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破滅 オーガストside

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私はある日、学園内を歩いていた。


ん・・・?なんだ・・・?


教室の中から誰かの話し声が聞こえて足を止めた。


何を話しているんだ・・・?


私は気になってその場にとどまった。


「王都に新しく出来たカフェのケーキがとっても美味しいんですのよ。」


「まぁ、それは素敵ですわ!私も今度行ってみようかしら。」


どうやら話しているのは貴族令嬢二人のようだった。


ただの貴族令嬢の世間話・・・のはずだが何故か私は気になってしまったのだ。


「それで・・・あの方・・・何といったかしら・・・。」


「オーガスト・コール侯爵令息様よ!」


!?


私の名前が出てきたことに驚いた。


はぁ・・・困ったな・・・。


私がかっこいいだの素敵だの言うつもりだろう。


私が愛しているのはララだけだというのに。


もしこの女たちが私に付きまとってきたらどうしようか。


私がそんなことを考えていた、そのとき


貴族令嬢の口から驚愕の言葉が発せられたのだ。


「ホンット気持ち悪いわよね!」


・・・・・・・・・・・・・・・・え?


「あぁ~わかるわ!私もあの方昔から気に食わないのよ。この世の女は皆自分のことが好きだと思っていそうで。無理無理。」


な・・・なんだと・・・!?


「私はあの方の外見が無理だわ。髪の毛を後ろで結ってるの似合わなすぎるわ。」


「あぁ~分かるわ!」


私はその場に呆然と立ち尽くした。


これは幻聴だ。


私が気持ち悪いだなんてそんなことあるはずがない。


私は爵位は少しだけ劣るが全てにおいて完璧な男・・・のはずなんだ・・・。


それなのに何故・・・こんな風に言われている・・・?


私はしばらくその場から動くことが出来なかった。


令嬢たちの言葉が信じられなくて。



「―お坊ちゃま。」


不意に後ろから声がかかった。


「お前・・・なんでここに!?」


後ろを振り返ると侯爵邸の執事がいた。


「旦那様が今すぐ侯爵邸に戻るようにと。」


「え・・・父上が・・・?」


執事は険しい顔をしてそう言った。


私はそれを聞いてルパートを思い出した。


あいつは確か父であるオブライト公爵に呼ばれて公爵邸に行った。


そこで、廃嫡を言い渡された・・・。


私は薄々気づいていた。


学園での自分の評価があまり良くないことに。


それに私は今までララに物凄い額を貢いでいる・・・。


私はその瞬間、自分の未来が想像できた。


あぁ、私もきっと廃嫡されるんだろうな・・・。


私は黙って執事について侯爵邸へと向かった。




しかし、侯爵邸で私に言い渡されたのは廃嫡以上に厳しい罰だった・・・。

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