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怒り ララside
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ルパートが私たちの前から姿を消してからというもの、不思議なことばかりが起きた。
今度はオーガストがいなくなった。あの中でも一番私に執着していたオーガストが。
(・・・どうして急にいなくなったのかしら?あれほど私に惚れ込んでいたのに。・・・・・・まぁ、元々気持ち悪い奴だったしいっか)
私は彼が突然消えたことを疑問に思ったが、そこまで気にはならなかった。
オーガストの心の内や裏でやっていたことを知ってたからか、それほど悲しくもなかった。物をもらえなくなるのは残念だったが、このまま執着され続けるのも困る。縁を切るなら今が良いということだろう。
と、思っていたら突然目の前に現れた。
本当はもう顔も見たくなかったが、しょうがないから適当に相手をしておくか。そう思って私はいつものようにぶりっ子キャラでオーガストに駆け寄って笑顔を見せた。
(あぁ、本当に気持ち悪い!何でこんな奴に愛想振りまかないといけないのよ!)
心の中ではそんなことを思いながら。
それから私は聞いてほしい話があるというオーガストに付き合ってあげた。
別に聞きたくないし大して気にもならなかったが、断ったら面倒なことになりそうだったので仕方なく受け入れた。
オーガストの話によると、どうやらルパートと同じくこの男もまた廃嫡になったようだ。彼は廃嫡になった理由を話さなかったが、おそらくリリーシャに嫌がらせの罪を擦り付けたのがバレたのだろう。
実は学園に通う生徒たちの間では密かに噂になっていた。つい先日、リリーシャの父であるオブライト公爵がコール侯爵の元を訪ねたのだと。きっと私に対する嫌がらせの件で何か言われたのだろうなとは思っていた。予想通りだ。
(まぁ、格上の公爵令嬢を陥れたんだから当然かもね。むしろ廃嫡で済んでよかったじゃない。私にはもう関係の無い話だけど)
このときの私はそんなことを思っていた。
しかし、その次にオーガストの口から出てきた言葉に激しい怒りを覚えた。
「ララ、私は平民になるが・・・そんな私でもこの先一緒にいてくれるか?」
「・・・」
何故だか分からないが私はオーガストのこの発言に物凄くイラッとした。
(平民になる・・・?平民になったアンタの傍にいるですって・・・?この私が・・・?冗談じゃない!侯爵令息じゃないアンタに価値なんて無いのよ!)
この男はどうやら私が自分に惚れ込んでいると勘違いしているらしい。それが不快でたまらなかった。
(ふざけんじゃないわよ!私が好きなのはレナルドただ一人だっての!勘違いも甚だしいわ!)
このときの私は怒りで我を忘れていた。
気付けば私はぶりっ子キャラを演じることも忘れてオーガストにキツい言葉を浴びせていた。とにかく目の前にいるこの勘違い男を懲らしめたいという一心で。
(アンタみたいな気持ち悪い男がこの私に選ばれるわけないじゃない!)
この男と結婚するだなんて、考えるだけでも虫唾が走った。例えレナルドの攻略に失敗したとしてもコイツだけは選ばないだろう。
そんな私に、オーガストは終始唖然としていた。
まるで信じられないものを見ているかのような顔で固まっていた。その顔を見て胸がすいた。
「アンタ、私がアンタのこと好きだと思ってたんでしょ?それ、勘違いだから。プレゼントくれるから傍に置いてただけ。平民のアンタに用はないの。悪いけどもう私に二度と近づかないでね」
私は最後にそれだけ言って部屋から立ち去った。
私はオーガストを好きだったことなど一度も無い。むしろあの四人の中で一番嫌いだった。
(ふん!あんな奴と結婚するくらいなら自殺するわ!)
今度はオーガストがいなくなった。あの中でも一番私に執着していたオーガストが。
(・・・どうして急にいなくなったのかしら?あれほど私に惚れ込んでいたのに。・・・・・・まぁ、元々気持ち悪い奴だったしいっか)
私は彼が突然消えたことを疑問に思ったが、そこまで気にはならなかった。
オーガストの心の内や裏でやっていたことを知ってたからか、それほど悲しくもなかった。物をもらえなくなるのは残念だったが、このまま執着され続けるのも困る。縁を切るなら今が良いということだろう。
と、思っていたら突然目の前に現れた。
本当はもう顔も見たくなかったが、しょうがないから適当に相手をしておくか。そう思って私はいつものようにぶりっ子キャラでオーガストに駆け寄って笑顔を見せた。
(あぁ、本当に気持ち悪い!何でこんな奴に愛想振りまかないといけないのよ!)
心の中ではそんなことを思いながら。
それから私は聞いてほしい話があるというオーガストに付き合ってあげた。
別に聞きたくないし大して気にもならなかったが、断ったら面倒なことになりそうだったので仕方なく受け入れた。
オーガストの話によると、どうやらルパートと同じくこの男もまた廃嫡になったようだ。彼は廃嫡になった理由を話さなかったが、おそらくリリーシャに嫌がらせの罪を擦り付けたのがバレたのだろう。
実は学園に通う生徒たちの間では密かに噂になっていた。つい先日、リリーシャの父であるオブライト公爵がコール侯爵の元を訪ねたのだと。きっと私に対する嫌がらせの件で何か言われたのだろうなとは思っていた。予想通りだ。
(まぁ、格上の公爵令嬢を陥れたんだから当然かもね。むしろ廃嫡で済んでよかったじゃない。私にはもう関係の無い話だけど)
このときの私はそんなことを思っていた。
しかし、その次にオーガストの口から出てきた言葉に激しい怒りを覚えた。
「ララ、私は平民になるが・・・そんな私でもこの先一緒にいてくれるか?」
「・・・」
何故だか分からないが私はオーガストのこの発言に物凄くイラッとした。
(平民になる・・・?平民になったアンタの傍にいるですって・・・?この私が・・・?冗談じゃない!侯爵令息じゃないアンタに価値なんて無いのよ!)
この男はどうやら私が自分に惚れ込んでいると勘違いしているらしい。それが不快でたまらなかった。
(ふざけんじゃないわよ!私が好きなのはレナルドただ一人だっての!勘違いも甚だしいわ!)
このときの私は怒りで我を忘れていた。
気付けば私はぶりっ子キャラを演じることも忘れてオーガストにキツい言葉を浴びせていた。とにかく目の前にいるこの勘違い男を懲らしめたいという一心で。
(アンタみたいな気持ち悪い男がこの私に選ばれるわけないじゃない!)
この男と結婚するだなんて、考えるだけでも虫唾が走った。例えレナルドの攻略に失敗したとしてもコイツだけは選ばないだろう。
そんな私に、オーガストは終始唖然としていた。
まるで信じられないものを見ているかのような顔で固まっていた。その顔を見て胸がすいた。
「アンタ、私がアンタのこと好きだと思ってたんでしょ?それ、勘違いだから。プレゼントくれるから傍に置いてただけ。平民のアンタに用はないの。悪いけどもう私に二度と近づかないでね」
私は最後にそれだけ言って部屋から立ち去った。
私はオーガストを好きだったことなど一度も無い。むしろあの四人の中で一番嫌いだった。
(ふん!あんな奴と結婚するくらいなら自殺するわ!)
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