29 / 79
本編
29 嫉妬?
しおりを挟む
「ソフィア!!!」
私と王太子殿下を見るアレックスは、何故だかショックを受けたような顔をしていた。
(前も思ったけど、どうしてあなたがそんな顔をするのよ)
アレックスを視界に入れた王太子殿下の目が瞬時に冷たくなった。先ほどまでの優しい顔が嘘のようだった。
「アレックス・・・どうしてここに・・・」
「ソフィア!」
アレックスはツカツカと歩いて来て、いきなり私の腕を掴んだ。そしてそのまま引っ張ってどこかへ連れて行こうとする。
(え、何!?)
私はアレックスの行動の意味が分からず、困惑した。
「ちょ、ちょっとアレックス!何するのよ!ウッ・・・!」
アレックスが私の手首を強い力で握ったため、握られた箇所に痛みが走り思わず顔をしかめた。
(痛ッ!!!)
振りほどくことも出来ず、私はアレックスに無理矢理連れて行かれそうになった。
そんなアレックスの腕を掴んだのは王太子殿下だった。
「勇者アレックス、一体何の用だ?」
「・・・!」
王太子殿下の姿を見たアレックスの顔が強張った。
「お、王太子殿下・・・」
王太子殿下の冷たい視線に気付いたのか、アレックスの顔色が悪くなっていく。しかし、アレックスはそんな殿下の視線に怯えている様子を見せながらも引かなかった。
「お、俺はソフィアに話があって・・・」
「ならここで話してみろ」
「そ、それは・・・」
アレックスはばつが悪そうに黙り込んだ。そんなアレックスを見て、私は今までこらえていた彼に対する怒りが少しずつこみ上げてきた。
(話って何?私はあなたと話すことなんて何も無いのだけれど)
私も殿下と同じようにアレックスを冷たい目で見た。もうアレックスに対する未練は少しも無いようで安心した。
「何だ?ソフィア嬢に話があるんじゃなかったのか?」
「ここでは言いにくいというか・・・」
「それでソフィア嬢の腕を掴んで連れて行こうとしたのか?」
「そ、それは・・・」
「いくら同じ村で育った幼馴染とはいえ、それは無礼ではないか?お前はもうソフィア嬢の婚約者ではないだろう。誰かに見られて変な噂が立ったらどうするつもりだったんだ?」
王太子殿下はアレックスの無礼な行動を厳しく非難した。
それに対してアレックスは何かを言いたそうにしていたが、結局最後は自分の非を認めた。
「は、はい・・・王太子殿下のおっしゃる通りです・・・」
王太子殿下の言っていることがまともすぎて反論の余地も無いのだろう。アレックスはそう言うしかなかった。
(殿下・・・本当にすごいお方・・・)
王太子殿下とアレックスのやりとりの一部始終を見ていた私は素直にそう思った。
(ダグラス公子のときもそうだったけれど、殿下は物凄く威厳があるというか・・・)
性格に難アリなアレックスやダグラス公子をこうも簡単に圧倒してしまうとは。
まだ若いのに本当に凄いなと思う。流石は未来の国王陛下といったところだ。やはり殿下には王の器がある。そのことを改めて実感した。
「お前はこの国唯一の王女であるアンジェリカの婚約者なんだ。分かっているのか」
「もちろんです・・・殿下・・・」
王太子殿下の言葉にアレックスは悔しそうな顔をした。
しかし彼もまたダグラス公子と同じく言い返すことは出来ないようで、黙り込んだまま俯いた。そんなアレックスを一瞥した後、殿下が私に声をかけた。
「行こう、ソフィア嬢」
「あ、はい・・・」
殿下がくるりと背を向け、私も彼について歩く。
「!」
そんな私たち二人にアレックスが物凄い勢いで顔を上げた。
私を連れてこの場を離れようとする殿下に対して彼は声を張り上げた。
「―待ってください!!!」
「・・・まだ何かあるのか?」
王太子殿下が不快そうな視線を投げてそう言った後、私の視界を遮るようにして前に出た。私をアレックスから守ろうとしてくれているのだろうか。そんな彼の優しさに胸が高鳴る。
その光景を見たアレックスは怒りを滲ませた声で言った。
「殿下は・・・ソフィアとどんな関係なんですか・・・何でそこまでしてソフィアを庇うんですか・・・!」
それに対して殿下が向けたのは絶対零度の視線だった。
「私とソフィア嬢がどんな関係なのか・・・それがお前に何の関係があるんだ?」
「・・・ッ」
「さっきも言ったがもうソフィア嬢はお前の婚約者ではない。彼女が誰と親しくしていようと、それはお前には関係の無いことではないのか?」
「・・・」
何も言えなくなるアレックスに、殿下はハッキリと告げた。
「―お前に、彼女について口出しする権利はない」
「・・・ッ!!!」
私はアレックスのことが気になって、殿下の背中から顔を出した。そこには、グッと唇を噛んで俯いているアレックスの姿があった。
(・・・!)
