婚約破棄された公爵令嬢ですが、どうやら周りの人たちは私の味方のようです。

ましゅぺちーの

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愛する女 フレッドside

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私の名前はフレッド。


この国の第一王子であり、王太子だ。


私は今愛する女と街へ来ている。



「フレッド様ぁ~!」


今私の目の前にいるのが私の愛する人ララだ。


ララはグレッグ男爵家の令嬢だ。


とても愛くるしい見た目をしていて、私は一目見た時からララのことを好きになった。


すぐにでもララと婚約を結びたかったが、問題があった。


それが婚約者であるリリーシャの存在だ。



リリーシャ・オブライト


名門オブライト公爵家の令嬢で、私の婚約者。


ハッキリ言ってリリーシャとの間に愛は無かった。


リリーシャは貴族令嬢としては完璧だし、優秀な女だった。


将来きっと優秀な王妃になるだろうな。


だからこそムカついた。


全てが自分よりも優秀なリリーシャに嫉妬した。


母はリリーシャのことを気に入っており、父ももっとリリーシャ嬢を大事にしろと言ってきた。


それが余計に私を苛立たせた。


だから私は過去に二回別の女と浮気をした。


だがどちらも長くは続かなかった。


二人とも私の話をつまらなさそうに聞くのだ。


「またその話ですか?」などといった文句も言ってきた。


結局最後は振られた。


その時は本当に腹が立った。


低位貴族の令嬢が王太子である私を振るだなんて!


だから私はその女たちの実家を潰してやった。


「王太子への不敬罪」という罪状でな。


私と付き合ってたことを社交界で言いふらされたら困るしな。



そして十五歳になって私は学園に通い始めた。


そこで出会ってしまったのだ。


運命の相手と。



入学式の日、私はいつものように令嬢たちに囲まれていた。


私に周りに集まる女たちは私が王太子だからという理由で近づいてきているだけだ。


相手にする価値もない。


そう思っていた。


しかし、その令嬢たちの中に珍しいピンク髪の少女がいた。


最初はピンクの髪なんて珍しいなーと思っていただけだった。


ふとその少女と目が合った。


女はキラキラとした目で私を見つめてきたのだ。


過去に、このような視線を令嬢たちから向けられたことは何回かあったが何故か私はその少女にくぎ付けになった。


ふわふわしたピンク色の髪。


水色の大きな瞳。


頬を染めて私を見上げてくる可愛い女。


私はこのときからその少女―ララ・グレッグ男爵令嬢と交流するようになった。


ララとの時間は楽しいものだった。


彼女は他の貴族令嬢とは違った。


表情がクルクル変わり、いつでも私の話を聞いてくれる。


いつからか私はララに恋心を抱くようになった。


だからリリーシャがララに嫌がらせをしているという話を聞いた時、腸が煮えくり返った。


その後はすぐにリリーシャを断罪した。


これで私とララは幸せになれるはずだと信じて疑わなかった。


しかし最近何だか変だ。


ルパート、オーガスト、アレクサンドルと私たちの周りから人が居なくなっている。


一体何が起きているんだ―?



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