5 / 52
変化 ルパートside
しおりを挟む
俺はルパート・オブライト。
オブライト公爵家の嫡男で時期公爵だ。
そんな俺には妹がいる。
それがリリーシャだ。
昔は可愛かったが、ハッキリ言って今はララを苛める醜い女だ。
あんなのは妹でもなんでもない。
ララというのは、俺が心から愛している女だ。
グレッグ男爵家の一人娘だ。
公爵位を継いだらララと結婚したいが俺には生憎婚約者がいる。
侯爵家の令嬢のルイーゼだ。
あの女さえいなければ俺は今頃ララと・・・。
そう思うと自然と憎しみはルイーゼへと向かっていった。
ララと結ばれることができないのはお前のせいだと。
だが俺はそれでララを諦めるような男じゃない。
俺は完璧な計画を立てている。
俺が公爵位を継いだらまず先にリリーシャを追い出す。
父上はリリーシャに甘いからきっと勘当まではいかないだろう。
そうしたらひとまずルイーゼと結婚する。
その後にララを愛人として本邸に迎え入れ、ルイーゼを別邸に追いやる。
ララとの子供を正式な跡取りとして育てる。
完璧な計画だ。
やはり俺は天才だ。
殿下なんかにララを渡してたまるか!
ララは俺だけのものだ!
そう思い俺は学園の廊下を歩いていた。
ん?何だか視線が痛いような・・・?
俺はいつもと違う感じがした。
すれ違いざまに向けられる視線が妙に厳しいのだ。
何だ・・・?
するとどこからかヒソヒソと陰口も聞こえてくる。
「うわっ・・・あれ見ろよあれ。」
「うわぁ・・・よく学園に来れるよな・・・。」
失礼なやつらだな!
あとで殿下に言いつけて貴族社会から追い出してやる!
陰口が止むことはなかった。
「見て、汚物が歩いてるわ。」
「あらほんと。汚いわ。」
な、なんだと―!?
後に分かったことだが、学園内で俺に付けられたあだ名は「汚物」らしい。
クソッ!一体なんでこうなってやがる!?
俺は公爵家の嫡男だぞっ!こんなのは不敬だ!
「あの汚物、廃嫡になるらしいぞ。」
「それはめでたいな!」
!?
「廃嫡だと!?!?」
俺は思わずその生徒につかみかかっていた。
「うわっ・・・なんだよっ!」
「おい、お前その話はどこで聞いたんだ!!!」
俺は顔を真っ赤にしてその生徒に詰め寄った。
「どこで聞いたとかそんなのねえよ!学園中で噂になってんだよっ!」
そんなはずはない。
俺はオブライト公爵家の嫡男なんだ。
廃嫡になんてなるはずが・・・。
「お坊ちゃま。」
後ろから声をかけてきたのは屋敷の執事だ。
「お前・・・なんでここに・・・?」
「旦那様からの命令です。今すぐ屋敷に来いと。」
!?
嘘・・・だよな・・・?
まさか・・・本当に廃嫡にするだなんて言わないよな・・・?
俺は目の前が真っ暗な状態で屋敷へと向かったのだった。
オブライト公爵家の嫡男で時期公爵だ。
そんな俺には妹がいる。
それがリリーシャだ。
昔は可愛かったが、ハッキリ言って今はララを苛める醜い女だ。
あんなのは妹でもなんでもない。
ララというのは、俺が心から愛している女だ。
グレッグ男爵家の一人娘だ。
公爵位を継いだらララと結婚したいが俺には生憎婚約者がいる。
侯爵家の令嬢のルイーゼだ。
あの女さえいなければ俺は今頃ララと・・・。
そう思うと自然と憎しみはルイーゼへと向かっていった。
ララと結ばれることができないのはお前のせいだと。
だが俺はそれでララを諦めるような男じゃない。
俺は完璧な計画を立てている。
俺が公爵位を継いだらまず先にリリーシャを追い出す。
父上はリリーシャに甘いからきっと勘当まではいかないだろう。
そうしたらひとまずルイーゼと結婚する。
その後にララを愛人として本邸に迎え入れ、ルイーゼを別邸に追いやる。
ララとの子供を正式な跡取りとして育てる。
完璧な計画だ。
やはり俺は天才だ。
殿下なんかにララを渡してたまるか!
ララは俺だけのものだ!
そう思い俺は学園の廊下を歩いていた。
ん?何だか視線が痛いような・・・?
俺はいつもと違う感じがした。
すれ違いざまに向けられる視線が妙に厳しいのだ。
何だ・・・?
するとどこからかヒソヒソと陰口も聞こえてくる。
「うわっ・・・あれ見ろよあれ。」
「うわぁ・・・よく学園に来れるよな・・・。」
失礼なやつらだな!
あとで殿下に言いつけて貴族社会から追い出してやる!
陰口が止むことはなかった。
「見て、汚物が歩いてるわ。」
「あらほんと。汚いわ。」
な、なんだと―!?
後に分かったことだが、学園内で俺に付けられたあだ名は「汚物」らしい。
クソッ!一体なんでこうなってやがる!?
俺は公爵家の嫡男だぞっ!こんなのは不敬だ!
「あの汚物、廃嫡になるらしいぞ。」
「それはめでたいな!」
!?
「廃嫡だと!?!?」
俺は思わずその生徒につかみかかっていた。
「うわっ・・・なんだよっ!」
「おい、お前その話はどこで聞いたんだ!!!」
俺は顔を真っ赤にしてその生徒に詰め寄った。
「どこで聞いたとかそんなのねえよ!学園中で噂になってんだよっ!」
そんなはずはない。
俺はオブライト公爵家の嫡男なんだ。
廃嫡になんてなるはずが・・・。
「お坊ちゃま。」
後ろから声をかけてきたのは屋敷の執事だ。
「お前・・・なんでここに・・・?」
「旦那様からの命令です。今すぐ屋敷に来いと。」
!?
嘘・・・だよな・・・?
まさか・・・本当に廃嫡にするだなんて言わないよな・・・?
俺は目の前が真っ暗な状態で屋敷へと向かったのだった。
273
お気に入りに追加
4,224
あなたにおすすめの小説

