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女神 ルパートside

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「・・・ルパート様。」


ルイーゼは心配そうな顔で俺を見つめている。


そういえばルイーゼにも散々ひどいことをしたっけな。


ぽっと出の男爵令嬢にうつつを抜かし、婚約者を蔑ろにしていた。


ルイーゼはこんな俺に愛想を尽かしているだろう。


俺は廃嫡になってもうオブライト公爵家を継ぐこともできない。


「ルイーゼ、今まですまなかった。」


「ルパート様!?」


ルイーゼは慌てているようだ。


「婚約は解消しよう。その方がいい。」


「な、何故そのようなことをおっしゃるのですか!?」


ルイーゼは婚約解消を止めるような仕草を見せた。


そうか、ルイーゼは俺が廃嫡になったことを知らないんだな。


だから必死で止めているのか。


俺はルイーゼの目をじっと見つめ、告げた。


「ルイーゼ、俺はついさっきオブライト公爵家を廃嫡になったんだ。」


「えっ!?廃嫡ですか!?」


ルイーゼはひどく驚いていた。


「あぁ、だから俺と婚約していても何の利益もない。ルイーゼ、君は素敵な女性だ。きっとこの先俺よりも良い婚約者が見つかるだろう。だから婚約を解消―」


「そんなの嫌ですっ!!!」


「っ!?」


突然ルイーゼが大声をあげた。


いつも大人しかったルイーゼがこれほど大きな声を出したことに俺は内心驚いていた。


「私は・・・私はずっとルパート様のことが好きだったんですっ!それなのに・・・廃嫡になったくらいで婚約を解消するだなんてっ!」


ルイーゼは涙をはらはらと流していた。


初めて見るルイーゼの姿に俺はひどく動揺した。


俺が知るルイーゼは滅多に表情を変えなくて、人形のようだった。


だからこそ表情がくるくる変わるララに惹かれた。


目の前にいるルイーゼは別人のようだ。


「ルイーゼ・・・話を聞いていたのか?俺は廃嫡になったんだぞ?」


「聞きました。それでも私はルパート様が好きです。」


その瞳からはしっかりと俺への恋情が見て取れた。


ルイーゼはこんなにも、俺を想ってくれていたのか・・・?


思えば俺は今まで政略結婚だからとルイーゼと向き合ってこなかった。


ルイーゼもきっと望まない婚約だろうと思って。


それなのに・・・


「ルイーゼ・・・。」


ルイーゼはハッとなった。


「申し訳ありません・・・私ったら・・・」


ルイーゼはそう言って恥ずかしそうに顔を赤らめた。


っ!!!


そんなルイーゼの姿に俺は不覚にもドキッとしてしまった。


「・・・ルパート様。こんなところにいては風邪をひいてしまいます。とりあえず中へ入りましょうか。」


「あ、あぁ・・・。」


俺とルイーゼは一つの傘に二人で入って中庭を歩いた。


彼女が女神のように見えるのは俺の気のせいか・・・?


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