貴方が選んだのは全てを捧げて貴方を愛した私ではありませんでした

ましゅぺちーの

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変化 王太子side

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リサと一旦別れた僕は王宮の廊下を歩く。


王宮の廊下を歩いていた僕はすれ違いざまに使用人に向けられる視線に違和感を感じていた。


エレンと婚約していた頃はこんな侮蔑のこもった視線を送られることはなかった。


それなのに何故、使用人達はそんな目で僕を見るんだ?


不思議に思っていたがそのまま歩いていた。


すると今度はすれ違った使用人達に陰口をたたかれる。


「平民の息子」


「なぜあんなのが王宮にいるのかしら」


「下賤な血が混じってるくせに」


っ!!!


僕は耐えられなくなり自室へと戻る。


これは・・・・




昔と、同じー


小さい頃、僕は今のように使用人たちに侮蔑され、陰口をたたかれていた。


母が平民だからという理由で。


母上も同じ目に遭っていて、それが心労となり亡くなった。


母が亡くなってからは使用人たちはさらに僕を冷遇した。


だが突然それが無くなった。


当時は使用人達が僕を王族の一員として認めてくれたんだと思っていた。


だけど、何でまた・・・?


当時のことを思い出すと今でも震える。


使用人達に食事として腐ったパンやスープなどの食べられないようなものを出されたり、散々ひどい目に遭わされたから。


もしかしてまたあんなことされたり・・・。


そう思いながらも首を横に振る。


いや、そんなことあるわけがない。今の僕は王太子だ。


王太子は国王と王妃の次に地位が高い。


王妃であった母はもう何年も前に亡くなったので僕は今この国で二番目に地位が高い人間となる。


そんな僕を、下級貴族が大半を占める王宮の使用人達が傷つけようとするはずがない。


そう思い、立ち上がって自室を出ようとした


そのときー


ビュンッ!


自室にある開いた窓から何かが物凄い勢いで飛んできて、僕の頭のすぐ横の壁に突き刺さった。


恐怖で動かない頭を無理矢理横に動かして見ると・・・・


これは・・・矢・・・?


それは一本の矢だった。


あと少し横にいたら頭を貫かれていた。


その事実に僕は少しの間恐怖で動けなくなっていたがハッとなりすぐに窓を閉めた。


何だ・・・?何なんだ・・・?


何故矢が飛んでくるんだ・・・?


誰かが僕の命を狙ったということか?


勿論今まで命を狙われた経験など一度もなかった。


それに使用人達のあの態度・・・。







一体何が起きているんだ?


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