アレックスがこれほど弱気になっているところは初めて見た。何だか胸がすいた。
「・・・その通りです。申し訳ありませんでした、王太子殿下」
「・・・」
王太子殿下はしばらくの間アレックスを冷たい目で見つめていたが、突然振り返って私に声をかけた。
「ソフィア嬢、今日は部屋まで送っていこう」
「あ、ありがとうございます・・・」
そして、アレックスを一人その場に置き去りにして私たちは歩き出した。
「・・・」
私は歩きながら考えた。アレックスが何故あんなことを言ったのかがどうしても分からない。王太子殿下の言った通り彼は今アンジェリカ王女殿下の婚約者で私との縁はもうとっくに切れている。縁を切った理由はアレックスが王女殿下を選んだからだ。婚約者であった私を捨てるほどなのだから心から王女殿下のことを愛しているのだろうと思っていた。だけど、さっきの彼の姿はまるで―
まるで、嫉妬でもしているかのようだった。恋人同士だった頃は一度もそんな素振りを見せてはくれなかったというのに、今さら何なのだろう。
(・・・アレックスの気持ちがどうであれもう私には関係の無いことよ)
私はもうあの浮気者に未練など少しも無いのだから。
考え込んでいた私に、ふと隣を歩いていた殿下が話しかけた。
「そういえば君は明日から三日間休みだったな」
「あ、はい、そうなんです。久々にお休みを取ることが出来て・・・」
「何をして過ごすんだ?」
「教会に行こうと思っています」
「そうか、せっかくの休みだ。思う存分楽しんできてくれ」
「はい、ありがとうございます。殿下」
そして私は王太子殿下に送られて部屋まで戻った。
(うわぁ・・・アザになってるよ・・・)
アレックスに掴まれた手首に目をやるとくっきりとアザが出来ていた。相当強い力で掴んだようだ。本当にアレックスは一体何がしたいのだろうか。
私はそう思いながらも光魔法を発動させた。
―ボワァ!
それからしばらくして光が消え、アレックスに掴まれたことによるアザもすっかり消えていた。
(今はアイツのこと考えるのやめよう。明日はせっかくの休みなんだから)
私は気持ちを切り替えて次の授業へと向かった。
私と王太子殿下を見るアレックスは、何故だかショックを受けたような顔をしていた。
(前も思ったけど、どうしてあなたがそんな顔をするのよ)
アレックスを視界に入れた王太子殿下の目が瞬時に冷たくなった。先ほどまでの優しい顔が嘘のようだった。
「アレックス・・・どうしてここに・・・」
「ソフィア!」
アレックスはツカツカと歩いて来て、いきなり私の腕を掴んだ。そしてそのまま引っ張ってどこかへ連れて行こうとする。
(え、何!?)
私はアレックスの行動の意味が分からず、困惑した。
「ちょ、ちょっとアレックス!何するのよ!ウッ・・・!」
アレックスが私の手首を強い力で握ったため、握られた箇所に痛みが走り思わず顔をしかめた。
(痛ッ!!!)
振りほどくことも出来ず、私はアレックスに無理矢理連れて行かれそうになった。
そんなアレックスの腕を掴んだのは王太子殿下だった。
「勇者アレックス、一体何の用だ?」
「・・・!」
王太子殿下の姿を見たアレックスの顔が強張った。
「お、王太子殿下・・・」
王太子殿下の冷たい視線に気付いたのか、アレックスの顔色が悪くなっていく。しかし、アレックスはそんな殿下の視線に怯えている様子を見せながらも引かなかった。
「お、俺はソフィアに話があって・・・」
「ならここで話してみろ」
「そ、それは・・・」
アレックスはばつが悪そうに黙り込んだ。そんなアレックスを見て、私は今までこらえていた彼に対する怒りが少しずつこみ上げてきた。
(話って何?私はあなたと話すことなんて何も無いのだけれど)
私も殿下と同じようにアレックスを冷たい目で見た。もうアレックスに対する未練は少しも無いようで安心した。
「何だ?ソフィア嬢に話があるんじゃなかったのか?」
「ここでは言いにくいというか・・・」
「それでソフィア嬢の腕を掴んで連れて行こうとしたのか?」
「そ、それは・・・」
「いくら同じ村で育った幼馴染とはいえ、それは無礼ではないか?お前はもうソフィア嬢の婚約者ではないだろう。誰かに見られて変な噂が立ったらどうするつもりだったんだ?」
王太子殿下はアレックスの無礼な行動を厳しく非難した。
それに対してアレックスは何かを言いたそうにしていたが、結局最後は自分の非を認めた。
「は、はい・・・王太子殿下のおっしゃる通りです・・・」
王太子殿下の言っていることがまともすぎて反論の余地も無いのだろう。アレックスはそう言うしかなかった。
(殿下・・・本当にすごいお方・・・)
王太子殿下とアレックスのやりとりの一部始終を見ていた私は素直にそう思った。
(ダグラス公子のときもそうだったけれど、殿下は物凄く威厳があるというか・・・)
性格に難アリなアレックスやダグラス公子をこうも簡単に圧倒してしまうとは。
まだ若いのに本当に凄いなと思う。流石は未来の国王陛下といったところだ。やはり殿下には王の器がある。そのことを改めて実感した。
「お前はこの国唯一の王女であるアンジェリカの婚約者なんだ。分かっているのか」
「もちろんです・・・殿下・・・」
王太子殿下の言葉にアレックスは悔しそうな顔をした。
しかし彼もまたダグラス公子と同じく言い返すことは出来ないようで、黙り込んだまま俯いた。そんなアレックスを一瞥した後、殿下が私に声をかけた。
「行こう、ソフィア嬢」
「あ、はい・・・」
殿下がくるりと背を向け、私も彼について歩く。
「!」
そんな私たち二人にアレックスが物凄い勢いで顔を上げた。
私を連れてこの場を離れようとする殿下に対して彼は声を張り上げた。
「―待ってください!!!」
「・・・まだ何かあるのか?」
王太子殿下が不快そうな視線を投げてそう言った後、私の視界を遮るようにして前に出た。私をアレックスから守ろうとしてくれているのだろうか。そんな彼の優しさに胸が高鳴る。
その光景を見たアレックスは怒りを滲ませた声で言った。
「殿下は・・・ソフィアとどんな関係なんですか・・・何でそこまでしてソフィアを庇うんですか・・・!」
それに対して殿下が向けたのは絶対零度の視線だった。
「私とソフィア嬢がどんな関係なのか・・・それがお前に何の関係があるんだ?」
「・・・ッ」
「さっきも言ったがもうソフィア嬢はお前の婚約者ではない。彼女が誰と親しくしていようと、それはお前には関係の無いことではないのか?」
「・・・」
何も言えなくなるアレックスに、殿下はハッキリと告げた。
「―お前に、彼女について口出しする権利はない」
「・・・ッ!!!」
私はアレックスのことが気になって、殿下の背中から顔を出した。そこには、グッと唇を噛んで俯いているアレックスの姿があった。
(・・・!)
アレックスがこれほど弱気になっているところは初めて見た。何だか胸がすいた。
「・・・その通りです。申し訳ありませんでした、王太子殿下」
「・・・」
王太子殿下はしばらくの間アレックスを冷たい目で見つめていたが、突然振り返って私に声をかけた。
「ソフィア嬢、今日は部屋まで送っていこう」
「あ、ありがとうございます・・・」
そして、アレックスを一人その場に置き去りにして私たちは歩き出した。
「・・・」
私は歩きながら考えた。アレックスが何故あんなことを言ったのかがどうしても分からない。王太子殿下の言った通り彼は今アンジェリカ王女殿下の婚約者で私との縁はもうとっくに切れている。縁を切った理由はアレックスが王女殿下を選んだからだ。婚約者であった私を捨てるほどなのだから心から王女殿下のことを愛しているのだろうと思っていた。だけど、さっきの彼の姿はまるで―
まるで、嫉妬でもしているかのようだった。恋人同士だった頃は一度もそんな素振りを見せてはくれなかったというのに、今さら何なのだろう。
(・・・アレックスの気持ちがどうであれもう私には関係の無いことよ)
私はもうあの浮気者に未練など少しも無いのだから。
考え込んでいた私に、ふと隣を歩いていた殿下が話しかけた。
「そういえば君は明日から三日間休みだったな」
「あ、はい、そうなんです。久々にお休みを取ることが出来て・・・」
「何をして過ごすんだ?」
「教会に行こうと思っています」
「そうか、せっかくの休みだ。思う存分楽しんできてくれ」
「はい、ありがとうございます。殿下」
そして私は王太子殿下に送られて部屋まで戻った。
(うわぁ・・・アザになってるよ・・・)
アレックスに掴まれた手首に目をやるとくっきりとアザが出来ていた。相当強い力で掴んだようだ。本当にアレックスは一体何がしたいのだろうか。
私はそう思いながらも光魔法を発動させた。
―ボワァ!
それからしばらくして光が消え、アレックスに掴まれたことによるアザもすっかり消えていた。
(今はアイツのこと考えるのやめよう。明日はせっかくの休みなんだから)
私は気持ちを切り替えて次の授業へと向かった。
102
お気に入りに追加
3,499
あなたにおすすめの小説

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。

〖完結〗幼馴染みの王女様の方が大切な婚約者は要らない。愛してる? もう興味ありません。
藍川みいな
恋愛
婚約者のカイン様は、婚約者の私よりも幼馴染みのクリスティ王女殿下ばかりを優先する。
何度も約束を破られ、彼と過ごせる時間は全くなかった。約束を破る理由はいつだって、「クリスティが……」だ。
同じ学園に通っているのに、私はまるで他人のよう。毎日毎日、二人の仲のいい姿を見せられ、苦しんでいることさえ彼は気付かない。
もうやめる。
カイン様との婚約は解消する。
でもなぜか、別れを告げたのに彼が付きまとってくる。
愛してる? 私はもう、あなたに興味はありません!
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
沢山の感想ありがとうございます。返信出来ず、申し訳ありません。
将来を誓い合った王子様は聖女と結ばれるそうです
きぬがやあきら
恋愛
「聖女になれなかったなりそこない。こんなところまで追って来るとはな。そんなに俺を忘れられないなら、一度くらい抱いてやろうか?」
5歳のオリヴィエは、神殿で出会ったアルディアの皇太子、ルーカスと恋に落ちた。アルディア王国では、皇太子が代々聖女を妻に迎える慣わしだ。しかし、13歳の選別式を迎えたオリヴィエは、聖女を落選してしまった。
その上盲目の知恵者オルガノに、若くして命を落とすと予言されたオリヴィエは、せめてルーカスの傍にいたいと、ルーカスが団長を務める聖騎士への道へと足を踏み入れる。しかし、やっとの思いで再開したルーカスは、昔の約束を忘れてしまったのではと錯覚するほど冷たい対応で――?

【完】あの、……どなたでしょうか?
桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー
爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」
見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は………
「あの、……どなたのことでしょうか?」
まさかの意味不明発言!!
今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!!
結末やいかに!!
*******************
執筆終了済みです。

【完結】「俺は2番目に好きな女と結婚するんだ」と言っていた婚約者と婚約破棄したいだけだったのに、なぜか聖女になってしまいました
As-me.com
恋愛
完結しました。
とある日、偶然にも婚約者が「俺は2番目に好きな女と結婚するんだ」とお友達に楽しそうに宣言するのを聞いてしまいました。
例え2番目でもちゃんと愛しているから結婚にはなんの問題も無いとおっしゃっていますが……そんな婚約者様がとんでもない問題児だと発覚します。
なんてことでしょう。愛も無い、信頼も無い、領地にメリットも無い。そんな無い無い尽くしの婚約者様と結婚しても幸せになれる気がしません。
ねぇ、婚約者様。私はあなたと結婚なんてしたくありませんわ。絶対婚約破棄しますから!
あなたはあなたで、1番好きな人と結婚してくださいな。
※この作品は『「俺は2番目に好きな女と結婚するんだ」と婚約者が言っていたので、1番好きな女性と結婚させてあげることにしました。 』を書き直しています。内容はほぼ一緒ですが、細かい設定や登場人物の性格などを書き直す予定です。

わたしにはもうこの子がいるので、いまさら愛してもらわなくても結構です。
ふまさ
恋愛
伯爵令嬢のリネットは、婚約者のハワードを、盲目的に愛していた。友人に、他の令嬢と親しげに歩いていたと言われても信じず、暴言を吐かれても、彼は子どものように純粋無垢だから仕方ないと自分を納得させていた。
けれど。
「──なんか、こうして改めて見ると猿みたいだし、不細工だなあ。本当に、ぼくときみの子?」
他でもない。二人の子ども──ルシアンへの暴言をきっかけに、ハワードへの絶対的な愛が、リネットの中で確かに崩れていく音がした。
【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。
くま
恋愛
「すまない、アデライトを愛してしまった」
「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」
いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。
「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と……
私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。
「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」
「はい、お父様、お母様」
「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」
「……はい」
「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」
「はい、わかりました」
パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、
兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。
誰も私の言葉を聞いてくれない。
誰も私を見てくれない。
そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。
ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。
「……なんか、馬鹿みたいだわ!」
もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる!
ふるゆわ設定です。
※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい!
※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ!
追加文
番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる