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新たな事実
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それから数日経っても結局モヤモヤは解消しないままだった。
調べても調べても何も出てこないこの状況に私の心は折れそうになっていた。
私は今日も執務室でハァとため息をついた。後ろに控えていた文官たちがハッと息を呑む音がした。しかし今の私にはそんなもの気にならなかった。
(五人いた側妃と愛妾のうちの三人がこうも立て続けに罪を犯して追い出されるなんて・・・)
―いくら何でも出来過ぎている。
まるで誰かが彼女たちが罪を犯すことを唆したかのように、この短い期間で三人は罪を犯している。
そして気になるのはその全てにクリスティーナ様が関与していたということだ。陛下は彼女に夢中だから気付いていないだろうが、私はやはり何かがあると思っている。
(お兄様の言う通り本当に彼女たちがやらかしただけなのかしら?)
証拠は無いが、女の勘というやつだ。
「お、王妃陛下・・・何かお悩みですか・・・?」
「・・・・・あ」
そのとき、後ろにいた侍従がおそるおそる私に尋ねた。侍従の傍にいる文官たちも私を心配そうな目で見つめている。
(最近ずっと陛下の仕事までしているから、疲れていると思っているのかしら?)
どうやら彼らは私を心配してくれているようだ。
「大丈夫よ、ちょっと気にかかることがあっただけ」
「気にかかること・・・ですか?」
「ええ」
それを聞いた文官の一人が、私の前に出てきた。
「陛下!私で良ければ何でも相談に乗りますよ!」
「・・・・・え?」
文官は目を輝かせてそう言った。
「おい、王妃陛下に失礼だろう!」
「あっ・・・申し訳ございません・・・王妃陛下にはいつも助けられているので・・・」
「・・・いいえ、かまわないわ」
その言葉を聞いた私はじっと考え込んだ。
(相談に乗る・・・か)
今までお兄様や王弟殿下には頼れないからとずっと一人で考えていた。しかし、こうやって誰かの知恵を借りるのもいいかもしれない。
(詳しくは話せないけど・・・クリスティーナ様や側妃たちに関しての情報くらいなら出てくるかしら・・・)
それに彼らは陛下やクリスティーナ様に良い感情を抱いていないので聞いたところで告げ口されることもおそらく無いだろう。
そう思った私は部屋にいた侍従や文官たちに尋ねた。
「ありがとう、一つ聞きたいことがあるのだけれど」
「はい!何でしょうか!」
それを聞いた文官の顔が明るくなった。
「つい最近、陛下の傍にお仕えしていた三人の女性が王宮から追放されたでしょう?そのことについてどう思う?」
「え・・・どうして急にそのようなことを・・・」
私の質問に文官たちは困惑した。
「私、突然の出来事に驚いたの。陛下の決定にあれこれ言うつもりは無いけれど・・・ほら、彼女たちはそんなことをするような人間には見えないから。もし冤罪だった場合、早く助けてあげないといけないなって思って・・・」
これはもちろん嘘だ。
「なるほど!王妃陛下は本当にお優しいのですね!」
文官たちは納得したように相槌を打った。
「そうですね・・・まぁ、あのお三方なら十分ありえるのかなと」
「私もそう思います」
「そう・・・」
どうやら王宮にいる誰もがあの三人の本性を知っていたようだ。もしかすると私が望んでいるような新情報は出てこないかもしれない。
そう思って落胆していたそのとき、一人の文官が信じられないことを口にした。
「そういえば追放されたお三方は、クリスティーナ様とも親交がありましたよね」
「・・・・・え?」
驚く私をよそに、もう一人の文官が言った。
「ああ、そうですね。私、クリスティーナ様とイブリン様が一緒にいるところを見たことがあります」
「え・・・」
「私はクリスティーナ様とローズ様が二人でお茶をしているところを目撃しました」
「・・・」
立て続けに明らかになる衝撃の事実に私は言葉が出なかった。
「珍しい光景だったからよく覚えているんです。普通は他の妃と仲良くすることなんて出来ないでしょうから・・・」
そこで私は頭の中で思考を巡らせた。
(・・・・・・・クリスティーナ様とあの二人に親交があった?)
そして、驚くことに文官たちが何気なく放ったこの言葉が解決の糸口となっていったのだった。
調べても調べても何も出てこないこの状況に私の心は折れそうになっていた。
私は今日も執務室でハァとため息をついた。後ろに控えていた文官たちがハッと息を呑む音がした。しかし今の私にはそんなもの気にならなかった。
(五人いた側妃と愛妾のうちの三人がこうも立て続けに罪を犯して追い出されるなんて・・・)
―いくら何でも出来過ぎている。
まるで誰かが彼女たちが罪を犯すことを唆したかのように、この短い期間で三人は罪を犯している。
そして気になるのはその全てにクリスティーナ様が関与していたということだ。陛下は彼女に夢中だから気付いていないだろうが、私はやはり何かがあると思っている。
(お兄様の言う通り本当に彼女たちがやらかしただけなのかしら?)
証拠は無いが、女の勘というやつだ。
「お、王妃陛下・・・何かお悩みですか・・・?」
「・・・・・あ」
そのとき、後ろにいた侍従がおそるおそる私に尋ねた。侍従の傍にいる文官たちも私を心配そうな目で見つめている。
(最近ずっと陛下の仕事までしているから、疲れていると思っているのかしら?)
どうやら彼らは私を心配してくれているようだ。
「大丈夫よ、ちょっと気にかかることがあっただけ」
「気にかかること・・・ですか?」
「ええ」
それを聞いた文官の一人が、私の前に出てきた。
「陛下!私で良ければ何でも相談に乗りますよ!」
「・・・・・え?」
文官は目を輝かせてそう言った。
「おい、王妃陛下に失礼だろう!」
「あっ・・・申し訳ございません・・・王妃陛下にはいつも助けられているので・・・」
「・・・いいえ、かまわないわ」
その言葉を聞いた私はじっと考え込んだ。
(相談に乗る・・・か)
今までお兄様や王弟殿下には頼れないからとずっと一人で考えていた。しかし、こうやって誰かの知恵を借りるのもいいかもしれない。
(詳しくは話せないけど・・・クリスティーナ様や側妃たちに関しての情報くらいなら出てくるかしら・・・)
それに彼らは陛下やクリスティーナ様に良い感情を抱いていないので聞いたところで告げ口されることもおそらく無いだろう。
そう思った私は部屋にいた侍従や文官たちに尋ねた。
「ありがとう、一つ聞きたいことがあるのだけれど」
「はい!何でしょうか!」
それを聞いた文官の顔が明るくなった。
「つい最近、陛下の傍にお仕えしていた三人の女性が王宮から追放されたでしょう?そのことについてどう思う?」
「え・・・どうして急にそのようなことを・・・」
私の質問に文官たちは困惑した。
「私、突然の出来事に驚いたの。陛下の決定にあれこれ言うつもりは無いけれど・・・ほら、彼女たちはそんなことをするような人間には見えないから。もし冤罪だった場合、早く助けてあげないといけないなって思って・・・」
これはもちろん嘘だ。
「なるほど!王妃陛下は本当にお優しいのですね!」
文官たちは納得したように相槌を打った。
「そうですね・・・まぁ、あのお三方なら十分ありえるのかなと」
「私もそう思います」
「そう・・・」
どうやら王宮にいる誰もがあの三人の本性を知っていたようだ。もしかすると私が望んでいるような新情報は出てこないかもしれない。
そう思って落胆していたそのとき、一人の文官が信じられないことを口にした。
「そういえば追放されたお三方は、クリスティーナ様とも親交がありましたよね」
「・・・・・え?」
驚く私をよそに、もう一人の文官が言った。
「ああ、そうですね。私、クリスティーナ様とイブリン様が一緒にいるところを見たことがあります」
「え・・・」
「私はクリスティーナ様とローズ様が二人でお茶をしているところを目撃しました」
「・・・」
立て続けに明らかになる衝撃の事実に私は言葉が出なかった。
「珍しい光景だったからよく覚えているんです。普通は他の妃と仲良くすることなんて出来ないでしょうから・・・」
そこで私は頭の中で思考を巡らせた。
(・・・・・・・クリスティーナ様とあの二人に親交があった?)
そして、驚くことに文官たちが何気なく放ったこの言葉が解決の糸口となっていったのだった。
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