21 / 52
嘲笑 アレクサンドルside
しおりを挟む
俺はアレクサンドル・フレイル。
騎士団長の息子で伯爵令息だ。
騎士団長の長男だからもうほとんど次期騎士団長のようなものだ。
実際父上が団長を務める騎士団ではもう既に団長のように振舞っている。
そんな俺には想い人がいる。
それがララ・グレッグ男爵令嬢だ。
彼女はグレッグ男爵家の令嬢で、爵位は少し劣るが非常に愛らしい顔をしている。
俺は彼女が大好きだ。
俺は彼女を正式に妻にしたいと考えている。
王太子殿下やオブライト公爵家のルパート、コール侯爵家のオーガストも彼女に惚れているが、正直男爵家の令嬢がそんな名家に嫁ぐなど不可能だ。
あいつらはそんなことも分かっていないらしい。
男爵家の令嬢が嫁ぐとなると大体は同格の男爵家か、爵位が一つ上の子爵家などで、稀に伯爵家に嫁ぐ者がいるという感じだ。
格下の平民に嫁ぐ令嬢もいる。
だからララが王太子殿下たちに嫁ぐのは不可能だ。
あの厳格な国王陛下がそれを認めるとは思えない。
それに王太子殿下の母である王妃陛下はリリーシャ嬢を気に入っていたと聞く。
そのリリーシャ嬢を裏切るような行為を二人が許すはずがない。
これで王太子の脱落は確定したようなものだ。
後はルパートとオーガストが問題だったが、それも片付いた。
ルパートは廃嫡になった。
そしてオーガストはララへの嫌がらせが発覚して平民になったらしい。
というかララに対する嫌がらせの犯人あいつだったのかよ。
どうやらオーガストは俺たちがララに贈り物をしているのが気に入らなかったらしい。
それで王太子や俺から贈られたものをことごとく汚し、代わりに自分が買ったものをプレゼントしたらしい。
それをリリーシャ嬢になすりつけたのだという。
馬鹿だな、あいつ。
何で格上の公爵家の令嬢に擦り付ける?
どうせなら抗議出来ない下位貴族に擦り付ければいいのに。
ハッキリ言ってオーガストはかなりアホだ。
あいつは頭の良い宰相閣下の血を引いているにも関わらず勉強の出来はイマイチだった。
自分では頭が良いと思い込んでいるらしいが。
笑ってしまいそうだ。
どこからそんな自信が来るんだよ。
アホのくせに。
ハッキリ言って俺はあいつが嫌いだった。
俺より爵位が高いからって見下してきたんだ。
あんなやつに見下されるだなんて耐えられなかった。
平民になっていい気味だ。
まあ、コール侯爵家には幸い優秀な弟がいるし?
あいつが廃嫡されたところで問題はないだろう。
悪いな、オーガスト。
ララを手に入れるのは俺なんだ―。
騎士団長の息子で伯爵令息だ。
騎士団長の長男だからもうほとんど次期騎士団長のようなものだ。
実際父上が団長を務める騎士団ではもう既に団長のように振舞っている。
そんな俺には想い人がいる。
それがララ・グレッグ男爵令嬢だ。
彼女はグレッグ男爵家の令嬢で、爵位は少し劣るが非常に愛らしい顔をしている。
俺は彼女が大好きだ。
俺は彼女を正式に妻にしたいと考えている。
王太子殿下やオブライト公爵家のルパート、コール侯爵家のオーガストも彼女に惚れているが、正直男爵家の令嬢がそんな名家に嫁ぐなど不可能だ。
あいつらはそんなことも分かっていないらしい。
男爵家の令嬢が嫁ぐとなると大体は同格の男爵家か、爵位が一つ上の子爵家などで、稀に伯爵家に嫁ぐ者がいるという感じだ。
格下の平民に嫁ぐ令嬢もいる。
だからララが王太子殿下たちに嫁ぐのは不可能だ。
あの厳格な国王陛下がそれを認めるとは思えない。
それに王太子殿下の母である王妃陛下はリリーシャ嬢を気に入っていたと聞く。
そのリリーシャ嬢を裏切るような行為を二人が許すはずがない。
これで王太子の脱落は確定したようなものだ。
後はルパートとオーガストが問題だったが、それも片付いた。
ルパートは廃嫡になった。
そしてオーガストはララへの嫌がらせが発覚して平民になったらしい。
というかララに対する嫌がらせの犯人あいつだったのかよ。
どうやらオーガストは俺たちがララに贈り物をしているのが気に入らなかったらしい。
それで王太子や俺から贈られたものをことごとく汚し、代わりに自分が買ったものをプレゼントしたらしい。
それをリリーシャ嬢になすりつけたのだという。
馬鹿だな、あいつ。
何で格上の公爵家の令嬢に擦り付ける?
どうせなら抗議出来ない下位貴族に擦り付ければいいのに。
ハッキリ言ってオーガストはかなりアホだ。
あいつは頭の良い宰相閣下の血を引いているにも関わらず勉強の出来はイマイチだった。
自分では頭が良いと思い込んでいるらしいが。
笑ってしまいそうだ。
どこからそんな自信が来るんだよ。
アホのくせに。
ハッキリ言って俺はあいつが嫌いだった。
俺より爵位が高いからって見下してきたんだ。
あんなやつに見下されるだなんて耐えられなかった。
平民になっていい気味だ。
まあ、コール侯爵家には幸い優秀な弟がいるし?
あいつが廃嫡されたところで問題はないだろう。
悪いな、オーガスト。
ララを手に入れるのは俺なんだ―。
172
お気に入りに追加
4,224
あなたにおすすめの小説

