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三章
決戦①
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「アルベルト!!!」
「な!?何故オスカーがここに!?まさか、術が解けたというのか!?」
自身に剣を向けるお父様に、国王は酷く動揺しているようだ。
(王はきっとお父様が未だに魔法にかかっていると思っているのでしょうね)
「ああ、全て思い出したよ……アルベルト、よくもやってくれたな」
「な……クソッ!一体どうやって術を解いたんだ!」
「それはお前の知る必要の無いことだ」
次の瞬間、剣を持ったお父様が王に向かって突進していく。
「おい待て!やめろオスカー!私は昔からお前のことを実の弟のように可愛がっていたではないか!それなのに剣を向けるなど!」
「私を利用してさらなる権力を得ようとしていただけだろう!私はお前を兄などと思ったことは一度も無い!」
王がどれだけ喚こうと、父は止まらなかった。
物凄いスピードで国王へと向かっていく。
すぐに決着は着くと思われた。
が、お父様の剣が王の喉元に突き刺さる直前、突然魔法陣が発生し、お父様を吹き飛ばした。
「ウッ……!」
「お父様!!!」
「公爵!!!」
吹き飛ばされたお父様は壁に叩きつけられた。
(今のは一体……!?)
あ然とする私たち。
最初は何が起きたのかが分からなかった。
しかし、こんなことが出来る人はこの場で一人しかいない。
「――そう簡単に陛下の首を獲られたら困るんだよな……」
シンと静まり返った部屋に、僅かな怒りを滲ませたような低い声が響いた。
「ローレル……!」
声のした方を見ると、ローレル様が不敵な笑みを浮かべてこちらを見ていた。
「お前は……」
起き上がったお父様が蔑むような視線をローレル様にに向けた。
「ハハ……こんな愚かな男につくとは……最強の魔術師が、落ちぶれたものだな!」
「久しぶりだな、オスカー」
お父様の姿を見て、彼はさらに楽しそうに口の端を上げた。
「最強の魔術師……?」
小さな声で呟いた私に、横にいたダリウス様が私にだけ聞こえる声でそっと囁いた。
「ローレルはお前とグレイの父親と同世代で、昔は最強の魔術師と呼ばれるほど優秀な男だった。年を取った今でもその力は健在だ。アイツは手強いぞ」
「ローレル様が……」
国王最側近の男は只者では無かったようだ。
「ローレル!!!」
「おっと、お前の剣は危ないな」
お父様が今度はローレル様に向かって突進した。
ローレル様の魔法陣と、お父様の剣がぶつかる。
「何故お前ほどの男が……こんな愚王に手を貸す!?」
「私には私の目的がある。目的のためなら私は手段を選ばない。が、お前がそれを知る必要は無い」
お父様とローレル様の戦いは激化していく。
「ダリウス様、殿下。お父様がローレル様の相手をしているうちに私たちは王を……」
「――無駄だ、フルール嬢」
「……え?」
驚いてダリウス様を見ると、彼は深刻そうな顔をしていた。
「王の周りを守っている魔法陣を見てみろ」
「……」
彼の視線の先に目をやると、いつの間にか王の周りに結界が張り巡らされていた。
「結界が何重にも貼られている。あれはそう簡単に壊せるものじゃない。破壊しようとするだけ時間と体力の無駄だ」
「なら、どうすれば……」
「――ローレルを倒す以外には無いな。アイツが倒れればあの結界も自然と消える」
そう言うと、ダリウス様は一歩前に出た。
「公爵、その男は俺がやる」
「お前は……」
「俺は魔術師だ。――術師の相手は術師がする」
「な!?何故オスカーがここに!?まさか、術が解けたというのか!?」
自身に剣を向けるお父様に、国王は酷く動揺しているようだ。
(王はきっとお父様が未だに魔法にかかっていると思っているのでしょうね)
「ああ、全て思い出したよ……アルベルト、よくもやってくれたな」
「な……クソッ!一体どうやって術を解いたんだ!」
「それはお前の知る必要の無いことだ」
次の瞬間、剣を持ったお父様が王に向かって突進していく。
「おい待て!やめろオスカー!私は昔からお前のことを実の弟のように可愛がっていたではないか!それなのに剣を向けるなど!」
「私を利用してさらなる権力を得ようとしていただけだろう!私はお前を兄などと思ったことは一度も無い!」
王がどれだけ喚こうと、父は止まらなかった。
物凄いスピードで国王へと向かっていく。
すぐに決着は着くと思われた。
が、お父様の剣が王の喉元に突き刺さる直前、突然魔法陣が発生し、お父様を吹き飛ばした。
「ウッ……!」
「お父様!!!」
「公爵!!!」
吹き飛ばされたお父様は壁に叩きつけられた。
(今のは一体……!?)
あ然とする私たち。
最初は何が起きたのかが分からなかった。
しかし、こんなことが出来る人はこの場で一人しかいない。
「――そう簡単に陛下の首を獲られたら困るんだよな……」
シンと静まり返った部屋に、僅かな怒りを滲ませたような低い声が響いた。
「ローレル……!」
声のした方を見ると、ローレル様が不敵な笑みを浮かべてこちらを見ていた。
「お前は……」
起き上がったお父様が蔑むような視線をローレル様にに向けた。
「ハハ……こんな愚かな男につくとは……最強の魔術師が、落ちぶれたものだな!」
「久しぶりだな、オスカー」
お父様の姿を見て、彼はさらに楽しそうに口の端を上げた。
「最強の魔術師……?」
小さな声で呟いた私に、横にいたダリウス様が私にだけ聞こえる声でそっと囁いた。
「ローレルはお前とグレイの父親と同世代で、昔は最強の魔術師と呼ばれるほど優秀な男だった。年を取った今でもその力は健在だ。アイツは手強いぞ」
「ローレル様が……」
国王最側近の男は只者では無かったようだ。
「ローレル!!!」
「おっと、お前の剣は危ないな」
お父様が今度はローレル様に向かって突進した。
ローレル様の魔法陣と、お父様の剣がぶつかる。
「何故お前ほどの男が……こんな愚王に手を貸す!?」
「私には私の目的がある。目的のためなら私は手段を選ばない。が、お前がそれを知る必要は無い」
お父様とローレル様の戦いは激化していく。
「ダリウス様、殿下。お父様がローレル様の相手をしているうちに私たちは王を……」
「――無駄だ、フルール嬢」
「……え?」
驚いてダリウス様を見ると、彼は深刻そうな顔をしていた。
「王の周りを守っている魔法陣を見てみろ」
「……」
彼の視線の先に目をやると、いつの間にか王の周りに結界が張り巡らされていた。
「結界が何重にも貼られている。あれはそう簡単に壊せるものじゃない。破壊しようとするだけ時間と体力の無駄だ」
「なら、どうすれば……」
「――ローレルを倒す以外には無いな。アイツが倒れればあの結界も自然と消える」
そう言うと、ダリウス様は一歩前に出た。
「公爵、その男は俺がやる」
「お前は……」
「俺は魔術師だ。――術師の相手は術師がする」
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