めていたアズリール侯爵にローラン公爵が尋ねた。
「良いのか?大事な妹だっただろうに。」
ローラン公爵の問いにアズリール侯爵は目を伏せた。
「・・・はい。昔の誰にでも優しかった妹はもうどこにもいません。だけど最後の最後にマリアベルが昔の優しい心を少しだけ取り戻したような気がして嬉しかった。ありがとうございます。ローラン公爵閣下。」
アズリール侯爵は軽く微笑んでそう言った後、マリアベルと同じように騎士に連行されていった。
一部始終を見ていた騎士がローラン公爵に話しかけた。
「側妃様はなんだか少しだけ可哀そうでしたね。」
「あれは王族を殺そうとした大罪人だ。同情するな。」
ローラン公爵は騎士を叱責した。
「す、すみませんっ!」
とはいえ、公爵本人も側妃には思うところがあったのは事実だ。
(・・・エレンとクリスは大丈夫だろうか。)
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