王太子に婚約破棄されてから一年、今更何の用ですか?
克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しいます。
ゴードン公爵家の長女ノヴァは、辺境の冒険者街で薬屋を開業していた。ちょうど一年前、婚約者だった王太子が平民娘相手に恋の熱病にかかり、婚約を破棄されてしまっていた。王太子の恋愛問題が王位継承問題に発展するくらいの大問題となり、平民娘に負けて社交界に残れないほどの大恥をかかされ、理不尽にも公爵家を追放されてしまったのだ。ようやく傷心が癒えたノヴァのところに、やつれた王太子が現れた。
冤罪を受けたため、隣国へ亡命します
しろねこ。
恋愛
「お父様が投獄?!」
呼び出されたレナンとミューズは驚きに顔を真っ青にする。
「冤罪よ。でも事は一刻も争うわ。申し訳ないけど、今すぐ荷づくりをして頂戴。すぐにこの国を出るわ」
突如母から言われたのは生活を一変させる言葉だった。
友人、婚約者、国、屋敷、それまでの生活をすべて捨て、令嬢達は手を差し伸べてくれた隣国へと逃げる。
冤罪を晴らすため、奮闘していく。
同名主人公にて様々な話を書いています。
立場やシチュエーションを変えたりしていますが、他作品とリンクする場所も多々あります。
サブキャラについてはスピンオフ的に書いた話もあったりします。
変わった作風かと思いますが、楽しんで頂けたらと思います。
ハピエンが好きなので、最後は必ずそこに繋げます!
小説家になろうさん、カクヨムさんでも投稿中。

毒家族から逃亡、のち側妃
チャイムン
恋愛
四歳下の妹ばかり可愛がる両親に「あなたにかけるお金はないから働きなさい」
十二歳で告げられたベルナデットは、自立と家族からの脱却を夢見る。
まずは王立学院に奨学生として入学して、文官を目指す。
夢は自分で叶えなきゃ。
ところが妹への縁談話がきっかけで、バシュロ第一王子が動き出す。
王太子に求婚された公爵令嬢は、嫉妬した義姉の手先に襲われ顔を焼かれる
克全
恋愛
「アルファポリス」「カクヨム」「小説家になろう」「ノベルバ」に同時投稿しています。
『目には目を歯には歯を』
プランケット公爵家の令嬢ユルシュルは王太子から求婚された。公爵だった父を亡くし、王妹だった母がゴーエル男爵を配偶者に迎えて女公爵になった事で、プランケット公爵家の家中はとても混乱していた。家中を纏め公爵家を守るためには、自分の恋心を抑え込んで王太子の求婚を受けるしかなかった。だが求婚された王宮での舞踏会から公爵邸に戻ろうとしたユルシュル、徒党を組んで襲うモノ達が現れた。

【完結】どうやら私は婚約破棄されるそうです。その前に舞台から消えたいと思います
りまり
恋愛
私の名前はアリスと言います。
伯爵家の娘ですが、今度妹ができるそうです。
母を亡くしてはや五年私も十歳になりましたし、いい加減お父様にもと思った時に後妻さんがいらっしゃったのです。
その方にも九歳になる娘がいるのですがとてもかわいいのです。
でもその方たちの名前を聞いた時ショックでした。
毎日見る夢に出てくる方だったのです。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。

【完結】私を捨てて駆け落ちしたあなたには、こちらからさようならを言いましょう。
やまぐちこはる
恋愛
パルティア・エンダライン侯爵令嬢はある日珍しく婿入り予定の婚約者から届いた手紙を読んで、彼が駆け落ちしたことを知った。相手は同じく侯爵令嬢で、そちらにも王家の血筋の婿入りする婚約者がいたが、貴族派閥を保つ政略結婚だったためにどうやっても婚約を解消できず、愛の逃避行と洒落こんだらしい。
落ち込むパルティアは、しばらく社交から離れたい療養地としても有名な別荘地へ避暑に向かう。静かな湖畔で傷を癒やしたいと、高級ホテルでひっそり寛いでいると同じ頃から同じように、人目を避けてぼんやり湖を眺める美しい青年に気がついた。
毎日涼しい湖畔で本を読みながら、チラリチラリと彼を盗み見ることが日課となったパルティアだが。
様子がおかしい青年に気づく。
ふらりと湖に近づくと、ポチャっと小さな水音を立てて入水し始めたのだ。
ドレスの裾をたくしあげ、パルティアも湖に駆け込んで彼を引き留めた。
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
最終話まで予約投稿済です。
次はどんな話を書こうかなと思ったとき、駆け落ちした知人を思い出し、そんな話を書くことに致しました。
ある日突然、紙1枚で消えるのは本当にびっくりするのでやめてくださいという思いを込めて。
楽しんで頂けましたら、きっと彼らも喜ぶことと思います。
【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。
くま
恋愛
「すまない、アデライトを愛してしまった」
「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」
いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。
「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と……
私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。
「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」
「はい、お父様、お母様」
「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」
「……はい」
「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」
「はい、わかりました」
パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、
兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。
誰も私の言葉を聞いてくれない。
誰も私を見てくれない。
そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。
ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。
「……なんか、馬鹿みたいだわ!」
もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる!
ふるゆわ設定です。
※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい!
※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ!
追加文
番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる