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本編
9 聖女の活動
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聖女としての功績を残すことを決めた翌日。
私は空いた時間を自室で過ごしていた。魔法の特訓やマナーの授業が終わって一息ついていた頃だった。
私は机の上に開いていた本をパタリと閉じてハァとため息をついた。
(本当に暇だわ・・・・・・)
王宮では本を読むぐらいしかすることがない。貴族のご令嬢が空いた時間に何をするのかというと、大体は本を読むか刺繍をするかお茶会を開くからしい。しかし私は刺繍なんてものはやったことがないし、出来る気もしない。お茶会には少々興味があったが、あいにく私には招待するほど親しくしている人がいない。
(一人でお茶会はいくらなんでも悲しすぎるよね・・・)
そんなことをしたらまた王女殿下や貴族たちに馬鹿にされてしまうだろう。それならしない方がマシだ。
本当なら昨日のようにまた教会へ行きたかったが、二日連続で行ったりでもしたら本当に何を言われるか分からない。実際、昨日も侍女からそのことに対して小言を言われたのだ。
『何度も言っていますがソフィア様は聖女なのですから、今後そのような勝手な行動はお控えください』
彼女は何の感情も映していない無機質な瞳で私を見てそう言った。
私の周りにいる人間は事あるごとに私の行動を制限しようとした。聖女なのだからあまり勝手な行動はするな、いつもそう言って私を叱責した。
きっと彼らは私が王宮で大人しくしていることを望んでいるのだろう。ただただ国のために生き、国のために死ぬ。この国の歴代聖女も大半がそうだったと聞く。自身の幸せを願うことも自由を求めることも許されず、籠の中の鳥のように王宮で飼われ続けていた。
そんな彼女たちは一体どのような思いでこの王宮にいたのだろうか。歴代聖女たちのことを考えると胸がギュッと締め付けられた。
(あそこへはもう行くな、か・・・)
王侯貴族からすればそれは当たり前のことなのかもしれないが、平民として村で育った私にとってはどうしても窮屈に感じた。平民だった頃が懐かしい。気付けば最近はそんなことばかりを考えるようになっていた。もう二度とあの頃には戻れないのだと思うと何だか寂しくなる。
「・・・」
思えば今までに何度も私は王国唯一の聖女であり、代えのきかない存在なのだと言われてきた。だから勝手なことはするなと。
(・・・決して私の身を案じているというわけではないのよね)
私は彼らが私のためを思ってそれを言っているのではないということをよく知っている。あの人たちは私を”聖女”としてしか見ていないのだから。
―聖女
この国ではかなり珍しい光魔法が使える女性。たったそれだけで私は平民であったにもかかわらず、国王や王太子のいるこの王宮で贅沢な暮らしをしている。この場所を、聖女とはどういうものなのかを知らない平民たちからすればきっと羨ましいと思うに違いない。私も最初は似たような考えを持っていた。
しかし、今ではそれは違ったのだとハッキリと言うことが出来る。
光魔法が使えなくなったらその時点で聖女としての価値が無くなってしまうからだ。突然聖女としての力を失うことが無いとも言い切れない。つまり、いつ捨てられるか分からないということである。
(ハァ・・・一体、何をすれば立派な聖女だと言うの・・・?)
私はそう思いながら机に突っ伏した。
先代聖女であるアイリス様は高位貴族の出身ではあったが、身分関係なく誰にでも平等に接するまさに女神のような方だったと聞く。そんなアイリス様は強力な光魔法の使い手だった。今の私なんて到底及ばないほどの力を持っていたそうだ。
そんなアイリス様は私が生まれる前に病気で亡くなってしまったけれど、かつて彼女に命を救われた民は多く、今でもその人気は絶大だ。
(アイリス様だって、よく市井へ下りて民たちと交流していたみたいだし・・・)
何をすれば聖女として正しいのか。侍女や講師たちの言うことは本当に正しいのか。
私はこのとき、どれだけ考えても正解に辿り着けなかった。
(・・・・・・・・・・・・・あれ?)
