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本編
16 出発
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そしてついにその日はやって来た。
「・・・」
騎士団の討伐について行く日の朝、私は部屋で着替えをしていた。いつもの私なら一人で着替えを済ませてしまうところだが、今回ばかりはそうはいかなかった。今日私が着る服は既に用意されていて、数人の侍女が私の着替えを手伝っている状態だ。
この日の私はというと、少しだけ憂鬱な気持ちになっていた。今回の討伐には勇者であるアレックスも一緒に来るからだ。
(・・・まさか前みたいに二人一緒の馬車で行くとかないよね?)
私は聖女として用意された服に袖を通しながらもそんな不安を抱いていた。
私とアレックスが婚約者だった頃、私たちは二人一緒の馬車で魔物のいる森へと向かっていた。馬車の中でたわいもない話をしたり、二人の将来について話し合ったりもしていた。
しかし、私たちの婚約が解消されアレックスが王女殿下の婚約者となった今、元婚約者の私と同じ馬車で行くというのはあまり良くないだろう。
(それにもし同じ馬車になったら気まずすぎる・・・)
特にアレックスと話すこともないし、王女殿下に変に嫉妬されるのも困る。理由は分からないが、ただでさえ彼女から敵視されているのだ。これ以上の面倒事は御免である。
私は心の中でどうかそうなりませんようにとただただ祈った。
「・・・・・・何をお考えですか?」
「あ」
そんな私の様子を不思議に思った侍女の一人が尋ねた。
「あ、いえ・・・」
アレックスとアンジェリカ王女殿下のことについて考えていましただなんて言えるはずもなく、私は言葉を濁した。
「今から魔物の討伐について行くというのに随分と余裕がおありなんですね。どうやら聖女様はよほど自分の力に自信があるようです」
「・・・」
言葉に詰まる私を見て侍女は嘲笑うかようにそう言った。
部屋にいたほかの侍女も彼女の不敬すぎる発言を咎めることはなかった。それどころかそんなことを言われた私を見てクスクスと笑っている。手で口元を隠してはいるが、彼女たちの細められた目がそれを物語っていた。
私はというと、そんな侍女たちを叱る気にもなれなかった。
(そうだよね、今はそんなこと言ってる場合じゃない。きっと今回の討伐でもたくさんの負傷者が出るはず。気合い入れないとね!)
私はそう思い、気合いを入れるために頬をパンパンと叩いた。突然の行動に侍女たちはうわぁ・・・と引いた目で見ていたが、気にもならなかった。
ふと、鏡に映った自分をじっと見つめてみる。
「・・・」
そこにいたのはまさに「聖女」だった。
(これが・・・私・・・?)
王宮にいる侍女たちの力を借りれば大して美しくもない私でも立派な聖女に見えるんだなと少しだけ感心した。
◇◆◇◆◇◆
着替えを終えた私は森へ向かうために自分が乗る馬車までの道を歩いた。
後ろには何人もの侍女がついて来ている。まるで高貴な身分の人間になったかのような気分だ。
(ハァ・・・今着ているこの服も後ろにいる侍女たちも何だか気後れしちゃうなぁ・・・)
私は今着ている聖女の装いは歩きづらいからあまり好きではない。かといって貴族令嬢が着ているような華美なドレスも嫌いだ。私は平民だった頃によく着ていた動きやすい質素なワンピースが一番好きだった。出来ることなら魔物の討伐も自分の好きな格好で行きたかった。
しかしその要望を言ったところで叶うことは無いので我慢するほかない。
(私にもっと聖女としての力があればなぁ・・・)
私は歩きながらそう思わざるを得なかった。
大聖女とまで言われた先代聖女のアイリス様は強力な光魔法を使えることはもちろん、聖女としての力もとんでもなかったそうだ。そのため彼女が聖女だった頃は騎士団の魔物の討伐すらもなかったらしい。彼女が聖堂で祈りを捧げるだけで魔物たちは大人しくなり、国は豊かになったから。
それに比べて私はというと、ただ単に光魔法が使えるだけの女。
森の魔物が暴れ始めたのもアイリス様が亡くなってからだった。私に彼女ほどの力があればよかったのだろうが、どう考えても今の私には無理だろう。
「―聖女様がご到着なさいました」
「!」
後ろを歩いていた侍女の言葉でハッとなって現実に引き戻された。
どうやら考えているうちに私が乗る馬車まで着いたようだ。
今の私の望みはただ一つ。
(どうかアレックスがいませんように!)
そう願いながら馬車の方に目をやった私の視線の先にいたのは予想外の人物だった。
「お、王太子殿下?」
「ソフィア嬢、また会ったな」
何と、私が乗る馬車の前に立っていたのは王太子殿下だった。馬車の傍にいる彼はいつも身に着けている王子の服ではなく、騎士のような装いをしていた。
(どうして殿下が?いつもならアレックスが待っているはずなのに)
そう、今までそこにいたのは王太子殿下ではなくアレックスだった。
それなのに何故王太子殿下がいるのだろうか。そもそも彼は魔物の討伐に参加するような立場の人間ではない。何てったってこの国の王太子殿下なのだから。
私が不思議そうに殿下を見つめていると、彼はそんな私の心の中の読んだのか事情を説明し始めた。
「実は、今回の討伐には私も参加することになったんだ」
「え!?王太子殿下がですか・・・?」
私はそのことにかなり驚いた。王太子なのにあのような危険な場所へ行ってもいいのだろうか。
(大丈夫なのかな・・・?)
心配する私をよそに、殿下は言葉を続けた。
「ああ、だから君を待っていたんだ」
「私を・・・ですか・・・?」
私は殿下のその言葉に首をかしげた。
(何故私を待つ必要があるの・・・?)
「君と同じ馬車に乗ろうと思って」
「・・・・・・・・・・・・・・・・え!?」
気付けば、私はつい大声を出してしまっていた。彼の発言はそれほどに衝撃的なものだったからだ。
(わ、私が王太子殿下と同じ馬車に!?!?!?)
私はそのことに驚きすぎてしばらく声が出すことが出来なかった。
「・・・」
口を開けたまま固まった私を見て王太子殿下がハハハと笑った。
「君は本当に見ていて飽きないな」
「え・・・だ、だって・・・」
王太子殿下はそう言って、少しだけ頬を染めて私を見つめた。相変わらず顔が良い。
「だがソフィア嬢、考えてもみろ。勇者アレックスは今はアンジェリカの婚約者だ。そんな彼と同じ馬車に乗りでもしたら良からぬ噂が立ってしまうかもしれないだろう?」
「あ・・・」
王太子殿下の言葉に妙に納得した自分がいた。だから殿下は私と同じ馬車に乗ることを決めたのだろうか。殿下がわざわざ私と同じ馬車に乗る理由は無いが、そういうことなら理解出来る。
(それはその通りだし、願ってもなかったことだけど・・・)
「・・・ですが殿下、王宮にいなくても大丈夫なのですか?」
彼はこの国に必要な人材だ。王宮にいなければいけないのではないか。
私の問いに殿下は少しだけ口角を上げて笑みを浮かべた。
「私のことを心配してくれているのか?それなら大丈夫だ。今回のことは陛下も既に知っているからな」
「え、陛下もですか・・・?」
どうやら彼は事前に国王陛下に許可を貰っていたようだ。
(それなら、私がどうこう言えることではないけれど・・・)
それでもやはり心配だ。彼の笑顔を見ても、私の心の中にある不安感は拭えなかった。
じっと考え込む私に王太子殿下が声をかけた。
「さぁ、ソフィア嬢。そろそろ行こうか」
「あ、はい・・・」
そうして私は王太子殿下と二人、同じ馬車で魔物のいる森へと向かうことになった。
「・・・」
騎士団の討伐について行く日の朝、私は部屋で着替えをしていた。いつもの私なら一人で着替えを済ませてしまうところだが、今回ばかりはそうはいかなかった。今日私が着る服は既に用意されていて、数人の侍女が私の着替えを手伝っている状態だ。
この日の私はというと、少しだけ憂鬱な気持ちになっていた。今回の討伐には勇者であるアレックスも一緒に来るからだ。
(・・・まさか前みたいに二人一緒の馬車で行くとかないよね?)
私は聖女として用意された服に袖を通しながらもそんな不安を抱いていた。
私とアレックスが婚約者だった頃、私たちは二人一緒の馬車で魔物のいる森へと向かっていた。馬車の中でたわいもない話をしたり、二人の将来について話し合ったりもしていた。
しかし、私たちの婚約が解消されアレックスが王女殿下の婚約者となった今、元婚約者の私と同じ馬車で行くというのはあまり良くないだろう。
(それにもし同じ馬車になったら気まずすぎる・・・)
特にアレックスと話すこともないし、王女殿下に変に嫉妬されるのも困る。理由は分からないが、ただでさえ彼女から敵視されているのだ。これ以上の面倒事は御免である。
私は心の中でどうかそうなりませんようにとただただ祈った。
「・・・・・・何をお考えですか?」
「あ」
そんな私の様子を不思議に思った侍女の一人が尋ねた。
「あ、いえ・・・」
アレックスとアンジェリカ王女殿下のことについて考えていましただなんて言えるはずもなく、私は言葉を濁した。
「今から魔物の討伐について行くというのに随分と余裕がおありなんですね。どうやら聖女様はよほど自分の力に自信があるようです」
「・・・」
言葉に詰まる私を見て侍女は嘲笑うかようにそう言った。
部屋にいたほかの侍女も彼女の不敬すぎる発言を咎めることはなかった。それどころかそんなことを言われた私を見てクスクスと笑っている。手で口元を隠してはいるが、彼女たちの細められた目がそれを物語っていた。
私はというと、そんな侍女たちを叱る気にもなれなかった。
(そうだよね、今はそんなこと言ってる場合じゃない。きっと今回の討伐でもたくさんの負傷者が出るはず。気合い入れないとね!)
私はそう思い、気合いを入れるために頬をパンパンと叩いた。突然の行動に侍女たちはうわぁ・・・と引いた目で見ていたが、気にもならなかった。
ふと、鏡に映った自分をじっと見つめてみる。
「・・・」
そこにいたのはまさに「聖女」だった。
(これが・・・私・・・?)
王宮にいる侍女たちの力を借りれば大して美しくもない私でも立派な聖女に見えるんだなと少しだけ感心した。
◇◆◇◆◇◆
着替えを終えた私は森へ向かうために自分が乗る馬車までの道を歩いた。
後ろには何人もの侍女がついて来ている。まるで高貴な身分の人間になったかのような気分だ。
(ハァ・・・今着ているこの服も後ろにいる侍女たちも何だか気後れしちゃうなぁ・・・)
私は今着ている聖女の装いは歩きづらいからあまり好きではない。かといって貴族令嬢が着ているような華美なドレスも嫌いだ。私は平民だった頃によく着ていた動きやすい質素なワンピースが一番好きだった。出来ることなら魔物の討伐も自分の好きな格好で行きたかった。
しかしその要望を言ったところで叶うことは無いので我慢するほかない。
(私にもっと聖女としての力があればなぁ・・・)
私は歩きながらそう思わざるを得なかった。
大聖女とまで言われた先代聖女のアイリス様は強力な光魔法を使えることはもちろん、聖女としての力もとんでもなかったそうだ。そのため彼女が聖女だった頃は騎士団の魔物の討伐すらもなかったらしい。彼女が聖堂で祈りを捧げるだけで魔物たちは大人しくなり、国は豊かになったから。
それに比べて私はというと、ただ単に光魔法が使えるだけの女。
森の魔物が暴れ始めたのもアイリス様が亡くなってからだった。私に彼女ほどの力があればよかったのだろうが、どう考えても今の私には無理だろう。
「―聖女様がご到着なさいました」
「!」
後ろを歩いていた侍女の言葉でハッとなって現実に引き戻された。
どうやら考えているうちに私が乗る馬車まで着いたようだ。
今の私の望みはただ一つ。
(どうかアレックスがいませんように!)
そう願いながら馬車の方に目をやった私の視線の先にいたのは予想外の人物だった。
「お、王太子殿下?」
「ソフィア嬢、また会ったな」
何と、私が乗る馬車の前に立っていたのは王太子殿下だった。馬車の傍にいる彼はいつも身に着けている王子の服ではなく、騎士のような装いをしていた。
(どうして殿下が?いつもならアレックスが待っているはずなのに)
そう、今までそこにいたのは王太子殿下ではなくアレックスだった。
それなのに何故王太子殿下がいるのだろうか。そもそも彼は魔物の討伐に参加するような立場の人間ではない。何てったってこの国の王太子殿下なのだから。
私が不思議そうに殿下を見つめていると、彼はそんな私の心の中の読んだのか事情を説明し始めた。
「実は、今回の討伐には私も参加することになったんだ」
「え!?王太子殿下がですか・・・?」
私はそのことにかなり驚いた。王太子なのにあのような危険な場所へ行ってもいいのだろうか。
(大丈夫なのかな・・・?)
心配する私をよそに、殿下は言葉を続けた。
「ああ、だから君を待っていたんだ」
「私を・・・ですか・・・?」
私は殿下のその言葉に首をかしげた。
(何故私を待つ必要があるの・・・?)
「君と同じ馬車に乗ろうと思って」
「・・・・・・・・・・・・・・・・え!?」
気付けば、私はつい大声を出してしまっていた。彼の発言はそれほどに衝撃的なものだったからだ。
(わ、私が王太子殿下と同じ馬車に!?!?!?)
私はそのことに驚きすぎてしばらく声が出すことが出来なかった。
「・・・」
口を開けたまま固まった私を見て王太子殿下がハハハと笑った。
「君は本当に見ていて飽きないな」
「え・・・だ、だって・・・」
王太子殿下はそう言って、少しだけ頬を染めて私を見つめた。相変わらず顔が良い。
「だがソフィア嬢、考えてもみろ。勇者アレックスは今はアンジェリカの婚約者だ。そんな彼と同じ馬車に乗りでもしたら良からぬ噂が立ってしまうかもしれないだろう?」
「あ・・・」
王太子殿下の言葉に妙に納得した自分がいた。だから殿下は私と同じ馬車に乗ることを決めたのだろうか。殿下がわざわざ私と同じ馬車に乗る理由は無いが、そういうことなら理解出来る。
(それはその通りだし、願ってもなかったことだけど・・・)
「・・・ですが殿下、王宮にいなくても大丈夫なのですか?」
彼はこの国に必要な人材だ。王宮にいなければいけないのではないか。
私の問いに殿下は少しだけ口角を上げて笑みを浮かべた。
「私のことを心配してくれているのか?それなら大丈夫だ。今回のことは陛下も既に知っているからな」
「え、陛下もですか・・・?」
どうやら彼は事前に国王陛下に許可を貰っていたようだ。
(それなら、私がどうこう言えることではないけれど・・・)
それでもやはり心配だ。彼の笑顔を見ても、私の心の中にある不安感は拭えなかった。
じっと考え込む私に王太子殿下が声をかけた。
「さぁ、ソフィア嬢。そろそろ行こうか」
「あ、はい・・・」
そうして私は王太子殿下と二人、同じ馬車で魔物のいる森へと向かうことになった。
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