婚約破棄された公爵令嬢ですが、どうやら周りの人たちは私の味方のようです。

ましゅぺちーの

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幸福 オーガストside

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私はある日学園を歩いていた。


向かうのはララのクラスの教室だ。


そこで私はララの机を探した。


あれか。


そして机の中を探る。


あった。これだな。


私が見つけたのは前にルパートがララに贈っていた髪飾りだ。


ガシャンッ!!!


私はその髪飾りを床に落として思いっきり足で踏みつぶした。


何度も何度も粉々になるまで。


何回か踏みつぶした頃には髪飾りはグシャグシャになっていた。


私は粉々に踏みつぶされた髪飾りを見てほくそ笑む。


これでいいんだ。


ララが他の男からもらった物を身につけているところなど見たくないからな。


俺は粉々になった髪飾りをそのままにして教室を出た。


しばらくしてララがやってきた。


友人と思しき女子生徒も一緒だ。


「え・・・」


ララは粉々にされている髪飾りを見て言葉を失っていた。


そして目に涙をためて言った。


「ひどい・・・!誰がこんなことを・・・!」


隣にいた友人はララを慰めようと声をかけた。


「ララ・・・。」


ここで私が登場する。


「ララ、どうした?」


ヒーローのように。


「オーガスト様・・・。」


私の声に振り向いたララと目が合う。


ああ、なんて愛らしい顔をしているんだ。


やはり君は私のものだ。


誰にも渡さない。


ララの顔を見てその気持ちが一層強くなった。


そして私は髪飾りを見て大げさに演技をする。


「なんだこれは!ひどいな!」


「この髪飾り・・・ルパート様からもらったものなのに・・・。」


ルパートの名前がララの口から出たことにイラッとしたが我慢だ。


「ララ。大丈夫か?」


「うう・・・」


ララはかなり悲しんでいるようだ。


優しいララのことだ。


ルパートに申し訳ないと思っているのだろう。


私はそんなララに声をかける。


「ララ。この髪飾りはもうダメだ。修復のしようがない。」


「そんな・・・。」


私の言葉にララはさらに落ち込んだようだった。


ララは本当に優しいな。


「ララ、私が新しいものを買ってあげよう。」


「・・・え?」


ララは驚いた顔をした。


そんな顔も愛らしい。


「この髪飾りの代わりに私が新しい髪飾りを買ってあげよう。ララ、君が選んでいいよ。」


その言葉にララは目を輝かせた。


「ほんとですかっ!?嬉しいです!ありがとうございます!オーガスト様っ」


そう言ってララは私にギュッと抱き着いてくる。


私は自分に抱き着いたララの頭を優しく撫でた。


あぁ・・・なんて幸せなんだ・・・。


ララは今、私だけを見ている。


ルパートでもフレッド殿下でもアレクサンドルでもない。


それが何よりうれしかった。


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