66 / 79
本編
66 プロポーズ
しおりを挟む
ダグラス公子と別れた後、私は陛下に連れられて会場の外を歩いていた。
「陛下、どちらへ行かれるのですか?」
「人が居ないところに・・・」
行き先を聞いても陛下はそれしか答えてくれなかった。しばらくの間私たちは手を繋いで夜の道を歩いていた。ふと空に目をやると―
(あ、月が綺麗・・・)
ちょうど月が出ていた。幻想的な紫色のその月は、まるで陛下の美しい瞳を見ているようだった。陛下の瞳の色によく似ているからか、その月から目が離せなくなる。
雲の隙間から姿を現わしている月を見てそんなことを思っていたそのとき、陛下が突然振り返って私の前で跪いた。
「え!?陛下!?」
彼の突然の行動に驚いた。一国の王が跪くなどそんなことあってはならないからだ。しかし陛下はそんなこと気にもしていないようだった。
「ソフィア」
「は、はい・・・」
彼は私の手を握ったまま真剣な眼差しで私を見上げた。
「私は、ずっと前から君のことが好きだった」
「陛下・・・!」
それから彼はポツリポツリと話し始めた。
「ダグラス公子からアンジェリカが君を殺そうとしているということを聞かされたとき、激しい怒りを覚えた。あんなにも心を乱されたのは久しぶりだった」
「い、いつから・・・」
私の問いに陛下は一度視線を下に向けた。
「・・・分からない。もしかしたら、最初に君が私の母のことを素敵な人だと言ってくれたそのときから私は君のことが好きだったのかもしれない」
「陛下・・・」
そこで陛下は再び私を見上げた。
「私はこの先の人生を君と共に歩んで行きたい。君が前に言ったように、嬉しいときにはその喜びを共に分かち合い、辛いときには傍に寄り添い、どんなときだって支え合って生きていく。私は君と、そんな関係になりたい」
「・・・!」
どこかで聞き覚えのある言葉だった。
(地下牢で私がアンジェリカ元王女に対して言ったあの言葉・・・)
まさか彼がそれを覚えていただなんて驚いた。
陛下はそこまで言うと跪いたまま私の手をギュッと握りしめた。彼の手の温もりが手袋の上から伝わってくる。
「ソフィア」
「・・・はい」
私が返事をすると、彼の紫眼が私を映した。私はこのとき、彼と二人だけの世界に入り込んでいるかのような感覚になった。そして彼は綺麗な形の唇をゆっくりと動かした。
「―私と結婚してください」
「・・・陛下」
(こ、これってプロポーズだよね!?)
先ほどから心臓がうるさいくらいに音を立てている。陛下からのプロポーズはもちろん嬉しかった。しかし、私にはどうしても気にかかることがあった。
「・・・陛下、本当に私で良いのですか?私は権力を持ち合わせているわけでも無いし、王となった陛下の後ろ盾になることも出来ません」
「歴代でも国のために聖女と結婚した王たちは何人かいるんだ。もっとも、私は国のために君と結婚するわけではないがな」
陛下はそう言ってこれ以上ないくらい優しく微笑んで私を見た。いくら見てもその優しすぎる顔だけは慣れない。
「ですが、貴族たちが何ておっしゃるか・・・」
「口うるさい貴族たちは力を使って黙らせるまでだ」
陛下がニヤリと口の端を上げて悪い顔をした。
「・・・陛下、口が悪いですね」
「私は元々冷酷で残忍な人間だからな」
「ふ・・・ふふ・・・自分でおっしゃるんですね・・・」
開き直ったような態度の彼に私はつい顔を綻ばせた。こんな風に冗談を言う人だったのか。いつも真面目な方だと思っていたから何だか意外だ。
クスリと笑みを浮かべる私を見た陛下は突然真剣な顔になって言った。
「ソフィア、君の本当の気持ちを教えてくれ」
「私の・・・本当の気持ち・・・」
「君は私のことが好きか?」
「私は・・・陛下のことが・・・」
長い間ずっと出せなかった答え。私は今その答えを出すことを彼に求められている。ふと疑問に思った。私は陛下に対してどのような感情を抱いてるのだろうか。
どんなときだって私を気にかけてくれた優しい人。思えば私は彼に何度も救われてきた。好きだったと彼に言われたとき、嬉しかった。それと同時に胸が高鳴った。そうだ、私はきっと彼のことが―
「・・・・・・はい、好き・・・です・・・」
その瞬間、私は突然立ち上がった陛下に手を引っ張られて力強く抱き締められた。
「へ、陛下!?」
「・・・すまない、嬉しくてつい無礼なことをしてしまった」
「い、いえ・・・」
陛下は落ち着きを取り戻した後、私を腕から解放して両肩に手を置いて私を真っ直ぐに見つめた。
「ソフィア、どうか私の手を取ってくれないか?君が私の元に来てくれるのなら私は側妃も愛妾もいらない。生涯君だけを愛し続ける」
「・・・陛下」
そう言いながら私を至近距離で見つめている陛下は深刻そうな顔をしていた。私の答えが早く聞きたくて仕方が無いと言ったような様子だ。彼のそんな様子を間近で見たからか、気付けば私の唇は自然に動いていた。
「・・・はい、分かりました」
「!」
そう言ったとき、陛下の顔が喜びで満たされた。こんなに嬉しそうな彼の顔は初めて見る。彼が嬉しそうで私も嬉しくなる。
(陛下、嬉しそう・・・)
そう思っていたのも束の間、陛下が私の肩を掴んだままグイッと引き寄せた。
「!!!」
再び彼の腕の中に閉じ込められたと思ったら、唇に柔らかいものが当たっていることに気が付く。
(・・・・・・・・・え)
目の前には陛下の美しい顔。
「!?!?!?」
どうやら私は陛下とキスをしているようだ。衝撃的すぎて目をぱちくりさせて彼を見つめた。
(え、待って待って待って何これ!?)
彼の突然の行動に私は身動きが取れなくなっていた。
それからしばらくして彼が唇を離してフッと微笑んだ。
「!」
その笑みが美しすぎて私は顔が真っ赤になった。恥ずかしくて彼の顔も見れない。
「も、もう!急にこんなことしないでください!」
「別に良いじゃないか。結婚前でもキスまでだったらしてもいいと聞いた」
一体誰からそんなことを聞いたのだろうか。まるで恋愛に興味の無さそうな殿下がそんなことを言うとは。
それから私はその場から逃げるようにして彼から背を向けた。
「もう会場に戻ります!」
「そうだな、私たちの結婚をすぐにでも貴族たちに知らせる必要があるからな」
「そういう意味で言ったんじゃありません!」
そんな私を見て陛下が声を上げて笑い始めた。私のことをからかっているようだ。
「も、もう・・・!」
「悪かったよ、ソフィア」
陛下はそう言って今度は私の額に軽くキスをした。
「!!!」
彼のその行動に私の顔はさらに赤くなった。
「さ、先に会場に戻っています!」
そう言って全速力で駆け出した私を、陛下が愛しいものを見るかのような目で見つめていたことに私が気付くことは無かった。
「陛下、どちらへ行かれるのですか?」
「人が居ないところに・・・」
行き先を聞いても陛下はそれしか答えてくれなかった。しばらくの間私たちは手を繋いで夜の道を歩いていた。ふと空に目をやると―
(あ、月が綺麗・・・)
ちょうど月が出ていた。幻想的な紫色のその月は、まるで陛下の美しい瞳を見ているようだった。陛下の瞳の色によく似ているからか、その月から目が離せなくなる。
雲の隙間から姿を現わしている月を見てそんなことを思っていたそのとき、陛下が突然振り返って私の前で跪いた。
「え!?陛下!?」
彼の突然の行動に驚いた。一国の王が跪くなどそんなことあってはならないからだ。しかし陛下はそんなこと気にもしていないようだった。
「ソフィア」
「は、はい・・・」
彼は私の手を握ったまま真剣な眼差しで私を見上げた。
「私は、ずっと前から君のことが好きだった」
「陛下・・・!」
それから彼はポツリポツリと話し始めた。
「ダグラス公子からアンジェリカが君を殺そうとしているということを聞かされたとき、激しい怒りを覚えた。あんなにも心を乱されたのは久しぶりだった」
「い、いつから・・・」
私の問いに陛下は一度視線を下に向けた。
「・・・分からない。もしかしたら、最初に君が私の母のことを素敵な人だと言ってくれたそのときから私は君のことが好きだったのかもしれない」
「陛下・・・」
そこで陛下は再び私を見上げた。
「私はこの先の人生を君と共に歩んで行きたい。君が前に言ったように、嬉しいときにはその喜びを共に分かち合い、辛いときには傍に寄り添い、どんなときだって支え合って生きていく。私は君と、そんな関係になりたい」
「・・・!」
どこかで聞き覚えのある言葉だった。
(地下牢で私がアンジェリカ元王女に対して言ったあの言葉・・・)
まさか彼がそれを覚えていただなんて驚いた。
陛下はそこまで言うと跪いたまま私の手をギュッと握りしめた。彼の手の温もりが手袋の上から伝わってくる。
「ソフィア」
「・・・はい」
私が返事をすると、彼の紫眼が私を映した。私はこのとき、彼と二人だけの世界に入り込んでいるかのような感覚になった。そして彼は綺麗な形の唇をゆっくりと動かした。
「―私と結婚してください」
「・・・陛下」
(こ、これってプロポーズだよね!?)
先ほどから心臓がうるさいくらいに音を立てている。陛下からのプロポーズはもちろん嬉しかった。しかし、私にはどうしても気にかかることがあった。
「・・・陛下、本当に私で良いのですか?私は権力を持ち合わせているわけでも無いし、王となった陛下の後ろ盾になることも出来ません」
「歴代でも国のために聖女と結婚した王たちは何人かいるんだ。もっとも、私は国のために君と結婚するわけではないがな」
陛下はそう言ってこれ以上ないくらい優しく微笑んで私を見た。いくら見てもその優しすぎる顔だけは慣れない。
「ですが、貴族たちが何ておっしゃるか・・・」
「口うるさい貴族たちは力を使って黙らせるまでだ」
陛下がニヤリと口の端を上げて悪い顔をした。
「・・・陛下、口が悪いですね」
「私は元々冷酷で残忍な人間だからな」
「ふ・・・ふふ・・・自分でおっしゃるんですね・・・」
開き直ったような態度の彼に私はつい顔を綻ばせた。こんな風に冗談を言う人だったのか。いつも真面目な方だと思っていたから何だか意外だ。
クスリと笑みを浮かべる私を見た陛下は突然真剣な顔になって言った。
「ソフィア、君の本当の気持ちを教えてくれ」
「私の・・・本当の気持ち・・・」
「君は私のことが好きか?」
「私は・・・陛下のことが・・・」
長い間ずっと出せなかった答え。私は今その答えを出すことを彼に求められている。ふと疑問に思った。私は陛下に対してどのような感情を抱いてるのだろうか。
どんなときだって私を気にかけてくれた優しい人。思えば私は彼に何度も救われてきた。好きだったと彼に言われたとき、嬉しかった。それと同時に胸が高鳴った。そうだ、私はきっと彼のことが―
「・・・・・・はい、好き・・・です・・・」
その瞬間、私は突然立ち上がった陛下に手を引っ張られて力強く抱き締められた。
「へ、陛下!?」
「・・・すまない、嬉しくてつい無礼なことをしてしまった」
「い、いえ・・・」
陛下は落ち着きを取り戻した後、私を腕から解放して両肩に手を置いて私を真っ直ぐに見つめた。
「ソフィア、どうか私の手を取ってくれないか?君が私の元に来てくれるのなら私は側妃も愛妾もいらない。生涯君だけを愛し続ける」
「・・・陛下」
そう言いながら私を至近距離で見つめている陛下は深刻そうな顔をしていた。私の答えが早く聞きたくて仕方が無いと言ったような様子だ。彼のそんな様子を間近で見たからか、気付けば私の唇は自然に動いていた。
「・・・はい、分かりました」
「!」
そう言ったとき、陛下の顔が喜びで満たされた。こんなに嬉しそうな彼の顔は初めて見る。彼が嬉しそうで私も嬉しくなる。
(陛下、嬉しそう・・・)
そう思っていたのも束の間、陛下が私の肩を掴んだままグイッと引き寄せた。
「!!!」
再び彼の腕の中に閉じ込められたと思ったら、唇に柔らかいものが当たっていることに気が付く。
(・・・・・・・・・え)
目の前には陛下の美しい顔。
「!?!?!?」
どうやら私は陛下とキスをしているようだ。衝撃的すぎて目をぱちくりさせて彼を見つめた。
(え、待って待って待って何これ!?)
彼の突然の行動に私は身動きが取れなくなっていた。
それからしばらくして彼が唇を離してフッと微笑んだ。
「!」
その笑みが美しすぎて私は顔が真っ赤になった。恥ずかしくて彼の顔も見れない。
「も、もう!急にこんなことしないでください!」
「別に良いじゃないか。結婚前でもキスまでだったらしてもいいと聞いた」
一体誰からそんなことを聞いたのだろうか。まるで恋愛に興味の無さそうな殿下がそんなことを言うとは。
それから私はその場から逃げるようにして彼から背を向けた。
「もう会場に戻ります!」
「そうだな、私たちの結婚をすぐにでも貴族たちに知らせる必要があるからな」
「そういう意味で言ったんじゃありません!」
そんな私を見て陛下が声を上げて笑い始めた。私のことをからかっているようだ。
「も、もう・・・!」
「悪かったよ、ソフィア」
陛下はそう言って今度は私の額に軽くキスをした。
「!!!」
彼のその行動に私の顔はさらに赤くなった。
「さ、先に会場に戻っています!」
そう言って全速力で駆け出した私を、陛下が愛しいものを見るかのような目で見つめていたことに私が気付くことは無かった。
126
お気に入りに追加
3,496
あなたにおすすめの小説
里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります>
政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています

【完結】私を忘れてしまった貴方に、憎まれています
高瀬船
恋愛
夜会会場で突然意識を失うように倒れてしまった自分の旦那であるアーヴィング様を急いで邸へ連れて戻った。
そうして、医者の診察が終わり、体に異常は無い、と言われて安心したのも束の間。
最愛の旦那様は、目が覚めると綺麗さっぱりと私の事を忘れてしまっており、私と結婚した事も、お互い愛を育んだ事を忘れ。
何故か、私を憎しみの籠った瞳で見つめるのです。
優しかったアーヴィング様が、突然見知らぬ男性になってしまったかのようで、冷たくあしらわれ、憎まれ、私の心は日が経つにつれて疲弊して行く一方となってしまったのです。
本日、貴方を愛するのをやめます~王妃と不倫した貴方が悪いのですよ?~
なか
恋愛
私は本日、貴方と離婚します。
愛するのは、終わりだ。
◇◇◇
アーシアの夫––レジェスは王妃の護衛騎士の任についた途端、妻である彼女を冷遇する。
初めは優しくしてくれていた彼の変貌ぶりに、アーシアは戸惑いつつも、再び振り向いてもらうため献身的に尽くした。
しかし、玄関先に置かれていた見知らぬ本に、謎の日本語が書かれているのを見つける。
それを読んだ瞬間、前世の記憶を思い出し……彼女は知った。
この世界が、前世の記憶で読んだ小説であること。
レジェスとの結婚は、彼が愛する王妃と密通を交わすためのものであり……アーシアは王妃暗殺を目論んだ悪女というキャラで、このままでは断罪される宿命にあると。
全てを思い出したアーシアは覚悟を決める。
彼と離婚するため三年間の準備を整えて、断罪の未来から逃れてみせると……
この物語は、彼女の決意から三年が経ち。
離婚する日から始まっていく
戻ってこいと言われても、彼女に戻る気はなかった。
◇◇◇
設定は甘めです。
読んでくださると嬉しいです。
そんなに妹が好きなら死んであげます。
克全
恋愛
「アルファポリス」「カクヨム」「小説家になろう」に同時投稿しています。
『思い詰めて毒を飲んだら周りが動き出しました』
フィアル公爵家の長女オードリーは、父や母、弟や妹に苛め抜かれていた。
それどころか婚約者であるはずのジェイムズ第一王子や国王王妃にも邪魔者扱いにされていた。
そもそもオードリーはフィアル公爵家の娘ではない。
イルフランド王国を救った大恩人、大賢者ルーパスの娘だ。
異世界に逃げた大魔王を追って勇者と共にこの世界を去った大賢者ルーパス。
何の音沙汰もない勇者達が死んだと思った王達は……
【完結】辺境伯令嬢は新聞で婚約破棄を知った
五色ひわ
恋愛
辺境伯令嬢としてのんびり領地で暮らしてきたアメリアは、カフェで見せられた新聞で自身の婚約破棄を知った。アメリアは真実を確かめるため、3年ぶりに王都へと旅立った。
※本編34話、番外編『皇太子殿下の苦悩』31+1話、おまけ4話
寵愛のいる旦那様との結婚生活が終わる。もし、次があるのなら緩やかに、優しい人と恋がしたい。
にのまえ
恋愛
リルガルド国。公爵令嬢リイーヤ・ロイアルは令嬢ながら、剣に明け暮れていた。
父に頼まれて参加をした王女のデビュタントの舞踏会で、伯爵家コール・デトロイトと知り合い恋に落ちる。
恋に浮かれて、剣を捨た。
コールと結婚をして初夜を迎えた。
リイーヤはナイトドレスを身に付け、鼓動を高鳴らせて旦那様を待っていた。しかし寝室に訪れた旦那から出た言葉は「私は君を抱くことはない」「私には心から愛する人がいる」だった。
ショックを受けて、旦那には愛してもられないと知る。しかし離縁したくてもリルガルド国では離縁は許されない。しかしリイーヤは二年待ち子供がいなければ離縁できると知る。
結婚二周年の食事の席で、旦那は義理両親にリイーヤに子供ができたと言い出した。それに反論して自分は生娘だと医師の診断書を見せる。
混乱した食堂を後にして、リイーヤは馬に乗り伯爵家から出て行き国境を越え違う国へと向かう。
もし、次があるのなら優しい人と恋がしたいと……
お読みいただき、ありがとうございます。
エブリスタで四月に『完結』した話に差し替えいたいと思っております。内容はさほど、変わっておりません。
それにあたり、栞を挟んでいただいている方、すみません。

神のいとし子は追放された私でした〜異母妹を選んだ王太子様、今のお気持ちは如何ですか?〜
星里有乃
恋愛
「アメリアお姉様は、私達の幸せを考えて、自ら身を引いてくださいました」
「オレは……王太子としてではなく、一人の男としてアメリアの妹、聖女レティアへの真実の愛に目覚めたのだ!」
(レティアったら、何を血迷っているの……だって貴女本当は、霊感なんてこれっぽっちも無いじゃない!)
美貌の聖女レティアとは対照的に、とにかく目立たない姉のアメリア。しかし、地味に装っているアメリアこそが、この国の神のいとし子なのだが、悪魔と契約した妹レティアはついに姉を追放してしまう。
やがて、神のいとし子の祈りが届かなくなった国は災いが増え、聖女の力を隠さなくなったアメリアに救いの手を求めるが……。
* 2023年01月15日、連載完結しました。
* ヒロインアメリアの相手役が第1章は精霊ラルド、第2章からは隣国の王子アッシュに切り替わります。最終章に該当する黄昏の章で、それぞれの関係性を決着させています。お読みくださった読者様、ありがとうございました!
* 初期投稿ではショートショート作品の予定で始まった本作ですが、途中から長編版に路線を変更して完結させました。
* この作品は小説家になろうさんとアルファポリスさんに投稿しております。
* ブクマ、感想、ありがとうございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる