24 / 127
一章
お返し
しおりを挟む
私は公爵邸へと帰った後、ずっと一人で考え込んでいた。
殿下はああ言っていたけれどやはりプレゼントをもらって返さないのは失礼にあたる。
相手が貴族ならまだしも、彼は王太子だ。
国王陛下と王妃陛下の次に地位が高い。
(本当はあまり関わりたくないけれど……この際仕方ないわよね)
結局、何か返すべきだと私は判断した。
「ねぇ、ミリア」
「どうかいたしましたか、お嬢様」
寝る準備をしていたミリアが私の方を向いた。
私はそんな彼女に尋ねた。
「十四歳の男の子ってどんなものを好むのかしら」
「急にどうされました?」
私の言葉にミリアはきょとんとした顔で尋ねた。
「えっと……それは……」
私が言葉に詰まっていると、ミリアが何かに気付いたといったように私に話しかけた。
「……あ!もしかして殿下の誕生日プレゼントで悩んでいらっしゃいます?」
「……ええ、今年は殿下から贈り物があったのだから返さなければ失礼にあたるでしょう?」
私がそう言うとミリアが納得したというような顔をした。
「それでお嬢様、帰ってきてからずっと悩んでいらしたんですね~」
「……」
やはりミリアは鋭い。
何でもお見通しなようだ。
「男の人の好むものなんて分からないのよ……お父様には聞けないし……」
「……たしかに、旦那様には聞きづらいですよね」
私の言葉にミリアがうんうんと頷いた。
そして彼女はしばらくの間考え込んだ後、口を開いた。
「あ、そうだ!刺繍入りのハンカチとかどうですか?」
「…………え?」
まさかそんなことを言われるとは思わなくて少し驚いた。
「この間お嬢様と書店に行ったときに買った恋愛小説のヒロインがヒーローにした初めての贈り物がハンカチだったんですよ!それもヒロインが刺繍したものです!」
「……」
(恋愛小説ってあの……平民と王子の恋物語のやつかしら?ヒーローとヒロインが殿下と男爵令嬢に似てて私が悪役令嬢に似てるやつ……)
私はあの本をチラッと見ただけなので詳しい展開は知らない。
「その贈り物を機にヒロインとヒーローの仲が物凄く深まるんですよね!」
「……」
ミリアはそう言ってキャッキャッとはしゃいだ。
彼女に悪意は無いのだろうが何だか複雑な気持ちになった。
「だからお嬢様も殿下に刺繍入りのハンカチを贈ってみたらいかがですか!」
ミリアは満面の笑みでそう言った。
本当なら、大好きな彼女の言うことを聞いてあげたい。
でも、私は――
「私は……ヒロインじゃないから……」
「……」
私の言葉を聞いたミリアの顔から一瞬で笑顔が消えた。
「あ……」
やってしまったと思った。
彼女を心配させるつもりはなかったのに。
このときばかりは自分の発言を酷く後悔した。
(……場の空気を悪くしてしまったわ)
ネガティブになってしまうのは私の悪い癖だ。
これではいつか周りから人が離れていくだろう。
私はそう思いながらも目の前にいるミリアを見た。
「……!」
さっきと変わらず悲しそうな顔をしているかと思ったが、彼女は意外にも力強い瞳で私を真っ直ぐに見つめていた。
「――いいえ、お嬢様はヒロインです」
「…………ミリア?」
ミリアは私に対してハッキリとそう口にした。
(私がヒロインだなんて……嘘でしょう……?)
私は彼女のその言葉をすぐに信じることが出来なかった。
何故なら王子がヒーローのあの小説では平民の少女がヒロインで幼い頃からの許嫁である公爵令嬢が悪役だったからだ。
私とヒロインの共通しているところなど一つも無い。
身分も性格も外見も全てが違う。
それなのに――
「どうして…………?」
すると、ミリアは再び笑顔を見せた。
「お嬢様がどのようなことを思っているのかは分かりませんが……私の世界ではお嬢様がヒロインなのです」
「……!」
「少なくとも私にはお嬢様が物語の中で王子様に愛されるヒロインのように見えます」
「ミリア……」
私はミリアの言葉にハッとなった。
(そうよ……私ったら何を考えているの……あんなのはただの作り話。私や殿下とは何の関係も無い……)
前世では悪役令嬢だった私。
家族からも夫からも愛されずに一人ぼっちだった。
だけど今世は違う。
「……ありがとう、ミリア」
(今世の私は悪役令嬢なんかじゃない。運命が私を悪役令嬢だと言うのなら、私はそれを変えてみせるわ)
何だか彼女のおかげで大切なことを思い出せたような、そんな気がした。
***
「……」
翌日、すっかり元気を取り戻した私は自室のソファに座っていた。
私の前にある机の上には針と糸、そして刺繍枠がある。
そしてその横には真っ白なハンカチも置いてあった。
私はそれらを見て思った。
(な、何故こうなったの――!?)
「お嬢様、何を刺繍するのですか?」
ミリアはそんな私の気持ちに全く気付かず、明るい笑顔で尋ねた。
どうやら昨日の会話でミリアが何かを勘違いしたらしく、朝になったら刺繍をする準備が完璧に出来ていたのだ。
正直、私は殿下に刺繍入りのハンカチを贈るつもりはなかった。
殿下から贈られた髪飾りは明らかに高価そうだったし、そのお返しとして相応しくないと思っていたからだ。
(小説のヒロインとヒーローみたいに私たちの間に愛があればいいんでしょうけど……)
あいにく私たちに愛は無い。
むしろ私は彼から離れるつもりだ。
しかしここまでされたらもうするしかない。
ミリアがせっかく準備してくれたのだから。
私はそこで覚悟を決めた。
(ええい!考えても仕方ない!こうなったらヒロインみたいに刺繍入りのハンカチをプレゼントしてやるわ!)
そう思い、私は刺繍に取り掛かった。
が。
(ど、どうしよう……何を刺繍すればいいの……?)
早速手が止まってしまった。
刺繍をするのは初めてではない。
前世では貴族令嬢の嗜みとして何度かやったことがあり、やり方は知っている。
しかし、誰かにプレゼント出来るほどのレベルには達していない。
(……とんでもないものになりそうね)
私はそう思いながらも何を刺繍するかを考えた。
小説の中のヒロインは百合を刺繍していた。
可憐で純真無垢なヒロインにピッタリだと思う。
実際に小説の中のヒーローもそれをヒロインだと思って肌身離さず持っていたみたいだし。
しかし……
(私は……百合って感じはしないわよね……)
私はどう考えても百合のイメージではない。
だから百合を刺繍するのは無理がある。
私は何を刺繍するかで頭を悩ませた。
こんなところで悩んでいては先へ進めない。
(どうしようかな………………あ、そういえば……)
そこで私はふと少し前に開かれたお茶会でのマリアンヌ様との会話を思い出した。
『セシリア様、この間婚約者の方の誕生日に名前入りの物をプレゼントしたのですが…………とっても喜んでくださいましたのよ!』
(…………名前入り、か)
私は膝の上に置いていた白いハンカチをじっと見つめた。
(…………意外と良い案かもしれないわね。ありがとう、マリアンヌ様!)
そこで私はようやく机の上の針と糸に手を伸ばした。
殿下はああ言っていたけれどやはりプレゼントをもらって返さないのは失礼にあたる。
相手が貴族ならまだしも、彼は王太子だ。
国王陛下と王妃陛下の次に地位が高い。
(本当はあまり関わりたくないけれど……この際仕方ないわよね)
結局、何か返すべきだと私は判断した。
「ねぇ、ミリア」
「どうかいたしましたか、お嬢様」
寝る準備をしていたミリアが私の方を向いた。
私はそんな彼女に尋ねた。
「十四歳の男の子ってどんなものを好むのかしら」
「急にどうされました?」
私の言葉にミリアはきょとんとした顔で尋ねた。
「えっと……それは……」
私が言葉に詰まっていると、ミリアが何かに気付いたといったように私に話しかけた。
「……あ!もしかして殿下の誕生日プレゼントで悩んでいらっしゃいます?」
「……ええ、今年は殿下から贈り物があったのだから返さなければ失礼にあたるでしょう?」
私がそう言うとミリアが納得したというような顔をした。
「それでお嬢様、帰ってきてからずっと悩んでいらしたんですね~」
「……」
やはりミリアは鋭い。
何でもお見通しなようだ。
「男の人の好むものなんて分からないのよ……お父様には聞けないし……」
「……たしかに、旦那様には聞きづらいですよね」
私の言葉にミリアがうんうんと頷いた。
そして彼女はしばらくの間考え込んだ後、口を開いた。
「あ、そうだ!刺繍入りのハンカチとかどうですか?」
「…………え?」
まさかそんなことを言われるとは思わなくて少し驚いた。
「この間お嬢様と書店に行ったときに買った恋愛小説のヒロインがヒーローにした初めての贈り物がハンカチだったんですよ!それもヒロインが刺繍したものです!」
「……」
(恋愛小説ってあの……平民と王子の恋物語のやつかしら?ヒーローとヒロインが殿下と男爵令嬢に似てて私が悪役令嬢に似てるやつ……)
私はあの本をチラッと見ただけなので詳しい展開は知らない。
「その贈り物を機にヒロインとヒーローの仲が物凄く深まるんですよね!」
「……」
ミリアはそう言ってキャッキャッとはしゃいだ。
彼女に悪意は無いのだろうが何だか複雑な気持ちになった。
「だからお嬢様も殿下に刺繍入りのハンカチを贈ってみたらいかがですか!」
ミリアは満面の笑みでそう言った。
本当なら、大好きな彼女の言うことを聞いてあげたい。
でも、私は――
「私は……ヒロインじゃないから……」
「……」
私の言葉を聞いたミリアの顔から一瞬で笑顔が消えた。
「あ……」
やってしまったと思った。
彼女を心配させるつもりはなかったのに。
このときばかりは自分の発言を酷く後悔した。
(……場の空気を悪くしてしまったわ)
ネガティブになってしまうのは私の悪い癖だ。
これではいつか周りから人が離れていくだろう。
私はそう思いながらも目の前にいるミリアを見た。
「……!」
さっきと変わらず悲しそうな顔をしているかと思ったが、彼女は意外にも力強い瞳で私を真っ直ぐに見つめていた。
「――いいえ、お嬢様はヒロインです」
「…………ミリア?」
ミリアは私に対してハッキリとそう口にした。
(私がヒロインだなんて……嘘でしょう……?)
私は彼女のその言葉をすぐに信じることが出来なかった。
何故なら王子がヒーローのあの小説では平民の少女がヒロインで幼い頃からの許嫁である公爵令嬢が悪役だったからだ。
私とヒロインの共通しているところなど一つも無い。
身分も性格も外見も全てが違う。
それなのに――
「どうして…………?」
すると、ミリアは再び笑顔を見せた。
「お嬢様がどのようなことを思っているのかは分かりませんが……私の世界ではお嬢様がヒロインなのです」
「……!」
「少なくとも私にはお嬢様が物語の中で王子様に愛されるヒロインのように見えます」
「ミリア……」
私はミリアの言葉にハッとなった。
(そうよ……私ったら何を考えているの……あんなのはただの作り話。私や殿下とは何の関係も無い……)
前世では悪役令嬢だった私。
家族からも夫からも愛されずに一人ぼっちだった。
だけど今世は違う。
「……ありがとう、ミリア」
(今世の私は悪役令嬢なんかじゃない。運命が私を悪役令嬢だと言うのなら、私はそれを変えてみせるわ)
何だか彼女のおかげで大切なことを思い出せたような、そんな気がした。
***
「……」
翌日、すっかり元気を取り戻した私は自室のソファに座っていた。
私の前にある机の上には針と糸、そして刺繍枠がある。
そしてその横には真っ白なハンカチも置いてあった。
私はそれらを見て思った。
(な、何故こうなったの――!?)
「お嬢様、何を刺繍するのですか?」
ミリアはそんな私の気持ちに全く気付かず、明るい笑顔で尋ねた。
どうやら昨日の会話でミリアが何かを勘違いしたらしく、朝になったら刺繍をする準備が完璧に出来ていたのだ。
正直、私は殿下に刺繍入りのハンカチを贈るつもりはなかった。
殿下から贈られた髪飾りは明らかに高価そうだったし、そのお返しとして相応しくないと思っていたからだ。
(小説のヒロインとヒーローみたいに私たちの間に愛があればいいんでしょうけど……)
あいにく私たちに愛は無い。
むしろ私は彼から離れるつもりだ。
しかしここまでされたらもうするしかない。
ミリアがせっかく準備してくれたのだから。
私はそこで覚悟を決めた。
(ええい!考えても仕方ない!こうなったらヒロインみたいに刺繍入りのハンカチをプレゼントしてやるわ!)
そう思い、私は刺繍に取り掛かった。
が。
(ど、どうしよう……何を刺繍すればいいの……?)
早速手が止まってしまった。
刺繍をするのは初めてではない。
前世では貴族令嬢の嗜みとして何度かやったことがあり、やり方は知っている。
しかし、誰かにプレゼント出来るほどのレベルには達していない。
(……とんでもないものになりそうね)
私はそう思いながらも何を刺繍するかを考えた。
小説の中のヒロインは百合を刺繍していた。
可憐で純真無垢なヒロインにピッタリだと思う。
実際に小説の中のヒーローもそれをヒロインだと思って肌身離さず持っていたみたいだし。
しかし……
(私は……百合って感じはしないわよね……)
私はどう考えても百合のイメージではない。
だから百合を刺繍するのは無理がある。
私は何を刺繍するかで頭を悩ませた。
こんなところで悩んでいては先へ進めない。
(どうしようかな………………あ、そういえば……)
そこで私はふと少し前に開かれたお茶会でのマリアンヌ様との会話を思い出した。
『セシリア様、この間婚約者の方の誕生日に名前入りの物をプレゼントしたのですが…………とっても喜んでくださいましたのよ!』
(…………名前入り、か)
私は膝の上に置いていた白いハンカチをじっと見つめた。
(…………意外と良い案かもしれないわね。ありがとう、マリアンヌ様!)
そこで私はようやく机の上の針と糸に手を伸ばした。
294
お気に入りに追加
5,913
あなたにおすすめの小説
「私も新婚旅行に一緒に行きたい」彼を溺愛する幼馴染がお願いしてきた。彼は喜ぶが二人は喧嘩になり別れを選択する。
window
恋愛
イリス公爵令嬢とハリー王子は、お互いに惹かれ合い相思相愛になる。
「私と結婚していただけますか?」とハリーはプロポーズし、イリスはそれを受け入れた。
関係者を招待した結婚披露パーティーが開かれて、会場でエレナというハリーの幼馴染の子爵令嬢と出会う。
「新婚旅行に私も一緒に行きたい」エレナは結婚した二人の間に図々しく踏み込んでくる。エレナの厚かましいお願いに、イリスは怒るより驚き呆れていた。
「僕は構わないよ。エレナも一緒に行こう」ハリーは信じられないことを言い出す。エレナが同行することに乗り気になり、花嫁のイリスの面目をつぶし感情を傷つける。
とんでもない男と結婚したことが分かったイリスは、言葉を失うほかなく立ち尽くしていた。
【完結】浮気された私は貴方の子どもを内緒で育てます 時々番外編
たろ
恋愛
朝目覚めたら隣に見慣れない女が裸で寝ていた。
レオは思わずガバッと起きた。
「おはよう〜」
欠伸をしながらこちらを見ているのは結婚前に、昔付き合っていたメアリーだった。
「なんでお前が裸でここにいるんだ!」
「あら、失礼しちゃうわ。昨日無理矢理連れ込んで抱いたのは貴方でしょう?」
レオの妻のルディアは事実を知ってしまう。
子どもが出来たことでルディアと別れてメアリーと再婚するが………。
ルディアはレオと別れた後に妊娠に気づきエイミーを産んで育てることになった。
そしてレオとメアリーの子どものアランとエイミーは13歳の時に学園で同級生となってしまう。
レオとルディアの誤解が解けて結ばれるのか?
エイミーが恋を知っていく
二つの恋のお話です
【完結】今日も女の香水の匂いをさせて朝帰りする夫が愛していると言ってくる。
たろ
恋愛
「ただいま」
朝早く小さな声でわたしの寝ているベッドにそっと声をかける夫。
そして、自分のベッドにもぐり込み、すぐに寝息を立てる夫。
わたしはそんな夫を見て溜息を吐きながら、朝目覚める。
そして、朝食用のパンを捏ねる。
「ったく、いっつも朝帰りして何しているの?朝から香水の匂いをプンプンさせて、臭いのよ!
