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歓喜 ルパートside

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「お坊ちゃま。旦那様がお呼びです。」


学園にいた俺にそう言ってきたのは公爵家の執事だ。


「分かった。すぐ行く。」


俺はすぐに公爵邸へと向かった。




公爵邸に着くと、俺は父上の執務室へと急いだ。


「父上、失礼します。」


中に入ると、父上が座っていた。


「ルパートか。」


「最近かなり頑張っているようだな。」


「はい。私は今まで自分がどれだけ愚かなことをしてきたのかようやく気付いたのです。大事な妹であるリリーシャと、愛する婚約者のルイーゼを傷つけてしまった。反省しています。」


「ようやく気付いたか。」


今思えば父上の廃嫡という決定は正しい判断だったと思う。


俺はそれだけのことをしていた。


「はい。私はあの時、リリーシャを糾弾するのではなく兄として守るべきでした。」


例え嫌がらせが事実だったとしても、悪いのは浮気した殿下なのではないか。


俺は婚約者であるルイーゼを愛するようになってからは、そう考えるようになった。


もしルイーゼが浮気していたらと考えると耐えられそうになかった。


「そうだな。」


俺がそう言うと父上は穏やかな顔をした。


「・・・ルパート、だいぶ反省しているようだな。私たちはお前が今どれだけ頑張っているかを知っている。」


その言葉を聞いた俺は父上に認められたような気がして嬉しかった。


「・・・お前をオブライト公爵家の嫡男に戻そうと思う。」


「・・・っ!それは本当ですか!?」


俺はその言葉に喜びを隠せなかった。


「あぁ、私たちは公爵家の嫡男としてお前が今までどれだけ頑張ってきたかを知っているからな。」


父上と母上はちゃんと俺を見ていてくれたんだ。


正直俺は両親に愛されていないと思っていた。


それはリリーシャも同じだろう。


だけど違った。


俺たちはちゃんと愛されていたんだ。


その事実に俺は嬉しくなった。


「ありがとうございます・・・父上・・・!」


俺がそう言うと父上はにっこりと笑った。


「誰にだって過ちはあるものだ。私たちはお前が更生したのだと信じるよ。」


父上・・・!


俺は軽い足取りで父上の執務室を出た。


すると前から母上が歩いてきた。


「母上・・・。」


「ルパート。」


母上は俺を見て穏やかな笑みを浮かべた。


「これからもオブライト公爵家の嫡男として頑張るのよ。」


「っ!・・・はい!母上!」



母上と話をした後俺は公爵邸へと出て学園へと向かった。


まずはルイーゼにこのことを報告しよう。


その後にリリーシャに直接謝罪しに行こう。


俺の努力が報われた。


そのことに俺は歓喜した。





―――――――――――――――――――――――


ルパート視点終了となります!


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