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断罪②
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「エイドリアン・・・いえ、第一王子殿下を暗殺しようだなんてそんな恐ろしいこと考えるはずがありませんわ!きっと何かの間違いです!」
マリアベルはうるうると目に涙をためて訴えた。
マリアベルは年齢のわりには若くて美しい女性だった。
絶世の美貌を持ち合わせていたフィオナ王妃に比べるとどうしても見劣りしてしまうが。
この姿を見れば大体の人間は「彼女がそんな恐ろしいことをするはずがない」と言うだろう。
だけどローラン公爵の前ではそれは無意味だった。
「そんな見え透いた演技に私が騙されるとでも?」
ローラン公爵はマリアベルに嫌悪を含んだ眼差しを向けた。
(っ・・・!)
マリアベルはローラン公爵が絆されるだろうと思っていたがそう簡単にはいかなかった。
(そういえばローラン公爵のところは政略結婚ではあるけれど妻を大事にしているんだったわね・・・。私としたことが・・・。)
「それなら、証拠はあるの!?私がエイドリアンを暗殺しようとしたという証拠!!!」
(エイドリアンを暗殺しようとした暗殺者はもう全員この世にいないし、さっきの発言を聞いていたとしてもローラン公爵の証言だけでは罪が確定する可能性は低い。)
マリアベルは勝利を確信していた。
「・・・証拠ならありますよ。」
(っ!?)
するとカチッという音と共に部屋中に音声が流れた。
『エイドリアンの暗殺がなかなかうまくいかないのよ。せっかく邪魔なエレンが消えてくれたっていうのに。』
『あの卑しい女の息子よ。見ているだけで虫唾が走るわ。それにシャルルが確実に王になるためにも邪魔な要素は消しておかないとね。』
「な・・・な・・・」
聞こえてくるのはマリアベルの声だ。
ローラン公爵は先ほどの会話を録音していたのだ。
「これについてはどう説明するつもりですか?」
「こ、こんなの偽物よっ!そうよ、誰かが私を貶めるために私の声色を真似してやったのよ!!!」
マリアベルはまだ認めなかった。
「いい加減に―」
ローラン公爵が声を荒げようとしたその時―
「この声はマリアベル本人のもので間違いありません。」
そう口を開いたのはマリアベルの実兄であるアズリール侯爵だった。
「お、お兄様・・・?」
マリアベルは顔を真っ赤にしていた。
まさか兄が自分を裏切るとは思わなかったのだろう。
「どうしてなのッ!!!どうしてそんなことを・・・」
「マリアベル。もうこれ以上は隠し通せない。罪を認めるんだ。」
実兄に裏切られたことがよほどショックだったのかマリアベルは顔を真っ赤にしてしばらく動かなかった。
マリアベルはうるうると目に涙をためて訴えた。
マリアベルは年齢のわりには若くて美しい女性だった。
絶世の美貌を持ち合わせていたフィオナ王妃に比べるとどうしても見劣りしてしまうが。
この姿を見れば大体の人間は「彼女がそんな恐ろしいことをするはずがない」と言うだろう。
だけどローラン公爵の前ではそれは無意味だった。
「そんな見え透いた演技に私が騙されるとでも?」
ローラン公爵はマリアベルに嫌悪を含んだ眼差しを向けた。
(っ・・・!)
マリアベルはローラン公爵が絆されるだろうと思っていたがそう簡単にはいかなかった。
(そういえばローラン公爵のところは政略結婚ではあるけれど妻を大事にしているんだったわね・・・。私としたことが・・・。)
「それなら、証拠はあるの!?私がエイドリアンを暗殺しようとしたという証拠!!!」
(エイドリアンを暗殺しようとした暗殺者はもう全員この世にいないし、さっきの発言を聞いていたとしてもローラン公爵の証言だけでは罪が確定する可能性は低い。)
マリアベルは勝利を確信していた。
「・・・証拠ならありますよ。」
(っ!?)
するとカチッという音と共に部屋中に音声が流れた。
『エイドリアンの暗殺がなかなかうまくいかないのよ。せっかく邪魔なエレンが消えてくれたっていうのに。』
『あの卑しい女の息子よ。見ているだけで虫唾が走るわ。それにシャルルが確実に王になるためにも邪魔な要素は消しておかないとね。』
「な・・・な・・・」
聞こえてくるのはマリアベルの声だ。
ローラン公爵は先ほどの会話を録音していたのだ。
「これについてはどう説明するつもりですか?」
「こ、こんなの偽物よっ!そうよ、誰かが私を貶めるために私の声色を真似してやったのよ!!!」
マリアベルはまだ認めなかった。
「いい加減に―」
ローラン公爵が声を荒げようとしたその時―
「この声はマリアベル本人のもので間違いありません。」
そう口を開いたのはマリアベルの実兄であるアズリール侯爵だった。
「お、お兄様・・・?」
マリアベルは顔を真っ赤にしていた。
まさか兄が自分を裏切るとは思わなかったのだろう。
「どうしてなのッ!!!どうしてそんなことを・・・」
「マリアベル。もうこれ以上は隠し通せない。罪を認めるんだ。」
実兄に裏切られたことがよほどショックだったのかマリアベルは顔を真っ赤にしてしばらく動かなかった。
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