バッカじゃないの!少しカッコいいからって女にモテると思って!調子に乗るんじゃないわ!」
パンを捏ねるのはストレス発散になる。
結婚して一年。
わたしは近くのレストランで昼間仕事をしている。
夫のアッシュは、伯爵家で料理人をしている。
なので勤務時間は不規則だ。
それでも早朝に帰ることは今までなかった。
早出、遅出はあっても、夜中に勤務して早朝帰ることなど料理人にはまずない。
それにこんな香水の匂いなど料理人はまずさせない。
だって料理人にとって匂いは大事だ。
なのに……
「そろそろ離婚かしら?」
夫をぎゃふんと言わせてから離婚しようと考えるユウナのお話です。
【完結】内緒で死ぬことにした 〜いつかは思い出してくださいわたしがここにいた事を〜
たろ
恋愛
手術をしなければ助からないと言われました。
でもわたしは利用価値のない人間。
手術代など出してもらえるわけもなく……死ぬまで努力し続ければ、いつかわたしのことを、わたしの存在を思い出してくれるでしょうか?
少しでいいから誰かに愛されてみたい、死ぬまでに一度でいいから必要とされてみたい。
生きることを諦めた女の子の話です
★異世界のゆるい設定です
冤罪から逃れるために全てを捨てた。
四折 柊
恋愛
王太子の婚約者だったオリビアは冤罪をかけられ捕縛されそうになり全てを捨てて家族と逃げた。そして以前留学していた国の恩師を頼り、新しい名前と身分を手に入れ幸せに過ごす。1年が過ぎ今が幸せだからこそ思い出してしまう。捨ててきた国や自分を陥れた人達が今どうしているのかを。(視点が何度も変わります)
嫌われ者の側妃はのんびり暮らしたい
風見ゆうみ
恋愛
「オレのタイプじゃないんだよ。地味過ぎて顔も見たくない。だから、お前は側妃だ」
顔だけは良い皇帝陛下は、自らが正妃にしたいと希望した私を側妃にして別宮に送り、正妃は私の妹にすると言う。
裏表のあるの妹のお世話はもううんざり!
側妃は私以外にもいるし、面倒なことは任せて、私はのんびり自由に暮らすわ!
そう思っていたのに、別宮には皇帝陛下の腹違いの弟や、他の側妃とのトラブルはあるし、それだけでなく皇帝陛下は私を妹の毒見役に指定してきて――
それって側妃がやることじゃないでしょう!?
※のんびり暮らしたかった側妃がなんだかんだあって、のんびりできなかったけれど幸せにはなるお話です。
【完結】妹にあげるわ。
たろ
恋愛
なんでも欲しがる妹。だったら要らないからあげるわ。
婚約者だったケリーと妹のキャサリンが我が家で逢瀬をしていた時、妹の紅茶の味がおかしかった。
それだけでわたしが殺そうとしたと両親に責められた。
いやいやわたし出かけていたから!知らないわ。
それに婚約は半年前に解消しているのよ!書類すら見ていないのね?お父様。
なんでも欲しがる妹。可愛い妹が大切な両親。
浮気症のケリーなんて喜んで妹にあげるわ。ついでにわたしのドレスも宝石もどうぞ。
家を追い出されて意気揚々と一人で暮らし始めたアリスティア。
もともと家を出る計画を立てていたので、ここから幸せに………と思ったらまた妹がやってきて、今度はアリスティアの今の生活を欲しがった。
だったら、この生活もあげるわ。
だけどね、キャサリン……わたしの本当に愛する人たちだけはあげられないの。
キャサリン達に痛い目に遭わせて……アリスティアは幸せになります!
【完結】婚約破棄した王子と男爵令嬢のその後……は幸せ?……な訳ない!
たろ
恋愛
「エリザベス、君との婚約を破棄する」
「どうしてそんな事を言うのですか?わたしが何をしたと言うのでしょう」
「君は僕の愛するイライザに対して嫌がらせをしただろう、そんな意地の悪い君のことは愛せないし結婚など出来ない」
「……愛せない……わかりました。殿下……の言葉を……受け入れます」
なんで君がそんな悲しそうな顔をするんだ?
この話は婚約破棄をして、父親である陛下に嘘で固めて公爵令嬢のエリザベスを貶めたと怒られて
「そんなにその男爵令嬢が好きなら王族をやめて男爵に婿に行け」と言われ、廃嫡される王子のその後のお話です。
頭脳明晰、眉目秀麗、みんなが振り向くかっこいい殿下……なのにエリザベスの前では残念な男。
★軽い感じのお話です
そして、殿下がひたすら残念です
広ーい気持ちで読んでいただけたらと思います
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる