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本編
13 舞踏会
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それから数日後。
「・・・」
私は無駄に広い会場に一人でいた。
「見て、聖女様よ・・・」
「勇者様はどうしたのかしら?」
「あら、知らないの?噂では勇者様はもう・・・」
周りにいる貴族たちが私を見てヒソヒソと話している。それが私を褒めているわけではないのだということだけはよく伝わってくる。
私は舞踏会で完全に好奇の目にさらされていた。
(はぁ~~~~~~~~)
心の中で大きなため息をついた。
今日、私は王家主催の舞踏会に参加していた。舞踏会に参加するのはこれが初めてではない。ただ、一人で参加するのは初めてだ。私はいつもアレックスのエスコートで会場へ入っていたから。しかしアレックスはもう王女殿下の婚約者なので私をエスコートするわけにはいかない。他に親しい男性などいない私は一人で会場へ入るほかなかったのだ。
(早く帰りたい・・・)
それからしばらくしてアレックスと王女殿下が会場へと入ってきた。
今日の主役はこの二人だ。何故ならこの舞踏会はアレックスと王女殿下の婚約を貴族たちに知らせるためのものだからだ。もちろんそんなことを知らない貴族たちは二人と私を交互に見てザワザワしている。
そして、玉座に座る国王陛下が仲睦まじい様子で入場してきた二人を手招きして呼び寄せた。
「今日は皆に伝えたいことがある!自慢の我が娘アンジェリカと勇者アレックスがこの度婚約することになった!」
陛下のその言葉に貴族たちの間でどよめきが広がった。
(周りの視線が痛い・・・)
それから二人は会場の中央へ移動して踊り始める。アレックスは元々整った顔立ちをしている。絶世の美女と呼ばれる王女殿下と並んだら本当に絵になるなと思う。周りの貴族たちも突然の発表に最初は動揺しているようだったがダンスをする二人を見て口々にお似合いだと言い始めた。
私から見ても本当にお似合いな二人だと思う。やはり私はアレックスとは釣り合わなかったのだ。私は特別頭が良いわけでも、王女殿下ほどの美しさを持ち合わせているわけでもないのだから。
しばらくして二人のダンスが終了した。会場にいた貴族たちから盛大な拍手が起こる。ダンスを終えた二人の周りには一瞬にして人だかりが出来た。彼らはただただ二人を褒め称える言葉を口にしている。どうやら私の味方は誰もいないらしい。
(・・・分かってはいたけれど、何だか悲しくなるわね)
私は会場の隅に一人ポツンと取り残された。まるで美しい花の傍に目立たずひっそりと生えている雑草のようだ。誰一人としてその存在に気付かない。
(もう体調が悪いって言って抜けようかな・・・)
この場での私は招かれざる客なのだろう。
そう思ってその場を離れようとしたそのとき、突然すぐ傍から声がした。
「―ソフィア嬢」
(この声は・・・もしかして・・・!)
耳に入ってきたのは聞き覚えのある優しい声だった。
「殿下・・・!」
私に声をかけたのは、王太子殿下だった。どうやら彼もこの舞踏会に参加していたようだ。普段と違って髪の毛をしっかりとセットしているからかどこか雰囲気が違って見えた。しかしその美しさは相変わらず健在である。
「久しぶりだな、ソフィア嬢」
「はい、お久しぶりです」
そういえばここ最近舞踏会の準備が忙しくて王太子殿下に会っていなかったことに気付く。
「元気にしていたか?」
「はい、おかげさまで」
「そうか、それはよかった」
私の返事に殿下は満足げな笑みを浮かべた。
王太子殿下が色々と気遣ってくれたおかげで、ここ数日はわりと快適に過ごすことが出来ていた。
(本当に、殿下には感謝してもしきれないな)
そんなことを思っていたそのとき、殿下が突然私の手を取った。
「―ところでソフィア嬢。よければ私と一曲踊ってはくれないだろうか」
「・・・・・・え」
一瞬何かの聞き間違いかと思った。私が舞踏会で見た王太子殿下はいつもたくさんの令嬢に囲まれていたがその中の誰とも踊ることはなかったからだ。
「わ、私とですか・・・?」
「君以外に誰がいるんだ」
王太子殿下はそんな私の反応にクスリと笑いながらそう言った。
(ほ、本当に私と踊るつもりなの!?)
私はそのことに驚いたが、王太子殿下の誘いを断るわけにはいかない。
「・・・はい、喜んで」
私はそう言って王太子殿下の手をギュッと握り返した。
殿下はそんな私にフッと笑みを浮かべるとそのまま会場の中央へとエスコートする。アレックスと王女殿下に注がれていた視線が一気にこちらへと集まった。
(な、何か恥ずかしい・・・!)
注目されるのは初めてではないのに、何故だか今は少しだけ恥ずかしいと感じている自分がいた。
そして楽団が演奏を始める。私と王太子殿下はそれに合わせてステップを踏んだ。王太子殿下は物凄くリードが上手でとても踊りやすかった。流石は王子といったところだろうか。私はあまりダンスが得意ではないが彼のおかげで難無く踊ることが出来た。
ダンスの最中、私と目が合った王太子殿下は私にこれ以上ないくらい優しい笑みを向けた。アレックス以外の男性と関わってこなかった私は不覚にも少しだけドキッとした。
そうしてダンスが終了した。アレックスと王女殿下が踊っていたときと同じように盛大な拍手が起こった。その拍手はおそらく私ではなく王太子殿下に向けてのものなのだろうが。
「ソフィア嬢、少し外へ行こうか」
「あ、はい・・・」
王太子殿下は私の手を握ったまま会場の外へと歩き出した。その途中でアレックスとバチリと目が合った。彼は複雑そうな顔でこちらを見ていて、隣にいた王女殿下に関しては物凄く不機嫌そうだった。せっかくの美しい顔が台無しだ。
私はそんな二人の視線を無視し、王太子殿下に連れられるがまま外へ行った。
◇◆◇◆◇◆
会場の外へと出た王太子殿下はしばらく歩くと私の手をパッと離して私に向き直った。
「殿下・・・?」
振り返った殿下の紫色の瞳と目が合う。吸い込まれそうなほどに美しいその瞳はどこか切なさを帯びていた。
「ソフィア嬢」
「はい・・・」
殿下に名前を呼ばれて返事をする。その次に彼の口から出たのは意外な言葉だった。
「―君に、礼を言いたいんだ」
「・・・・・はい?」
私は殿下の言っていることの意味が分からなかった。私はお礼を言われるようなことなどしていない。むしろ感謝しているのは私の方だ。困惑する私をよそに、殿下は言葉を続けた。
「前会ったときに言おうかと思っていたんだが、君を助けることに夢中でつい忘れてしまっていた」
「それは一体・・・」
「あんなことを言ってくれたのは、君が初めてだった」
「・・・?」
突然何を言い出すのだろうか。私は殿下の言葉の意味が分からなくて首をかしげた。
「私の母は、君が前言った通りとても優しい人だったんだ」
「あ・・・」
それを聞いて私はようやく理解した。前に殿下と会ったとき、彼の母君である王妃陛下の話をしたのだ。私は殿下がそのことで気を悪くしたと思っていたが、逆だったようだ。
「側妃に嫉妬しているだとか冷たい女だとかそんなものはただの噂でしかない。それなのに貴族たちは皆それを信じた。母のことをよく知りもしないのに醜い女だと言った」
「殿下・・・」
そう言った殿下は悔しそうな顔をしていた。当然だろう。自分の親を悪く言われるのは誰だって嫌なものだ。
「―だけど、君だけは違った。これまで私の母のことを悪く言わなかったのは君だけだ。ありがとう、ソフィア嬢」
殿下は穏やかな笑みを浮かべてそう言った。その頬は僅かに赤く染まっている。私の発言がよほど嬉しかったのだろうか。何だか可愛い人だ。
私はそんな彼の様子に軽く笑いながら言った。
「いえ、ただ思ったことを口にしただけですよ」
「・・・・・!そうか・・・」
私の言葉を聞いた殿下はどこか嬉しそうだった。母君のことが本当に大好きだったのだろう。
私たちはそのまま会場に戻ることなくしばらくの間二人でいた。
「・・・」
私は無駄に広い会場に一人でいた。
「見て、聖女様よ・・・」
「勇者様はどうしたのかしら?」
「あら、知らないの?噂では勇者様はもう・・・」
周りにいる貴族たちが私を見てヒソヒソと話している。それが私を褒めているわけではないのだということだけはよく伝わってくる。
私は舞踏会で完全に好奇の目にさらされていた。
(はぁ~~~~~~~~)
心の中で大きなため息をついた。
今日、私は王家主催の舞踏会に参加していた。舞踏会に参加するのはこれが初めてではない。ただ、一人で参加するのは初めてだ。私はいつもアレックスのエスコートで会場へ入っていたから。しかしアレックスはもう王女殿下の婚約者なので私をエスコートするわけにはいかない。他に親しい男性などいない私は一人で会場へ入るほかなかったのだ。
(早く帰りたい・・・)
それからしばらくしてアレックスと王女殿下が会場へと入ってきた。
今日の主役はこの二人だ。何故ならこの舞踏会はアレックスと王女殿下の婚約を貴族たちに知らせるためのものだからだ。もちろんそんなことを知らない貴族たちは二人と私を交互に見てザワザワしている。
そして、玉座に座る国王陛下が仲睦まじい様子で入場してきた二人を手招きして呼び寄せた。
「今日は皆に伝えたいことがある!自慢の我が娘アンジェリカと勇者アレックスがこの度婚約することになった!」
陛下のその言葉に貴族たちの間でどよめきが広がった。
(周りの視線が痛い・・・)
それから二人は会場の中央へ移動して踊り始める。アレックスは元々整った顔立ちをしている。絶世の美女と呼ばれる王女殿下と並んだら本当に絵になるなと思う。周りの貴族たちも突然の発表に最初は動揺しているようだったがダンスをする二人を見て口々にお似合いだと言い始めた。
私から見ても本当にお似合いな二人だと思う。やはり私はアレックスとは釣り合わなかったのだ。私は特別頭が良いわけでも、王女殿下ほどの美しさを持ち合わせているわけでもないのだから。
しばらくして二人のダンスが終了した。会場にいた貴族たちから盛大な拍手が起こる。ダンスを終えた二人の周りには一瞬にして人だかりが出来た。彼らはただただ二人を褒め称える言葉を口にしている。どうやら私の味方は誰もいないらしい。
(・・・分かってはいたけれど、何だか悲しくなるわね)
私は会場の隅に一人ポツンと取り残された。まるで美しい花の傍に目立たずひっそりと生えている雑草のようだ。誰一人としてその存在に気付かない。
(もう体調が悪いって言って抜けようかな・・・)
この場での私は招かれざる客なのだろう。
そう思ってその場を離れようとしたそのとき、突然すぐ傍から声がした。
「―ソフィア嬢」
(この声は・・・もしかして・・・!)
耳に入ってきたのは聞き覚えのある優しい声だった。
「殿下・・・!」
私に声をかけたのは、王太子殿下だった。どうやら彼もこの舞踏会に参加していたようだ。普段と違って髪の毛をしっかりとセットしているからかどこか雰囲気が違って見えた。しかしその美しさは相変わらず健在である。
「久しぶりだな、ソフィア嬢」
「はい、お久しぶりです」
そういえばここ最近舞踏会の準備が忙しくて王太子殿下に会っていなかったことに気付く。
「元気にしていたか?」
「はい、おかげさまで」
「そうか、それはよかった」
私の返事に殿下は満足げな笑みを浮かべた。
王太子殿下が色々と気遣ってくれたおかげで、ここ数日はわりと快適に過ごすことが出来ていた。
(本当に、殿下には感謝してもしきれないな)
そんなことを思っていたそのとき、殿下が突然私の手を取った。
「―ところでソフィア嬢。よければ私と一曲踊ってはくれないだろうか」
「・・・・・・え」
一瞬何かの聞き間違いかと思った。私が舞踏会で見た王太子殿下はいつもたくさんの令嬢に囲まれていたがその中の誰とも踊ることはなかったからだ。
「わ、私とですか・・・?」
「君以外に誰がいるんだ」
王太子殿下はそんな私の反応にクスリと笑いながらそう言った。
(ほ、本当に私と踊るつもりなの!?)
私はそのことに驚いたが、王太子殿下の誘いを断るわけにはいかない。
「・・・はい、喜んで」
私はそう言って王太子殿下の手をギュッと握り返した。
殿下はそんな私にフッと笑みを浮かべるとそのまま会場の中央へとエスコートする。アレックスと王女殿下に注がれていた視線が一気にこちらへと集まった。
(な、何か恥ずかしい・・・!)
注目されるのは初めてではないのに、何故だか今は少しだけ恥ずかしいと感じている自分がいた。
そして楽団が演奏を始める。私と王太子殿下はそれに合わせてステップを踏んだ。王太子殿下は物凄くリードが上手でとても踊りやすかった。流石は王子といったところだろうか。私はあまりダンスが得意ではないが彼のおかげで難無く踊ることが出来た。
ダンスの最中、私と目が合った王太子殿下は私にこれ以上ないくらい優しい笑みを向けた。アレックス以外の男性と関わってこなかった私は不覚にも少しだけドキッとした。
そうしてダンスが終了した。アレックスと王女殿下が踊っていたときと同じように盛大な拍手が起こった。その拍手はおそらく私ではなく王太子殿下に向けてのものなのだろうが。
「ソフィア嬢、少し外へ行こうか」
「あ、はい・・・」
王太子殿下は私の手を握ったまま会場の外へと歩き出した。その途中でアレックスとバチリと目が合った。彼は複雑そうな顔でこちらを見ていて、隣にいた王女殿下に関しては物凄く不機嫌そうだった。せっかくの美しい顔が台無しだ。
私はそんな二人の視線を無視し、王太子殿下に連れられるがまま外へ行った。
◇◆◇◆◇◆
会場の外へと出た王太子殿下はしばらく歩くと私の手をパッと離して私に向き直った。
「殿下・・・?」
振り返った殿下の紫色の瞳と目が合う。吸い込まれそうなほどに美しいその瞳はどこか切なさを帯びていた。
「ソフィア嬢」
「はい・・・」
殿下に名前を呼ばれて返事をする。その次に彼の口から出たのは意外な言葉だった。
「―君に、礼を言いたいんだ」
「・・・・・はい?」
私は殿下の言っていることの意味が分からなかった。私はお礼を言われるようなことなどしていない。むしろ感謝しているのは私の方だ。困惑する私をよそに、殿下は言葉を続けた。
「前会ったときに言おうかと思っていたんだが、君を助けることに夢中でつい忘れてしまっていた」
「それは一体・・・」
「あんなことを言ってくれたのは、君が初めてだった」
「・・・?」
突然何を言い出すのだろうか。私は殿下の言葉の意味が分からなくて首をかしげた。
「私の母は、君が前言った通りとても優しい人だったんだ」
「あ・・・」
それを聞いて私はようやく理解した。前に殿下と会ったとき、彼の母君である王妃陛下の話をしたのだ。私は殿下がそのことで気を悪くしたと思っていたが、逆だったようだ。
「側妃に嫉妬しているだとか冷たい女だとかそんなものはただの噂でしかない。それなのに貴族たちは皆それを信じた。母のことをよく知りもしないのに醜い女だと言った」
「殿下・・・」
そう言った殿下は悔しそうな顔をしていた。当然だろう。自分の親を悪く言われるのは誰だって嫌なものだ。
「―だけど、君だけは違った。これまで私の母のことを悪く言わなかったのは君だけだ。ありがとう、ソフィア嬢」
殿下は穏やかな笑みを浮かべてそう言った。その頬は僅かに赤く染まっている。私の発言がよほど嬉しかったのだろうか。何だか可愛い人だ。
私はそんな彼の様子に軽く笑いながら言った。
「いえ、ただ思ったことを口にしただけですよ」
「・・・・・!そうか・・・」
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