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地獄 アレクサンドルside
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その後の俺の生活は地獄そのものだった。
俺は学園を退学処分となり、騎士として辺境に送られた。
辺境での生活は過酷だった。
ララには会えないし、辺境での暮らしは忙しくて休む暇もない。
「おい新入り!さっさとしろ!」
「あっ、はい!」
少しでもサボるとすぐ怒鳴られる。
はぁ・・・はぁ・・・。
あぁ、こんなことになるんだったら王太子の悪行のことなんて広めなければよかった!
あの時はララを自分のものにしたいがあまり正常な判断が出来ていなかったのだろう。
最悪だ・・・。
俺はふと最後にララと話したときのことを思い出した。
『ララ、俺は学園を退学になってしまった。』
『ええ!?そんな!アレクサンドル様・・・』
ララは目に涙をためて俺を見つめた。
『それだけじゃない。俺はどうやら辺境に送られるようだ。』
『・・・!』
『ララ、だからもうお前とは会えなくなる・・・。』
『アレクサンドル様・・・。大丈夫です!』
『え・・・?』
『ララ辺境までアレクサンドル様に会いに行きますから!』
『ほっ、本当か!?』
『はい!必ず週に一回は行きます!だから待っててください!』
ララの優しさに胸が温かくなった。
『ララ、ありがとう・・・!』
俺はそう言いながら最後にララを強く抱きしめた。
辺境で頑張っていればきっとララは会いに来てくれる!
もう辺境に来てから一ヶ月以上が経つが、ララは一度も会いに来てくれていない。
週に一回は会いに来るんじゃなかったのか?
不思議に思ったが俺はララを信じていた。
ララが辺境に来ないのは俺の頑張りが足りないからだ。
俺が頑張り続けていればきっとララは会いに来てくれる。
あぁ、ララ・・・
君はいつ俺の元へ来てくれるんだ?
◆◇◆◇◆◇◆◇
その頃ララは学園でフレッドとお茶を飲んでいた。
「アレクサンドルは学園を退学になったんだな。」
「そうみたいです・・・可哀そうですね・・・。」
「あぁ・・・そういえば最近やたらと俺たちの周りから人がいなくなるな。」
フレッドはアレクサンドルやオーガストたちが何故突然いなくなったのかを両親から聞かされていない。
だから何も知らないままだ。
「そうですね・・・みんないなくなっちゃって寂しくなりますね・・・。」
「ああ、アレクサンドルは辺境にいるようだが・・・ララ、会いに行かないのか?アレクサンドルとお前は友人だっただろう?アレクサンドルがお前をどう思ってるかは知らないが・・・」
フレッドは不機嫌そうにララに尋ねた。
ララはそんなフレッドの質問に一瞬だけ目を丸くした。
「・・・まさか。アレクサンドル様とは少し話したことがあるだけでそんなに仲良くないですよ。
友人でも何でもない人にわざわざ辺境まで会いになんて行かないですよ~。」
「そうか、そうだったのか。」
ララの言葉にフレッドは嬉しそうな顔をする。
「そうだ、フレッド様。今度また街へ行きましょう。欲しいアクセサリーがあるんです。」
「ん?あぁ、そうだな。ララが望むならどこへでも連れて行ってやろう。」
「嬉しい~!フレッド様大好き~!」
ララがアレクサンドルの元へ行く気など一切ないことをもちろん彼は知らない。
彼は今日も来るはずのない人を待ち続けるのだ。
いつか来てくれると信じて。
俺は学園を退学処分となり、騎士として辺境に送られた。
辺境での生活は過酷だった。
ララには会えないし、辺境での暮らしは忙しくて休む暇もない。
「おい新入り!さっさとしろ!」
「あっ、はい!」
少しでもサボるとすぐ怒鳴られる。
はぁ・・・はぁ・・・。
あぁ、こんなことになるんだったら王太子の悪行のことなんて広めなければよかった!
あの時はララを自分のものにしたいがあまり正常な判断が出来ていなかったのだろう。
最悪だ・・・。
俺はふと最後にララと話したときのことを思い出した。
『ララ、俺は学園を退学になってしまった。』
『ええ!?そんな!アレクサンドル様・・・』
ララは目に涙をためて俺を見つめた。
『それだけじゃない。俺はどうやら辺境に送られるようだ。』
『・・・!』
『ララ、だからもうお前とは会えなくなる・・・。』
『アレクサンドル様・・・。大丈夫です!』
『え・・・?』
『ララ辺境までアレクサンドル様に会いに行きますから!』
『ほっ、本当か!?』
『はい!必ず週に一回は行きます!だから待っててください!』
ララの優しさに胸が温かくなった。
『ララ、ありがとう・・・!』
俺はそう言いながら最後にララを強く抱きしめた。
辺境で頑張っていればきっとララは会いに来てくれる!
もう辺境に来てから一ヶ月以上が経つが、ララは一度も会いに来てくれていない。
週に一回は会いに来るんじゃなかったのか?
不思議に思ったが俺はララを信じていた。
ララが辺境に来ないのは俺の頑張りが足りないからだ。
俺が頑張り続けていればきっとララは会いに来てくれる。
あぁ、ララ・・・
君はいつ俺の元へ来てくれるんだ?
◆◇◆◇◆◇◆◇
その頃ララは学園でフレッドとお茶を飲んでいた。
「アレクサンドルは学園を退学になったんだな。」
「そうみたいです・・・可哀そうですね・・・。」
「あぁ・・・そういえば最近やたらと俺たちの周りから人がいなくなるな。」
フレッドはアレクサンドルやオーガストたちが何故突然いなくなったのかを両親から聞かされていない。
だから何も知らないままだ。
「そうですね・・・みんないなくなっちゃって寂しくなりますね・・・。」
「ああ、アレクサンドルは辺境にいるようだが・・・ララ、会いに行かないのか?アレクサンドルとお前は友人だっただろう?アレクサンドルがお前をどう思ってるかは知らないが・・・」
フレッドは不機嫌そうにララに尋ねた。
ララはそんなフレッドの質問に一瞬だけ目を丸くした。
「・・・まさか。アレクサンドル様とは少し話したことがあるだけでそんなに仲良くないですよ。
友人でも何でもない人にわざわざ辺境まで会いになんて行かないですよ~。」
「そうか、そうだったのか。」
ララの言葉にフレッドは嬉しそうな顔をする。
「そうだ、フレッド様。今度また街へ行きましょう。欲しいアクセサリーがあるんです。」
「ん?あぁ、そうだな。ララが望むならどこへでも連れて行ってやろう。」
「嬉しい~!フレッド様大好き~!」
ララがアレクサンドルの元へ行く気など一切ないことをもちろん彼は知らない。
彼は今日も来るはずのない人を待ち続けるのだ。
いつか来てくれると信じて。
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