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本編
21 休息
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それから私は無我夢中で負傷した騎士たちを治療し続けた。
「ふぅ・・・」
ずっと光魔法を使い続けているせいか、既にかなり疲れが溜まっていた。
魔物の討伐の後は毎回かなりの負傷者が出る。そのため私の使用する魔力量も自然と増えるのだ。
一人、また一人と光魔法を使用していくたびに私の体は少しずつ重くなっていった。もう限界も近いのだろう。それは自分自身が一番分かっていた。しかし―
(まだまだ負傷者はいるのよ、何としてでも全員治してみせる)
私にはやり遂げなければいけないことがある。それまで倒れるわけにはいかない。
そんなことを考えていたそのとき、突然肩に手を置かれた。
驚いて振り向くと、王太子殿下が私の肩に優しく手を置いて顔を覗き込んでいた。
「ソフィア嬢、大丈夫か?」
「殿下・・・」
隣にいた殿下がそう言いながら私の額の汗を清潔なハンカチで拭ってくれた。そんな彼の優しさに私は何度助けられたことか。それも今に始まったことではない。
「ありがとうございます、殿下」
温かい目で私を見守っていてくれる王太子殿下が、気付けば私の心の支えとなっていた。
それから私は、時々王太子殿下の力も借りながら負傷者全員に光魔法を使っていった。
(よし、これで全員!)
そうして最後の一人に魔法を使用した途端、私の体は急にぐらりと傾き始めた。
(・・・・・・・あれ?)
自分でも何が起こったのか分からない。だけど何故だか目の前が真っ暗になり、身体が沈んでいくような不思議な感覚に襲われる。
「聖女様!!!」
「ソフィア嬢!!!」
倒れていく私の体を王太子殿下が両手で受け止めた。冷たくなっていた体に温もりが伝わってくる。それとほぼ同時に襲ってきたのは、強烈な眠気。
(何か眠いな・・・)
王太子殿下が深刻そうな表情で私に何かを言っているが、このときの私には何も聞こえなかった。
そして、私はそのまま殿下の腕の中で意識を手放した―
◇◆◇◆◇◆
「・・・・・・あれ?」
次に目覚めたのは、ベッドの上だった。いつもと違う天井。見覚えのない光景が広がっていた。
(・・・ここはどこだろう?)
私はそう思い、ベッドから上半身だけを起こして辺りを見渡してみる。体は少し重たかったが、動けないほどではなかった。
体を起こした私の視界に広がったのは、見たこともない場所。自分が何故ここにいるのかもよく分からなかった。
(何で私ここに?たしか、魔物の討伐に行って・・・)
―コンコン
必死で思い出そうとしていたそのとき、部屋の扉がノックされた。
「聖女様、失礼いたします」
そう言って入ってきたのは、年老いた女性だった。
「具合はいかがですか?」
女性は優しい笑みを浮かべながら私のいるベッドまで近付くと、柔らかい声で尋ねた。
「あ・・・ここは・・・私は一体・・・」
「ここは魔物の森から一番近い場所にある宿です。聖女様は魔力切れを起こしてお倒れになられたのですよ」
「あ・・・」
そうだ、思い出した。そこで私はようやく今の自分の状況を理解した。
「申し遅れました。私はこの宿の女主人です。第一騎士団長様とは少々面識がありまして」
「あ、それでここまで・・・」
私の言葉に女性はニッコリと笑いながら頷いた。
私はそんな彼女に気になっていたことを尋ねた。
「あの、私どのくらい寝てたんですか?」
「聖女様がお倒れになられてから三日が経過しました」
「そ、そんなに・・・」
こんなことは初めてだった。どうやら私は無理をしすぎてしまったようだ。それでも怪我人を全員治すことが出来たので後悔はしていないが。
(だとしたら王太子殿下は先に帰ったのかな?)
彼はこの国の王太子なのだから何日も城を空けるわけにはいかないだろう。
その真意を確かめるべく、私はすぐにベッドから起き上がろうとしたが宿の女主人がそれを阻止した。
「聖女様、まだ体が完全には回復しておりません。なのでもう少しお休みになられてください」
「あ・・・はい・・・」
彼女の真剣な眼差しに、私は頷きざるを得なかった。
◇◆◇◆◇◆
結局、私が外に出ることが出来たのは倒れてから五日後のことだった。今から馬車に乗って王宮へ戻るところである。
―「聖女様、もう体は大丈夫なのですか?」
久しぶりに部屋から出た私に、騎士団長が声をかけた。
「ええ、もう平気です。ここまで運んでくださってありがとうございました」
「礼を言うのはこちらの方です」
そう言いながら安堵の表情を浮かべる騎士団長に、私は騎士たちの容体を尋ねた。
「負傷していた騎士様たちは大丈夫ですか?」
「はい、聖女様のおかげで皆ピンピンしてますよ。お疲れ様でした、聖女様」
騎士団長は私に深く頭を下げた。
「ありがとうございます、騎士団長様」
私は聖女として当然のことをしたまでだが、こんな風に感謝されるのはやはり嬉しい。
「殿下も聖女様のことを心配しておられました。そろそろ顔を見せに行ってはいかがですか?」
「え、殿下がですか・・・?」
(もうとっくに王宮に戻ったと思っていたのに・・・)
そんな私の疑問を読んだのか、騎士団長がクスクス笑いながら付け加えた。
「殿下がおっしゃったのですよ。聖女様が全回復するところを見るまで王宮には帰らないと」
「え・・・」
そのとき、私の脳裏に浮かんだのは最後に見た殿下の姿だった。あんなにも感情を露わにした彼は初めて見たような気がする。
「王太子殿下だけではありません。私を含めたほとんどの騎士が殿下と同じ気持ちでここに残っています。勇者様だけは一足先にお帰りになられましたが・・・」
「そうだったのですね・・・」
(アレックスはもう帰ったんだ・・・)
むしろ早めに帰ってくれてよかった。これでもう彼に会うことはないだろうし。
実は部屋を出たときからアレックスに会ったらどうしようかと思っていたが、そんな心配は杞憂だったようだ。
「そういえば、騎士団長様は王太子殿下と親しいのですね」
「そう見えますか?」
私の言葉に、騎士団長が照れたように笑った。
第一騎士団の団長は強面で貴族たちからは恐れられているけれど、本当は部下思いで優しい方だ。何度か騎士団の討伐に参加した私にはそれが分かる。
(殿下とは親子くらいの歳の差があるけど・・・)
王太子殿下とあれほど砕けて話している人は騎士団長だけだと思う。
「そうですね、殿下が幼い頃から傍にいますから・・・」
「・・・!そうだったのですね」
第一騎士団長は王太子殿下にかなり信頼されているようだったが、その理由が分かった気がした。彼ら二人はかなり長い付き合いだったようだ。
「王太子殿下は非常に優秀な方です。剣の腕も立ち、さらには司令塔としての役割もしてくださるので私共はいつも殿下に助けられております」
「あ、だからさっき私に対してあんな風に言ってたんですか?」
そこで私は先ほどの騎士団長の言葉を思い出した。
『殿下はそう簡単にやられる人ではありませんから』
『そのことはきっとこれからよくお分かりになられると思いますよ』
(あのときは不思議に思ってたけど・・・)
私が知らなかっただけで、殿下はかなり戦い慣れているらしい。
「はい、一対一の勝負であれば殿下が負けることはまずありえません」
「・・・驚きました。殿下はそんなにお強い方だったのですね」
「ハハハ、まあ驚くのも無理はないでしょう」
騎士団長はそこまで言うとコホンと咳払いをした。
「さぁ、そろそろ行きましょうか。王太子殿下が馬車の中で聖女様を待っていらっしゃるはずです」
「・・・!」
(そうだ・・・殿下・・・)
倒れてから殿下とは一度も会っていない。倒れたときに見たひどく動揺した彼の姿が今も脳裏に染み付いている。
これは一刻も早く会いに行った方が良いだろう。
私は騎士団長のその言葉に軽く頷いてすぐに殿下の元へと向かった。
「ふぅ・・・」
ずっと光魔法を使い続けているせいか、既にかなり疲れが溜まっていた。
魔物の討伐の後は毎回かなりの負傷者が出る。そのため私の使用する魔力量も自然と増えるのだ。
一人、また一人と光魔法を使用していくたびに私の体は少しずつ重くなっていった。もう限界も近いのだろう。それは自分自身が一番分かっていた。しかし―
(まだまだ負傷者はいるのよ、何としてでも全員治してみせる)
私にはやり遂げなければいけないことがある。それまで倒れるわけにはいかない。
そんなことを考えていたそのとき、突然肩に手を置かれた。
驚いて振り向くと、王太子殿下が私の肩に優しく手を置いて顔を覗き込んでいた。
「ソフィア嬢、大丈夫か?」
「殿下・・・」
隣にいた殿下がそう言いながら私の額の汗を清潔なハンカチで拭ってくれた。そんな彼の優しさに私は何度助けられたことか。それも今に始まったことではない。
「ありがとうございます、殿下」
温かい目で私を見守っていてくれる王太子殿下が、気付けば私の心の支えとなっていた。
それから私は、時々王太子殿下の力も借りながら負傷者全員に光魔法を使っていった。
(よし、これで全員!)
そうして最後の一人に魔法を使用した途端、私の体は急にぐらりと傾き始めた。
(・・・・・・・あれ?)
自分でも何が起こったのか分からない。だけど何故だか目の前が真っ暗になり、身体が沈んでいくような不思議な感覚に襲われる。
「聖女様!!!」
「ソフィア嬢!!!」
倒れていく私の体を王太子殿下が両手で受け止めた。冷たくなっていた体に温もりが伝わってくる。それとほぼ同時に襲ってきたのは、強烈な眠気。
(何か眠いな・・・)
王太子殿下が深刻そうな表情で私に何かを言っているが、このときの私には何も聞こえなかった。
そして、私はそのまま殿下の腕の中で意識を手放した―
◇◆◇◆◇◆
「・・・・・・あれ?」
次に目覚めたのは、ベッドの上だった。いつもと違う天井。見覚えのない光景が広がっていた。
(・・・ここはどこだろう?)
私はそう思い、ベッドから上半身だけを起こして辺りを見渡してみる。体は少し重たかったが、動けないほどではなかった。
体を起こした私の視界に広がったのは、見たこともない場所。自分が何故ここにいるのかもよく分からなかった。
(何で私ここに?たしか、魔物の討伐に行って・・・)
―コンコン
必死で思い出そうとしていたそのとき、部屋の扉がノックされた。
「聖女様、失礼いたします」
そう言って入ってきたのは、年老いた女性だった。
「具合はいかがですか?」
女性は優しい笑みを浮かべながら私のいるベッドまで近付くと、柔らかい声で尋ねた。
「あ・・・ここは・・・私は一体・・・」
「ここは魔物の森から一番近い場所にある宿です。聖女様は魔力切れを起こしてお倒れになられたのですよ」
「あ・・・」
そうだ、思い出した。そこで私はようやく今の自分の状況を理解した。
「申し遅れました。私はこの宿の女主人です。第一騎士団長様とは少々面識がありまして」
「あ、それでここまで・・・」
私の言葉に女性はニッコリと笑いながら頷いた。
私はそんな彼女に気になっていたことを尋ねた。
「あの、私どのくらい寝てたんですか?」
「聖女様がお倒れになられてから三日が経過しました」
「そ、そんなに・・・」
こんなことは初めてだった。どうやら私は無理をしすぎてしまったようだ。それでも怪我人を全員治すことが出来たので後悔はしていないが。
(だとしたら王太子殿下は先に帰ったのかな?)
彼はこの国の王太子なのだから何日も城を空けるわけにはいかないだろう。
その真意を確かめるべく、私はすぐにベッドから起き上がろうとしたが宿の女主人がそれを阻止した。
「聖女様、まだ体が完全には回復しておりません。なのでもう少しお休みになられてください」
「あ・・・はい・・・」
彼女の真剣な眼差しに、私は頷きざるを得なかった。
◇◆◇◆◇◆
結局、私が外に出ることが出来たのは倒れてから五日後のことだった。今から馬車に乗って王宮へ戻るところである。
―「聖女様、もう体は大丈夫なのですか?」
久しぶりに部屋から出た私に、騎士団長が声をかけた。
「ええ、もう平気です。ここまで運んでくださってありがとうございました」
「礼を言うのはこちらの方です」
そう言いながら安堵の表情を浮かべる騎士団長に、私は騎士たちの容体を尋ねた。
「負傷していた騎士様たちは大丈夫ですか?」
「はい、聖女様のおかげで皆ピンピンしてますよ。お疲れ様でした、聖女様」
騎士団長は私に深く頭を下げた。
「ありがとうございます、騎士団長様」
私は聖女として当然のことをしたまでだが、こんな風に感謝されるのはやはり嬉しい。
「殿下も聖女様のことを心配しておられました。そろそろ顔を見せに行ってはいかがですか?」
「え、殿下がですか・・・?」
(もうとっくに王宮に戻ったと思っていたのに・・・)
そんな私の疑問を読んだのか、騎士団長がクスクス笑いながら付け加えた。
「殿下がおっしゃったのですよ。聖女様が全回復するところを見るまで王宮には帰らないと」
「え・・・」
そのとき、私の脳裏に浮かんだのは最後に見た殿下の姿だった。あんなにも感情を露わにした彼は初めて見たような気がする。
「王太子殿下だけではありません。私を含めたほとんどの騎士が殿下と同じ気持ちでここに残っています。勇者様だけは一足先にお帰りになられましたが・・・」
「そうだったのですね・・・」
(アレックスはもう帰ったんだ・・・)
むしろ早めに帰ってくれてよかった。これでもう彼に会うことはないだろうし。
実は部屋を出たときからアレックスに会ったらどうしようかと思っていたが、そんな心配は杞憂だったようだ。
「そういえば、騎士団長様は王太子殿下と親しいのですね」
「そう見えますか?」
私の言葉に、騎士団長が照れたように笑った。
第一騎士団の団長は強面で貴族たちからは恐れられているけれど、本当は部下思いで優しい方だ。何度か騎士団の討伐に参加した私にはそれが分かる。
(殿下とは親子くらいの歳の差があるけど・・・)
王太子殿下とあれほど砕けて話している人は騎士団長だけだと思う。
「そうですね、殿下が幼い頃から傍にいますから・・・」
「・・・!そうだったのですね」
第一騎士団長は王太子殿下にかなり信頼されているようだったが、その理由が分かった気がした。彼ら二人はかなり長い付き合いだったようだ。
「王太子殿下は非常に優秀な方です。剣の腕も立ち、さらには司令塔としての役割もしてくださるので私共はいつも殿下に助けられております」
「あ、だからさっき私に対してあんな風に言ってたんですか?」
そこで私は先ほどの騎士団長の言葉を思い出した。
『殿下はそう簡単にやられる人ではありませんから』
『そのことはきっとこれからよくお分かりになられると思いますよ』
(あのときは不思議に思ってたけど・・・)
私が知らなかっただけで、殿下はかなり戦い慣れているらしい。
「はい、一対一の勝負であれば殿下が負けることはまずありえません」
「・・・驚きました。殿下はそんなにお強い方だったのですね」
「ハハハ、まあ驚くのも無理はないでしょう」
騎士団長はそこまで言うとコホンと咳払いをした。
「さぁ、そろそろ行きましょうか。王太子殿下が馬車の中で聖女様を待っていらっしゃるはずです」
「・・・!」
(そうだ・・・殿下・・・)
倒れてから殿下とは一度も会っていない。倒れたときに見たひどく動揺した彼の姿が今も脳裏に染み付いている。
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