王太子に婚約破棄されてから一年、今更何の用ですか?
克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しいます。
ゴードン公爵家の長女ノヴァは、辺境の冒険者街で薬屋を開業していた。ちょうど一年前、婚約者だった王太子が平民娘相手に恋の熱病にかかり、婚約を破棄されてしまっていた。王太子の恋愛問題が王位継承問題に発展するくらいの大問題となり、平民娘に負けて社交界に残れないほどの大恥をかかされ、理不尽にも公爵家を追放されてしまったのだ。ようやく傷心が癒えたノヴァのところに、やつれた王太子が現れた。
冤罪を受けたため、隣国へ亡命します
しろねこ。
恋愛
「お父様が投獄?!」
呼び出されたレナンとミューズは驚きに顔を真っ青にする。
「冤罪よ。でも事は一刻も争うわ。申し訳ないけど、今すぐ荷づくりをして頂戴。すぐにこの国を出るわ」
突如母から言われたのは生活を一変させる言葉だった。
友人、婚約者、国、屋敷、それまでの生活をすべて捨て、令嬢達は手を差し伸べてくれた隣国へと逃げる。
冤罪を晴らすため、奮闘していく。
同名主人公にて様々な話を書いています。
立場やシチュエーションを変えたりしていますが、他作品とリンクする場所も多々あります。
サブキャラについてはスピンオフ的に書いた話もあったりします。
変わった作風かと思いますが、楽しんで頂けたらと思います。
ハピエンが好きなので、最後は必ずそこに繋げます!
小説家になろうさん、カクヨムさんでも投稿中。

毒家族から逃亡、のち側妃
チャイムン
恋愛
四歳下の妹ばかり可愛がる両親に「あなたにかけるお金はないから働きなさい」
十二歳で告げられたベルナデットは、自立と家族からの脱却を夢見る。
まずは王立学院に奨学生として入学して、文官を目指す。
夢は自分で叶えなきゃ。
ところが妹への縁談話がきっかけで、バシュロ第一王子が動き出す。
王太子に求婚された公爵令嬢は、嫉妬した義姉の手先に襲われ顔を焼かれる
克全
恋愛
「アルファポリス」「カクヨム」「小説家になろう」「ノベルバ」に同時投稿しています。
『目には目を歯には歯を』
プランケット公爵家の令嬢ユルシュルは王太子から求婚された。公爵だった父を亡くし、王妹だった母がゴーエル男爵を配偶者に迎えて女公爵になった事で、プランケット公爵家の家中はとても混乱していた。家中を纏め公爵家を守るためには、自分の恋心を抑え込んで王太子の求婚を受けるしかなかった。だが求婚された王宮での舞踏会から公爵邸に戻ろうとしたユルシュル、徒党を組んで襲うモノ達が現れた。

【完結】どうやら私は婚約破棄されるそうです。その前に舞台から消えたいと思います
りまり
恋愛
私の名前はアリスと言います。
伯爵家の娘ですが、今度妹ができるそうです。
母を亡くしてはや五年私も十歳になりましたし、いい加減お父様にもと思った時に後妻さんがいらっしゃったのです。
その方にも九歳になる娘がいるのですがとてもかわいいのです。
でもその方たちの名前を聞いた時ショックでした。
毎日見る夢に出てくる方だったのです。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。

【完結】私を捨てて駆け落ちしたあなたには、こちらからさようならを言いましょう。
やまぐちこはる
恋愛
パルティア・エンダライン侯爵令嬢はある日珍しく婿入り予定の婚約者から届いた手紙を読んで、彼が駆け落ちしたことを知った。相手は同じく侯爵令嬢で、そちらにも王家の血筋の婿入りする婚約者がいたが、貴族派閥を保つ政略結婚だったためにどうやっても婚約を解消できず、愛の逃避行と洒落こんだらしい。
落ち込むパルティアは、しばらく社交から離れたい療養地としても有名な別荘地へ避暑に向かう。静かな湖畔で傷を癒やしたいと、高級ホテルでひっそり寛いでいると同じ頃から同じように、人目を避けてぼんやり湖を眺める美しい青年に気がついた。
毎日涼しい湖畔で本を読みながら、チラリチラリと彼を盗み見ることが日課となったパルティアだが。
様子がおかしい青年に気づく。
ふらりと湖に近づくと、ポチャっと小さな水音を立てて入水し始めたのだ。
ドレスの裾をたくしあげ、パルティアも湖に駆け込んで彼を引き留めた。
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
最終話まで予約投稿済です。
次はどんな話を書こうかなと思ったとき、駆け落ちした知人を思い出し、そんな話を書くことに致しました。
ある日突然、紙1枚で消えるのは本当にびっくりするのでやめてくださいという思いを込めて。
楽しんで頂けましたら、きっと彼らも喜ぶことと思います。

永遠の誓いをあなたに ~何でも欲しがる妹がすべてを失ってからわたしが溺愛されるまで~
畔本グラヤノン
恋愛
両親に愛される妹エイミィと愛されない姉ジェシカ。ジェシカはひょんなことで公爵令息のオーウェンと知り合い、周囲から婚約を噂されるようになる。ある日ジェシカはオーウェンに王族の出席する式典に招待されるが、ジェシカの代わりに式典に出ることを目論んだエイミィは邪魔なジェシカを消そうと考えるのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる