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プロポーズ フレッドside
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しかし私はそこまで気にしなかった。
ルパート、オーガスト、アレクサンドルはララに恋心を抱いていたからな。
ライバルが減るんだったらこちらとしてはありがたい。
これからはずっとララを独り占め出来るのだと思うと嬉しくて仕方がなかった。
・・・しかし
何故だろう。
何だか嫌な予感がする―
◆◇◆◇◆◇◆◇
現在、学園での私の評判は最悪だ。
ララと遊び呆けていて成績が下がっていたこともあるが、私の過去の悪行の噂が何故か学園中に広まっていたのだ。
誰が広めたのかは分からない。
全て本当のことだったため何とも言えなかった。
気付けば私の周りにはララ以外誰もいなくなっていた。
入学式の日は令嬢たちに囲まれていたのにな。
まぁ、ララさえいてくれればそれでいいが。
それにしても一体誰が噂を広めたんだ?
過去に交際していた令嬢たちの実家は既に取り潰しになっているし・・・。
そんなことを考えていた時、聞き慣れた声がした。
「フレッド様ぁ~!」
「!」
ララだ。
声のした方に目をやると、ララがこちらへ駆け寄ってきていた。
「あっ・・・フレッド様・・・。」
私は駆け寄ってきたララをギュッと抱きしめた。
するとララは頬を染めて俯いた。
照れているようだ。
私はそんなララの頭を優しく撫でる。
「あの・・・フレッド様・・・」
ララが顔を上げて私の目をじっと見つめた。
「ララ・・・フレッド様にお願いがあるんです・・・。」
「何だい?」
ララにこんな風にお願いされたら断れない。
「来週舞踏会があるじゃないですか。それにフレッド様のパートナーとして参加したいんです・・・。」
「!」
私はララの言葉を聞いて彼女を強く抱きしめた。
「フ、フレッド様!?」
ララは私の腕の中であたふたとしている。
きっと照れているのだろう。
本当に愛らしい。
私はララの手を取って跪いた。
「フレッド様・・・!」
「もちろんだよ、ララ。私も来週の舞踏会には君を誘おうと思っていたんだ。是非、私のパートナーとして参加してほしい。ドレスやアクセサリーは私がプレゼントする。当日は男爵邸まで迎えに行くから待っていてくれ。その日の舞踏会で私たちの婚約を発表しよう。」
・・・しまった。
やってしまったと思った。
私は勢い余ってララにプロポーズしてしまった。
さすがに早すぎたか・・・?
私はそんな心配をしていたのだが、ララはニッコリと笑みを浮かべた。
「もちろんです、フレッド様・・・!」
「・・・!」
ララの目は潤んでいて泣いているように見えた。
それを見て私まで泣きそうになってしまった。
愛する人と一緒になれるというのはこんなにも嬉しいことなんだな。
ララ、必ず君を幸せにしてみせる―
ルパート、オーガスト、アレクサンドルはララに恋心を抱いていたからな。
ライバルが減るんだったらこちらとしてはありがたい。
これからはずっとララを独り占め出来るのだと思うと嬉しくて仕方がなかった。
・・・しかし
何故だろう。
何だか嫌な予感がする―
◆◇◆◇◆◇◆◇
現在、学園での私の評判は最悪だ。
ララと遊び呆けていて成績が下がっていたこともあるが、私の過去の悪行の噂が何故か学園中に広まっていたのだ。
誰が広めたのかは分からない。
全て本当のことだったため何とも言えなかった。
気付けば私の周りにはララ以外誰もいなくなっていた。
入学式の日は令嬢たちに囲まれていたのにな。
まぁ、ララさえいてくれればそれでいいが。
それにしても一体誰が噂を広めたんだ?
過去に交際していた令嬢たちの実家は既に取り潰しになっているし・・・。
そんなことを考えていた時、聞き慣れた声がした。
「フレッド様ぁ~!」
「!」
ララだ。
声のした方に目をやると、ララがこちらへ駆け寄ってきていた。
「あっ・・・フレッド様・・・。」
私は駆け寄ってきたララをギュッと抱きしめた。
するとララは頬を染めて俯いた。
照れているようだ。
私はそんなララの頭を優しく撫でる。
「あの・・・フレッド様・・・」
ララが顔を上げて私の目をじっと見つめた。
「ララ・・・フレッド様にお願いがあるんです・・・。」
「何だい?」
ララにこんな風にお願いされたら断れない。
「来週舞踏会があるじゃないですか。それにフレッド様のパートナーとして参加したいんです・・・。」
「!」
私はララの言葉を聞いて彼女を強く抱きしめた。
「フ、フレッド様!?」
ララは私の腕の中であたふたとしている。
きっと照れているのだろう。
本当に愛らしい。
私はララの手を取って跪いた。
「フレッド様・・・!」
「もちろんだよ、ララ。私も来週の舞踏会には君を誘おうと思っていたんだ。是非、私のパートナーとして参加してほしい。ドレスやアクセサリーは私がプレゼントする。当日は男爵邸まで迎えに行くから待っていてくれ。その日の舞踏会で私たちの婚約を発表しよう。」
・・・しまった。
やってしまったと思った。
私は勢い余ってララにプロポーズしてしまった。
さすがに早すぎたか・・・?
私はそんな心配をしていたのだが、ララはニッコリと笑みを浮かべた。
「もちろんです、フレッド様・・・!」
「・・・!」
ララの目は潤んでいて泣いているように見えた。
それを見て私まで泣きそうになってしまった。
愛する人と一緒になれるというのはこんなにも嬉しいことなんだな。
ララ、必ず君を幸せにしてみせる―
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