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裏切り 王太子side
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侍従が去った後、僕は一人でずっと考えていた。
これから僕は、どうすればいい?
エレンには最低のことをした。
だがリサは僕がいなければ生きていけない。
悩みに悩んだ末、僕は答えを出した。
向かうのは王宮にある自室、リサがいる場所だ。
扉を開けると中でリサがくつろいでいた。
リサは僕を見ると一目散に駆け寄ってくる。
「エイドリアン様っ!戻っていらしたんですねっ!」
僕のところに来たリサを優しく抱きしめた。
「あぁ。」
「エイドリアン様っ。それで、エレン様はどうでしたか?」
リサはまだエレンが嫌がらせをしていると思い込んでいる。
まずはその誤解を解かなくてはいけない。
「リサ。エレンはそんなことをする人間ではないよ。きっと何かリサは誤解をしたんだろう。」
「えっ・・・?」
リサは怪訝な顔をする。
そんな顔も可愛らしい。
「リサ、聞いてほしい話があるんだ。」
「何ですか・・・?」
僕はリサの前で跪く。
「リサ。僕は間違いを犯してしまった。王族としてしてはならないこともした。エレンには本当にひどいことをしたと思う。」
リサは僕の言葉に眉を顰める。
「何を言っているんですか・・・?」
僕はリサの手を取る。
「だけどリサ、僕が君を想う気持ちだけは本物だ。僕は王太子の座を下りる。そして平民になる。
そうしたら僕と結婚してくれないか?リサは元々平民出身だしきっと上手くやれると思うんだ。
2人で仲睦まじく市井で暮らそう。」
そう、僕が出した答えは王太子の座をシャルルに譲り、王族から籍を抜き、平民になるというものだ。
これが僕の贖罪だ。
僕を愛しているリサならきっと受け入れてくれるだろう。
リサはさっきからずっとプルプル震えながら俯いている。
涙をこらえているのかもしれない。
そう考えると僕は非常に嬉しくなった。
だがリサが次に放った言葉は信じられないものだった。
「・・・いっ・・・」
リサが小さい声で何かを言った。
「え?リサ、何だい?もっと大きい声で言ってくれないと・・・」
「冗談じゃないっっっ!!!」
リサはそう声を荒げると僕の手をパシッと振り払った。
僕はリサに振り払われたせいで後ろに倒れてしまう。
「リ、リサ・・・?」
「せっかく王妃になれると思ったのに!!!平民に戻るだなんて冗談じゃないわっ!!!」
・・・誰だ・・・この女は・・・?
僕が知っているリサとは全く違う女が目の前にいる。
「あんたなんて顔が良いだけで無能だし、王太子じゃなかったら結婚相手になんて選ぶわけないでしょう!?」
リサは僕を激しく罵倒した。
「う、嘘だろう・・・リサ・・・。」
「あーあ。時間を無駄にしたわ。また新しい男を探さなきゃいけないわね。」
そう言ってリサは荷物をまとめだした。
「あたしに言い寄ってきた中で次に地位が高いのは・・・侯爵家の令息だったかしら。」
リサは僕以外にも男がいたのか!?
さっさと荷物をまとめ部屋を出ようとするリサに向かって僕は叫ぶ。
「ま、待ってくれ、リサ!君は、僕を愛していたんじゃなかったのか!?」
「・・・え?」
そう呟いて振り返ったリサの目は今まで見たことないほど、侮蔑と嫌悪に満ちていた。
「そんなわけないでしょ?あたしは地位の高い男性が好きなの。平民に用はないのよ。」
リサはそう吐き捨て、今度こそ振り返ることなく部屋を出て行った。
「はっ・・・ははっ・・・・。」
あぁ、リサは最初から王妃の座が目当てだったんだ。
乾いた笑みが漏れる。
全てを失った、とはこういうことを言うんだな―
これから僕は、どうすればいい?
エレンには最低のことをした。
だがリサは僕がいなければ生きていけない。
悩みに悩んだ末、僕は答えを出した。
向かうのは王宮にある自室、リサがいる場所だ。
扉を開けると中でリサがくつろいでいた。
リサは僕を見ると一目散に駆け寄ってくる。
「エイドリアン様っ!戻っていらしたんですねっ!」
僕のところに来たリサを優しく抱きしめた。
「あぁ。」
「エイドリアン様っ。それで、エレン様はどうでしたか?」
リサはまだエレンが嫌がらせをしていると思い込んでいる。
まずはその誤解を解かなくてはいけない。
「リサ。エレンはそんなことをする人間ではないよ。きっと何かリサは誤解をしたんだろう。」
「えっ・・・?」
リサは怪訝な顔をする。
そんな顔も可愛らしい。
「リサ、聞いてほしい話があるんだ。」
「何ですか・・・?」
僕はリサの前で跪く。
「リサ。僕は間違いを犯してしまった。王族としてしてはならないこともした。エレンには本当にひどいことをしたと思う。」
リサは僕の言葉に眉を顰める。
「何を言っているんですか・・・?」
僕はリサの手を取る。
「だけどリサ、僕が君を想う気持ちだけは本物だ。僕は王太子の座を下りる。そして平民になる。
そうしたら僕と結婚してくれないか?リサは元々平民出身だしきっと上手くやれると思うんだ。
2人で仲睦まじく市井で暮らそう。」
そう、僕が出した答えは王太子の座をシャルルに譲り、王族から籍を抜き、平民になるというものだ。
これが僕の贖罪だ。
僕を愛しているリサならきっと受け入れてくれるだろう。
リサはさっきからずっとプルプル震えながら俯いている。
涙をこらえているのかもしれない。
そう考えると僕は非常に嬉しくなった。
だがリサが次に放った言葉は信じられないものだった。
「・・・いっ・・・」
リサが小さい声で何かを言った。
「え?リサ、何だい?もっと大きい声で言ってくれないと・・・」
「冗談じゃないっっっ!!!」
リサはそう声を荒げると僕の手をパシッと振り払った。
僕はリサに振り払われたせいで後ろに倒れてしまう。
「リ、リサ・・・?」
「せっかく王妃になれると思ったのに!!!平民に戻るだなんて冗談じゃないわっ!!!」
・・・誰だ・・・この女は・・・?
僕が知っているリサとは全く違う女が目の前にいる。
「あんたなんて顔が良いだけで無能だし、王太子じゃなかったら結婚相手になんて選ぶわけないでしょう!?」
リサは僕を激しく罵倒した。
「う、嘘だろう・・・リサ・・・。」
「あーあ。時間を無駄にしたわ。また新しい男を探さなきゃいけないわね。」
そう言ってリサは荷物をまとめだした。
「あたしに言い寄ってきた中で次に地位が高いのは・・・侯爵家の令息だったかしら。」
リサは僕以外にも男がいたのか!?
さっさと荷物をまとめ部屋を出ようとするリサに向かって僕は叫ぶ。
「ま、待ってくれ、リサ!君は、僕を愛していたんじゃなかったのか!?」
「・・・え?」
そう呟いて振り返ったリサの目は今まで見たことないほど、侮蔑と嫌悪に満ちていた。
「そんなわけないでしょ?あたしは地位の高い男性が好きなの。平民に用はないのよ。」
リサはそう吐き捨て、今度こそ振り返ることなく部屋を出て行った。
「はっ・・・ははっ・・・・。」
あぁ、リサは最初から王妃の座が目当てだったんだ。
乾いた笑みが漏れる。
全てを失った、とはこういうことを言うんだな―
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