婚約破棄された公爵令嬢ですが、どうやら周りの人たちは私の味方のようです。

最愛の人 オーガストside

私の名前はオーガスト・コール。


コール侯爵家の嫡男で、この国の宰相の息子だ。


将来王となるフレッド殿下の側近の一人であり、将来有望。


おまけに顔も良く、頭脳明晰。


完璧超人だ。


そんな私は学園で心から愛する人を見つけた。


それがララ・グレッグ男爵令嬢だ。


彼女は普通の貴族令嬢と違って表情がクルクル変わり、とても愛らしい。


心優しい性格で、誰からも愛される女だ。


この完璧な私の伴侶にふさわしい。


ララを好きになったのは私だけではない。


王太子であるフレッド殿下、オブライト公爵家嫡男のルパート、騎士団長を父に持つ伯爵家嫡男のアレクサンドルも同じくララに惚れたうちの一人である。


だけどこいつらにララを渡したりはしない。


爵位・・・は少し劣るがこの中で一番魅力があるのは私なのだから。


私は今日も学園でララを口説く。


「ララ、この宝石君に似合うと思って買ったんだ。」


「わぁ～！綺麗～！とぉっても嬉しいですぅ～！ありがとうございますっオーガスト様っ」


ララは贈り物一つ一つに物凄く喜んでくれる。


あぁ、本当に可愛い・・・。


ララを見ているだけで私も自然と笑顔になる。


絶対に誰にも渡さない。ララ。




学園内では俺たち4人の争いが続く。


「ララ、美味しいお菓子を持ってきたんだ。一緒に食べようか。」


そう言って高そうなクッキー缶を取り出したのは王太子のフレッド殿下だ。


「わぁ！美味しそう！ありがとうございますっフレッド様ぁ～」


ララはクッキー缶を見て目を輝かせた。


それを見たフレッド殿下は頬を少し赤らめた。


「ララ、この髪留め、君にとっても似合うと思うんだ。どうかな？」


ララと殿下の間に入っていったのはオブライト公爵家のルパートだ。


「素敵な髪留め・・・！ルパート様ありがとう～ララ嬉しい～」


髪留めを付けたララはとても可愛らしい。


「ララ、今度俺と演劇を見に行こうか。チケットが手に入ったんだ。ララずっと行きたがってただろ？」


演劇のチケットを2枚手にしてそう言ったのはフレイル伯爵家のアレクサンドルだ。


「本当ですか！？是非行きたいですぅ！やった～！」


それを見た俺はイライラした。


クソッ！こいつら勝手に・・・！


ララは私のものだというのに。


どうすればララに振り向いてもらえるだろうか。


私はララの一番にならなければいけない。


私は残念なことに爵位ではフレッド殿下とルパートに劣っているのだ。


まあそれ以外の面ではもちろん圧勝しているが。


どうすればいい？


どうすればララに・・・


その時、私の頭をよぎったのは悪魔のような計画だった。