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取り巻きたちの様子が変 レイチェルside

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「だ、断罪……?誰を……?」
「シャルロッテ皇女にハワンズ嬢……もちろんフォース令息もだ」
「え……」


(ちょ、ちょっと待ってよ!全員私たちより上の人間じゃない!)


私はしがない男爵家の令嬢で、取り巻きの男たちは一番上でも侯爵令息。
いくら高位貴族が集まっているとはいえ、帝国の皇女と公爵家の人間二人を相手にやり合えるほどの権力は無い。
そんなのは子供でも分かることだ。


(断罪なんてしたら私のついた嘘がバレちゃうじゃない……!)


私はただシャルロッテ皇女からレオンハルト様を奪い取ることが出来ればそれで良かった。
皇女やハワンズ嬢から嫌がらせを受けたと取り巻きたちに言ったのはただ同情してほしかったというだけで、公の場で断罪するだなんてそんなのは望んでいない。


「いや……別にそこまでしなくてもいいんじゃない?」
「何を言っているんだ、レイチェル!君を貶めたヤツらだぞ!」
「そうだそうだ!あんなヤツらを庇うだなんて君は本当に優しいな!」
「その通りだ、アイツらを断罪しよう!」


一人が言い出すと、他の取り巻きたちまでもがその提案に賛同した。


(冗談でしょう…………!?)


彼らは自分が何を言ってるか分かっているのか。
とてもじゃないが正気の沙汰とは思えない。


(帝国と二つの公爵家二つを敵に回すだなんて、死んだも同然だわ)


何としてもこの状況を止めなければ。
そう思った私は勝手に話を進めてる取り巻きたちにハッキリと告げた。


「待って!私本当にそんなこと望んでないわ!皇女様たちを断罪するなんてそんなの間違ってる!」


両手を胸の前で組み、目を潤ませながら上目遣いをした。
私はこれで自分のお願いは何だって叶えてもらってきた。
だからこそ、今回も絶対に大丈夫だと思ってしまったのだ。


しかし、そんな私の考えは甘かったのだということを知る。


「ああ、レイチェル……君は本当に優しいな……」
「……え?」


取り巻きたちは私を熱のこもった目で見つめた。


「どこまでもあの性悪どもを庇うんだな……本当に君は女神の生まれ変わりか何かか?」
「……」
「惚れ直したよ、レイチェル。君は世界で最も高貴な女性だ」
「……」


彼らは全く聞く耳を持たなかった。


(どうして!?どうして私の言うことを聞いてくれないの!?)


今までそんなことは一度も無かったのに。
取り巻きの一人がうっとりとした目で私の頬に手を伸ばした。


(何……?何だか気持ち悪いわ……イヤ……ッ!)


私は反射的に彼の手を避けていた。
彼はその反応に傷付いた顔をすることも無く、ただただ愛しそうに私を見つめるだけだった。


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