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ファルベ王
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「王妃陛下、調査が終わりました」
「ご苦労様」
数日後、私は執務室で侍従から受け取った紙にじっと目を通した。
しばらくして、それを一通り読み終えた私はあることを確信した。
(やっぱり……!)
紙に書かれていたこと、それは追放されたリリア様たち三人の消息だった。
(私の予想通り、全員が王都を出てから消息不明となっている……)
あの話を聞いて私は追放された三人のその後についてを詳しく調べさせた。
それにより、王都を追放された三人が皆して突如姿を消したという調査結果が出てきたのだ。
(間違いない……一連の事件にはおそらく……)
――クリスティーナ様が関わっている。
愚かな陛下はそれにすら気付いていないみたいだが、そもそもクリスティーナ様は三人全員の断罪に関わっていた。
そんなのはいくらなんでも出来過ぎている。
(調べて正解だったわね……)
そうだとすれば、側妃たちの犯した罪も一度調べ直す必要が出てくるだろう。
彼女たちが冤罪だったという線は残念ながら無いのだろうが、もしかしたら何か裏があるのかもしれない。
そう思った私は、すぐに侍従に命令をした。
「側妃たちとクリスティーナ様の関係について調べてほしいのだけれど」
「側妃様たちと、クリスティーナ様の関係ですか……?」
「ね、念のためよ。念のため」
「そうですか……王妃陛下がそうおっしゃるなら」
(上手く誤魔化せたみたいね……)
あの一件から陛下の侍従は完全に私の味方となり、私の命令なら何だって聞いてくれるようになった。
彼を利用しているようで良心が痛むが、今は仕方が無いだろう。
ニール王国の緊急事態なのだから。
(お兄様と王弟殿下にも報告しないとね……)
私はそう思いながらも残っていた執務に取り掛かった。
誰かさんが仕事を放棄し続けているせいで、その大半が私に回ってきているのだ。
(ハァ……私ったら本当に何であんな人のこと好きだったのかしら)
昔、陛下に恋をしていた頃の自分を呪いたくなった。
「……」
そのとき、ふと私の中である疑問が浮かび上がってきた。
(ファルベ王国はそこまでしてニール王国に復讐したいの……?)
たしかに悪いのはニール王国の方だ。
和平の証として他国からわざわざ嫁いできてくれた王女を蔑ろにして愛妾にかまけていたのだから。
それに関しては先王に全面的に非があるだろう。
しかし、いくら血の繋がった姉が冷遇されていたからと言って、一国の王が国民全員を巻き込むようなことをするだろうか。
もしバレたら戦争になりかねない。
そこで私はファルベ王国の現王を思い浮かべた。
先代王妃であるヒルデガルド様の同腹の弟であり、年齢はたしか四十前後だったはずだ。
(王弟殿下の叔父様でもあるのよね……)
私が物心ついた頃にはもう既に両国の仲は悪くなっていたため、私はニール王国の王妃ではあるがファルベ王には一度も会ったことが無い。
(どんな人なんだろう……)
顔も知らない王に、一度会ってみたくなった。
「ご苦労様」
数日後、私は執務室で侍従から受け取った紙にじっと目を通した。
しばらくして、それを一通り読み終えた私はあることを確信した。
(やっぱり……!)
紙に書かれていたこと、それは追放されたリリア様たち三人の消息だった。
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そう思った私は、すぐに侍従に命令をした。
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「側妃様たちと、クリスティーナ様の関係ですか……?」
「ね、念のためよ。念のため」
「そうですか……王妃陛下がそうおっしゃるなら」
(上手く誤魔化せたみたいね……)
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彼を利用しているようで良心が痛むが、今は仕方が無いだろう。
ニール王国の緊急事態なのだから。
(お兄様と王弟殿下にも報告しないとね……)
私はそう思いながらも残っていた執務に取り掛かった。
誰かさんが仕事を放棄し続けているせいで、その大半が私に回ってきているのだ。
(ハァ……私ったら本当に何であんな人のこと好きだったのかしら)
昔、陛下に恋をしていた頃の自分を呪いたくなった。
「……」
そのとき、ふと私の中である疑問が浮かび上がってきた。
(ファルベ王国はそこまでしてニール王国に復讐したいの……?)
たしかに悪いのはニール王国の方だ。
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それに関しては先王に全面的に非があるだろう。
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もしバレたら戦争になりかねない。
そこで私はファルベ王国の現王を思い浮かべた。
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