37 / 52
疑問 ララside
しおりを挟む
(おかしいわ・・・どうして皆私の元からいなくなるの?)
オーガストにキツイ言葉を浴びせて振ってから数日後、あの男は本当に平民になった。
別に興味はないし、可哀相だとも思わない。オーガストの性格からして平民としての生活など出来ないだろう。あの男が死のうと生きようと別に構わないが、今の私にはそれ以上に気掛かりなことがあった。
次はアレクサンドルがいなくなったのだ。
しかもそれと同時に王太子フレッドの過去の悪行の噂が広まっていた。ゲームを何周もしている私はそのことを知っていたから何とも思わなかったが、このことが決定打となり学園の生徒たちの心は王太子から完全に離れていったようだった。学園にいる全員が王太子を侮蔑の目で見ている。
フレッドはもちろん誰が広めたんだと激怒していた。
私はそんな彼を見てハァとため息をついた。
(そんなことした自分が悪いんじゃない。・・・だけど広めるとしたらアレクサンドルかしら?あの男は内心王太子を見下してるから・・・)
だけど私にとっては正直どうだっていい。王太子はレナルド攻略においての駒でしかないのだから。
レナルドの攻略が出来るんだったら王太子たちがどうなろうと構わなかった。
私の心は最初からレナルドだけのものだから。
◇◆◇◆◇◆
その後、アレクサンドルが学園を退学になり騎士として辺境に送られたという話を耳にした。どうやらアレクサンドルはこの国のトップである国王陛下に直々に呼び出され、そのことを宣言されたらしい。
それを聞いた私はオーガストのときと同じでやはり何も思わなかった。元々アレクサンドルにはあまり興味が無かったからだろう。
(アレクサンドルが退学になったのね・・・まぁ、オーガストみたいに貴族としての地位を失わなくて良かったんじゃない?)
辺境での生活はかなり過酷だと聞くが貴族位を失い、平民になってしまったオーガストに比べるとかなりマシだと言えるだろう。
そして、私の傍にいるのはついに王太子フレッドだけになった。
どうやら学園の生徒たちは愚行ばかり重ねている王太子をいつまでも罰しない国王陛下に不満を抱いているようだった。
ちなみに私は国王陛下に会ったことはない。ゲームの中で何度か見たことがある程度だ。ゲーム内で見た国王陛下はとても厳格な方だったのを覚えている。男爵令嬢である私との結婚に最後の最後まで反対していた人物でもあった。そんな人が何も言ってこないことが気になった。
(・・・いくら王とはいえど、実の息子を罰するのはさすがに気が引けるのかしら?)
きっとそうにちがいない、私はそう思って深く考えるのをやめた。
フレッドは私に対して辺境にいるアレクサンドルに会いに行くのかと聞いてきた。どうやら彼は私とアレクサンドルの仲を誤解しているようだ。
「・・・まさか。アレクサンドル様とは少し話したことがあるだけでそんなに仲良くないですよ。友人でも何でもない人にわざわざ辺境まで会いになんて行かないですよ~」
私は笑顔でそう答えた。
そう、アレクサンドルは私を待っているかもしれないが私はあの男に会いに行く気など更々ない。むしろこのまま一生戻ってこないでほしいと思っているくらいだ。縁を切るなら今が良い。
レナルド攻略において必要なのは王太子フレッドだけだから。フレッド以外の三人は別に私から離れようが構わない。
(まぁ、そのフレッドも最後には捨てることになるけどね。私と結婚するのはレナルドなんだから)
私はそう思いながら机の上に置かれていた高級なクッキーを口に運んで誰にも気付かれないように微笑んだ。
オーガストにキツイ言葉を浴びせて振ってから数日後、あの男は本当に平民になった。
別に興味はないし、可哀相だとも思わない。オーガストの性格からして平民としての生活など出来ないだろう。あの男が死のうと生きようと別に構わないが、今の私にはそれ以上に気掛かりなことがあった。
次はアレクサンドルがいなくなったのだ。
しかもそれと同時に王太子フレッドの過去の悪行の噂が広まっていた。ゲームを何周もしている私はそのことを知っていたから何とも思わなかったが、このことが決定打となり学園の生徒たちの心は王太子から完全に離れていったようだった。学園にいる全員が王太子を侮蔑の目で見ている。
フレッドはもちろん誰が広めたんだと激怒していた。
私はそんな彼を見てハァとため息をついた。
(そんなことした自分が悪いんじゃない。・・・だけど広めるとしたらアレクサンドルかしら?あの男は内心王太子を見下してるから・・・)
だけど私にとっては正直どうだっていい。王太子はレナルド攻略においての駒でしかないのだから。
レナルドの攻略が出来るんだったら王太子たちがどうなろうと構わなかった。
私の心は最初からレナルドだけのものだから。
◇◆◇◆◇◆
その後、アレクサンドルが学園を退学になり騎士として辺境に送られたという話を耳にした。どうやらアレクサンドルはこの国のトップである国王陛下に直々に呼び出され、そのことを宣言されたらしい。
それを聞いた私はオーガストのときと同じでやはり何も思わなかった。元々アレクサンドルにはあまり興味が無かったからだろう。
(アレクサンドルが退学になったのね・・・まぁ、オーガストみたいに貴族としての地位を失わなくて良かったんじゃない?)
辺境での生活はかなり過酷だと聞くが貴族位を失い、平民になってしまったオーガストに比べるとかなりマシだと言えるだろう。
そして、私の傍にいるのはついに王太子フレッドだけになった。
どうやら学園の生徒たちは愚行ばかり重ねている王太子をいつまでも罰しない国王陛下に不満を抱いているようだった。
ちなみに私は国王陛下に会ったことはない。ゲームの中で何度か見たことがある程度だ。ゲーム内で見た国王陛下はとても厳格な方だったのを覚えている。男爵令嬢である私との結婚に最後の最後まで反対していた人物でもあった。そんな人が何も言ってこないことが気になった。
(・・・いくら王とはいえど、実の息子を罰するのはさすがに気が引けるのかしら?)
きっとそうにちがいない、私はそう思って深く考えるのをやめた。
フレッドは私に対して辺境にいるアレクサンドルに会いに行くのかと聞いてきた。どうやら彼は私とアレクサンドルの仲を誤解しているようだ。
「・・・まさか。アレクサンドル様とは少し話したことがあるだけでそんなに仲良くないですよ。友人でも何でもない人にわざわざ辺境まで会いになんて行かないですよ~」
私は笑顔でそう答えた。
そう、アレクサンドルは私を待っているかもしれないが私はあの男に会いに行く気など更々ない。むしろこのまま一生戻ってこないでほしいと思っているくらいだ。縁を切るなら今が良い。
レナルド攻略において必要なのは王太子フレッドだけだから。フレッド以外の三人は別に私から離れようが構わない。
(まぁ、そのフレッドも最後には捨てることになるけどね。私と結婚するのはレナルドなんだから)
私はそう思いながら机の上に置かれていた高級なクッキーを口に運んで誰にも気付かれないように微笑んだ。
応援ありがとうございます!
19
お気に入りに追加
4,149
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる