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26 断罪②
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「何を……何を言っているんだ……」
王太子殿下は茫然と喚く三人を眺めていた。
衝撃が大きすぎて言葉も出ないようだ。
(キャロラインはどうやら既に四人全員と体の関係を持っているようね)
王太子と結婚しておきながら不貞をするとは、とんでもない悪女だ。
殿下は愛する女の本当の姿を信じたくないようで、真っ青な顔で呟いた。
「違う……そんなことあるはずない……そうだ、お前たちキャロラインを襲ったんだろう!そうでなければ彼女が私を裏切るはずがない!」
その言葉を真っ先に否定したのはバーナードだった。
「そんなことするわけないだろう!大体、誘ったのはキャロラインの方だ!」
「何だと……!?」
彼の口から語られたのは衝撃の事実だった。
「昨日の夜キャロラインが突然家に来て王太子殿下との結婚生活が上手くいってなくて辛い、慰めてほしいって私に言ったんだ!」
「な……」
結婚生活が上手くいっていないだなんて嘘だ。
王太子夫妻の仲の良さは王宮内では誰もが知る事実だった。
その次に声を上げたのはアーノルドだった。
「私は殿下がキャロラインに暴力を振るっていると聞いたぞ!」
「何だって!?私はそんなことしていない!」
もちろんそれもキャロラインがついた嘘だろう。
そんなことを信じる方もどうかしているが。
次に口を開いたのはクリストファーだ。
「私は王太子殿下が王宮の侍女と不貞をしていると……」
「事実無根だ!!!」
(そうやって男たちをその気にさせていたというわけね)
可哀相な自分を演じることでアーノルドたちを誘ったのだろう。
そしてあの四人はまんまとその策略に嵌った。
何とも哀れな男たちだ。
王太子殿下は声を荒らげた後、キャロラインに視線を移した。
少し前までは間違いなく最愛の女性だったはずだが、少なくとも今彼女の向けている目はそのような甘いものではなかった。
「キャロライン……何故なんだ!!!何故そのような嘘をついた……?君は私を愛しているはずだろう?」
「……」
キャロラインはベッドの上で服を着ている最中だった。
目の前で自分を巡っての争いが繰り広げられているというのに、何故そんなにお気楽でいられるのか。
(……貴方は一体何を言うのかしら?)
全員が彼女の言葉を待っていた。
着替えが終わると、キャロラインは立ち上がって王太子殿下の傍までツカツカと歩いた。
そして床に倒れている彼と視線を合わせるようにしゃがみ込むと、赤くなった頬に手を添えた。
「ええ、愛しているわ、ナイゼル様」
そう言って美しい笑みを浮かべた。
見る者を魅了する、惚れ惚れする微笑みだった。
しかし、どこか闇を感じるのは私の気のせいだろうか。
「キャロライン……!」
その言葉を聞いた王太子殿下は嬉しそうに笑った。
しかし、次に彼女が続けて発した言葉により彼は一気にどん底へ叩き落とされることとなる。
「でもね、ナイゼル様。私貴方に言っておかないといけないことがあるの」
「キャロライン……?」
殿下がきょとんと首を傾げた。
そんな彼の気持ちに気付いているのかいないのか、キャロラインの赤い唇が弧を描いた。
「――私、アーノルド様たちのことも貴方と同じくらい愛しているの」
「え……?」
王太子殿下は茫然と喚く三人を眺めていた。
衝撃が大きすぎて言葉も出ないようだ。
(キャロラインはどうやら既に四人全員と体の関係を持っているようね)
王太子と結婚しておきながら不貞をするとは、とんでもない悪女だ。
殿下は愛する女の本当の姿を信じたくないようで、真っ青な顔で呟いた。
「違う……そんなことあるはずない……そうだ、お前たちキャロラインを襲ったんだろう!そうでなければ彼女が私を裏切るはずがない!」
その言葉を真っ先に否定したのはバーナードだった。
「そんなことするわけないだろう!大体、誘ったのはキャロラインの方だ!」
「何だと……!?」
彼の口から語られたのは衝撃の事実だった。
「昨日の夜キャロラインが突然家に来て王太子殿下との結婚生活が上手くいってなくて辛い、慰めてほしいって私に言ったんだ!」
「な……」
結婚生活が上手くいっていないだなんて嘘だ。
王太子夫妻の仲の良さは王宮内では誰もが知る事実だった。
その次に声を上げたのはアーノルドだった。
「私は殿下がキャロラインに暴力を振るっていると聞いたぞ!」
「何だって!?私はそんなことしていない!」
もちろんそれもキャロラインがついた嘘だろう。
そんなことを信じる方もどうかしているが。
次に口を開いたのはクリストファーだ。
「私は王太子殿下が王宮の侍女と不貞をしていると……」
「事実無根だ!!!」
(そうやって男たちをその気にさせていたというわけね)
可哀相な自分を演じることでアーノルドたちを誘ったのだろう。
そしてあの四人はまんまとその策略に嵌った。
何とも哀れな男たちだ。
王太子殿下は声を荒らげた後、キャロラインに視線を移した。
少し前までは間違いなく最愛の女性だったはずだが、少なくとも今彼女の向けている目はそのような甘いものではなかった。
「キャロライン……何故なんだ!!!何故そのような嘘をついた……?君は私を愛しているはずだろう?」
「……」
キャロラインはベッドの上で服を着ている最中だった。
目の前で自分を巡っての争いが繰り広げられているというのに、何故そんなにお気楽でいられるのか。
(……貴方は一体何を言うのかしら?)
全員が彼女の言葉を待っていた。
着替えが終わると、キャロラインは立ち上がって王太子殿下の傍までツカツカと歩いた。
そして床に倒れている彼と視線を合わせるようにしゃがみ込むと、赤くなった頬に手を添えた。
「ええ、愛しているわ、ナイゼル様」
そう言って美しい笑みを浮かべた。
見る者を魅了する、惚れ惚れする微笑みだった。
しかし、どこか闇を感じるのは私の気のせいだろうか。
「キャロライン……!」
その言葉を聞いた王太子殿下は嬉しそうに笑った。
しかし、次に彼女が続けて発した言葉により彼は一気にどん底へ叩き落とされることとなる。
「でもね、ナイゼル様。私貴方に言っておかないといけないことがあるの」
「キャロライン……?」
殿下がきょとんと首を傾げた。
そんな彼の気持ちに気付いているのかいないのか、キャロラインの赤い唇が弧を描いた。
「――私、アーノルド様たちのことも貴方と同じくらい愛しているの」
「え……?」
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