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私の王子様 ララside

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そして、待ちに待ったあの日が近付いて来た。


(もうすぐだわ・・・もうすぐ・・・)


”レナルドとヒロインが出会う王宮の舞踏会”が開催される。


私はそのことに飛び上がりそうになった。私がこの日をどれほど待ち望んでいたか。


この日に備えて王太子フレッドの好感度はしっかりと上げておいてある。準備は万端だ。やっとレナルドに会うことが出来、彼のルートに入ることが出来るのだ。


そう思うと嬉しくてたまらなかった。私がどれだけレナルドのことだけを想っていたか。好きでもない攻略キャラたちに愛想を振りまく日々ももうすぐ終わりを迎える。


私は前世でレナルドルートを一番プレイしていたため、彼の攻略には自信があった。どこで何を言うのか、どのアイテムを手に入れるべきなのかを完璧に覚えている。だから絶対にレナルドを攻略出来ると信じて疑わなかった。


(あぁ、もうすぐ来るのね!私の王子様!)


それから私はすぐにフレッドに舞踏会で彼のパートナーとして参加したいという旨を伝えに行った。


そしたら何故だか突然抱きしめられた。


(うわぁ・・・ちょっと放してよ、痛いわね)


私をギュッと抱きしめたときのフレッドは本当に嬉しそうな顔をしていた。どうやら私が自分のことを選んだのだと誤解しているらしい。そんなことあるわけがない。私が好きなのはレナルドただ一人だから。私は内心そんなフレッドを嘲笑った。


フレッドは元々私の虜だったため、舞踏会の件はすぐに了承してくれた。誤算だったのはその後にフレッドにプロポーズされたこと。


(婚約を発表・・・?ふざけんなよ!私の相手はレナルドだっての!)


そうは思ったものの、ここで断ったらパートナーとしての参加も無しになるかもしれない。


そのため私はしょうがなくフレッドの提案をのむことにした。最悪フレッドと婚約することになってしまっても大丈夫だ。きっと後からレナルドが私を攫いに来てくれるはずだから。


(ああ、それも良いかもしれないわね)


王太子と婚約した私を攫いに来るレナルドを想像して顔がニヤけた。


ゲームには無い展開だが、レナルドもきっと他の攻略キャラと同じで私に一目惚れするはずだからきっと何が何でも私を手に入れようとするだろう。


(イケメン二人に奪い合い・・・なかなか良いじゃない!)


本命はレナルドだが、フレッドも顔と地位だけならかなり良い部類に入る。当て馬にするにはちょうどいいキャラだろう。


私はフレッドの胸に抱かれながらそんなことを考えた。


このときの私には、自分を抱きしめるフレッドの顔がレナルドに脳内変換されていた。


優しく微笑みながら私をギュッと抱きしめるレナルド。あぁ、何て素敵なのだろう。


(早く来てね、私の王子様・・・)


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