―ドタドタドタ
そのとき、突然部屋の外から物凄い足音がした。
その足音はだんだんこちらへと近づいてきている。どうやらその人物が私の部屋に向かって来ているのはたしかなようだ。
(何・・・?何かトラブル・・・?)
そう思ってすぐ、部屋の扉が開けられた。
「―聖女様!大変です!」
扉を勢い良く開けて部屋に入ってきたのは一人の侍女だった。
聖女である私の部屋にノックもせず勝手に入るなど無礼極まりないが、それほどに緊急事態なのだろう。ハァハァと息を切らしながらオロオロしている侍女を見た私は彼女の無作法を叱る気にもなれなかった。
「どうかしたのですか?」
私は慌てた様子の侍女に尋ねた。
今は目の前にある問題を解決することが先だと思ったからだ。
すると彼女は先ほどよりもずっと青くなった顔で、震える唇を動かした。
「ダグラス公爵様のご子息が大怪我をしたそうで、すぐに来ていただきたいと・・・!」
「!」
―大怪我をした。
その言葉に私はハッと息を呑んだ。一瞬にして部屋に緊張感が漂う。
(何ですって・・・)
怪我人がいるのなら聖女である私の出番だろう。大怪我をしているというのならなおさら放っておくわけにはいかない。
「分かりました、すぐに行きます!」
私は侍女にそれだけ言い、大急ぎで怪我人の元へと向かった。
◇◆◇◆◇◆
「聖女様!こっちです!」
私は侍女の案内ですぐに怪我人のいる部屋へと通された。
どうやら怪我人は医務室にいるらしい。ちょうど王宮に勤めている医師が不在だったようで、それで私の元へ来たのだという。
(間に合うといいけれど・・・!)
私はそう思いながら走り続けた。
「・・・・・・!」
部屋に入ると、一人の青年がベッドに横たわっていた。歳は私と同じくらいだろうか。服装からしてどう見ても高位貴族だ。そんな彼は頭から血を流していてピクリとも動かない。
(頭を打ったのかな・・・?)
私は詳しい状態を聞き出すために口を開いた。
「すみません、何故このような状況になったのですか?」
私は青年の傍に立っていた付き人と思しき男性に尋ねた。
すると男性はチラリと青年を見て言いにくそうに口ごもった。
「そ、それは・・・」
「?」
(何か言えないことでもあるのかな・・・?)
私がそう思って口を開こうとしたそのとき―
「―聖女様!早く治療をお願いします!」
立ち止まっていた私に部屋まで案内した侍女が鬼気迫った様子で声をかけた。
「あ、はい!」
その声で私はすぐに彼の体に手をかざして光魔法を発動させた。聖女として王宮にいるとは言っても、最近は魔物の討伐なども無く穏やかな日々を過ごしていた。そのため、重傷を負った怪我人の治療をするのは久しぶりだった。これはかなりの魔力を使いそうだ。
しかし、今はそんなこと言ってられない。
(どうかお願い!この人を助けて!)
―目の前にいるこの人を、絶対に助けたい。
私がそう願うと同時に、ひときわ大きな光が彼を包み込んだ。
―ボワァ!!!
(お願いよ・・・!)
私は必死でそう願いながら手に力を込めて魔法を発動させ続けた。何が何でも彼を救いたい、今の私にはそのことしか頭になかった。もし私の力が及ばず彼が死んでしまったらどうしよう、そんな不安も心のどこかにはあった。
そしていつものように光が消え、金色の粒子が彼に降り注いだ。
「あ・・・」
どうやら上手くいったようだ。彼の怪我は無事に完治し、傷一つない状態になっていた。
(良かった・・・!)
私はそのことに安心して息を吐いた。
「ふぅ・・・」
治療した後にやってくるのは大きな達成感だった。私は治療後にやってくるこの感覚が好きだった。
それからすぐ、一部始終を見ていた付き人の男性が感激したかのように私に言った。
「お坊ちゃま!本当に良かった・・・!ありがとうございます、聖女様!」
「ふふふ、どういたしまして」
私に対してそう言った男の人は泣きかけていた。
(そりゃあ心配よね・・・主君が大怪我をしたんだもの・・・)
私はそんな彼を見てクスリと笑みを溢した。こんな風に感謝されると気持ちが良いものだ。
「このことはお坊ちゃまにもお伝えいたします!お礼は必ず!」
「い、いえ・・・そこまでしていただかなくても・・・」
男の人は私の手を取ってブンブンと上下に振りながらそう言った。
(ちょっと大げさなんじゃ・・・)
完全にテンションが上がってしまっている男性を見て私が苦笑いを浮かべていたそのときだった―
―「あれ・・・?ここはどこだ・・・?」
「「「!?」」」
何と、先ほどまで意識を失っていた青年が目覚めたのである。
私は空いた時間を自室で過ごしていた。魔法の特訓やマナーの授業が終わって一息ついていた頃だった。
私は机の上に開いていた本をパタリと閉じてハァとため息をついた。
(本当に暇だわ・・・・・・)
王宮では本を読むぐらいしかすることがない。貴族のご令嬢が空いた時間に何をするのかというと、大体は本を読むか刺繍をするかお茶会を開くからしい。しかし私は刺繍なんてものはやったことがないし、出来る気もしない。お茶会には少々興味があったが、あいにく私には招待するほど親しくしている人がいない。
(一人でお茶会はいくらなんでも悲しすぎるよね・・・)
そんなことをしたらまた王女殿下や貴族たちに馬鹿にされてしまうだろう。それならしない方がマシだ。
本当なら昨日のようにまた教会へ行きたかったが、二日連続で行ったりでもしたら本当に何を言われるか分からない。実際、昨日も侍女からそのことに対して小言を言われたのだ。
『何度も言っていますがソフィア様は聖女なのですから、今後そのような勝手な行動はお控えください』
彼女は何の感情も映していない無機質な瞳で私を見てそう言った。
私の周りにいる人間は事あるごとに私の行動を制限しようとした。聖女なのだからあまり勝手な行動はするな、いつもそう言って私を叱責した。
きっと彼らは私が王宮で大人しくしていることを望んでいるのだろう。ただただ国のために生き、国のために死ぬ。この国の歴代聖女も大半がそうだったと聞く。自身の幸せを願うことも自由を求めることも許されず、籠の中の鳥のように王宮で飼われ続けていた。
そんな彼女たちは一体どのような思いでこの王宮にいたのだろうか。歴代聖女たちのことを考えると胸がギュッと締め付けられた。
(あそこへはもう行くな、か・・・)
王侯貴族からすればそれは当たり前のことなのかもしれないが、平民として村で育った私にとってはどうしても窮屈に感じた。平民だった頃が懐かしい。気付けば最近はそんなことばかりを考えるようになっていた。もう二度とあの頃には戻れないのだと思うと何だか寂しくなる。
「・・・」
思えば今までに何度も私は王国唯一の聖女であり、代えのきかない存在なのだと言われてきた。だから勝手なことはするなと。
(・・・決して私の身を案じているというわけではないのよね)
私は彼らが私のためを思ってそれを言っているのではないということをよく知っている。あの人たちは私を”聖女”としてしか見ていないのだから。
―聖女
この国ではかなり珍しい光魔法が使える女性。たったそれだけで私は平民であったにもかかわらず、国王や王太子のいるこの王宮で贅沢な暮らしをしている。この場所を、聖女とはどういうものなのかを知らない平民たちからすればきっと羨ましいと思うに違いない。私も最初は似たような考えを持っていた。
しかし、今ではそれは違ったのだとハッキリと言うことが出来る。
光魔法が使えなくなったらその時点で聖女としての価値が無くなってしまうからだ。突然聖女としての力を失うことが無いとも言い切れない。つまり、いつ捨てられるか分からないということである。
(ハァ・・・一体、何をすれば立派な聖女だと言うの・・・?)
私はそう思いながら机に突っ伏した。
先代聖女であるアイリス様は高位貴族の出身ではあったが、身分関係なく誰にでも平等に接するまさに女神のような方だったと聞く。そんなアイリス様は強力な光魔法の使い手だった。今の私なんて到底及ばないほどの力を持っていたそうだ。
そんなアイリス様は私が生まれる前に病気で亡くなってしまったけれど、かつて彼女に命を救われた民は多く、今でもその人気は絶大だ。
(アイリス様だって、よく市井へ下りて民たちと交流していたみたいだし・・・)
何をすれば聖女として正しいのか。侍女や講師たちの言うことは本当に正しいのか。
私はこのとき、どれだけ考えても正解に辿り着けなかった。
(・・・・・・・・・・・・・あれ?)
―ドタドタドタ
そのとき、突然部屋の外から物凄い足音がした。
その足音はだんだんこちらへと近づいてきている。どうやらその人物が私の部屋に向かって来ているのはたしかなようだ。
(何・・・?何かトラブル・・・?)
そう思ってすぐ、部屋の扉が開けられた。
「―聖女様!大変です!」
扉を勢い良く開けて部屋に入ってきたのは一人の侍女だった。
聖女である私の部屋にノックもせず勝手に入るなど無礼極まりないが、それほどに緊急事態なのだろう。ハァハァと息を切らしながらオロオロしている侍女を見た私は彼女の無作法を叱る気にもなれなかった。
「どうかしたのですか?」
私は慌てた様子の侍女に尋ねた。
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すると彼女は先ほどよりもずっと青くなった顔で、震える唇を動かした。
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「!」
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「分かりました、すぐに行きます!」
私は侍女にそれだけ言い、大急ぎで怪我人の元へと向かった。
◇◆◇◆◇◆
「聖女様!こっちです!」
私は侍女の案内ですぐに怪我人のいる部屋へと通された。
どうやら怪我人は医務室にいるらしい。ちょうど王宮に勤めている医師が不在だったようで、それで私の元へ来たのだという。
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「・・・・・・!」
部屋に入ると、一人の青年がベッドに横たわっていた。歳は私と同じくらいだろうか。服装からしてどう見ても高位貴族だ。そんな彼は頭から血を流していてピクリとも動かない。
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しかし、今はそんなこと言ってられない。
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そしていつものように光が消え、金色の粒子が彼に降り注いだ。
「あ・・・」
どうやら上手くいったようだ。彼の怪我は無事に完治し、傷一つない状態になっていた。
(良かった・・・!)
私はそのことに安心して息を吐いた。
「ふぅ・・・」
治療した後にやってくるのは大きな達成感だった。私は治療後にやってくるこの感覚が好きだった。
それからすぐ、一部始終を見ていた付き人の男性が感激したかのように私に言った。
「お坊ちゃま!本当に良かった・・・!ありがとうございます、聖女様!」
「ふふふ、どういたしまして」
私に対してそう言った男の人は泣きかけていた。
(そりゃあ心配よね・・・主君が大怪我をしたんだもの・・・)
私はそんな彼を見てクスリと笑みを溢した。こんな風に感謝されると気持ちが良いものだ。
「このことはお坊ちゃまにもお伝えいたします!お礼は必ず!」
「い、いえ・・・そこまでしていただかなくても・・・」
男の人は私の手を取ってブンブンと上下に振りながらそう言った。
(ちょっと大げさなんじゃ・・・)
完全にテンションが上がってしまっている男性を見て私が苦笑いを浮かべていたそのときだった―
―「あれ・・・?ここはどこだ・・・?」
「「「!?」」」
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