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学園での生活 ララside
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そして学園の入学式の日がやって来た。
私がこの日をどれほど待っていたか。正直、レナルドのいない学園に来る理由は無いが男に飢えていた私は張り切って入学式に参加した。
その日、私は初めて攻略キャラたちと出会った。
やはりゲームで見た通り皆イケメンだった。いや、実物はゲーム以上かもしれない。それほどに皆キラキラしていた。
彼らを見るたびに私の中でのレナルドに対する期待値はどんどん上がっていった。実物のレナルドはどれほど格好いいのだろうか。私を一途に想い、いつも優しい顔で傍に寄り添ってくれる彼を想像するたびに顔がニヤけた。
早くレナルドに会いたかった。今すぐ彼を攻略したい。そんな私の思いは日に日に強くなっていった。しかし、そうもいかない理由があった。
ヒロインの身分は男爵家の令嬢。それに対してレナルドは隣国の第二王子だ。普通なら学園にも通っていないレナルドとヒロインが出会い、恋に落ちることなどありえない。
それによりレナルドとヒロインが出会うには、王宮で開催される舞踏会への参加が必須となる。しかしその舞踏会には男爵令嬢であるヒロインが招待されることはない。
つまり、レナルドと出会うためにはその舞踏会に王太子フレッドのパートナーとして参加するほかなかった。本来ならばヒロインは招待されていないが、相手のいない王太子殿下のパートナーとして特別に参加が認められるのだ。
そのためには、王太子フレッドと悪役令嬢リリーシャの婚約破棄が絶対となる。
攻略キャラたちの中でレナルドが最も難易度が高いと言われているのはそういう理由があった。王太子の好感度も適度に上げておく必要があったから。そこでようやくレナルドルートに入ることが出来る。
しかし、その舞踏会まではまだ時間がある。
そこで私は前世ではとても出来なかった男遊びを楽しむことにした。
幸い攻略キャラ四人は驚くほどにチョロかった。ほとんどが私の容姿に一目惚れしたようで、ちょっと貴族令嬢らしくないところを見せるとすぐに落ちていった。ぶりっ子をするのは初めてだったが、それが逆にウケたようだった。
それから私は常にその四人と行動を共にするようになった。別に彼らと一緒にいたいからというわけではなかった。ただ単に、自分より身分の高い貴族令嬢が私を嫉妬のこもった眼差しで見てくることが気持ち良かったからだった。
学園での生活は本当に楽しかった。四人とももう私の虜だ。どれだけ高い物でもちょっとぶりっ子してお願いすれば何でも買ってくれた。男爵家の財産ではとてもじゃないが買えない物だらけだ。ドレスや高価な宝飾品で埋まっていく自室を見て私は優越感に浸った。
せっかくこんなにも美しく生まれたのだから、身に着けるものも最上級でなければならないだろう。私が美しい方が皆も嬉しいはずだ。私はそんな考えからか、攻略キャラたちに物をねだり続けた。
そのたびに皆嫌な顔一つせずに買ってくれた。ルパートだけは途中からあまり買ってくれなくなったが、それでも十分すぎるくらいだった。
学園にいる間はまるで女王様にでもなった気分だった。この国で特に地位の高い男たちが私の言いなりになっているのだ。
学園に通っている令嬢たちが皆そんな私に眉をひそめていたことにも気が付いていた。しかし、どうせ嫉妬しているだけだろうと思って相手にしなかった。私は四人の地位の高いイケメンに愛されているのだから。一介の貴族令嬢の嫉妬など痛くも痒くもない。そう思っていた。
私がこの日をどれほど待っていたか。正直、レナルドのいない学園に来る理由は無いが男に飢えていた私は張り切って入学式に参加した。
その日、私は初めて攻略キャラたちと出会った。
やはりゲームで見た通り皆イケメンだった。いや、実物はゲーム以上かもしれない。それほどに皆キラキラしていた。
彼らを見るたびに私の中でのレナルドに対する期待値はどんどん上がっていった。実物のレナルドはどれほど格好いいのだろうか。私を一途に想い、いつも優しい顔で傍に寄り添ってくれる彼を想像するたびに顔がニヤけた。
早くレナルドに会いたかった。今すぐ彼を攻略したい。そんな私の思いは日に日に強くなっていった。しかし、そうもいかない理由があった。
ヒロインの身分は男爵家の令嬢。それに対してレナルドは隣国の第二王子だ。普通なら学園にも通っていないレナルドとヒロインが出会い、恋に落ちることなどありえない。
それによりレナルドとヒロインが出会うには、王宮で開催される舞踏会への参加が必須となる。しかしその舞踏会には男爵令嬢であるヒロインが招待されることはない。
つまり、レナルドと出会うためにはその舞踏会に王太子フレッドのパートナーとして参加するほかなかった。本来ならばヒロインは招待されていないが、相手のいない王太子殿下のパートナーとして特別に参加が認められるのだ。
そのためには、王太子フレッドと悪役令嬢リリーシャの婚約破棄が絶対となる。
攻略キャラたちの中でレナルドが最も難易度が高いと言われているのはそういう理由があった。王太子の好感度も適度に上げておく必要があったから。そこでようやくレナルドルートに入ることが出来る。
しかし、その舞踏会まではまだ時間がある。
そこで私は前世ではとても出来なかった男遊びを楽しむことにした。
幸い攻略キャラ四人は驚くほどにチョロかった。ほとんどが私の容姿に一目惚れしたようで、ちょっと貴族令嬢らしくないところを見せるとすぐに落ちていった。ぶりっ子をするのは初めてだったが、それが逆にウケたようだった。
それから私は常にその四人と行動を共にするようになった。別に彼らと一緒にいたいからというわけではなかった。ただ単に、自分より身分の高い貴族令嬢が私を嫉妬のこもった眼差しで見てくることが気持ち良かったからだった。
学園での生活は本当に楽しかった。四人とももう私の虜だ。どれだけ高い物でもちょっとぶりっ子してお願いすれば何でも買ってくれた。男爵家の財産ではとてもじゃないが買えない物だらけだ。ドレスや高価な宝飾品で埋まっていく自室を見て私は優越感に浸った。
せっかくこんなにも美しく生まれたのだから、身に着けるものも最上級でなければならないだろう。私が美しい方が皆も嬉しいはずだ。私はそんな考えからか、攻略キャラたちに物をねだり続けた。
そのたびに皆嫌な顔一つせずに買ってくれた。ルパートだけは途中からあまり買ってくれなくなったが、それでも十分すぎるくらいだった。
学園にいる間はまるで女王様にでもなった気分だった。この国で特に地位の高い男たちが私の言いなりになっているのだ。
学園に通っている令嬢たちが皆そんな私に眉をひそめていたことにも気が付いていた。しかし、どうせ嫉妬しているだけだろうと思って相手にしなかった。私は四人の地位の高いイケメンに愛されているのだから。一介の貴族令嬢の嫉妬など痛くも痒くもない。そう思っていた。
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